紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

鉄扇

2007年06月16日 18時35分55秒 | 
辞書では「骨を鉄で作った扇、近世の武士の護身用」と書いてある。
今も護身用としてネットで売られている。こちら参照

前にも書きましたが、この鉄扇に紋を入れる、という事で美濃和紙に「丸に雲形輪に三柏」紋を入れました。
この和紙は別注の手漉きの和紙。
  
美濃和紙にうすーく「地紙」紋が鉛筆で描かれているのが分かるでしょうか。
幅43センチの大きな地紙紋です。そこに入れる紋の大きさは直径11センチ。結構大きいです。
この地紙紋を切抜いて鉄扇に貼りつけるのだそうです。
この寸法の地紙を貼った鉄扇の大きさは、七寸=24センチ位になります。
これで殴られたら一溜りも無いでしょう。こわ~


二つ版下・型を作り、その一つで金を刷込みました。


もう一つの型で紋の形をブラックで刷込みました。
     
      

下の鉄扇は、掛川城で見た日の丸紋の鉄線。
     

因みに、元注文者はこの鉄扇を、護身用ではなく、多くの刀の鍔の展示と並べて飾るようです。(発注者弁)世の中、贅を尽くし凝った人がいるものですね~

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