豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

迷ったら引き返せばいいなんて悠長なことを考える前に読んで欲しいツィートを2つ紹介

2023年07月31日 | 道迷い遭難を防ぐシリーズ
まずはひとつめ。

「道を間違えて引き返そうと岩に腰掛けた途端、スリップして滑落」と書かれています。引き返すのに岩へ腰を掛けているのがポイントです。

普通の踏み跡でしたら、岩に腰を下ろして方向転換なんて必要ないはずです。危険なところへ入り込んでしまい、二本足で立てない場所に追い込まれてしまったのでしょう。

結果、斜面と雪渓の間に滑落してしまい、身動きが取れなくなってしまいました。幸い遭難者はホイッスルを吹くことができたため、通りがかった登山者に発見されることができました。長時間発見されなかった場合、雪渓で身体が冷やされて低体温症になってアウトだったでしょうね。


さて次です。

白いウェアを着た登山者が、ハイマツかなにかの灌木帯にハマっています。場所は書かれていませんが、同じ日に北アルプス槍ヶ岳の南、横尾尾根付近で道迷い遭難があったと報道されていますので、恐らくそこでしょう。

恐らく灌木が密生している急な斜面に取り付いてしまい、それ以上進むことができなくなってしまったのでしょう。しかし、下ることもできなくなったようですね。

この画像は、じっくり見て欲しいですな。道迷いに陥っている人は、こんな登山道も何も無いところをガムシャラに進んでしまうのです。よく「迷ったら、来た道を引き返せ」って言いますが、本当にヤバい道迷いは、道なんか歩いていないのです。だから、容易に引き返すことができません。

迷ったら引き返せばいいって発想、登山用の地図アプリが普及してからさらに広がっているように思えますが、危険です。最初から迷わない、ミスったとしても1歩で気づくようにすべきです。

ツイッターやっています
↓キンドルから本を出しました↓

ガチで考える山岳遭難の防止

登山・キャンプ ブログランキングへ