豊後ピートのブログ

元北アルプス槍ヶ岳の小屋番&白馬岳周辺の夏山パトロールを13シーズン。今はただのおっさん

登山届を書くと登山計画の見直しになって遭難防止、という理論はいい加減止めて欲しい

2015年04月27日 | 遭難と救助について考える
岐阜県がなぜ、登山届を出さないと罰則なんていう条例をつくったのかが、これでわかりました。


(耕論)山の遭難、条例で防げるか 木下喜代男さん、溝手康史さん
朝日新聞  2015年4月18日05時00分




引用
<遭難急増が契機> 県内の登山家や救助関係者、観光業者たちによる研究会が昨年初めから条例の内容を話し合い、3回の会議で出した結論が「登山届の提出義務付け」。理由はリスク管理です。登山届の記入は、自分の力量に合った行程か、など、計画の見直しにつながります。それが安全登山の第一歩です。万が一遭難した場合も、迅速に捜索や救助できるメリットがあります。
引用おわり


冬山での長期縦走を計画しているならともかく、無雪期の日帰りや1泊2日の登山でそれはないよなあ、と思います。登山届の提出に意味があるのは「万が一遭難した場合も、迅速に捜索や救助できるメリットがあります」であり、遭難防止の効果はほぼ望めません。

そもそも、登山届を書くと自分の力量がわかるのでしょうか。

文章にすると自分の考えをまとめることができるってのはよくあることで、自分もブログに書くことでいろいろ整理できているのですけど、それを登山届に当てはめるのは無理過ぎです。

北アルプスであれば転倒や転落が遭難事故の多数を占め、また全国的には道迷いが多くなります。で、それらを防ぐために登山計画をきっちり立てることが有効、だなんてことはまずあり得ません。そんなことよりも、どういう場所で転落事故が起きるのか、あるいはどうして道迷いが起こるのかを具体的に知ることが大切なのではないでしょうか?





余談ですけど、このニュースの後半には山岳会に入って学びましょう!と出ています。アルパインクライミングや沢登り、冬山をやるのであれば、それが当然だとは思います。しかし、ごくフツーの山歩きとなると、いささか不安感が増してきますな。

例えば、県の山岳連盟が主催している登山教室で、こんなお粗末な遭難が起こっているわけです。この遭難事故の話を聞いた時、耳を疑いましたわ。

北アルプスで社会人山岳会のOBがツアー登山の主催会社に雇われてガイドをやっているケースを見かけますけど、えっ?!と思うような人が多いです。少人数パーティでのリーダーならともかく、集団の引率方法をほとんど理解してない感じですね。



さらに余談ですが、最近ブログへのアクセスが最盛期の2/3ぐらいになってしまったので、再びアクセスランキングへのリンクを貼っています。ご協力いただけると幸いです。

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2 コメント

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余談ですが (とも)
2015-04-27 07:48:44
いつもブログをRSSで拝見しておりますので、アクセス数アップにご協力できず申し訳ありません。
RSSで読んでいる人も多くいらっしゃると思いますので、それほど気にされなくてもよいかと思います。
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Unknown (bongo-pete)
2015-04-28 00:07:56
とも様

こちらこそ恐れ入ります。
そういえばRSSだと反映されないんですね。忘れていました。
自分の場合、feedlyを使っていますが、自分のブログを130人の方が登録しているのを今確認しました。こんなさわやかな要素がまったくないブログをこれだけの人が読んでいるなんて、ありがたいことです。
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