ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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風林火山 第4話 『復讐の鬼』

2007-01-29 17:38:24 | 私的風林火山
早いもので、とうとう晴信と勘助がこの回で出会います。
それも、ミツというキーワードを経て。

この時代のことはほとんど知らない私ですが、信虎の逸話に「生きたまま腹を割き、赤子を出した」というのが在るらしいのですが(どこかのサイトで読んだ)、まさしく今回のミツの死の原因が、この逸話をモチーフにしていること間違いないですよね。
うーん。。。信虎、病み過ぎ

さてさて、われらが葛笠村の村人は、ミツの死と引き換えに板垣のお抱えへと昇進。
平蔵のみがうまく自分の心と現実とに折り合いがつけられず、村を去りますが。。。
なんとなく都合よく、勘助も一緒に抱えてもらえて・・・まぁ、よかったね、って感じなんですが。
晴信に謁見しにいく道中で、伝助と太吉が苗字をもらうんだけど。やっぱり苗字を頂くって嬉しいことなんだなぁって。二人を見ていて思いましたね。

ようやく晴信に謁見するわけなんだけど、伝助と太吉はホンマに頭をこすり付けるくらい平伏しているのに対し、勘助は体が大きいのを差し引いても、頭が高いだろうと突っ込んでしまった(笑)

大井夫人の言うように、光には影がつきもので、光らないところに影は出来ない。
今は何の権力も無い晴信だけど、光の種を宿しているのがその瞳に感じられる。晴信はやはり聡明で、亀ちゃんの目がその聡明さを感じさせてくれると思うのだ。
さすがは歌舞伎役者。目の使い方は素晴らしいよね。
そして平伏する勘助の暗い瞳は、いつかこの二人が光と影という対になることを暗示させる。
まだ相反する状態の晴信と勘助がどう分かり合っていくのか。
そして召抱えられた伝助と太吉はどんな身分になっていくのか・・・今はまだ農民農民してるからね~。出来ればいつまでもこの味は出し続けてほしいよね~

そんなこんなで、やっぱり目が離せない風林火山。
うーん。史跡を旅したいぞよ。。。

TITANIC

2007-01-29 10:50:43 | 舞台関係
1月27,28日と、今年初の東京遠征に行ってきた。
どういうわけか、特に「このキャストが観たい!」とか「このお話好きそう!」とか無く、なんとなくGETできたら観に行こう・・・ってな消極的な雰囲気で取ったチケだった。

しかーし。

コレはまさにオイラ好みのお話だった。

見た人によってはいろんな意見があったらしい事も、ちょこっとどこかで読んでいた。
でも、オイラには納得のいく話だった。


世紀の悲劇。タイタニック号の事件は多くの書物となり映画となり現在に語り継がれている。
今、タイタニックと言えば十中八九はデカプー(レオナルド・ディカプリオ)のタイタニックを思い出すのだろう。しかし、オイラはこの有名な映画は観ていない。
大枠の話は同じらしいが、デカプー版タイタニックはよりロマンティックに構成されているらしい。今回のミュージカルTITANICはより真実に近い形で演出されているとか。

※ここからはネタバレありなので、お気をつけてお読みください。

タイタニック号が処女航海に旅立つその日から、海の底へと消えたその瞬間までを描いたミュージカル。
華々しい出航シーンから物語りは始まる。そしてラストは本来入航するべき姿なのか、過去の栄華なのか・・・始まりと同じシーンで幕を下ろす。

何故タイタニックは沈んだのか。

オーナー・イズメイの伝説への執念だったのかもしれない。
設計者の完璧な図面・英知への盲目の信頼だったのかもしれない。
キャプテンの経験とプライドとの判断だったのかもしれない。

クルーたちの新たな客船での仕事への輝かしい誇り。
1等乗船客の華やかな経歴。華やかな衣装。華やかな身のこなし。
2等乗船客の記憶に残る出航と、煌びやかな世界への憧れ。
3等乗船客の新天地への希望。
沢山のモノを詰め込んだタイタニックの航海は、いろんなモノを見せてくれたと思う。

煌びやかな表面とは裏腹に、上流階級に住まう人の傲慢。中流階級のチャンスをつかもうとする貪欲さ。下層階級の拗ねたような気持ち。そんな階級がもたらす上下関係なんかも表現されていた。

舞台の作りは、オケピも使ってすべての階層を表現していて、立体的でオイラは解りやすかったと思う。

一幕はいろんな華やかなシーンを。
イズメイのキャプテンへのプレッシャーや、上流階級の優雅な食卓を描いていて、一幕ラストで問題の氷山が出現する。

二幕は氷山との接触により浸水。沈没までの1時間ほどを。
沈むはずの無い船が。自分に起こりうる筈の無い悲劇が。
気楽に文句を言っていた乗客たちが、事の重大さを感じ取り、それぞれの別れに腹を括る。その心の動きが描かれている。

一千人以上の人命を奪った大惨事の物語なのに、見終わったときになぜかスゥッと清い気持ちがしたのは、死に行く悲劇を描いているのではなく、船員のプロフェッショナルな対応と、紳士の紳士然とした態度があったからだと思う。
みんなが生きたかった筈である。船員にだって家族はいるし、恋人もいる。でも人としてその瞬間に何を優先させるかを個々が判断していたのではないか。
船員たちは自分の仕事への誇りを。老人は若者を生かすことを。紳士たちは自分の愛するものを守ることを。妻たちはその思いを受け取ることを。

実際には、救命ボートには多くの空席があったらしい。65人乗れるボートに25人ほどしか乗っていないものも多かったようである。
最後の救命ボートに飛び乗り、生き延びたイズメイの言葉には重みがある。
「このボートに私が乗れない理由は無いはずだ。私が乗らなければ、あの空席は空席のままだった」
不始末には死をもって償う事を美徳とする日本人には、いささか自分本位に感じるが、納得もいく。空席のままでは誰も生き残れない。(このミュージカルでは自分だけが生き残るためにボートに乗ったような感じだったので、自分が乗る前に客を乗せろ・・とも思うが^^;実際には多くの女性客が残っていることを知らずに乗った事になっている。)
生き残ったイズメイは、世間の批判にさらされ苦悩しながらも、退任後、海に携わる支援をしつづけたらしい。

このお話は、身分の違いや民族の違いを描いているとともに、それでも人は大切なものを守るために「選択をする」。その行為には階級が関係ないって事も描いているように思った。

一番素敵なシーンは、光枝さん演じるイジドー・ストラウスと諏訪さん演じる妻のイーダ・ストラウスが救命ボートが去った後に、一等客室スチュワートのエッチズからシャンパンを振舞われたとき。飲み干したグラスに布を蒔いて、パリンと踏み割るシーン。
これを初め見たときは、日本の水杯みたいな決別のような、ユダヤ独特の象徴かと思ったのだが、ご出演の方に教えてもらったところ、ユダヤのお祝いのときに幸運を祈ってする儀式だったらしい
そういえば、船に残った男たちはみな、死にに行く悲劇よりも、守ったものの大きさに幸せを感じていたように思う。
紳士淑女が乗り合わせ、プロの集団が作り上げた最高の豪華客船タイタニック号のラストシーンは、正装した華々しいもので私は満足である。


お気に入りキャスト紹介

■チャールズ・ライトラー■
個人的に一番ポイント高かったのが、ライトラー二等航海士!
人間味あふれる岡田君演じるマードック一等航海士とは対照的で、冷静沈着無表情なライトラー。。。素敵。船長の無理な要求にマードックが表情を変えても、ライトラーは眉ひとつ、視線さえも動かさない。。。プロやぁ
最後の最後まで船乗りとして動き回っていた姿に感動だった。

■ケイト・マーフィー■
池谷さん演じるミースリーのケイト・マーフィー。
ラストのボートに、ケイティ三人組のうち、ケイト・マクガワンだけが乗ることが出来、二人のケイティは船に取り残される。ミーツーのケイト・マリンズが「私の分も生き延びて!」と言わんばかりにケイトとジムを見ているのに対し、「私も生きたい」という色が感じられる瞳でマーフィーは二人を見ている。同じケイティでもそれぞれの運命とそれぞれの感情が感じられる!と思ったひとコマ。

■ベンジャミン・グッゲンンハイムとマダム・オーベール■
この二人は愛人関係なんだけど。最後の別れ際には、オーベールがベンジャミンにクロスを渡そうとしている。彼らにとってクロスは、身を守り祈るべきものだからオーベールに持っていろとベンジャミンは断る。しかし最後にオーベールに掛けてもらいキスして別れていた。切ない

■J・H・ロジャース■
本当は大富豪ではなく、カード詐欺師。本名で船に乗っていない為に自分の死を知ることの出来ない妹に手紙を届けてくれるようカルドザに頼む。カード師だけに数を数えて生きている彼は、救命ボートの数もちゃんと数えていた。そして助かる人の数に自分を入れてはいなかった。詐欺師でも心は紳士なのだ。

■ヘンリー・エッチズ■
乗客に対し、常にプロフェッショナルな態度で接していたのは彼だっただろう。機転が利き、間の取り方も絶妙。


他にも、ごっつエエ声で氷山とぶつかるシーンを歌い上げる見張り役の松原くんとか。笑顔が爽やかなベルボーイの原田君とか。出てくるだけでときめく坂本さんとか。もーもーもー。観るところいっぱいの贅沢舞台。
もちろん主役級の面子のゴージャスさもすごいですよ。今までみた中で一番素敵な岡さんとも出会えましたし(←真正面で歌ってもらえる席だったので、やられまくりました~)
とにかく、2回だけでは満足いきかねる遠征だった。

関西にも今のキャストで来てほしいよぅ


素晴らしいサイトさんを発見したのでご紹介
タイタニックのクルーたち
本当にいらっしゃったタイタニックのクルーに会うことが出来ます。
生還されたクルーの中に、私が一番気に入っていたライトラーさんもいらっしゃいます。男前ですので、是非観てください^^