安心しきっている優しい寝顔は、見るこちらまで温かく柔らかな気持ちになる。
これは、理屈ではない・・・。
赤ちゃんには、そうした不思議な「ちから」があると思う。
私たちの息子にも娘にも、勿論赤ちゃん時代があり、優しい空気の中で私ら夫婦も暮らしていた。
親も社会も、子供たちの生長につれて、変化を期待もし、求めもする。あの優しい空気は一時期のもの?それを、孫が思い出させてくれている?
出産前後の娘が、我が家のIKEAのソファーで日中に仮眠していることがあった。
休みの日に、息子がやはりそのリビングのソファーで仮眠することがある。四捨五入すれば三十路男だ。
眠る横顔や仕草が、赤ちゃんのときとおんなじであることに気づかされる。
子供たちには何一つ大したことをしてやれなくとも、そんな時はふと思う。安心しきって眠らせてあげられているではないか、と。その多くは、母親に負うところが大きいが。
安心しきって寝ている優しい素顔は、見るこちらまで温かく柔らかな気持ちになる。きっとそれは、親にしてみれば、いつまでも変わらぬことなのかもしれない。