ういーくえんど・なちゅらりすと

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アサギマダラ

2011-09-29 16:22:27 | チョウ
浅葱色、という言葉はまさにこのチョウのためにあるに違いない。
半透明の光が透ける姿は、木漏れ日の中で見つけると、何ともいえず美しい。
飛び方も優雅というか、焦りが全くない。
どこまでもフワフワと舞っていく。

アサギマダラは長距離移動をすることでも有名なチョウだ。
しかも、春には南から北へ。
秋には北から南へ。
どうやら気温の変化にあわせるように大きく移動するらしいことがわかってきた。

南から北へ、そしてまた南へというと、まるで南国生まれのチョウが秋になってふるさとへ帰るように思われがちだが、これは全然違う。
南から渡ってきた個体は夏の間に繁殖して、新たな世代となってまた南を目指していく。
だから、彼らの大移動はその個体にとっては、常に故郷を離れての新天地への移動なのだ。

このアサギマダラ、長距離をゆっくり飛ぶためなのか、体の大きさの割には脚の力はあまり強くないようだ。
だから花の蜜を吸うときには多くの場合、だらんと垂れ下がってしまう。
この姿、翅はきれいに見えるがあまり格好よくはない。

ちなみに捕虫網で捕獲したいなら、確実に1回で捕まえたいところ。
驚かすと姿が見えなくなるくらいどんどん高く舞い上がっていってしまう。

子供の頃、初めて捕まえたアサギマダラを放した時、どこまでも高く飛んでいくその姿を見つめながら、自分が捕獲してしまったがためにこのチョウは驚いて飛びすぎてやがて太陽で燃え尽きるんじゃないかと本気で心配したことがあった。
どうやら私にもそんなかわいい頃があったらしい。

ヤマトマダラバッタ

2011-09-26 15:58:38 | バッタ
砂浜というのは独特な環境だ。
低い草と砂がどこまでも続く。
もっとも最近はそんな砂浜はなかなかお目にかかれなくなってしまったが。

そんな砂浜が好きなバッタがいる。
ヤマトマダラバッタという。
私の地元、神奈川ではすでに絶滅して久しい。
そんなバッタを求めて、東京湾を渡った。

砂浜についたのは昼過ぎだった。
強烈な日差しにくらくらしつつ、草と砂の入り交じるあたりを歩いていくと、早速現れた。
独特の砂っぽい模様、ヤマトマダラバッタに間違いない。

しかし、暑い。
真夏の日差しのように、砂も焼けている。
長靴の中のつま先や地面についた膝がすぐに痛いほどに熱くなる。
ほぼ我慢大会状態。
それにしてもこんな場所でよく元気な連中だな、と思ったらどうやらよく見ていると違うようだ。

飛び立ったヤマトマダラバッタ、砂の上に着地すると慌てて歩き始める。
そして草の上や日陰に入り込んで一休み。

中には私の足に登ってくるものや、撮影している影の中に入ってきて一息つく奴まで。
砂の上でやせ我慢しているような奴でも、よく見ると無茶苦茶つま先立ちだったり、交互に脚を持ち上げて熱さを防いでいたり。
やっぱり砂浜のバッタでも暑いときには暑いらしい。

私は片足でやせ我慢というわけにもいかず、耐えきれなくなって波打ち際へ。
波の冷たさが長靴の上からでも心地よかった。

ハラビロカマキリvsジョロウグモ

2011-09-22 17:30:18 | その他の昆虫
嫌いなものほど良く目に入る。
そう感じることはないだろうか。

ゴキブリをよく見つけるのは奥さんだし、蛇嫌いの悲鳴で蛇が見つかることも多い。
私の場合は、そう、八本脚のあの生物だ。

今回もそうだった。
まず空をバックにシルエットのジョロウグモが目に入った。
これからの季節、自然の中では避けられない相手とはいえ、やっぱり思わずひるんでしまう。
だが、少し様子がおかしい。

嫌々ながらよく見れば、おや、カマキリに捕まっている。
こちらもシルエットでよくわからないが、茶色いカマキリのようだ。
コカマキリか?

フラッシュを焚いてみると、写っていたのは褐色型のハラビロカマキリだった。
それが結構なサイズのジョロウグモを捕獲して、脚を齧り始めている。
クモも抵抗しているが、無論、巣がなければ勝ち目はない。

どうやら道に張っていたジョロウグモの巣を、私の前に歩いた誰かが取り除いて、それで枝先に逃げたクモをハラビロカマキリが捕食したものらしい。

褐色型のハラビロカマキリはけっこう少なくて、しかも洒落た色をしているので、本来ならば手頃な場所まで誘って写したいところだったのだが、獲物が獲物だけにむしろ縮こまりながら通り抜けてしまった。
頭では何の害もないと理解していても、体が拒絶してしまう。
つくづく、私のアラクノフォビアは厄介だ。

キイロスズメバチとクルマバッタ

2011-09-22 17:22:32 | バッタ
自宅近くの林を散歩していたときのこと。
目の前を大きなナガサキアゲハが横切った。目で追っていくと、横道にそれたところにあるクサギの咲き残りによって行くではないか。
チャンスとばかり追いかけて、デジカメを振り回すも、まともには写させてもらえず、またフワフワと行ってしまった。

他にもきていないのかと見上げたが、チョウの姿はない。
だが、妙に虫の羽音がすごい。
『あれ?』
気付いてみれば、身の回りを飛び交うのはすべてキイロスズメバチではないか!
おそるおそる顔を横に向けると、目の前に一抱えもあるキイロスズメバチの巣が!

とっさにゆっくり後ずさりして離れたのは良かったのだが、方向が良くなかった。もとに戻らず、先へ抜けてしまった。
そしてその横道は少し登ってどん詰まりだったのだ!
だから誰も通らず、気付かれもしなかったのだろうが・・・

またあそこを通らねば行けない。
暗い気持ちになる目の前にバッタが現れた。
おお、クルマバッタだ。
珍しいわけではないが、草むらが好きだから都市近郊ではかなり少ない種類。
しばし、現実逃避しつつ追いかけた。

結局その後、息を殺し、刺激しないように静かに、しかし確実に通り抜け、ようやく一息つけたのであった。


オオハンゲ

2011-09-22 11:43:35 | 植物
オオハンゲ、なのだと思う。
地元を歩いているときに、公園の一角、古い民家の裏の薄暗い林の中で群生していた。
場所が場所だけに植栽ものの名残だと思うのだが、独特の妖しい姿にしばし見とれてしまった。

本来は梅雨時の花、と認識している。
それが今頃咲いているのは、きっと草刈りの影響だろう。

オオハンゲは大半夏。
半夏すなわちカラスビシャクの大きなやつ、ということだろうか。
ほとんどの花は緑色だったが、一部、まるで口唇のように紫色に染まっているものもいた。

それにしても半開きの口に長く伸びた舌を想像させるこの姿。
実に、妖しい。