意外ですが酸蝕症に注意です。

2010-04-19 23:02:36 | 歯科医療
最近、歯周病のコントロールがうまくいっている患者さんの中で、歯の根の部分にカリエス様欠損が発生することを経験します。こういう欠損はたちが悪く、詰め物をしてもその下部にまたカリエス様欠損が発生したりします。単純な二次カリエス(う蝕の再発)のこともありますが、カリエスではないこともあります。

予防的にはフッ素入り歯磨き剤でのブラッシングでしょうが、患者さんとお話していてふと気づいたことがあります。患者さんは身体にいいと始めたことで、歯を駄目にしているという事実です。

それが酸蝕です。いわゆる“ロハスな生活”、健康や環境に関心の高い人のライフスタイルをさす言葉ですが、このような人たちは食習慣として、酢、柑橘類や野菜を好みます。生活習慣が歯にとって、有害になっているという事実があります。

エナメル質はPH5.5、象牙質でPH約6.5で溶け出します。例えば黒酢はPH3.18ですので、黒酢を常飲しますと、歯が溶解するリスクがかなりの確率であります。

砂糖など甘いものはカリエスリスクが高いということは、だいたいの国民の皆さんはご存知だと思いますが、健康によいと思っている柑橘類などが、食品の酸そのもので歯をダイレクトに溶かしているということをご存知ないのです。歯は酸によりおかされ歯が実質欠損を起こします。通常のカリエスと同じようになります。これを酸蝕症といいます。

酸蝕、咬耗、磨耗を総称して、TOOTH WEARといいます。う蝕(カリエス)・歯周病に次ぐ第3の歯科疾患といわれています。TOOTH WEARについては以前にもこのブログ~ゆらり~でご紹介しています。昨年 2009 1/28のブログです。ご興味のある方ご覧になって下さい。ヨロシクデス。 

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