豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

ヘリコプターの呼び方 補足

2007年04月03日 | 山を飛ぶヘリコプター
前回の補足になります。



◎ダウンウォッシュ
ヘリコプター接近とともに、強烈な風が吹き付けてきます。これをダウンウォッシュと呼ぶのですが、これに注意が必要です。

大型ヘリともなると、空のドラム缶が勢いよく転がっていったり、ベニヤ板が宙を舞います。とあるヘリコプターは、山小屋の屋根を飛ばしたという伝承が残っているほどです。

ですから、ヘリコプターが接近してくる時に、不安定な場所にいてはいけません。風にあおられて転落する可能性があります。またザックも谷底に転がってしまいますので、手の空いている人がザックを数個まとめて押さえておくなどの対策が必要です。


◎ホイスト
ヘリコプターから降りてくるワイヤー式降下装置をホイストと言います。先端にはフックがついていて、遭難者や救助者のハーネスに装着します。

現在各県警や消防などで使われているヘリコプターの場合、概ね60~70mぐらいワイヤーが伸びます。

この装置にお世話になる羽目になったら、下を見ないようにしましょう。ワイヤーが細いので、ちょっと恐いですよ。高所恐怖症の人には、ちょっとアレだと思います。


◎風速
雲一つ無い天候でも、風が強いとヘリコプターは飛べません。

どの程度の風ならいけるのかは、ヘリコプターの機種とパイロットの腕に左右されるので何とも言えません。風速12mぐらいでダメな場合もあれば20m近くあっても飛んでくることがあると、大雑把に覚えておいてください。


◎視界
山岳飛行に慣れたパイロットなら、ほとんど視界がなくても斜面スレスレに「有視界飛行」しながら飛んでくることがあります。ガスっていて視界がなくても霧の動きが早いとか明るさが目まぐるしく変化する場合は、ガスっている地域が狭い、あるいはそれほどガスが厚くない場合が多いです。そういう時には前述の飛行が可能になるので、天候状況を正確に伝えましょう。


◎山岳保険
山岳救助はヘリコプターならなんでもOKというわけではありません。民間の小型ヘリでないと接近できない地形、天候ってものがあります。私は以前、狭い谷筋で◎体回収に従事したことがありますが、御家族の反対で民間ヘリを要請できなかったので県警ヘリでピックアップできる地点まで移動しなければならず、1日余計に掛かりました。

また夏山などでは「遭難特異日」が、年に1度くらいはあります。こういう時は県警も消防も大忙しになり、いつになったらピックアップされるのかわかりません。延々と待機している間に天候悪化でヘリコプター撤収、なんてこともあるのです。そうなると現場や山小屋でつらい夜を過ごすことに・・・・。

「民間が飛べば、さっさと終わるのになあ」というレスキューは、少なからずあります。結果的に助かれば、それでいいかもしれません。が、無料のヘリを待ったがために病院への収容が遅れ、命を落とすことだってあり得ます。年間数千円払えばヘリを一発呼ぶのに充分な保証が得られるのですから、山岳保険ぐらい入っておいてください。もはや山岳保険ナシで入山するのは、任意保険入らずに車を運転するようなものだと思ってます。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kazupon)
2007-04-03 12:29:54
山岳保険>入りたいのですが
何処に言えばよいのでしょうかぁ~

ゴルファ保険やスキー保険にはありませぬが・・・。
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Unknown (bongo-pete)
2007-04-03 17:25:20
とりあえずなら、都岳連の共済がいいかもしれません。私も入ってます。
http://www.e7a.jp/tmf/
以前にも山岳保険ネタを書いていますので参考にしてください。
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Unknown (kazupon)
2007-04-04 07:45:03
有難うございます。
是非入っておこうと思っております。

(=^・・^=)
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