とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

現代の債務奴隷

2015-01-07 22:51:19 | 哲学・社会

債務奴隷
『世界がもし100人の村だったら』
~債務奴隷 ネパールのスニータちゃん~
http://yoriki2.jp/nepal/htm/snita.htm

奴隷として生まれてきた子供たちがいます。

 ネパールの茶畑で働くスニータちゃん、11歳。彼女は一日中働きづめです。

 彼女を縛っているのは代々の借金。

 生まれながらの貧困、借金地獄。遊ぶことも知らず朝から晩まで働き続
 ける子供がいるのです。

 そんな少女が暮らしているのは、ヒマラヤ山脈のふもとに広がるネパール
 王国の南東部。ここには今でも生まれながらに奴隷生活を強いられる人が
 大勢いるのです。

 ここも債務奴隷といわれる人がいる紅茶農園の一つ。

 債務奴隷とは親やそのまた親の世代から代々受け継がれてきた借金を背負
 い一生働き続ける人たちです。

 農園主の家で身の回りの世話をするまだ幼い少女の姿がありました。
 手を休めることなく働くスニータ、11歳。彼女に休むひまはありません。

  農場主の妻「もっと力を入れてポンプを押しなさい、しっかりやるのよ!」

 小さく細い体には大変な重労働です。

 朝の6時から働いています。農園主の家の掃除に薪拾い。
 特にきついのは寒い時期の洗濯です。足までつかりながら、肌を切るような
 冷たい水で何度も何度もすすぐのです。

 代々続いた借金は、返すあてのない額にふくらみ、一生働くことだけが
 決められているのです。

 (家から離れた川で洗濯しながら)

  スニータ「ご主人たちの洗濯物よ。つらいけど、家族のために仕事をするの」

 ネパール王国は債務奴隷制度を禁じていますが、今も数え切れないほど
 債務奴隷が存在するのです。

 この地方は紅茶の産地として有名で、ブランド紅茶として世界で愛用され
 ています。その茶摘に債務者奴隷の子供たちが借り出されるのです。
 ここだけで10人の子供たちがいました。

  スニータ「ずっと働いているの。学校・・・行ったことないわ」

 (うつむきながら答えてはにかむ)

  スニータの母「あたしの言うことを聞いて。今日はこの畑を全部終わらせるわ。
       さあ、行って、行って!急いで!さあ始めましょう、ここに一人、
       真ん中に一人向こうに一人よ、散らばって!」

 4月から10月までの茶摘のシーズンは朝夕3時間毎日続く作業です。新芽だけを
 丁寧に取るためには、女や子供たちの小さな手のほうが向いているのです。
 スニータは8歳のときから一人前の茶摘要員です。

 手を休めることはできません。農園主が見ています。

  農園主「新芽だけを上手に摘むんだ。上だけ摘んで、下の芽は取るんじゃ
      ないぞ!」

 女や子供たちは黙々と作業を続けます。

 親の世代や、さらにその上の世代から積み重なった借金でがんじがらめの人たち。
 生まれたときから雇い主のために働くことを宿命付けられた子供たちです。

 作業が進めば背負った袋はかさばります。

  スニータ「重たくなっちゃったよ、袋が重たすぎて溝に落ちちゃったわ
       足元が見えないんだもの」

 (畑の中で尻もちをつき、他の子供たちと一瞬笑い合う)

 肩が痛くなるので時々かけ替えます。これはお母さんから教わった方法。
 スニータのお母さん・ラトナマヤさんは42歳。お母さんも小さいときから
 この農園で働き続けていました。さすが農場一の摘み手、スピードが違います。

  スニータの母「私も8歳の時からこの仕事をやっていますよ、ずーっと昔からよ」
  スニータ「仕事はつらくないわ、お母さんといっしょだから」

 家族がそばにいることが唯一の励みです。休みなしで2時間働いて袋がいっぱいに
 なりました。

 (農場に戻って農場主の三男に袋を渡す。)

  スニータ「採ってきました」
  農場主三男「ずいぶん軽いじゃないか!ちゃんと仕事したか?」

 検量係は農園主の息子です。子供たち5人が収穫した新芽は最高級の紅茶に
 加工されます。

 (重量を計りながら)

  農場主三男「12キロか、やっぱり少ないな、次はもっと頑張るんだぞ」

 債務奴隷の一家に自由はありません。
 家族全員が借金のために働きます。

 男の仕事は力仕事や家畜の世話。スニータの父(カラン・バハドル 51歳)と
 弟たちも一日中そんな仕事に追われていました。

 7才のスシールに9歳のスーラジュ、この弟たちも学校には行っていません。
 水牛の世話で一日が暮れるのです。

  スニータの父「まったく楽じゃありません。暑い時も寒い時も仕事をしなくちゃ
       ならないし、そうしないと食べていけないですから。
       心配といえば子供の将来だね。自分はどんどん年老いていくし・・・」

 債務奴隷の家族の多くは一生を生まれた農園で働いて終えることになるのです。

 (藁葺きの小さな家が写る)

 ここがスニータの家族が住む家です。
 5人で暮らしています。台所用の土間とベッドがある寝室の二間だけです。 

  スニータの母「狭いでしょう、恥ずかしいわ」

 確かに狭い家ですがとても清潔にしています。スニータもお母さんもきれい好き
 なのです。家自体は農園主からの借り物です。

 スニータはいったん家に戻った後、再び農園主の家の仕事にかかります。
 スニータの家は債務奴隷の中でも最も借金が多いため、他の子供たちより
 余計に働いているのです。煮炊きの薪の準備、そして食事の下準備をするのも
 夕方からの仕事です。

 (川の水で食器を洗いながら)

  スニータの母「借金があるの、代々のことだからどのくらいあるのさえ
わからないくらい。子供たちを学校へ行かせてあげたいけど
お金がないし・・・。だから勉強させてあげられないんです」

 スニータは食事の支度にかかっていました。一時も手を休める暇はありません。

 スニータのお母さんも、そのお母さんも、またそのお母さんも代々この家の
 下働きを勤めてきました。

 主人達の食事は夜の8時ごろです。

 このあたりでは昔から主人達が直接口にする料理を奴隷には触らせません。
 スニータも下準備までです。一説には奴隷に毒を盛られることを心配しての
 ことだといいます。この日は三男の嫁が作りました。

 ネパールでは食事の順番が決まっています。まずは男性の家族が食べます。
 妻や娘たち女性はじっと待っています。男性が食べ終えるとやっと女性達の番
 が回ってきます。奥さん達が食べ始めたのは8時半を回っていました。

 しかし、スニータは主人の家族全員が食べ終えるまで食事をするができません。
 後片付けをしながらじっと待ちます。むしろ仕事をしているほうがお腹がすいて
 いるのを忘れられます。

  農園主三男の妻「余ったから持って帰っていいわよ」
  スニータ「すみません・・・」

 これでやっとスニータも夕食が食べられます。スニータは残り物のご飯をもらって
 家へと急ぎます。家までは歩いて2分。スニータの家族は彼女が帰ってくるのを
 いつも待っていてくれます。

  スニータの母「さあ、私たちも食べましょう、お腹すいたでしょ」

 スニータの分の食事は主人の家からもらってくるので一人前浮きます。
 家族揃っての夕食。

  スニータの母「さあ、食べましょ、食べましょ!」

 夜の9時すぎ、スニータの家族はやっと夕食です。家族揃って食べるこのときが
 スニータにとって一番幸せなときです。

  スニータの母「ご飯食べたらまた戻るんでしょ?」
  スニータ「うん、まだ仕事が残ってる」
  スニータの母「終わったら早く帰っておいで」
  スニータ「うん」

 夕食を済ませたスニータは息つく暇もなくまた主人の家へ戻りました。最後の
 後片付けにかかります。彼女の仕事が完全に終わるのは夜11時近くになります。
 まさに働きづめの一日です。


 夜11時、やっと長い一日が終わりました。家族5人が揃って同じ部屋で眠ります。

  スニータの母「明日も早いから・・・」
  スニータの父「あしたもやることがたくさんあるぞ」
  スニータの母「ゆっくり寝ましょう」

 片寄せあって眠るささやかな幸せのひととき。スニータは誰よりも早く深い眠り
 に落ちてゆきました。


さて、この債務奴隷というのは言い方を変えれば、社会システムにおける労働の搾取である。労働賃金よりも利子負債の方が大きければ永遠に返せない仕組みであり、人が理性判断を働かせて合意した約束はいかに理不尽であろうと破れない。

この社会的システムによって収奪する、というモデルを合法的に造り上げた国家があった。ソ連とアメリカである。

ソ連は社会システムにより、コルホーズの強制労働の上に国家という基礎を織り成した。いわゆる飢餓輸出で、人々は社会システムの犠牲になったのである。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1213985342

アメリカはホワイトプアーという貧困層を確実に生み出しながら、しかし富の47%の保有は、人口1%の富裕層に偏っているという社会である。

さて、これが適用される国がもう一つある。日本である。
ピケティの予想でも資本層はより豊かに、労働層はより貧しく、という未来が予想されているこの新自由主義の世の中で、新自由主義の台頭を許容しているのが現在の安倍内閣である。

またそれ以外にも、我々が労務から離れられない、自由に労務を選択できないという労働上の問題がある。それは解雇後の再雇用の問題だ。
転職をするなら35歳まで、という話しはよく聞くのであるが、つまりそれを超えたら再就職は困難であるので皆今の仕事にしがみつく。そして55歳くらいで本社、そこから先は子会社、そして定年、という流れになる。
社会システムが我々を終わることのない労働に縛り付けている、というのであれば、それはやはり一種の債務奴隷と言わざるを得ない。

だからこそ資産運用をしろ、という話しもあると思う。
ハリー・ポッターでの主演をした、ダニエルラドクリフが投資で荒稼ぎをしているという。
ダニエル・ラドクリフ、ハリポタ長者から投資王へ!資産が127億円に
MovieWalker 2015年1月2日 20時49分 配信
http://news.walkerplus.com/article/53971/

株を買えばいいじゃないか、と思われるかもしれないが、日本人の8割以上は株式を保有していないと見込まれる。そのような中で社会問題意識として全員に株を買うように薦めるべきだろうか? 

全国証券会社主要勘定及び顧客口座数等
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/kanjyo/
顧客口座数(個人):21833949(2014年9月)
日本人口を1億2729万8千人とすると、日本の株式保有人口比率は17.2%である。

だが、それを知らされなかったりする人はどうすればいいのだろうか? そして労働者側に配当が無いという不平等は、皆、倫理的にどう考えているのだろうか? そのままでいいと思っている? そのままでいいかもしれないが、ある点を境に労働者側が爆発してしまわないだろうか。

昔は比較的自由に商売が出来たと思う。例えば初期のホンダが、松根油入りガソリンを物価統制されてない松根油と言って燃料にしていたように。
https://books.google.co.jp/books?id=Bay7BQAAQBAJ&pg=PT135&lpg=PT135&dq=%E6%9C%AC%E7%94%B0%E5%AE%97%E4%B8%80%E9%83%8E%E3%80%80%E6%9D%BE%E6%A0%B9%E6%B2%B9&source=bl&ots=j720Oq-zkp&sig=jtX4tA26alwcnRMNXdeLpqFZ2RE&hl=ja&sa=X&ei=6TWtVKnZJeTcmgWswIDwBA&ved=0CB0Q6AEwAA#v=onepage&q=%E6%9C%AC%E7%94%B0%E5%AE%97%E4%B8%80%E9%83%8E%E3%80%80%E6%9D%BE%E6%A0%B9%E6%B2%B9&f=false
だが、現代では規制でガチガチだ。身動きが取れない。
自由な商売が出来ない。よって職業の選択は必然的に狭まることになる。
現代において唯一糸口がありそうなのがITではあるがそれだけである。
社会的に平穏な日は我々に来ない。

それではどうすれば良いだろうか。
時間があるので自分で考えている。
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わたしにも暇があります (かめ)
2015-01-08 10:04:57
私たちが、安い値段で買うことができる商品は、より貧しい人から搾取している、というのを知ると、心が痛みます。

昔は日本も貧しく、そこを抜け出すことができて、今の豊かな生活があります。

人の意識を変えるために必要なことは何か、と考えました。

有名人に、このような現状を理解してもらい、賛同していただけるかたに、ファンへ呼びかけてもらう、というのはどうでしょう?

強い想い、によってしか、つまるところ、変えられないのではないかと感じます。

少なくとも、魔王さまのファンである人には、この問題提起は届いている、と思います。

わたしにも、しっかりと届きました。

自分が、恥ずかしくなりました。

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