ぶつぶつ地蔵

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葬送の教室

2010-10-13 10:03:51 | 舞台関係
風琴工房2010年秋公演「葬送の教室」

2010年10月7日夜公演。
本当は日帰り観劇予定だったエリザに絡めて1泊遠征にし、いつもは指を咥えて諦めながら見ているしかなかった小屋の芝居を見てきました。
聖地・下北沢でございます。(ちなみにオイラ、足を踏み入れるのは2度目です^^;扉座がまだ善人会議で下北全盛期には下北に通えなかったんですよね。関西で見てたので。)

岡森さんがご出演ということで、初めて見る「風琴工房」でございます。
劇団名がいいですね。風琴・・・なんだか、涼やか^^
ま、それは置いといて(笑)以下ネタばれ感想です。(今日が楽日なので、いいよね^^;)


1985年8月12日18時56分、御巣鷹山に墜落した日航機の事故を題材に作られたお話。
この物語は、2006年4月24日に開設した「安全啓発センター」をモデルとした安全啓蒙センターでの、日亜航空の酒見と遺族代表の川路との二人の会話から始まる。
そして時間が遡り。。。墜落後、5年の会館での資料作りに場面転換。
ストーリーをあえて追わなくても、だいたい解るだろうと思う。要は、遺族同士の心の置き場における葛藤と、航空会社に居る者の立場の葛藤、そして、それを見守る目(多分、当事者じゃない人たちの目)。この3つの視点から成り立っているのだと思う。

人は自分の考えを曲げることは難しい。そこに感情がどうしても絡んでくる事故であるならばなおさら。
登場人物は、乗客の遺族・航空会社の遺族・航空会社勤務の人・取材記者である。
それぞれの立場からの視点が交錯する。
同じ遺族でも、その人の性格や環境で大きく感情の露出が違う。
あぁ、そうか。そうなんだ。と、目から鱗なことがたくさんあった。
オイラに一番近いのは・・・多分津村夫人かなぁ。津村旦那も近いかもしれない。この二人への感情移入は大きかったな。奥さんの感情的な気持ちはよくわかる。(オイラ感情的な人なので^^;)でも、それで体に異常をきたすのが治らないほどの持続はないかも。。。多分、旦那さんのように、自分の犯した罪を見つけて自分を苛むことで心に折り合いをつけるんじゃないかなぁ。(本当は罪じゃないんだけれどね、自分が悪いことで均衡を保とうとするんだと・・・)
主人公の川路さんの考え方は、冷静ですごく納得できる。でも、もし自分が関係者だったら、やっぱり冷たくて着いて行けない気がする。客観的に客席から見ているから、川路さんの心の葛藤が見えてくるけれど、当事者では無理だろうなぁ。
岡森さんが演じた岩沼さんは、あぁ、こんな町工場のおっちゃんいそう・・・って思う。何かもかも受け止めて、抑え込んで、そうやって生きていく気のいいおっちゃん。
どのシーンでもすっごく泣いちゃったんだけど、岩沼さんの感情があふれるシーンはダダ泣きだったなぁ^^;「見た目がきれいなのが一番丈夫なんだって・・」から「夢の中でしか留めれんのです」まで、ノンストップで息が止まりそうだったもの。
飛行機事故でなくても、過ぎて行く時間の中で本当にしたかったことは夢の中でしかできないことが多い。それは多分、過ぎてみないと「本当」が解らないことが多いからだろうなぁ。(事故の場合は「本当」を後から知るわけですが。)
そして遺族の噴き出す思いを受け浴びるのが、この会に参加した数人の航空会社の人。世話役だったりボランティアだったりいろいろ経緯はあるけれど、「自分の立場でできること」を模索している人たちだった。立場を投げ出して参加することでは前進しないと、会社に残って道を模索した酒見さん。結果論ではすごく偉業を成しえた人だろうけれど、当時の感情で言ったら「同士じゃないのか」「自分の立場が大切なのか」になっちゃうんだよね。でも、こうやって感情とは違う部分で踏ん張った人がいるから、この事故の遺物を展示するセンターが出来た訳で・・・

見終えて何か心の糧を得る芝居ではなかったと思う。
そういった思想や想いみたいなものではなく、今一度、「今」を見つめなおす機会だった気がするな。
こんなことを書くと怒られると思うんだけど、本当はこういった大事故や大事件はいつか風化していくものだと思うのです。というか、していかなければいけないと思うんです。事故そのものを忘れるというのではなく、もちろん、事故の残した問題は風化させちゃいけないんだけど。でも、傷痕はいつまでも膿み続けてはいけないと思う。風化して、季節になったら疼く程度になっていかないと、残った人は生きていけない。
今回の物語は実際の人や事柄にリンクするから、好き勝手人間像を作ることは難しいだろうけれど、事故と向き合っていない部分の人間像も見えるとよかったなぁ。(この考えは、受け売りですがそうですね!と賛同したので書きとめておく。)

でもね、1時間40分。
ダレる時間の全くない、緊迫したお話です。
そして、びっくりするくらい言葉がはっきり聞き取れます。(マイクないのに)
本日夜7時の上演が最終ですが、お時間のある方はぜひ劇場へ足をお運びください。
詳しくはコチラ→■葬送の教室

オイラはこのセンターの見学をしたい・・・(でも、さすがにここに一人参加する勇気が・・・^^;だれかご一緒いたしませんか~?)
予約をすると、研修に重ならない範囲で、無料で見学ができるそうです。


そうそう。下北沢に2時間前に着いたので、場所確認してから街中を散策いたしました。
それでもまだ劇場に早く着きすぎて、開場時間を聞いてたら・・・ご出演の役者さんが通りかかりました。開演1時間くらい前の話です。。。ってか、1時間前にうろうろしてるんだー!とびっくり(笑)
そーいやむかーし、神戸オリエンタルで開演一時間前くらいに杉山さんを見かけたことあったなぁ。。。意外とみんな一時間前くらいまでうろうろしてるんだろうか。。。^^;




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