現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学における老人と子ども

2021-06-13 15:44:36 | 考察

 現代の日本では、高齢者社会が進んで、老人世代の人口が増加しています。
 しかし、その一方で核家族化も進んで、子どもと老人たち(ここでは後期高齢者である75歳以上のお年寄りをさしています。現実の子ども世代のおじいちゃんやおばあちゃんにあたる若い高齢者たちは、いろいろな形で子どもたちと交流があるでしょう)
 2010年代に入って、法改正の影響もあり、有料老人ホームなどの新しい老人介護施設が増えています。
 従来の老人ホームといえば、一部の裕福な人たちしか入れない入所に高額な一時金が必要な有料老人ホームか、辺鄙なところに作られる事の多かった特別養護老人ホーム(現在の特養は非常に入所が難しく、介護度の高い人でもなかなか入れません)しかありませんでした。
 しかし、現在ではそれらだけでは収容できない多くの高齢者のために、一時金が少ない(あるいはなしの)有料老人ホームなどが、住宅地と近接する形でたくさんつくられるようになりました。
 これは、介護の人員の確保の容易性と家族の訪問しやすさが必要なために、交通の便の良いところでしか新しい老人ホームが運営できないからです。
 現在では、老人ホームで利用者の脱走(徘徊)が起こるのは大問題なので、出入り口はオートロックになっていて、老人たちは外部から隔離されていることが多いです。
 なぜなら、この業界は慢性的に人手不足なので、いなくなった人をいちいち探していたらペイしないからです。
 しかし、こういった施設が増えるにつれて、周囲の理解をが得るために地域社会との交流を図る所も増えてきました。
 こういった機会を通して、老人たちと交流を持つ子どもたちもこれからはどんどん増えてくるでしょう。
 そして、新しい物語が生み出される土壌になる可能性を秘めていると思います。

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