現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

グードルン・パウゼヴァング「人形のルイーゼ」そこに僕らは居合わせた所収

2018-01-01 12:22:57 | 作品論
 主人公の老婦人は、六十年以上前の戦争中に親友のユダヤ人の少女からあずかった人形を、今でも家に飾っています。
 彼女は、骨董店の人から高い値段で売却を持ちかけても決して売らず、親友との思い出を語ります。
 そして、「もうその少女は死んでしまっているかもしれない」と言われても、人形とともに親友が訪ねてくるのを、彼女は待ち続けています。
 人種の違いや長い時間経過を超えて、二人の少女の友情は変わりません。
 その長い間に、ドイツ人は様々な経験をしたはずです。
 それでも、彼女の気持ちは変わらなかったのです。
 そして、二人の仲を引き裂いた戦争を静かに告発しています。

そこに僕らは居合わせた―― 語り伝える、ナチス・ドイツ下の記憶
クリエーター情報なし
みすず書房
 
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トッツィー

2018-01-01 12:21:41 | 映画
 1982年公開のアメリカ映画です。
 演技力は抜群だが演技上の主張が強く、演出家とたびたびトラブルを起こして二年間仕事がない俳優が、女装して女優としてテレビの昼メロドラマのオーディションに受かり、その女性の権利を代表するキャラが受けて一躍スターになるコメディ映画です。
 アメリカ映画屈指の名優が演技派の俳優を演じるのですから、これ以上ピッタリの役はないでしょう。
 同じ演技派俳優のロビン・ウィリアムスの「ミセス・ダウト」もそうでしたが、名優は性別など軽々と越えてしまうのでしょう。
 まわりも演技達者な俳優ばかりで、質の高い映画になっています。
 特に相手役のジェシカ・ラングは、この映画でアカデミー賞助演女優賞を受賞して、前年の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」に続いて演技派女優として成功を収め、「キングコング」(1976年公開)女優(キングコングが愛するヒロイン役でした)という悪いレッテルを完全に葬り去りました。

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