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抗低酸素治療薬Davanatが乳癌にIND(治験許可)申請

2008-09-01 | 乳癌
副作用少なく、大腸癌患者の生存期間を大幅に延長したDavanat(ダバナット)の乳癌治療に対するIND申請がFDAに承認された。
前臨床試験で、化学療法を併用してDavanatは転移乳癌マウスの腫瘍増殖を有意に減少させた。類似の試験ではマウスの体重増加によって毒性をも低下させたことが示された。
「われわれのゴールは癌患者の生存を延長し、QOLを向上させることである」と、製造開発元であるPro-Pharmaceuticals社副社長は語る。4期大腸がん患者における第Ⅱ相試験では、Davanatは7カ月生存期間を延長し、副作用も有意に低下させた。データによると、血小板や白血球といった血中パラメーターはベースラインと変化はなく、QOLの向上を示している。原文記事

    
過去チップ:大腸癌Davanat
よくわかるDavanatの仕組み(You Tube)
[内容
癌細胞を標的とする方法には、抗体、リピド、持続放出薬、カプセル化などがある。しかし、どの方法も正確に癌細胞だけを攻撃するわけではない。Davanatは、最も正確に高感度に癌細胞の分子を認識する炭水化物分子と、カプセル化を併せた、これまでなかったがん治療薬である。正常細胞に影響することなく癌細胞のみを殺すことにより、副作用を少なく、有効性を向上させると期待できる。]

【9月11日追記】
Davanatは抗低酸素治療薬である。多くの腫瘍は血管の不足から低酸素症細胞を多くもっており、低酸素状態でも生存可能となっているが、酸素が運ばれないと化学療法や放射線療法が効きにくく抵抗性となるため予後が悪い。INDデータ提出は大腸癌、乳癌、頭頚部癌への適応を視野に入れている。


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