poco a bocco

自然の素材がもつぬくもりやパワーに助けられての作品づくり
poco a poco のペースで進みます~♪

がんこちゃんがやってきた!

2007-11-29 00:43:40 | 私のお気に入り
参加しなかった第24回野草展が終了しました。
1週間の期間中、2度ばかり顔を出し、師匠の作品の中でたぶん一番好きなものを手に入れてしまいました。

その一番のお気に入りとは・・・流木と絵付けした石を組み合わせたころろシリーズの一つ、がんこちゃん
このシリーズが作られたのは 7~8 年前のことだったでしょうか・・・まったくいい加減な弟子!
いろんな表情のころろの中で、私が一番気に入っていたのがこの子です。
優しく愛らしい表情だけど、絶対に自分を曲げない強さ、静かな意志の強さを秘めているようで、強烈に惹かれました。
がんこちゃんとは、つまり頑固ちゃんというわけです。
でも、たくさんのころろの仲間たちから引き離してしまうのもかわいそうな気がして、連れて帰る気持ちにはなれなかったのです。

がんこちゃんの命名者はもちろん私。
あの年の野草展では、そこに出入りする人たちがそれぞれに自分のお気に入りのころろを見つけては、それぞれに勝手に名前をつけてしまいました。
ですから、複数の名前を持つころろも少なくありません。

がんこちゃんのお姉さん格のころろ牢名主ちゃん、命名はT子さんです。
師匠が特にお気に入りだった子は、私流に言うとふんばりちゃん、陽気ななまめかしさのあるころろうずめちゃん…天宇受売命(あめのうずめ)…です。
中にはかかとのころろとか、おい、ねえちゃん…のころろと呼ばれるようになった子もいます。
おかしな名前が多かったけれど、みんなそれぞれに愛着と愛情を込めて名づけたのです。

あれから数年、私は師匠の店に行くたびに、このがんこちゃんに熱いまなざしを送り続けていました。
そんながんこちゃんを私のもとに連れてくる決心がついたのは、それなりの理由というか、きっかけがあります。
実は、東京に店を開いて二十数年の師匠が、来年6月、故郷の愛媛に拠点を移すことになったのです。

その話を知ったのは、今年の夏の終わり。
あまりの唐突さに、だれもが最初は驚きましたが、それでも、とても師匠らしいと思うようになりました。
子どものころから物を作ることが好きだった私ですが、創作することの面白さを知ったのは、師匠との出会いによるところが極めて大きいのです。
その師匠と遠く離れる日がこんなに急にやってくるとは思ってもいませんでした。
でも、出会いは別れで、別れは出会いでもあるのです。
15年の月日を経た今、そろそろ一人で歩く練習をしてもいい時期になったのかも知れない…と考えるようになりました。
そして、がんこちゃんをわが家に連れてくるのは、その節目にふさわしいことのように思われました。

とりあえずの居場所は、玄関先の bocco コーナーです。
かなりさぼっているので、やたらゴチャゴチャしていますが、ニューフェイスの割にはすんなりと収まっています。
まるでずっと以前からここに鎮座していたような顔をしているがんこちゃん
やはり彼女は、いつか私のもとに来る運命だったのだと思います。
コメント (2)
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今年の紅葉

2007-11-13 20:42:50 | あれこれ
11月上旬のある日、日帰りバスツアーで伊香保方面へ行ってきました。

今年は例年に増して紅葉が遅く、葉っぱが色づいた木はむしろ少数派でした。
紅葉あるいは黄葉する前のまだ葉の青い段階でチリチリと干からびてしまった木も目立ちました。
これぞ紅葉!…みたいな写真を撮ってみたかったのですが、イメージにぴったりの木はなかなか見つかりません。
結局、最初の一枚は、 ↓ 伊香保神社の石段脇で地面に散り落ちたイチョウの葉っぱ 。



もう一枚は、河鹿橋近くでのワンショット(冒頭の写真)。
幹や枝の動きと色、黄色や緑の葉っぱの間を通る秋の光、それに赤く色づいた部分との組み合わせがとても今年らしい感じがします。

よくよく考えてみると、少なくともこの十数年というもの、紅葉を見にわざわざ出かけていった記憶はほとんどありません。
20年近く前に明治神宮外苑のイチョウ並木周辺を散策して以来のような気もします。。。
1年の中でも、とりわけ9月から12月までの4ヵ月間をせわしなく過ごしてきたのだということに改めて気づいたという次第。
来年の今ごろは、いったいどんな過ごし方をして、どんな紅葉風景を目にしているのでしょうか。。。

第24回 野 草 展
と き:2007年11月19日<Mon>~25日<Sun>
    10:00~20:00(最終日は18:00まで)
ところ:花の店 野 草
    東京都文京区千石 1-6-17
    (都営地下鉄三田線千石駅下車、A4出口から徒歩5分)
    Tel 03-5395-0548

師匠、伊藤慶子さんの個展です。
今年は、bocco作品の出品はお休みさせていただきます。
コメント (1)
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ぐるぐるが好きなわけ…

2007-11-04 19:32:06 | ひとり言
好きな形は、どういうわけか “ぐるぐるねじねじ” …したもの。
絵が描けない、絵心がない…ということが一番の理由なのだが、野草展に出品した過去9回のうち6回が “ぐるぐるねじねじ” がモチーフである。

螺旋は、平面曲線の渦巻き線=spiral(ぐるぐる)と空間曲線の弦巻き線=helix(ねじねじ)の2種に大別される。
それをbocco流に言い換えると、 “ぐるぐる” と “ねじねじ” になる。
蚊取り線香の渦巻き、巻き貝の形等々が前者の代表なら、朝顔のツル、コイルばね、ねじ山等々は後者の代表。
ちなみに、DNAは二重の弦巻きだ。
螺旋には無限の意味もあって、古代から様々な文様に使われている。

写真は蘇州の虎丘という史跡で撮ってきたもの。
春秋時代後期の建造物とのことなので、今から2500年くらい前のものなのだろうか?
いくぶん温かみを感じさせる石の表面いっぱいに刻まれた一本の螺旋。
その末端はさらにまっすぐに天に向かって見えない線を描いているかのようだ。
シンプルでありながらすべてを抱き込んでしまうようなのびのびとした線に、惹かれるものがあった。

一本の線。
私が作品づくりにおいて求めているもの、目指すもの…というより憧れるものは、まさに一本の線による表現。
それは、例えば仙崖が描いた「丸三角四角」「横一文字」。
ニルス・ウドが雪面に赤い植物の液で染めた一本の線。
あるいは、マーク・ロスコの描く空間の奥行きや、李兎煥の余白の向こうにある計り知れない巨大なもの。

はるか深遠なるものに憧れ、一本の線を求めて彷徨を続ける私がいる。
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