一難去って、三災七難
失業中の友人がポロッと漏らした言葉だ
「何それ?」と聞くと
「うん。滞納で止められそうな電気代をやっと払ったんだけど
更に家賃や水道代、ガス代に電話代の請求が押し寄せる。まさに三災七難だ」
三災七難とは正しくは、正しい法を信じず誤れる法が国に蔓延した際
善神が国を去り代わって魔や悪鬼が訪れるために起こる飢饉や疫病
戦争などの災難を説明した仏教用語だ
押し寄せる支払いとは全く意味が違うのだが
彼にとっては笑い事ではない正に災難に違いない
どう応えていいか判らず躊躇していると、彼は「でもサ
三災七難が越えられるのと同じく、僕の難も越えられる」と笑んだ
「そうだね、ウン、大丈夫さ」と言った後に、「それにしても三災七難とは
随分大げさな例えだね。釈迦が聞いたら、ビックリして引っくり返るかもね」
と笑うと、彼も爆笑し「違いない」
彼の楽観主義は、きっと全ての状況を変えるに違いない
破顔一笑する彼を見て、そんな安心が沸いてきた