![]() | 火車 (新潮文庫)宮部 みゆき新潮社このアイテムの詳細を見る |
本書、ハードカバーは92年に出版され、93年に山本周五郎賞を取った。
宮部みゆきは「火車」であるとずっと思い続け、人にも言ってきたのだが
実際の所 大昔に読んだきりでほとんど内容は覚えていないことに思い至り
読み直してみた次第。
正直な所、当時ほどの感慨はない。
たぶんそれだけ年を取ったということなのだろうなぁ。
本書に対する高い評価は、自分より若い女性(当時宮部は32歳)がこれだけのことを調べ上げ、ストーリーを練り上げたこと自体に対する驚きもあったと思う。
大阪で老夫婦が兄と三人で踏み切りに飛び込んだのは何年前だっただろう。
あれから規制が多少強化されたようにも思うが実際の所どうなのだろう。
この収入が下がる中での物価高・・・本書に描かれているようなマイホームを夢見たローンが返せなくなり・・・という状況よりもっと悪くなっている気がする。
本書で宮部が提起した問題は何も変わっていない。
教育現場で消費者教育を、それだけでも何とかならないものか。
いまどきブラウスが縫えなくてもいい。ボタン付けくらいができさえすれば。家庭科の時間を割くことができないものか。被服の先生方の反発を受けるのだろうなぁ。