ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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夜来香 ~李香蘭の半生~

2005-12-05 13:17:47 | 舞台関係
12月4日は、劇団四季の『李香蘭』を見に行った。
一番初めに見た四季の作品でもある、李香蘭。初めて観劇した当時は、この話の背景の難しさに付いていく事が出来ず・・・面白いとも思わなかった作品である。
宝塚のような綺羅のシーンもなく、説明的な歌詞が当時のオイラには面白くなかったのであろう。

第二次世界大戦・・・時代的には当時、実はちゃんと興味のあった時代なのである。
生島次郎さんの『黄土の奔流』『夢なき者の掟』や、森川久美さんの『南京路に花吹雪』などに傾倒してたので。
沢口靖子さん主演の『李香蘭』のドラマも興味深く見ていた。
当時のオイラは李香蘭にイメージを持ち過ぎていたからかもしれない。この時代、ハードボイルドでその中に可憐に咲いた花・・・みたいな。

数年後、『ユタと不思議な仲間たち』で四季にハマり、次に李香蘭を見た時、役者さんを知っていると言うのも手伝って、ちゃんと李香蘭を楽しむ事ができたんですね。役者さんの力と、出会う時期ってのは大切だなぁと思った瞬間ですな。

今回の李香蘭も十分楽しめた。
香蘭の置かれた立場の苦悩や、日本人であるが為に知ることが出来なかった事実とか。
「知らない」と言うのは、本人のその時の状況がどうであれ「愚かである」と言う事。知らないという「言い逃れは出来ない」と言う事をいたく感じた。(どうしようもない事は仕方ないとも思うけど、それは平和が続いた時に初めて使える言い訳なんだなぁとつくづく・・・)

今回見て気づいた事は、当時の養子縁組の制度である。
今であれば(多分だけど)、養子縁組をすると言う事は、籍が移ると言う事だと思うんだけど。
例えば川島芳子。清朝の筆頭皇族粛親王善耆の第16王女で名前は金壁輝、愛新覚羅溥儀の従姉妹。しかし6才の時に川島浪速の養女となり『川島芳子』と名乗ることとなる。「東洋のマタ・ハリ」とも「東洋のジャンヌ・ダルク」とも呼ばれる川島芳子であるが、国民党特務によって奸漢罪で処刑される。
この奸漢罪は、劇中では中国人にのみ適用される罪であると判事は言っている。よって、李香蘭は日本人山口淑子と判明し、無罪となるのである。
山口淑子もまた李際春将軍の養女となり、姓を『李』名を父の俳号から頂き『香蘭』と名乗る事となる。13才の時である。
金壁輝である川島芳子と山口淑子である李香蘭。共に養子縁組をし、二つの国を祖国とする事になるのだが、方や川島芳子は奸漢罪が適用され、方や李香蘭は奸漢罪が適用されていない。・・・と言う事は、籍の移動はなされていない養子縁組と言う事だったのね~。となった訳です。
今回見るまで、ストーリーを知ってるクセにまったく気づかなかった事実なんですね。コレ。(オイラだけが気づいてなかったんだろうけど)
当時の養子縁組・・・全部が全部そうであったのかどうかは解らないけど、今とは随分違うんだなっ。と感心した今回の観劇でありました。

そして一番印象に残っているシーンが、ラスト。
裁判官が「憎しみを憎しみで返さず」と言って李香蘭を無罪にする所なんですがね、佐和さんだけが、最後の最後まで李香蘭を睨んでいるのですよ。ホントに「憎い」って言うのがヒシヒシと感じられて痛かった。最後には頭をうなだれていた。これこそが虐げられたものの本音であろう。
「自分達や国を虐げた相手」と云うものが、オイラには理解出来ない部分。頭では解る、でも、その感情は想像はできても解る事はない。だからこそ「許しあおうよ」と思ってしまう。きっとそんな生易しいものではないんだろうな、って佐和さんの瞳は語っていた。

そうして急に、愛新覚羅浩様に興味を持ちはじめたオイラ。
なんで、浩様なのか・・・よくワカンナイけど。今回の感想を書くに当って、川島芳子を少し調べた。そこで、ずっと皇室の方だと思っていた浩様は、実は嵯峨公爵家の長女であると初めて知ったオイラ。まだまだ知らない事多過ぎるや。ってか、しらなさ過ぎる、と反省している次第でござる。
父の兄も2人戦死している。ちゃんとお話を聞いた事なかったけど、今度ゆっくり教えてもらいたいな、なんて思っている。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も! (もと)
2005-12-05 17:59:39
実は4日に見てたの~(ちなみに3日の夜にも見た)

んで、もしかしたら、naoさん、幕間にトイレの列に並んでる時に

リットン見た話してなかった?

私と友人(リットン役者ファン)も並んでて、背後から

「ブログにリットン見てって書いてあったから見た~友人がファンって・・」

みたいな声が聞こえてきて、!!と思って振り返ったものの

誰がその声を発したのかはわからず・・。

まさか「今リットンの話した人、手あげてください!」とか

「この中にnaoさんいますか~?」と聞くわけにもいかないので

今のはもしかしたらnaoさんかも?と思いながらも、そのままになっちゃったの。

友人が「リットン」という言葉にいち早く反応してた(笑)
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お返事 (nao)
2005-12-05 18:10:56
>もとさん

アタリ!それ、きっと私です~(笑)トイレの列で話してました~。残念。是非、「今、リットンの話した人~。挙手!」って言ってくれれば・・・(爆)4人でかたまってたんですけど。

ご挨拶したかったです。ほんま、残念。次は・・・シベリアとかで会えるかしら?
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養子縁組 (たけこ)
2005-12-05 21:42:15
私もそのこと考えてた~!

処刑される者とされない者、籍の移動がなかったのか、はたまた移動してても効力がなかったのか考えてしまいました

佐和さんの目、痛いほどでしたね。ピアノ弾いて歌う佐和さんも良かった

「知らない」ことが「愚かである」ことも同感。命にかかわることもある場合、なおさらですね。



もとさんに私達の会話つつぬけだったのですね(笑)

お恥ずかしい~
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みたことないんだけど。 (うさと)
2005-12-05 21:59:08
naoさんは、いっぱい見てござる。

うさとさんは、「李香蘭」も見たことないのですが、去年の常盤貴子さんのは見たよ(浩さんです)

私は、昔、自由劇場の「上海バンスキング」を見ました。読みながら、そのことをずっと思い出していました。
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私も ()
2005-12-05 22:51:44
養子縁組の件は気になっていましたが。

国際法やら、国籍取得の問題やら、複雑だと思うのですが。

気になりつつまだ調べてません。

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Unknown ()
2005-12-06 01:09:03
naoさんともとさんのニアミスに、プチ興奮状態です。

そういえば、オンディーヌの時は、naoさんと私、同じ回、観てたんですよねぇ・・・

なんか、会える日も、そう遠くない気がしてきた!



「李香蘭」は、まだ観てないんです。

先日行ったという友人に感想を聞くと、

濱田さんと芝さん以外は知らない人ばっかだったよ、と言われ、脱力したとこです。

それ、感想とちゃうやんか・・・ってね。

夜来香の歌なんかは、子供のころから歌ってたけど、

ちゃんとしたストーリー、歴史、背景、人物、何も知らない。

知らないことを言い訳にせず、ちゃんとお勉強しよう。と思う・・・・



あ、ねーねー。

チャイナ服、着たくなった?

友人は、観劇の翌日、神戸の南京町へ行って、チャイナドレス買ったらしい。

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ニアミス~ (もと)
2005-12-06 09:20:35
naoさん

やっぱりnaoさんだったんだ~

それらしき人に会った時の合言葉でも決めといて、

私もさけべばよかったね。(普通に待ち合わせしなされ)

言われてみれば、萬斎に似てる(爆)彼はリットンよりも、月月火水とか

負傷兵運んで、リアクション芸人みたいにあわてふためいて走りさる所

とかの方が面白いんだけど(笑)わかりにくいからね~

リットンよりも、抗日学生の方が歌も全然いいんだけど。

残念ながらもう関西にいく予定は今の所ナシ。

シベリアは、イベントにつられて東京で観過ぎちゃったので

見たいけど自粛せねば・・。



たけこさん

他の会話は全然わからなかったんですよ~

気になるフレーズだけが耳に飛び込んでいたという感じです(笑)



雪さん

チャイナは、異国見た後の方が欲しくなったなあ。

愛玲が最後に着てる青っぽいやつ欲しい。

あと私は抑留兵士の帽子を一度かぶってみたいな(売ってませんよ)

あの帽子、モコモコなのかと思いきや、リハーサル見学会で

役者さんがコンパクトに折りたたんで持ってて、意外と機能性ありそうだった。
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素晴らしい! ()
2005-12-06 10:25:43
いつもながら感心するわ

歴史が苦手な私は今目の前で起こってるお話を理解するのが精一杯

もっと勉強しなきゃ!
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養子の話 (もと)
2005-12-06 10:31:16
婿養子を貰った友人の話だと

婿養子の場合、お婿さんはお嫁さんの両親と養子縁組するんだけど、

元の両親と縁が切れるわけではなくて、両親がふたつできる事になるとか。

だから扶養義務?も二つの両方になるけれど

遺産も両方からもらう権利があるんだって。

だから養子縁組しても、完全に籍が養子先に移るって事はないのでは。

友人からそう聞いただけで全然確認とかしてないので、違うかもしれないし

李香蘭の話とはちょっと違うけど・・・。

ちなみに婿養子の場合の結婚式は、

左右の位置とかも普通の男女と全部逆になるらしい。
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お返事2 (ひー&nao)
2005-12-06 10:41:49
>たけこ姉

姉さんも同じこと思ってたですか!そうだよね、やっぱ、気になるよね。

イタリア人の佐和さんは可愛かったよね~♪私も大好き~



>うさとさん

へぇ。常盤貴子の浩様のをオイラは見てないでござる。上海バンスキング・・・も名前しか知らないんだよね。うれとさんもたくさん見てござる。

・・・ってか、オイラ語圏ござる語をうさとさんが使ってくれてるのがちょっぴり嬉しいオイラなのでした



>京ちゃま

おぉ!京ちゃまもやっぱり気になってたのね。

っつーか、オイラが気づくの遅すぎだぁね

きっとこのアタリは京ちゃまが何気に調べてくれそうな・・・よ・か・ん



>雪さん

そうそう、雪さんとも京都劇場でニアミスってたよね~。ブルーのドレスの女・雪(&お友達)

やっぱ、持ち寄り岡山集合かな~

チャイナドレスはねぇ・・・実は持っているのだ 高校卒業の時の茶話会でオイラは赤のチャイナ、友達は渋いモスグリーンの留袖更に黒のズボンに赤のジャケット胸元に赤いバラ・・・っちゅー子もいて、中国マフィア状態でいたのでした(笑)

是非、機会があれば李香蘭見て欲しいな。



>もとさん

合言葉作ろう!そしたら、いつでも確認できる~♪

おぉ!萬斎に1票入った~・・っつか、リアクション芸人だったのね(爆)





>李香蘭を180倍楽しく見る方法

重い作品の李香蘭ですが、こういったトコロに注目すると、楽しい舞台に早変わりです。トラバするにはオイラの内容が重過ぎるので、ココでご紹介しておきますね~



楽し過ぎる仲間あコ媛のブログ  http://blog.goo.ne.jp/ako-co/e/3a27555d4cc45fcc7440e0152cf6927b

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