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低線量被曝によってマンモグラフィーが癌を誘発する可能性

2009-12-22 | 乳癌
年1回のマンモグラフィー検診の低線量被曝によって遺伝性および家族性乳癌の傾向を有する女性の癌リスクが高まることが、北米放射線学会Radiological Society of North America (RSNA)年次会議で報告された。

高リスク女性の乳癌マンモグラフィー検診は大変重要であるが、若年女性、特に30才未満の女性には注意深いアプローチが必要であり、さらに、低線量被曝を繰り返し行うことは避けなければならない、とオランダ、グローニンゲン大学医療センター疫学・放射線科の医師は述べた。

遺伝性および家族性乳癌の高リスク女性は、平均的女性より早期に発症する恐れがあるため、マンモグラフィー以外の検査方法をも検討すべきである。なぜなら、これらの女性では、放射線誘発性癌を発症するリスクが高まるかもしれないからである。これらの若年女性では、超音波やMRIといった検査法があるが、いずれもマンモグラフィーに併用して使用されている。

研究者らは、高リスク女性において低線量被曝が乳癌発症に影響があるかどうか調査するため、査読医学誌を分析したところ、47論文中6論文が選ばれた。うち4つの研究は、癌遺伝子に変異をもつ女性に関して低線量被曝を扱ったもので、2つは家族性乳癌のリスクをもつ女性に関するものであった。これらの研究を分析した結果、高リスク女性の低線量被曝による平均乳癌リスクは、低線量被曝を受けない高リスク女性の1.5倍であった。20才未満、または5回以上被曝した高リスク女性では被曝を受けない女性に比べて2.5倍癌を発症する確率が高かった。
「われわれの研究の結果、低容量放射線はこれら高リスク女性で乳癌リスクを高めることが示唆された。」

この結果は、対象者も少ない小規模な研究に基づくもので、解釈には注意を要する。また、高リスク女性に関するものであり、平均的リスクの女性は含まれていない。原文記事




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