愛媛県では、ナスと言えば、長ナスが主流です。
さて、左側の小さなナスと、右側の大きなナス、何が違うと思いますか?
小さなナスは、我が家の庭でとれたもの。
大きなナスは、ご近所からのいただきものです。
私は、一人暮らしですから、ナスは、小さくて十分。毎日食べるものでもないので、株が一つあれば、ひと夏じっくり楽しめるのです。
ご近所には、高齢の農家さんの多くが、やはり自家菜園をしていますが、食べる量も少ないのに、とにかく、たくさん生産しようとします。
大きくて、たくさん物がある、ということが、最もいいことだと、信じて、70年近く生きてきた人たちです。
たくさん作れば、当然、あまります。
昔なら、今より人も多く住んでいて、みな若かったから、おすそ分けも喜ばれたことでしょうし、それが近所のコミュニケーションにも、いい影響を与えていたと思います。
今は、超高齢化と、過疎の時代。作りすぎたナスも、捨てるのに困るから、タダでもらってくれたら助かる、みたいなものになっています。
私も付き合い上、断れないので、いただきました。
さて、上の、2種類のナス。もう一つ違う点があります。
私のナスは、そもそもなぜ小さいかと言えば、肥料をほとんど入れてないからです。
大きいナスは、見るからに、肥料を大量に入れているのがわかります。
つまり、今、農家さんたちは、大量の肥料と、手間と資金を投入して、物を余らせて、困っているのです。
体に似合わずに、『大きなつづら』をお土産に欲しいといっているようなもの。
農産物を、作り、育てる喜びは、格別なものです。ただし、その喜びにおぼれて、大切なことを忘れてしまってはいないのか、と、いつも感じます。
私は、『小さなつづら』を、選びます。
私には、それが似合っていると思うし、それで、満足しています。
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