ういーくえんど・なちゅらりすと

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ヤエヤマハナダカトンボ

2011-09-05 16:46:00 | トンボ
世界で西表島にしか生息しないトンボである。
その姿は小さく、しかも河川減流域に生息するのでなかなか目にする機会は少ない。
スタイルもかなり特徴的だ。
『鼻高』と称される顔面部の盛り上がり。
アンバランスに短い腹部。
トンボを見慣れれば見慣れるほど、違和感を感じるトンボなのだ。

その時、私は西表島のジャングルを歩いていた。
消えそうな細い山道を進んでいくと、やがて緩やかに流れる細い流れにたどり着いた。
地図からイメージしていたような、薄暗いジャングルと木漏れ日が織りなす期待通りのいい環境がそこには広がっていた。

川沿いにさかのぼり始めてすぐにその姿は目に入った。
赤く短い腹部。透明な翅。
間違いなくヤエヤマハナダカトンボだった。
水辺の草に静止して占有するオスだった。

息を殺して近づいた。
何枚かシャッターを押し、近づき、またシャッター。
画面いっぱいまで近づくことができた時、何ともいえない満足感に包まれた。

一息ついてよく見ればすぐ先にも別の個体が止まっている。
さらにその先にも。
けっこう個体数もいるようだ。

近くの草むらにはメスもいた。
こちらはさらに腹部が短い。
何ともいえない独特の魅力がある。

今までに何度となく足を運んだ八重山だが、いつも行くたびに新たな発見をさせてくれる。
だから私は沖縄を卒業できない。