とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

【脚本案】地上最強対決シリーズ 範馬勇次郎vs江田島平八

2018-11-17 23:40:34 | 脚本
範馬勇次郎「ふん、ここか・・・」
範馬勇次郎は、この平成の世にあるとも思えない、古びた木造校舎の前に立ちはだかった。

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教室にて

田沢「今日はいい日和なんじゃが、どうも悪い予感がするのう・・・」
虎丸「やめろ! 田沢、お主がいらんことを言うとろくでもないことが起こるんじゃ! 」

鬼ヒゲ「そこぉー!! 私語はやめんかあー!! 」

虎丸「いや、そんなことを言うてもこれまでの経緯とジンクスからなあ・・・」

鬼ヒゲ「それを大和魂でなんとかするのが男塾の使命じゃろうが! 田沢! 悪い予感があるなら、お前の気合いでこの不穏な空気を取っ払うんじゃー!! 」

田沢「オッス! それでは不肖田沢、九九の唱和をさせて頂きます! 」

富樫「おっ、久しぶりに田沢の九九が聞けるのか」
虎丸「田沢の九九はハリウッド並の感動があるからのうー」

鬼ヒゲ「お前らー!! 敵性文化の称揚はやめるんじゃー!! 」

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田沢「九九八十九ッ!!! 」クワッ
虎丸「おういつ聞いてもさすがじゃのう田沢の九九は」
松尾「しかも今日は唱和を完唱できただけじゃなく、三の段まで正しく言えてたっぽいんじゃ」
富樫「うーん、今日は雪が降るか槍が降るか・・・地震でも起きるんじゃねえか? 」

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塾長室

江田島平八「ワシが男塾塾長、江田島平八であるッッッ!!! 」クワッ
範馬勇次郎「邪魔するぜ・・・貴様が江田島平八か・・・」
江田島平八「そうじゃが、貴様・・・範馬勇次郎か」
範馬勇次郎「知っているようだな、なら俺の目的は分かるだろう」

座っている席を立ち、下駄と和服姿、両手を互いの袖に通す形で、勇次郎と対峙する江田島平八。

江田島平八「ここは学び舎。お主の注文は断らせて貰おう」
範馬勇次郎「分かっているだろう・・・断る断らないの話じゃねえ、男が二人向かい合って立っているんだ。やることは一つだ。注文をきいてもらおうか・・・」

有無を言わさず、勇次郎が極厚の鉄拳を繰り出す! 
命中して、人に当たったとは思えない打撃音を放った! 
クレーン車から吊り下げた極大の鉄球が、頑丈な鉄の壁に当たったかのような轟音が学舎に鳴り響いた! 

埃が舞った後に見えてきたのは、江田島が半身にし、肩でその拳を受け止めていたのだった。

・~・~・~・~・~・~・~・~・
振動で崩れそうになる木造校舎

田沢「地震じゃあーー!!!!! 」
虎丸「田沢、お主が九九の唱和で三の段まで正しく言うとかいう奇跡を見せるからじゃ! 」
富樫「そうじゃ、田沢、今からでも三の段を間違えて言うんじゃ! 」

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範馬勇次郎「ほう・・・噂にたがわず・・・くっくっくっ」
江田島平八「無法者の道場破りに似た来客もよくいるがな、力だめしなら場所を移動するか? 」
範馬勇次郎「ふんっ、お前の力の100パーセントを知りたいからな・・・このボロ校舎じゃあお前も十全に力が出せない、いいだろう・・・」
範馬勇次郎「バキよッ、見ておけ。これから実践でお父~~さんの優しい教育をしてやるからなあ」
範馬刃牙「江田島さん、すみません、初対面でこんな非礼ながら時間を取らせて頂けませんかッ」
江田島平八「いい、いい、息子の方はしっかりしているようじゃな、たまにはいい運動だろう」

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校庭にて

範馬勇次郎「最初から全力でいかせてもらうぜ」
江田島平八「御託はいい、さっさと来い」

松尾「何かあったんじゃろうか」
秀麻呂「大変だァー!! 道場破りのようなのが塾長にー!! 」
富樫「ははっ、また腕自慢が来たのか。返り討ちだろうよ。」
虎丸「授業もつまらんじゃろうからて、ちょっと見学に行ってみようかのう」

刃牙「あの男はどれだけ強いのか・・・」

対峙する二人! 狭まる距離、歪む空間! 制空権と間合いが触れ合った! 
ノーモーションで勇次郎が豪拳を繰り出した! 

刃牙「来たッ! 最初から決める気だっ!! 」

勇次郎の拳を、刹那、手をとって、逆関節から投げを見せる江田島! 
(見開き2ページ)

富樫「なっ!!!」
虎丸「なっ!!!」
一同「なにーーーーっ!!!」
刃牙「投げられたッ!! 親父がッッ!!!!」

響く轟音。

松尾「塾長が拳ではなく、投げをっ!!!」
富樫「おい、虎丸、塾長が投げをするだなんて見たことがあるか? 」
虎丸「見たことねえよ。もっともあの人は何でもマスターしているだろうからな・・・投げができる言えば、当然っちゃあ当然だが、しかし初めて見たぜ・・・」

刃牙「ギャラリーの狼狽振りが何か違う・・・親父が投げられたことより、相手が勝って当然だが、投げが珍しいかのように・・・」
刃牙「教育するって言って自信満々だったのに、そこから投げられるとか・・・しかしあの投げは何か特殊だ・・・」

校庭の土に3cmほど仰向けでめり込む勇次郎

江田島「かろうじて受け身が間に合ったようだな」
江田島「しかしそれで終わる貴様でもあるまい」
勇次郎「ふーう・・・堪能したぜ・・・中国拳法の関節技と日本柔道の投げを上手くミックスしたようだな」
勇次郎「それにだ・・・受け身が取れるよう、地面につく刹那、投げで決めていた腕を上にひっぱるお人好しよう・・・まだ食い足りねえ・・・」

雷電「あれは・・・中国梁山極奥義『愚理度満(ぐりどまん)』!!! 」
桃「知っているのか!? 雷電! 」
雷電「ああ、中国の黒龍江省の山奥、鳥我寺の門外不出の奥義で私も伝聞でしか知らないが、対拳闘の際にどのような相手をも異種格闘の混交技で抑え込むと言うものッ・・・! 」

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中国梁山極奥義『愚理度満(ぐりどまん)』

中国は広く、格闘家が相手にするものは万象に渡る。
様々な流派の拳法、あるいは巨躯の体格や、俊敏な者、毒のあるもの、道具を使うものなど種々様々であった。
そのため、そうした環境に置かれた格闘家達、拳法家達は、ありとあらゆる異種格闘が起こることを想定した格闘技を開発せねばならないことを余儀なくされたことは想像に難くない。
その背景から編み出された秘奥義の一つに、理合いを以て愚を制し、世の中を満たすと言う意味の技「愚理度満」が誕生した。
その型は、一つに収斂されて磨き上げられた技と言うよりも、異種格闘を組み合わせて機転を制すと言う思想に近く、よって一定の型を見ることは基本的にない。
通常に繰り出された技よりも、この思想性を見出すことは困難であろう。
しかしそうした特殊性こそがこの技を秘伝のものとしたことは言うまでもない。

尚、今日の2018年にアニメ制作会社TRIGGERが「SSSS.GRIDMAN」なる映像作品を製作したが、あらゆる状況下で格闘をするということに着想を得てこのタイトルにしたと言うのは関係者の極秘の話である。

民明書房刊「中国拳法は今の日本アニメにどのような影響を与えたか」(P218)より

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勇次郎が起き上がる。

勇次郎「ふふ・・・愚理度満か・・・」
江田島「中国に渡ったことがあるようだな」
勇次郎「答えなくてもいいだろう。俺たちにとっては肉体の接触だけが会話なんだからな。」

勇次郎が間合いを詰める! 
再び制空権が触れ合う! 

勇次郎のローキック! なんとそのキックの高さに併せ、即座に自分の体躯をしゃがめる江田島! 
勇次郎の足が江田島の頭に触れんとした時、江田島は足を取って裏返そうとした! 

即座に反対の軸足で地面を蹴り、勢いをつけて脱出する勇次郎! 

江田島「今度の技は真正面から受けぬようだな」
勇次郎「這いつくばるのは嫌なんでな・・・それよりも今のは、シャオリーと関節技のミックスだな・・・」

バキ「そうか・・・これが親父の見せたかったことッ・・・! 相手の武術の引き出しから学ぶことかッ・・・! 」
バキ「それと最初の投げをわざと食らったのは、最近は勝つのに飽きたりて、相手の技を受けたいと言うッ・・・」

勇次郎「そうだ、バキ・・・料理も極上の旨さの中に、たまに辛いのや渋いのがあるから美味えんだ・・・人生だってそうだろ? 」

バキ「親父らしいよ・・・俺なんて辛さや渋さしか無かったのに・・・でもそれが極上の旨味と出会う道でもあったような・・・」
コメント
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