小学一年生のみさきと弟のこうすけ、そして二人と仲良しのゆらちゃんが活躍するシリーズの三冊目です(他の二冊、「すみれちゃん、おはよう!」と「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」については、それぞれの記事を参照してください)。
二人でお留守番をしていた時に、いつもこうすけに勇気をくれる、まほうのゾウさんハンカチを、ふとしたはずみで、団地の五階のベランダから落としてしまいます。
ゆらちゃんも加わって、三人でハンカチを探し出しました。
しかし、それは、子どもたちが「やまんば」と呼んで恐れている怖そうなおばさんの部屋のベランダでした。
いつもは怖がりなこうすけは、勇気をふるってゾウさんハンカチの救出に向かいます。
この作品でも、子どもたちと団地に住むいろいろな人たちとのふれあいが、自然な形で描かれています。
随所に、子どもたちへの作者の優しい視線と、長年子どもたちと触れ合ってきた作者ならではの観察がいかされています。