先日のこと、いつものように散歩をしていたらハンターの乗った車が追い越して
行きました。先に進むともう一人のハンターがその車に乗り込み発車するかと待っ
ていたら、動きません。運転席のハンターがこげをまじまじと見ています。
行かないのなら先に行こうと歩き出したら、今度はこげが鼻を高く上げてクンクン
しています。私にはその車の荷台に仕留められたイノシシかシカらしきものの毛が
見えていたので「はは~ん、嗅覚の発達したこげにはもの凄くケモノの匂いが感じ
られるんだな。草むらや道端で嗅ぐ匂いと一緒というのがわかるんだ」と感心して
いたのです。しかし、さっさと歩かないと帰れないので、リードをひっぱりますが
こげは軽トラックの横から動かず、とうとうお座りしてしまいました。
「その犬は甲斐犬が入ってるやろ?和犬やろ?」「そう言われるんやけど」
「入ってるよ!目が違うし、和犬の足のふんばりや」「母犬はシシ撃ちに行く犬
で・・・」「そうやろ。目が違うよ、父犬のほうやな、甲斐犬の血は」
「そういうもんなんですかぁ」「で、犬はにーちゃんかい、ねーちゃんかい?」
「にーちゃんです。後ろ見せてもらってもいいですか?」と動かないなら実物を
見たらこげがどんな反応するか 私は知りたかったので前脚を持って荷台のへりに
掴ませようとしたら、何故かこげは尻込みします。なんとかかんとか覗き込んだら
それは体長1mほどのイノシシで後足に血がついていました。こげが尻込みするの
は 死体だからだと思ったんです。だって 動物は死んだものから遠ざかることが
あるから。見るのはイヤなんだけど、こげは匂いが気になる様子です。
「ほんでもなぁ、これは山には連れて入れんな。病気になる」「?」
「山のダニに付かれたら、毛が長いやろ。病気になってしまうんや」「ふ~ん」
そうかぁ、だからシシ追いには向かないのか。まぁ、あんたは怖がりやしそれでい
いのかもね。ということは、兄弟犬の吉宗くんは短毛だしシシ犬向きやね。そうそ
う父親違いのココと茶虎(ちゃこ)のココは、こげのような長毛の黒毛で黒光りし
ているそうだし、茶虎は夜中に一人でイノシシにかかっていき、どこか突かれたら
しい。茶虎が一番シシ犬だね。でも、もらわれた先、二軒から返されてきた犬だっ
て・・・。どうなるか心配していたら母犬、姫虎(きこ)がまた懐妊中だって。
今度はだれが相手なのか・・・、こげとそっくりなキョウダイはまだ生まれてい
ません。ちなみに、こげを甲斐犬と言ったハンターは、二年ほど前にこげに見とれ
て、道から軽トラックをたんぼに落としたおじさんでした。あの当時から こげの
ことが気になってしかたなかったのかな?
きのうもまた 見知らぬおじさんが「この犬は 甲斐犬の血が入っているの。
模様が甲斐犬やから、ほいでも人になつくやろ?」と。もうかれこれ五人くらいか
ら甲斐犬と言われるので、堂々と「甲斐犬の血が入ってる」と言っていいのか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます