豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

山岳保険 その2

2007年09月23日 | 遭難と救助について考える
今年の白馬岳周辺は比較的事故が少なかったのですが、なぜか山小屋で発病して救助要請というパターンが多かった気がします。

山登りで病気と言えば中高年登山者の専売特許と思われがちですが、決してそんなことないですね。高山病は老若男女関係ないですし、実際、若者が病気で動けなくなる例は何度も見ています。

そばアレルギーの若者がうっかりそばを食べてしまって救助要請、なんてことも、過去にはありました。ケガの原因だけでなく、病気の原因も山には転がっているってわけですね。



山で病気になるのは健康管理がなっていない、という意見も聞いたことありますが、山という環境の中では意外な病気を発症したりするものです。

上の画像は、今年村営頂上宿舎のテント場で発生した病人のレスキューで撮影したものです。遭難者は高校生なんですが、胸の痛みを訴えて深夜12時過ぎに診療所へやってきました。

レントゲンもない診療所で正確な診断を下すのは困難なのですが、どうも自然気胸らしいということになり、早朝から救助要請ということになりました。歩行がかなり辛そうで、長時間の山歩きはまず無理です。

自然気胸(突発性気胸)は今のところ原因が不明であり、事前に健康診断して対応するのは無理ってものです。しかも痩せ型で若い男性に多い病気ですから、いかにも若き山男!って人ほど気をつけたほうがいいのかもしれません。スリムなトレイルランナーだって当てはまりますね。病気になった彼も痩せていました。




そういうわけで、どんなに若くて健康な人でも、山で病気にならないという保証はないのです。

そして、発症がたまたま遭難事故多発日で公的機関のヘリコプターが順番待ちだったり、整備中で飛べないなんて時、お金のことが心配で民間ヘリコプターを依頼できないってのは切ないものだと思いますよ。



で、以前にも書きましたが、病気もOKな保険はおそらく日本山岳協会の山岳共済と、都岳連共済、そして日本山友クラブ(白馬館グループがバック)の3つです。モンベルの保険も病気をカバーしているらしいのですが、FAQを読む限りでははっきりしません。検索するとこんなページが出てきて、


●バックカントリーでスキーを楽しんでいる際、突然心筋梗塞の発作が起こり身動きがとれなくなり、遭難してしまった。(山岳保険のみ)
 →山岳保険に付帯する遭難捜索費用担保特約は、心筋梗塞や高山病等、疾病に起因する遭難に対しても補償。


なんて書いてあるのですが・・・・

どうせならトップページに「病気でも大丈夫!」って記載したほうが、売れるような気がするのですけどね・・・・


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