とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

二次創作権論・二次創作史論

2013-11-04 13:40:38 | 日記
一般に考えられている通り、誰かがオリジナリティのある著作を発表した時、簡単には創造できないようなその独創性、神秘性に価値が認められ、その創作者を認め、そしてその対価が支払われるように社会的なシステムが整っている。

当然ながら、盗作というのは、その独創性や神秘性を創出していないのにも関わらず、その価値と権利と対価を求める行為であるので、それらは認められることはないし、社会的システムとしてそうであるべきではない。

しかしその完全なオリジナリティと盗作の間には中間地点がある。パロディ、オマージュ、リスペクト、インスパイア、フォロワー・・・。これらは世間に認められないどころか、かえってその価値が増して、大切にされた例や、その芸術性を昇華させた例すらある。これを各ジャンルごとに見ていこう。


<小説>
ヴェニスの商人/ウィリアム・シェイクスピア

あまり知られていないが、これは二次創作である。既にシェイクスピアがこれらを創作する以前に4つの民話が存在し、これを滑らかにつなぎあわせたのがシェイクスピアの功績だ。
ヴェニスの商人の巻末解説にこのことが詳しい。詳細は解説付きの書籍を当たってみて欲しい。

ウィリアム・シェイクスピア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A2#.E4.BD.9C.E5.93.81
当時としては一般的なことであるが、シェイクスピアの戯曲は他の劇作家の作品に依拠しているものや、古い説話や歴史資料文献に手を加えたものが多い。例えば、おそらく『ハムレット』(1601年ごろ)は現存していない先行作品(『原ハムレット』と呼ばれる)を改作したものであることや、『リア王』が同じ題名の過去の作品を脚色したものであることなどが研究の結果明らかとなっている[16]。

<音楽>
これは項目別に見ていこう。
タイトルで検索すると、試聴できると思う。
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・変奏

 原曲:
 タイトル「Ah ! vous dirais-je maman - Lucienne Vernay et Les Quatre Barbus」

 メロディーのみ抜き出し:
 タイトル「 How to play piano 1. Twinkle, twinkle little star (right hand only) 」


 伴奏付:
 タイトル「 How to play piano: Twinkle, Twinkle, Little Star [Easy Piano Tutorial] 」

 変奏:
 タイトル「【hosnm4536】超絶技巧「きらきら星変奏曲」 」
 00:52より。

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・サンプリング

 原曲:
 タイトル「5:10 Eddie Johns - More Spell on You」

 サンプリング編集後:
 タイトル「Daft Punk - One More Time」

 サンプリング解説:
 タイトル「Discovered - Make "One More Time" from "More Spell On You" 」

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・サンプリング

 原曲:
 タイトル:「bobby glenn - sounds like a love song」

 サンプリング編集後:
 タイトル「JAY-Z - Song Cry」

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・サンプリング

 原曲:
 タイトル:「Bach "Air on G String" 」

 サンプリング編集後:
 タイトル「Sweetbox - Everything's gonna be alright」



以上のように、盗作についてはその権利は当然ながら認められないけれども、二次創作において、盗作とオリジナル創作の中間地点においては、その芸術的価値、文化的価値が昇華する例が存在する。

さて、ここで道義的に問題であるのが、オリジナルありきで二次創作が出来る部分があるので、オリジナル源流に当たる人たちの権利や利益は保護されなければならないが、上記の例はいずれもオリジナル創作をした人たちは権利を主張していないことにある。


====
製品加工は戦後日本の得意技であったが、文化的な加工も然りであろう。カレー、ラーメン、天ぷら、いずれもこれらの食文化は外来が起源であるが、いずれも日本風に全て昇華するに至った。
起源の場所が最高のものを出すというのであれば、インドに行ってカレーを食べればいいし、中国に行ってラーメンを食べればいいし、ポルトガルに行ってフリッターを食べたりすればいいのである。

世界とは文化の折り重ねで出来ている。影響を与え合う文化が、あたかも複数の蔦が同じスピードで曲がりくねりながら伸びて、そのラインを描いてきたのが現在の歴史である。

日本の北斎がいなければ、フランスの印象派は誕生しなかった。
日本の株価チャートのローソク足は各国へと広がった。
イギリスがなければ、各国に広がるユニバーサルジョイントや内燃機関は無かった。
アメリカがなければ、高層ビルや飛行機やインターネットは無かった。
中国は紙と火薬と羅針盤を発明し、インドはゼロを発見した。
これらの知識と素養は各国へ伝播し、駆け巡り、その上に更なる何かを生み出している。

日本という国は加工貿易国である。ならば、初出の人間の権利を保護をするべきと同時に、それを加工して昇華したものを作りうる二次創作を行う人間の権利を保護すれば、文化的な発展が見込めるのではないだろうか。
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