ちいちゃんのひとりごと

ちいちゃんのひとりごとを勝手気ままに書いています。

「菊乃の気持ち」7

2016年02月05日 | 介護
2016.2.5
 次の月も佐久間はジジを連れてサロンにやってきた。ジジをサロンに預けるといつものように隣の喫茶店でジジのシャンプーとトリミングが終わるのを待った。
「ありがとうございます!」佐久間がジジをサロンに迎えに来て菊乃に言った。そして代金を払いがてら佐久間は菊乃にメルアドの書いた紙を渡した。この間ドックカフェで会った時はメルアドの交換もしなかった。菊乃はちょっぴり嬉しかった。
 亜紀が言った。
「菊乃!今何もらったの?」
「いやあ、別に…」
それだけ言うと菊乃は仕事を続けた。
菊乃は内心嬉しかった。休憩時間に早速佐久間のメルアドを携帯に登録した。そして、すぐさまメールをした。何を入れていいのかわからなかったので、とりあえずありきたりの礼を言った。
「いつもありがとうございます!また来月もお待ちしています!」
それだけメールするとほどなくして佐久間から返事が来た。
「今度はランチでもどうですか?お休みはいつですか?」
菊乃は佐久間のそんなメールを見て一瞬ドキッとした。そして「木曜日」とだけ佐久間にメールした。佐久間からすぐさま返事が来た。
「木曜日ですね。9時にこの間の駅前に迎えに伺います。コンちゃんはお留守番で!よろしくお願いします」
菊乃は一瞬ドキドキした。「これってデート?」と、思った。「嫌だわ!私、佐久間さんはお客さんじゃあないの!何考えているのかしら?」とも思った。
しかし菊乃は返事をせぬまま木曜日がやってきた。菊乃は朝からそわそわしていた。約束の時間に駅に行くか迷っていた。とりあえず化粧はして支度はしたが迷っていた。同居の祖母は趣味のカラオケがあると出かけていった。家にはコンと菊乃だけだった。菊乃はコンを家に置いて出かけるのは忍びなくコンも連れて家を出た。
 菊乃は10分遅れで駅に着いた。とっくに佐久間は車で来ていた。
「おはようございます!よろしくお願いします!すいませんがコンを連れてきました!」
「そうですか?僕も連れてきちゃったんですよ!ジジ!」
コンはペット用のバックの中から少し吠えた。
そして二人は車に乗り込んだ。
「どこ行きますか?」佐久間が言った。
「お任せします!」と、菊乃が言った。車がゆっくりと走り出した。助手席に座った菊乃は内心ドキドキしていた。菊乃は終始黙っていた。佐久間が時折かける言葉に一言二言答えるだけだった。車はいつしか高速を走っていた。
(さてさてこの後の展開は如何に?)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする