豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

GWに起きた山の事故について短くコメントしてみる

2010年05月09日 | 山岳遭難
今年のGWは恒例のメイストームが到来せず、ほぼ全期間にわたって好天が続いてしまったわけですが、その影響で報道された山岳事故は例年より多いような気がします。あくまで気のせいですけど。





登山中に小学生が一時不明、無事保護 茨城・筑波山
産経新聞  2010.4.26 20:47


状況的には迷子レベルなんですけど、大の大人が40人出動しちゃってます。このブログでも何度か書いているような気がしますけど、お子さん連れの方は決して子どもから目を離してはいけません。

これまた何度か書いているような気がしますけど、私は大捜索大会に出動したことが無いかわりに、迷子捜索はそこそこ出ています。で、山頂方面から1名、登山口方面から1名が出動して探せば迷子なんて簡単に見つかると思うのですが、不思議なことになかなか見つかりません。毎回、「おいおい、いったいどこにいるんだ」と大騒ぎになり、ヘリコプター出動寸前になっちまいます。


で、ひょこっと変な所から出てくるんですけどね。





赤薙山登山道で夫婦が滑落 栃木・日光市
産経新聞  2010.5.4 02:35


石につまづいて滑落した奥さんをダンナさんが救助しようとしたものの、自分も滑落してしまったという事故です。で、山の中で一晩ビバークした後、通りがかった男性に発見されたことで結果的に救助されたというわけですね。

産経の記事では「救助を待っていたところ」なんて書いてありますけど、家族から通報があったということは書いてありません。もし男性が通らなかったとしたら、誰も通報しないまま行方不明、というケースだったのかもしれませんね。

入山届を出す出さないという話がありますけど、その前提となるのは「万が一、オレが下山予定日までに戻ってこなかったら大騒ぎしてね。警察への通報も可」という家族や友人知人がいて、ちゃんと緊急事態に備えて手はずを整えておくことです。そのあたりは大丈夫だったのでしょうか。






月山で行方不明男性を救助
山形新聞  2010年05月01日 13:53


本人が所持していたGPSの位置情報によって目出度く救助、なんですが、本人歩けたみたいですし、なんとか自力下山できなかったのかと、小一時間問い詰めたいケースです。GPS持っているのに迷ったという事故例が、増えてきましたね。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ユーモア (Mec)
2016-04-15 02:27:38
度々過去の記事にコメント申し訳ないです。
いくつか読んではスルーしていたのですが、ちょっと我慢の限界を超えました。

ユーモアのセンスが抜群ですね。この記事にある「小一時間問い詰めたい」など声を出して笑うほどです。他にも登山教室トイレ遭難事件など、下山して気付くってすごい、などいたってマトモな感想ですが思わず笑ってしまうコメントが多々あります。

ロジカルなだけでなくこのユーモアのセンスが読ませる理由の一つなのでしょうね。

特別意見のない駄文失礼致しました。
返信する
Unknown (bongo-pete)
2010-05-31 13:20:42
お父さんです様

仕事柄、若者が山で病気になって運ばれた例をいくつか見聞しています。ですから病気に対応した保険というのは、若者であろうと必須だと思います。

以前どこかで「山で病気になるのは健康管理が悪い」なんて主張を読んだことがありますけど、よくよく気をつけていたところで病気になってしまうことはあると思いますよ。

返信する
私も【遭難】してたかも! (お父さんです)
2010-05-30 07:52:55
連休中に家族サービスで旅行していたら『脳内出血』で緊急入院しました。家族旅行が無かったら無人小屋に1泊登山するつもりでした。
登山中に『脳内出血』していたら滑落していて死んでいたかも!。今回は本当に運がよかったです。
直ぐに発見して貰えれば、死んでいても脳内出血が原因による遭難と判ったでしょうが、ある程度腐敗してから見つかるか、見つからなかった場合は遭難理由と死亡原因は不明になったでしょう
私は40代半ばで酒・タバコもやらず、食生活にも気を付けメタボでもありません。周りの人々も「何で私が?」といった感じです。
脳内出血の原因は色々ありますが、血管の奇形等が原因の場合は20代でも出血する時があるそうです。
私が加入している遭難保険は病気の場合でも補償されるタイプだったので家族にかける迷惑は多少は減らせました。
皆さんも自分が遭難する可能性はあると言う事をよく自覚して下さい。
返信する