たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

大地と水の造形美 <NHK フレンチ・アルプス知られざる絶景プロバンス・ローヌ川>を見て

2018-03-04 | 地球科学 人 

180303 大地と水の造形美 <NHK フレンチ・アルプス知られざる絶景プロバンス・ローヌ川>を見て

 

今日も当地は穏やかな朝を迎えました。秋から春までは太陽は南方方向に寄って日が昇り、日が落ちますので、残念ながらわが家から180度に開く高野の峰々は、影になるのですね。その後は次第に頭上近くの位置から日が差しますので、南方の高野もその山肌がくっきり見えます。逆光の高野もいいですが、順光もその襞がくっきり見えて、いいです。

 

今朝はチューリップの球根、少し葉が出てきたやつを20個余り買ってきたのを小さな庭に植えました。同じ色のものを2個ずつ買ってきて、玄関側と、裏庭とに、それぞれ分けて植えました。昨年植えていた花はすべて枯れてしまいましたので、そろそろ花の季節ということで、枯れたのをコンポストに入れて、そこに植えました。4月にはきれいに咲いてくれるものと期待しています。

 

ところで、のんびり高野の山々を眺めるのもいいですが、録画していた<NHK 体感!グレートネイチャー▽フレンチ・アルプス知られざる絶景プロバンス・ローヌ川>をゆっくり堪能しました。アルプスの造山運動といったキャッチフレーズみたいなのに飛びついて、録画していたのです。

 

ローヌ河という名前は知っていても、まだ行ったことがないですし、これからも行くことはないでしょうけど、ただ平坦な河かなと思っていたら、とても多彩な内容で、満足でした。

 

ローヌ川とその水源であるアルプスを見ていますと、つい、カナディアン・ロッキーとボウ川(名前は先住民が河畔に生えていた木を弓に使ったいたことからとか)を思い出してしまいました。景観上のイメージがなんとなく似ているように思えたというか、私が初めて造山運動の凄さに驚愕したのはまさにカナディアン・ロッキーの様々な山の形状であり、褶曲している地層や地層が急激に立ち上がっていたり、鋭く削り取られている姿でした。そして氷河が削り取られた粒子でエメラルドグリーンの色となったさまざまな湖、そして多くの支流が集まって流れ下るボウ川は、とくに氷が溶け出す45月頃はまるで激流のように姿を変えるのも、とても感激しました。

 

元に戻ります。話しはフレンチ・アルプスを作り出したプレートテクニクスから始まります。イタリア半島が、アフリカプレートにのって大陸プレートにぶつかる様は、まるで伊豆半島が太平洋プレートにのってぶつかるのと同じなんですね。そしてイタリア半島がぶつかった先は平坦ですが、その奥は3000m級のフレンチアルプスを形成していったということのようです。ま、日本は丹沢山系をはじめ南アルプスが形成されたわけですね。このアルプスという名称もこういった造山運動の類似性からきているのでしょうかね。

 

フレンチアルプズは、ローヌ側の河口、地中海沿岸付近から立ち上がっているそうです。それは石灰岩がずっと連なっているのだそうです。海底に1000m近く堆積した珊瑚などで形成された石灰岩がプレートの衝突で陸上に突き上げられ、中には90度、すごいのは180度回転して、古い地層の上に新しい地層が載っているところもありました。アンモナイトの化石がびっしりと壁画のように垂直に近い崖面に端座しているところもありました。高さ50m20mでしたか。ディーニュ・レ・バン国立自然公園の中だったかと思います。

 

とくに見事な造形美を残していたのは、ヴェロドロームという半径2.5km、高さ350mの半円形状のすり鉢型の山容というか、形態ですね。これを見ると神の造形とつい思ってしまいます。俗には競輪場と呼ばれているそうですが、呼称名はもうすこし品位のあるものにしてもらいたいように思うのですが、実際は一番当たっているのかもしれません。

 

このような形状は、カナディアン・ロッキーでは私は見たことがありませんが、ま、広大なところですので、私が何度も通ってもほんの一部を見た程度ですから、きっと似たような形があるかもしれません。でもほんとにカナディアン・ロッキーの造形美は惚れ惚れします。それで、法律の勉強よりGEOLOGYの書籍を買ってほんの少しかじったりしていましたから、少々のめり込んでいたように思いますが、帰国して20年余すっかり忘れていたところでした。

 

ところで、わが国の南アルプスはたしか大陸由来の玄武岩も結構あったように思うのですが、その地質体系というのか分布状態はフレンチ・アルプスとは違っているようですね。

 

番組では、造山運動の陸上部だけでなく、石灰岩が水に溶けやすく浸食しやすいことから、雨で大きく浸食された断崖絶壁の峡谷といった他に、地中内での亀裂が生まれ、そこに浸み込んで地下水脈が生まれ、地下に大きな洞窟ができたり、地下水の流れができたり、そして大きな湧水地が生まれたりすることも、それぞれの現場を紹介していました。

 

石灰岩の洞窟と言えば、日本にもたくさんありますが、規模が違うように思います。

 

興味深かったのはローヌ川の周辺はプロパンス地方といわれ、ワインの名産地ですね。フランスでは、水が硬質で飲みにくい、あるいは飲めないため、レストランではワインが出されていたように思います。それはともかくフランスワインは割合好きで、ドイツワインの甘さにはなかなかなじめないものがありますが、前者は好んでよく飲みました。テースティングもなじみのワインバーでよくやっていましたが(そこはフランスワイン専門)、結局、味覚オンチの私には無駄な遊びでしかなかったようです。

 

で、そのブドウ畑が凄いのです。見事な畑が連綿と続いている景観美ですが、なにかおかしいのです。木の周りが丸石で敷き詰められているのです。え、と思いました。そんなのありと思いましたが、実は理にかなっているようです。丸石は太陽光を受けて熱を吸収し、冷気をとる?あるいは湿気をとるといった解説でしたか?

 

わが国の場合、水田地をブドウや果樹園にする転作が、減反政策の中で行われてきましたが、どうしても周りの水田からの水漏れや、元々湿地的な土壌環境だったところも少なくないため、果樹づくりは大変なのでしょう。丸石による太陽熱利用はなかなかのアイデアですね。

 

ローヌ氷河やさらにアヴァン氷河はずいぶん溶けてきたようですが、今なお広大な面積を誇っているようです。私も北米ではいくつかの氷河を見たり、歩いたりしたことがありますが、ここでは氷河の中にある洞窟探検が行われました。

 

私の記憶はもういい加減になっていますが、カナディアン・ロッキーの氷河の中にある洞窟の中を探検させてもらったような気もするのですが、映像を見ただけなのか、いまでは自信がありません。写真でも残っていれば別ですが、でも垂直の氷の壁を降りるなんてことは当時としてもできなかったと思いますので、記憶違いなのでしょうね。ただ、北極海沿岸で、凍土の地下10m余り下に作られた貯蔵室、ま、洞窟のようなところに入っていったことはあり、そこは壁が見事に氷と泥でしょうか複層状態で固まっていて氷の結晶がきらきらと輝いていてとてもきれいでした。

 

で、探検隊のメンバーは、氷河を削り取ってできた洞窟の地下深くを流れるムーランというところを目指して降りていくのですが、一度は溶け出した水量の多さで、二度目は穴が狭すぎて、結局そこまで到達できませんでした。

 

前後しますが、プチ火山帯というのが面白かったですね。たとえば讃岐平野には小山のようなどんぶりを伏せたような山がかなりあります。なんであんなのができたのかなと、見るたびに思います。それがプロバンス地方に結構あるのです。フレンチ・アルプスは、ローヌ側の左岸にそびえていますが、右岸ではこういうプチ火山の残滓が一杯あるそうです。町のど真ん中にそびえていて、その頂上には礼拝堂が作られているところがありました。プレートテクニクスで衝突で、大陸同士の引っ張り合いにより地層が薄くなったところに、その衝突の熱でマグマが生まれ、亀裂が生じたところに噴火が起き、小さな山ができたということです。それは一回限りの噴火で、単成火山帯というそうですので、安心して住めるわけですね。礼拝堂の名前は、サンミシェル・デチュイレ礼拝堂でしたか。

 

その他いろいろありすぎて、覚えきれません。

 

でものどかな姿を見せるローヌ川、河口から水源まで、その水を作り出す造山活動の痕跡はいまなお動き続け、またミネラルたっぷりの水質をもった大量の水を地上から地下までさまざまなルートで流れ出していることを伝えてくれました。

 

もうあちこちに行くだけの元気もないですが、こういう番組があると、別に実際に体験しなくても、十分楽しむことができますね。余生の楽しみの一つです。いろいろ不満・悩み・紛争の種は尽きませんが、映像を通じて、地球の面白さ、人々の交流の楽しさを十分に感じさせてくれます。感謝です。

 

今日はこのへんでおしまい。また明日。

 

 

 

 

 

 


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