冬の湘南の海岸ではよく見られる現象だ。
遠くの島や町並みが海面から浮いて見えるというもの。
蜃気楼と同じような気もするし、実際にニュースなどでは蜃気楼扱いされたりもするが、実際には大きな違いがあるらしい。
富山湾で有名な蜃気楼は冷たい海水と暖かい大気で光が屈折されて、遠くのものが浮き上がって見える現象。
浮き島は暖かい海水と冷たい大気で光が屈折され、空が海面に反射しているような姿に見えるらしい。暖かい海水と冷たい大気があれば生じる現象なので、暖流の流れ込む湘南海岸では、冬の遠景ではほぼ常に見られる、別に珍しくもない風景だ。
週末、秋雨前線の影響でこの時期としてはかなり冷え込んだ。
冷たい雨まじりの北風が吹き込み、とても海水浴などできそうにもない気温だったが、そんなときにも湘南海岸の国道は渋滞していた。
その渋滞にはまりながらふと三浦半島の突端を見ると、おや、浮いている。
ポケットのコンデジで、デジタルズームを目一杯効かせて写してみると、ささやかではあるが浮き島になっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/f9/0e9359cc25f6b33b1200345408e2a2d3.jpg)
このときの車載の温度計表示は20度。
気象庁によると海水の表面温度は27~28度といったところだから、これくらいの温度差が生じれば8月でも起きる現象らしい。
当たり前といえば当たり前なのだが、自分の中で浮き島は冬、と決めつけていたものだから、一人で渋滞の車のなか、はしゃいでいた。