バランスのある空間

体のこと、心のこと、環境・空間のことの体験談!ワークショップ案内!自分が見たり、感じて想った事を書いてます

脳のなかの身体

2011-03-22 21:53:20 | 体の気づき/動き

認知運動療法という、中枢神経障害患者などのリハビリに使う療法の第1人者で、「脳のなかの身体」という本の著者、宮本省三先生の講義を聞きに行きました

前から宮本先生の認知運動療法は気になっていたので、良い機会に恵まれました。講義は哲学的な話があったりと、分かりにくい所もありましたが、とても参考になり、脳と身体のつながりや可能性を感じることが出来ました。リハビリに単純に歩ければ良い、動けば良いとは捉えず、いかに患者さまが求めるものに近付ける、患者さまの考えを理解するということを大切にして、患者さまの立場に立ちたいということが重要と考えているようです。したがって単に運動という側面だけでなく、高次機能障害や哲学的思考も入ってくるようですし、人を理解しようとするには、大変時間や難しいことが多いです。

また末梢神経は1日に1㎜ずつ伸びるので、亡くなられた方の手首を移植して(海外ですよ)、リハビリをしたところ、ペンで文字が書けたり、折り紙ができたりなど、かなりの機能回復がみられた画像を見て、凄 く驚きました。それから、最近は1つのニューロンで数個の事を処理できるものもあるようですよ(動作など2回目以降かな)。話の例だと、水を出している時に手を水に触れます。「水という認識」「ザーという音」「冷たいという感覚」が1つのニューロンで処理されるそうです(大雑把すぎかも知れませんが)。

あと、認知運動療法は中枢神経障害の方が中心のリハビリのため、「触れる」という触角から、質感や触感、大きさ、形、空間などを認識させ、そして動作にも活かしていきます。その確認に目で見るという「視覚」も必要になるようです。聴覚や嗅覚は使わないのか?質問したのですが、触ることで認知させる、また中枢神経障害の方は聴覚も麻痺していることが多いという理由で使わないようです(私も認知運動療法を理解しきれていないので、講義と質問から書かせていただいているので、説明が足りなかったり認識が甘いことをお許しください)