ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

コメント大歓迎!BUT訳の解らない書き込みはザクザク消しますッス!

僕等の図書室 ~みんなで読書会~

2012-04-30 16:40:43 | 舞台関係
4月27日の夜から4月29日の千秋楽まで、ガッツリ観て(聴いて)来ました、僕図書。
想像していたのとは全然違う物語でしたが、とっても楽しめました。
ただしベースは童話などでも、子供向けではないので小学生も対象にしたのは間違いでは?と^^;
本来のお話と食い違うため、話の展開についていけず、特に低学年のお子さまは混乱するとおもいます。
個人的には姪っ子を誘ったけれど、断ってもらっててよかったなって思いましたから。

とゆー一番の感想はさておき、横シマシマ(笑)な大人の感想を各先生の物語とひとり芝居をまとめて贈ります。(敬称略)
(ちなみに邪とゆー言葉はありますが、ボーダーのことは縞とは言いません。縞とは縦のラインを指し、横のラインは段とゆーのです。模様としては。)



●りゅう先生の「ピーターパン」■中村龍介◆村井良大・三上真史・・滝口幸広・井村克彦
奇抜な緑のジャージの先生・・・ピーターをイメージしてるんですね^^
びっくりしました(笑)
いわゆるロンドンの町で起こるピーターパンのお話とは違い、舞台は日本のお江戸下町。(いや、時代は現代ですけどね。)その下町に暮らすケンタとショウタの兄弟とピーターパンの交流のお話。
この二人の子供たちが出会うピーターパンは、長い年月を経て、夢も希望もなくした男の子になっています。夢をなくしたピーターパンが、よみがえったフック船長と戦っている兄弟と共に戦う中で、夢と希望と冒険譚を取り戻すのであります。
しかしラストには、ネバーランドでの冒険よりも待ち焦がれていた秋祭りのお神輿の担ぎ手を選ぶケンタ。
「人は必ず大人になる。知って大人になる場合もあれば知らずに大人になる場合もある。ひとりの少年を除けば・・・」これはピーターパンの冒頭。
ケンタは祭りという響きに隠れた「ある年齢になったら担げるお神輿=大人への一歩」という大人への階段を無邪気に選び、無意識に上っています。
どんなにネバーランドにあこがれていても、どんなにピーターパンを好きでも、人はそうやって知らず知らずのうちに大人になってしまうのです。
その憐憫を飛び去るピーターに重ねて物語は終わります。
これを見事に下町風に朗読してくれたのがりゅう先生なわけです。
原作のピーターパンにかなり忠実なアレンジだったと思いますね。
あ、空を飛んでネバーランドへ行くシーンは大好きだなぁ^^全員出演で、拳銃やバズーカなんかも出てきて、アドリブ満載で面白かった~♪

何かを得、知らずに何かを手放す。すべてを抱えて生きることはできない。これは自然の摂理。
でもその中に、ピーターパンが世代を超えて存在し続ける・・・そういった変わらないものがあるからこそ、もしかしたら安心してそれを手放せるのかもしれませんね。


りゅう先生は、ちょっとスレタ感じのけだるーい先生。口癖は「めんどくせぇ」。
でもね、金八先生好きだったり相田みつをを好きだったり・・・けっこう熱血な先生だと思います。
女生徒に告白されて戸惑っているところが、とっても可愛いでしたね~^^


●かっち先生の「シンデレラ」■井深克彦◆滝口幸広・中村龍介
実はワタクシ、かっち先生こと井深克彦くんが苦手だったのです。オネェキャラではなく乙女キャラなところがどうも受け入れられないのかもしれません。
そんなかっち先生がシンデレラの衣装で出てきたときには、ドン引きでした^^;(会場はきゃ~*^^*っとどよめいてましたが)
シンデレラのストーリーも一癖も二癖もありました。
シンデレラにあこがれるエイミーという女の子が主役です。
エイミーは、シンデレラにあこがれシンデレラを生きようとします。
そうして物語のラストの向こう側に時間が進んだとき、物語が破綻します。
ふつうシンデレラって「王子様と幸せに暮らしましたとさ、メデタシ☆メデタシ☆」じゃないですか。(オイラは王子様の母親が、これまた魔女みたいな人で、子供とシンデレラを食べちゃうってお話を読んだことがありますが^^;)
しかしエイミーの時間は止まらずにその向こう側に進んでいきます。向こう側にあった世界は、魔女との取引の取り立てという悪夢です。
エイミーという人生を捨て、シンデレラを生きたいと願った夢を実現させた幸せの代償として、胸を刺されてしまうのです。
ここでエイミーはシンデレラの世界から、現実に戻る。
そう、かっち先生のシンデレラは「if物語」だったのです。
何が幸せか。自分の足元を見つめなおす、そんな物語でした。
初めはキャピキャピの軽快なストーリーが、進むにつれ暗雲に包まれていくような。。。そんな語りでしたね。
会場の数少ない子供が「こわーい」と泣いてました^^;
あと、意味は通じるからいいんだけれど、「王子様はシンデレラをひと時も放しませんでした」ってのは「片時も」の方がよいのでは?と思ってたんですが、いかがか?


かっち先生は内気なご両親も教鞭をとっている二世先生でした(笑)
あがり症でおしゃべりが苦手なかっち先生は、先生業をやめたいと悩んでいます。
そんな時、女生徒に告白され・・・ある意味、一番ちゃんとセーフのラインの答えを生徒に出せたのではないでしょうか。


●たっきー先生の「智恵子抄」■滝口幸広◆中村龍介・三上真史
これは文句なしの智恵子抄です。
ま、実在人物で最近の人ですから、アレンジは難しいでしょうね。
むしろ、どストレートにバシッと出してきたのは正解だと思います。
そして何よりオイラは智恵子抄が好き。中でもレモン哀歌は学生の時に読んで以来、ずっとずっと大好きな詩であります。
このレモン哀歌をベースに、光太郎と智恵子の物語が紡がれるのです。
間間に入る詩も好きなのばかり。(まぁ、智恵子抄自体大好きですからねぇ。)
個人的には、梅酒を入れてほしかったな。10年の琥珀。。。光太郎のぽっかり空いた穴がすっごく感じられて、すっごく寂しくって好きなんだ。
智恵子抄で唯一納得いかないのは「人間商売さらりとやめて」のくだり。
智恵子はさらりとなんてやめてない。と思う。これだけは、光太郎に抗議したい。
とにかく、始まりの「そんなにもあなたはレモンをまってゐた」からダダ泣き。最後は嗚咽こそ出ませんでしたが、号泣といってもよかったかも^^;
会場からもすすり泣きがたくさん聞こえてました。
たっきー先生は書生風の出で立ちで登場。会場から感嘆のため息が漏れてました。昭和顔だろうと、大正顔だろうと、男前は男前ですね*^^*

そんなたっきー先生のひとり芝居は、フランクでよかったですね。なんだろう、いい意味で、グダグダ(笑)
あれは、滝口くんのキャラでしょうか(爆)
女生徒の告白も、なんだかけむに巻かれた感じ(笑)



●村井先生の「ごんぎつね」■村井良大◆井深克彦・滝口幸広
実はこの物語だけが腑に落ちないのです。何度か見れば落ちるのかと思いましたが、3回聴いても腑に落ちなかった。。。
2歳で施設に捨てられた、ゴンというあだ名の男の話。
ゴンにはコージと慕う、施設で出会った兄貴がいた。血を分けた兄貴じゃないけれど、ゴンの家族は彼だけだった。
身寄りのない二人が進んだ道は、ヤクザから薬を得て商いをするチンピラ。物語はコージがよそのシマで取引していたのがバレて殺されてから2年目。。。三周忌のその日から始まる。
気に入った女が町にいたのに、自分の想いも存在も告げぬまま命を落としたコージ。彼の命日に、ゴンはどうしてもコージの好きだった鰻を食べたかった。しかし、数分の差で女に最後の一つを買われてしまう。鰻を先に買ったのは件の女だった。ゴンは、女の買い物かごから鰻を盗み食べてしまう。コージのことも知らずにのうのうと生活している女に苛立ちを覚えていたゴンは、仕返しをしたようでスッキリしていた。(人はそれを逆恨みとユーのだよ、ゴン)
数日後、近所で葬式があった。その喪主は件の女であった。そこでゴンは思い出す。コージが「彼女は病弱な母と二人暮らしなんだ」と言ってたことを。(こーじ、ストーカーしたのね~T_T)
そしてゴンは想像する。あの鰻は、母親のために買ったものではなかったのか、と。(想像力たくましすぎ^^;)
数日後、せめてもの償いに、女は万人が好きだが買うのが恥ずかしいのだ!とコージが勝手に理論づけた焼き芋をかっぱらって、女の家にこっそり届ける。(え?かっぱらうの??)
いいことをしたとホクホクするゴン。(マジで?)
後日、イモが原因で女は警察沙汰にされていたことを知る。(芋屋のおっさん、よく見つけたね。イモ)
この後、ゴンはポストに1万円を入れることで償いを行う。(結局、金で解決か。)
その頃、ようやくコージを殺った犯人が解る。ゴンが暴走しないように誰だかは伏せていた組だったが、ゴンは強引に聞き出し、復讐をしようとする。
そんな矢先、女と女の友達の話をこっそり聞いてしまう。「毎日ポストに入っているお金は神様からの贈り物」だと。
自分がお金の送り主だと気づかない女に怒りを覚えるゴン。(え?奉仕の精神じゃなかったの?)
翌日、いつもはポストにお金を入れるだけのゴンは、女の家の敷地に入ってしまう。そして女に見つかり、通報され、復讐用の拳銃を持っていたゴンは逃げようとして射殺される。(長くなったのでちょっと端折りました^^;)
最後にコージの声を聞き、コージと遊んで満足するゴン。
。。FIN。。

ってな感じなの。ちょっと突っ込み入りだし、腑に落ちてないもんでストーリーが長くなっちゃったんだけど。。。
皆様、どうですか?
うろ覚えだったごんぎつねのストーリーを確認したところ、確かに、ごんぎつねのストーリーの要点を踏んで話は進んでいるんです。
しかし、この後味の悪さはなんでしょう?
原因は明らかです。
①盗んだもので償おうとした(芋事件。ただしこれは原作と同じシチュエーション)
②仕事といえども、それは違法行為(ヤクの密売)で得たお金をポストに入れている。(自分にできること、という意味では原作通り)
③ゴンの想いは女へあるのではなく、コージにしかない。(本来はゴンは自分と同じ境遇になった兵十(この物語りでは女に相当)への憐憫を感じている)
④最後、死に急いでいる。
ゴンが孤独になった原因の方が大きすぎるんですよねぇ。
なので村井君演技にはすっごく引きずり込まれて泣けるんですよ。
でも、終わった途端???って思いが大きくなるんですよね。
他の物語が解りやすいメッセージ性を持っているだけに、ごんぎつねはオイラの中で落ち所をなくしちゃってるんですね。
でも、もしかすると、一番人間の心を表した泥臭い物語だったのかもしれません。

村井先生は、国語の先生っていうよりなんだか個人的には体育の先生みたいなノリでした(笑)愛の鞭の使い手で、「愛」を使わせたら右に出るものはいません。
女子生徒からの告白では、唯一愛を受け入れた先生でしたが、実はそれは先生の妄想って落ちでした。



●まさし先生の「桃太郎」■三上真史◆井深克彦・村井良大
こちらの桃太郎も、ストーリーは全くの桃太郎です。しかし、前後をつけて桃太郎に奥行きを持たせています。
まず、モモはどこから来たのか。そして家来たちの本当の姿。桃太郎その後。
モモは天界の桃の木から神様が下界を見るときに使う池に落っこちて、下界の川に流れ着く。落としたのは赤丸・黒丸・白丸の3人の神様の使い。落とした桃を取り戻すべく、下界に降りてきたのが猿・雉・犬の3匹なのです。鬼退治のあと、桃太郎は自分が天界の人であることを知りながら、自分を育ててくれたおばあさん(注:おじいさんは死んでます)と暮らします。それは下界で自分を育ててくれた恩返しの意味もありますが、本当はたぶん、自分の親だからなのだと思います。
桃太郎を聞きながら、民俗学的には「鬼」は他部族だよな、、、とか、新・羅生門の鬼の存在は正義の対義語だったなとか、そんな事を照らし合わせてたように思います。同じ桃太郎でも解釈がいろいろ~♪って感じ。
ちなみに桃は桃源郷になぞらえるように、神の果物。西遊記でもそうですものね。そして箱などのような閉ざされた空間は、異次元と繋がると古来から言われているらしいです。桃には大きな種があり、そこが空間に通じているんですよね。なので、桃は神秘の果物なんですね。
そんな事を思いながら聴いた桃太郎。
村井君の小技が光ってましたね♪
そしてこの物語で、ずっと苦手だったかっちが良いかも・・・と思ったのでありました。
知るって素晴らしいですね。
あ、語り手を語っていない(笑)
あのセリフの速度はすごいですね。朗読というよりはセリフでした。セリフで圧倒されたのって、きらら浮世伝の重三の大門でのセリフ以来です。


そんな三上先生は、ザ・真面目教師。。。風でした^^
真面目過ぎて変な先生でしたね(笑)
女生徒の告白にも、一番ドギマギしてたきがする。そして答えが一番だめっぽい^^;
いいじゃんよ、ベルリンの壁のままで。卒業したら可能性あるんだから~(笑)犬猿の仲より、水と油の方がまだマシかなとか思ったけれど、文字で書いたらどっちもどっちか。



こんな感じの朗読劇でした。
もっと原作な朗読を想像してたので、ホントびっくり。
でも、大人は楽しめたと思います。
子供はせめて高学年になってからじゃないと、難しそうですね。雰囲気を楽しむだけならいいんでしょうけれど。
でも、それぞれの作品のテーマにホロリと泣きました。(あ、ごんぎつねは別ね。あれは村井君の演技に泣いた。)
いい話だったなぁって思います。
そうそう、ひとり芝居の部分って、オイラ役者が考えたのかと思ってたんですが、アテガキだったんですね。ちょっと残念。

いつも聴いている英世さんのひとり語りとは全く違う朗読で、それはそれで面白かった。
言葉の見せ方っていろいろあるんですね。

この朗読劇で、オイラの妄想爆発しちゃって(爆)
それはまた、後ほどブログでアップしますね~。

まずは感想はこれまで。
長々とお付き合い、ありがとうございました。







人気ブログランキングへ
↑もっともっと授業を受けたい!!そう思ったあなたは、ポチっとな♪

*・゜¨゜゜・*:ランキング参加中です:*・゜¨゜゜・*
>


携帯からはこちら→

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同感です。 (少女S)
2012-04-30 19:47:11
はじめまして。突然のコメント申し訳ありません。
私も僕等の図書室の公演を一通り観劇しました。
感想を読ませていただきながら、記憶から薄れていた部分などが思い出せて来、
楽しむことが出来ました。

特に「ごんぎつね」は私も同じようなことを感じました。とても感動し、涙ぐむこともあったのですが、いまいち腑に落ちないというか…けれども、管理人様の「演技に泣けた」という言葉を読んで「確かに」と納得しました。
細かく分析されていて、スッキリいたしました(笑)。

言いたいことがまとまっておらず、申し訳ありません;
また感想等拝見させて頂きたいと思います。
失礼いたします。

返信する
お返事 (>少女S様)
2012-05-01 09:00:25
コメントありがとうございます!
初めまして、ひーちゃんと申します。

少女Sさんも僕図書を堪能されてたんですね!会場ですれ違っていたかもしれませんねぇ^^
「ごんぎつね」少女Sさんも腑に落ちませんでしたか?原作を読みなおすと、確かにラストもゴンは自分が(兵十に栗を渡していたのが自分だと知ってもらって)満足して死んでるんですが・・・村井君ゴンとはちょっと違うかなと。いや、童話のメッセージをそのまま伝えなくっても良いわけですから、それはそれでいいのかもしれないんですが。
あれからよくよくもう一度考えたら、ゴンに生きる希望がないってのも引っかかる点な気がします。コージのいない世界に絶望したままってところが。

・・・・とまぁ、物語的な感想はいろいろ思うところもありますが、なにより演技がものっそご光ってるのが良かったですよね~♪
朗読だからこその、いろんな役勢揃いって部分もあったと思います。

また、こーいった企画してほしいですね!


また、少女Sさんの感想も聞かせてくださいませ!!
返信する

コメントを投稿