前ページに続き<略した紋>で困るもう一つは、瓦に入れた紋です。
上の写真は祝着に紋入れをする為に持ってこられた見本の紋で、鬼瓦についていた立派な紋です。これでは外の「隅立て井筒」は分かるのですが、中の雀の紋は輪郭さえも分かりづらい。これでは紋の描きようがありません。
瓦の紋は今現在は知りませんが、昔は木で紋形の雌型を作って瓦の土を嵌め込んで作ったそうです。木を手彫りするのですから、前述の墓石の紋より更に細かくは彫れません。
よく見かける「左三つ巴」の紋の様に、単純な紋でしたら綺麗に仕上げられると思います。
で、今まで描いた見本紋「井桁に雀」(紋帖には載っていません)=下図=を参考に紋(右)を作りました。
紋入れをする時の<見本>は、出来るなら<上絵師が描いた紋>を見本として出して欲しいと思う次第です。
ホームはこちら