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紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「珍しき紋」 (48)

2010年02月10日 18時02分22秒 | 珍しい紋
  
松茸型「並び松」?
「並び一本松」
「対い三階松」は描いた事はありますが、一階松の並びの紋は初めてです。
「花嫁のれん」の金沢からの張り紋の注文で描きました。

  
「丸に左一つ巴に小剣」とでも名付けましょうか。
秋田県出身の「長岐」姓の方からの、祝着の刷込み紋で描きました。

  
「丸に見本・杜若に水」
この紋は「田口」姓に比較的多く、祝着の刷込み紋です。

先日も東濃の田口さんから、紋の由来について問い合わせがありましたが、浅学な小姓、「きせき」さん
に振りました(汗)

この方の紋は、具象的な「杜若に水」紋でした。
  


「家紋ギャラリー」も残り僅かになりましたが、今まで不明で済ましてきた紋に、新たに紋名が分かる事もあります。
ひとえに私の勉強不足の性で、汗しきりです。
  
「見本・赤鳥」

とは言っても「鳥」ではなく、女性の櫛の垢取りの道具から紋章化されたものです。上部の丸は紐を通す穴です。
もう何十年前に描き、整理していたら原稿が出てきました。







「珍しき紋」 (47)

2009年09月18日 18時00分06秒 | 珍しい紋
墓石巡りでも変った紋に出会いますが、本業の上絵でも珍しい紋が入ってきます。

  
「見本・三巴字菱」
紋帖にも「三つ巴の字菱」はありますが、紋帖通りの紋でなく、初めて喪服に紋入れをしました。

  
「見本・三追い巴に二木」
加賀からの張り紋の注文で来ました。このような「三追い」の巴紋は紋帖にはないです。

  
「細輪に見本・六つ銭」
真田紋は「六文銭」ですが、この紋は「六つ星」風な紋です。前に書いた「筆七宝」紋と同じ<義太夫>?の方からの張り紋の注文です。

  
「見本・三重ね杉」
「三本杉」「三重ね杉」紋はいろいろと種類が多いです。祝着の刷込み紋紋です。

  
「見本・幣」
鈴木さんの紋で、この幣紋も種類が多いです。
先日訪れた墓地の鈴木さんの紋は ↓ 「見本・違い幣」
  


「珍しき紋」 (46)

2009年07月22日 18時46分32秒 | 珍しい紋
最近は「墓石巡り」で珍しい紋を紹介しましたが、久しぶりに紋入れした方から「珍しき紋」の紹介です。(仕事が少ないー涙)

  
 「見本・左向き月星」
祝着の紋入れで描きました。以前にも月と星の間隔が狭い紋は描いた事があります。
   「月」紋はこちら 

  
「外冠菱に山桜」
「外冠菱に花菱」紋は柴山姓で描いた事がありますが、こちらは初めて。張り紋の注文で来ました。

  
「見本・筆描き七宝」
これも張り紋の注文ですが、初めは竹に似せた「七宝」紋かと思いましたが、依頼者の指摘で筆で描いたような七宝紋です。



以前に金魚が卵を産んだ事を書きましたが、その時は水カビ?にやられたのか、孵らなかったのですが、ホテイ葵を入れてやると、再び産卵しました。
  
水を垂らしていますので、卵が流れたように映っています。
しかし3日ほど経つと、卵の周りにモヤモヤしたものがつき、又ダメかな~と思ってそのままにして置きました。

先週末から連休中ヤボ用で忙しくて顧みなかったのですが、昨日見てみると、小さなメダカみたいな魚が、ボーフラと一緒に泳いでいるじゃないですか!
  
数はボーフラに負けますが、元気に育ってほしいものです。再び楽しみが増えました!





「珍しき紋」 (45)

2009年05月24日 18時06分49秒 | 珍しい紋
  
この紋は「丸に見本・並び扇」とでもいいましょうか。
紋入りの喪章が見本で来ました。結構細かな所まで描かれていて、すぐれものです。
現在は流行りませんが、25年位前には『紋入り喪章』が流行り、よく紋入れをしました。
下のような羽二重地を石持に抜いて作って売ってました。
  
見本にきた喪章は、薄手の黒生地に短繊維を使った『植毛』で紋を描いています。
今も販売してるかどうか知りませんが、この種類の喪章もよく見かけられました。
大昔、私が上絵修行に入った頃、この植毛の器械を使って「家紋額」を作ろうとしましたが、上のような「喪章」の紋のようにシャープに出来ず、諦め、今のような黒で刷り込んだ「家紋額」を作るようになりました。

「並び扇」自体も普通の並び扇と違っています。
  
 一般的な「並び扇」
扇の骨の描き方が異なっています。
新たに原稿を作り、↓ のように祝着に紋入れをしました。
  
  「扇」紋はこちら

  
細輪に見本・三階笠」
喪服の紋入れできましたが、『房』が付いていません。笠紋もいろいろ形があります。

  「笠」紋はこちら  







「珍しき紋」 (44)

2009年05月17日 12時21分25秒 | 珍しい紋
今日は朝から冷たい雨が降り続いています。

     
上のような見本の紋入れが来ました。姓も特異な苗字でした。「上り藤」の中には様々な紋を入れる事ができますが、藤の花の先の向きが通常の上り藤の形と違いますし、中に入る「横見銀杏」紋の形も独特の形をしていて、右のような原稿を作り喪服に紋入れをしました。

名付けて「見本・上り藤に横見銀杏」
 
     
祝着の紋入れで、瓦紋をコピーしたものが来ました。

このような紋は紋帖にも掲載されていなく、「南天」の葉に似ていて、「見本・抱き南天」として「南天」の項に入れています。

  
「繋ぎ七曜」
祝着の紋入れで来て、初めて見る紋だと思いましたが、調べてみると以前に紋入れをしていました(汗)



下の墓石紋は先日「河渡(ごうど)」地区の墓地を調べに行った時見つけた紋です。
   
「見本・束ね葉?」紋

かなり古い墓石で、束ねた葉の紋は初めてです。

この紋も紋帖に掲載されていなく、杜若の葉に似ていて、当方では「立ち葉」として「杜若」の項に入れています。

  
この墓石も古いものでした。
「陰・五つ捻じ蛇の目」







「珍しき紋」 (43)

2009年04月27日 20時55分06秒 | 珍しい紋
      
名づけようのない紋です。
提灯家紋で来ました。右はずーっと以前に書いた上絵用の原稿です。

  
「丸に見本・唐団扇」
これも提灯家紋で来ました。団扇紋もいろいろ見本紋があり、種類も多いです。

     
  
「組井桁に武田菱」
祝着の紋入れで来ました。「井桁」「組井桁」の中にはいろいろな紋を入れる事が出来、種類も多くなります。

  
「丸に右丁子巴に一の字」
一の字の形が個性のある一の字で、新たに原稿を描きました。



五〇キロ離れた名古屋駅のツインタワービルが見えました。


昨日長良川の対岸にある百々ヶ峰(どどがみね)に登って来ました。家から歩いて行ったので四時間半歩き続け、山から下りた頃には足というか大腿骨の付け根が痛くなるほどでした(運動不足!)風が強かった~

山に登る前に、集落の墓地を見つけ立ち寄りました。
面白い事を発見!
二つの墓地があり、その間は五百㍍も離れていませんが、二つの墓地に共通して多かった「酒井」姓が、一方では「丸に二つ引」紋が多く、片方の墓地では「丸に三の字」あるいは「丸に三つ引」紋が多く、同じ「酒井」姓でこんなにも紋が違うのか、と思いました(これを更に探究しないのが私の弱い所ー汗)

  
「見本・立ち鶴」
このような「鶴」紋も種類が多いです。

   「鶴」紋



 
  

「珍しき紋」(42) 提灯家紋から

2009年04月09日 19時01分01秒 | 珍しい紋
ここの所あれやこれやで忙しく更新できませんでした。

先月中旬より節句の「陣屋提灯」に貼る紋の仕事を始めて、ピークが過ぎたのか一服しました。
「提灯家紋」の仕事は初めてですので、新たに型を作らなければ出来ませんので時間がかかりました。
東海地区の赤ちゃん専門店のチェーン店ですが、ここまでもう60組くらい作り、5月の節句の鎧・兜がこんなにも売れるのか、と感心する次第です。「陣屋提灯」は必ずしも付ける訳でもなく、鎧・兜だけの販売もこの数と同じくらい売れてると思われます。


新たな分野での仕事をすると、家紋も珍しい紋が来ます。お客筋が違うためでしょう。

 
  
「一筆梅」  紋帖には掲載されていますが、初めて描く紋です。

  
「丸に見本・楓に一の字」
「一の字」の上にいろいろな紋を置いて、新たな紋を作る事はよくあります。

  
「丸に見本・二本竹笹」
この紋は「澤田」姓に多く、形がそれぞれ変わっています。
   参照「笹」 

  
丸に見本・杜若に水」
この紋も、以前紹介したようにいろいろな形があります。
    参照「杜若」

  
「丸に見本・一つ銀杏に一本矢」

  
「見本・九曜」
注文を受けた時、星の大きさが皆同じ大きさの「九曜」紋と聞き、「角九曜」紋はありますが九曜の形と云いうことで、戸惑いましたが結局このような紋になりました。


テンプレートがまだ冬のままでした(汗)

「珍しき紋」(42) 「下林」姓を捜して・・・・・・

2009年03月10日 18時52分24秒 | 珍しい紋
ご自分の家の家紋が分からない人は少なからずおられると思います。
最近はネットのサイトでも調べられますが、なかなか見つからない場合もあるようです。

先日電話で「下林」姓だが、親類縁者がいなく、家にも家紋らしき物は残っていなく、ご自分の家の家紋が知りたい、という問合せがありました。
私は以前からこの美濃地方の「姓と家紋」について、今まで描いてきた紋のメモを整理して、姓別に家紋を分類しようと思って、少し取り掛かって中断している状態でした。

でも、数少ない資料の中で「下川」「下村」「下前」姓はありましたが「下林」姓はない。
で、お墓の事を聞きますと、昔岐阜市の北西にある黒野に住んでいた事があると聞き、私も墓石と家紋に興味がありましたので、この前の日曜に行って来ました。

結構広い共同墓地を捜しましたが、「下林」姓の墓石は見つかりませんでした。この墓地には100余の姓の墓石があり、「玉木」「河合」「北原」姓が多いことが分かりました。

目的は達せられなく、その旨下林さんには報告しましたが、この墓地には予想通り変わった紋が見つかり、少々気が高ぶりました。

  
「丸に見本・高の字」 高橋姓で、「高」の字を図案化したような紋です。高橋姓にはほかに「丸に切竹笹に笠」「丸に根笹」などがありました。

  
「見本・束ね違い稲」 山元姓で、「稲」紋はいろいろ見本紋が多イですが、初めて見る紋です。
      「稲」紋はこちら

  
「丸(中輪)に井桁に変り銀杏鶴」 岩本姓で、中の「変り銀杏鶴」は細かいけどそれなりに掘られていました。

  
美濃地方特有の「岐阜根笹」 この紋はこの墓地に多くあり、河合姓、玉木姓に多く見受けられました。
   「笹」紋はこちら
  
「中輪に見本・木瓜」 この墓石は古いです。以前の私でしたら、「丸に木瓜」紋が略されているから、この紋は「丸に木瓜」でしょう、と型に当てはめてしまうところです。
新たに作られた墓石には、この紋を忠実に再現して彫られていました。

  

天気も気持もあつ~い一日でした。

「珍しき紋」 (41)

2009年02月21日 16時23分30秒 | 珍しい紋
      
  「見本・剣片喰?」         「剣片喰」

裃の紋入れで来ました。
右が一般的な「剣片喰」紋で、裃に入れた紋は、上下反対で、剣の形も丸みをおびてます。
いつもの調子で紋入れをしてると、上下反対に入れそうで、慎重に紋入れをしました(汗)

  
  「見本・丸に抱き稲」

「抱き稲」紋は、紋帖通りの紋も紋入れに来ますが、少しづつ形を変えた「見本紋」がきます。
男物黒紋付きの刷込み紋できました。

  「抱き稲」紋は こちら 



「珍しき紋」 (40) やたからす??????

2009年02月07日 13時59分38秒 | 珍しい紋
   
張り紋の注文で来ましたが、「丸に八咫烏」
確かに足は3本ありますが、熊野神社のホームページに掲載されてる「八咫烏」は正面を向いていて、この紋と違います。
「烏」紋は初めてで、詳細は次回に譲ります(汗)
ちなみに、この紋の刷込み紋型は判子屋のHPに出てました。

    
   「見本・浪に千鳥」
喪服の紋入れで描きましたが、「浪」紋はいろいろと形が違い、紋帖通りとはいきません。  

   「浪」紋はこちら

       
祝着の紋入れで来ましたが、始めは「源氏香」の紋かと思い ↓  探しましたが見当たりません。で、「角字」かもしれないと調べましたが、似ているのは右の「竹の角字」紋しかなく、「見本・角字」としか命名出来ません(汗)

『字ー角字』は次回の「家紋ギャラリー」の「し」に掲載します。



<追記> 昨日この祝着を納品したら、「丸なし」!との事。
受け取った時は、確か~~「丸付き」・・・・・・・・・だと聞いたのだが・・・・・・・・・・
見本は「丸なし」紋でした。私の聞き違いか、思い込みで、早速直して今日納めて来ました。
チョットもうろくしてるんかな????(涙)




     
「見本・違い銀杏に七五三根笹」
右左、形が少し変わっています。最初は左の紋の型(上絵の型は既にあり、それを下絵に作りました)を作りましたが、見本を良く見ると違っていて、右のような紋になりました。
この紋は、25、6年前によく(そんなに多くはないですが)描きましたが、その後あまり注文が来なく、久しぶりに出会いました。

   「銀杏」紋は こちら