たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

農業の未来 <ニュース解説 田畑一つで発電と農業>などを読みながら

2017-08-29 | 農林業のあり方

170829 農業の未来 <ニュース解説 田畑一つで発電と農業>などを読みながら

 

今朝はFMクラシックをのんびり聴いていたら、驚きました。Jアラートです。何事か、これでは音楽を聴く状態ではないですね。それでTVを見たら各局すべてJアラートと刻々変わる情報伝達に終始しています。これって何と思いつつ、戦時中の空襲を思えば、あのときはほんとに落ちてくるんだから、気が気でない状態だったと思います。

 

やはりネット上ではいろいろ議論があったようです。<【炎上】堀江貴文さん・・・>では、<ネットでは「Jアラートいちいち鳴らすな!」「数分で避難できるわけない」という声から、「とりあえずJアラートが鳴って34分ぐらいってのは分かった」「北朝鮮を非難せずに日本政府やJアラートに文句言ってる人どうなの?」といった声まで様々>ところが、堀江氏は<「こんなんで起こすなクソ」→ 批判殺到>ということだったようです。

 

たしかにJアラートによって有効な退避行動がとれるかとなると、客観的には厳しいでしょうね。他方で、北朝鮮のミサイルは日本上空を通過したとはいえ、これまでの経緯から日本領域内に落下するような無謀な計画は考えられませんか。意図しない事故で破片が落下ということはあっても。

 

ま、この議論をしているとそれだけで本日の話題にたどり着かなくなるので、この辺でやめときます。今後はこのようなことが繰り返されるおそれが高いかもしれません。私は、それなりの覚悟ができているので、どうってことはないですが、やはり多くの被害が出たら大変です。有効な対策があるか、難しいですが、誰も戦争は回避したい、それにかけることかもしれません。

 

さて、もう7時を過ぎ、本日の話題を簡潔にまとめたいと思います。30分でできるか挑戦です。

 

毎日記事<ニュース解説田畑一つで発電と農業=尾中香尚里(オピニオングループ)>は、以前紹介した農地の複層的利用の成功例を取り上げています。

 

これでおもしろいと思ったのは、普段身近でみる太陽光パネルがただ延々と農地の空間を覆い尽くしている、なんとも田園景観にはそぐわない状態しか知らない私には、その形状でした。

 

記事に写っている写真では、高さ3m近い支柱に設置されているパネルは少し斜めというより、垂直に近く見えるほど立っています。ですから、太陽の光が当然、パネルだけでなくその下の水田にまでさんさんと注ぐことがわかります。遮光率35%を確保するというのはこういう仕掛けかと思った次第です。

 

<青々と茂る稲の波。その上には、パイプで高さ3メートルほどの架台が組まれ、太陽光パネルがすのこ状にすき間を空けて取り付けられ「屋根のある水田」という風情だ。日照の約35%がパネルで遮られるが、斎藤さんは「周辺の水田に比べて稲の育ちは悪くない」と胸を張る。>ということですから、たしかに太陽はパネルにも水田にもちゃんと光を供与しているのですね。

 

しかも収入も大きい。<昨年、約5500平方メートルの水田や大豆畑に太陽光パネルを設営した。約60世帯分に相当する約33万キロワット時を発電し、東北電力に売る。売電収入は年間約1300万円。米の収入見込み約60万~70万円をはるかに上回る金額だ。>

 

米の収入を低すぎるとみるか、太陽光売電収入を高すぎるとみるかは人それぞれでしょう。ただ、この設置にかかるイニシャルコストはかなりの金額であることは想定でき、その回収にどのくらい期間を要するかですね。ランニングコストはさほどかからないのでしょうかね。

 

それに農地法の規制が壁ですね。<農水省が農家に対して農地の一時転用を認めているのは3年限り。売電収入を得た農家が農業をおろそかにするのを防ぐための措置だが、3年後の時点で十分な営農実績がなければ、更新は認められず、太陽光パネルを撤去して元の農地に戻さなければならない。>です。

 

それで<このため、農家が太陽光パネルを設置したくても、金融機関が融資に二の足を踏む。「転用期間を10年、できれば20年に延ばしてほしい」と関係者は口々に語る。>のは理解できます。

 

送電網への接続障害も大きいですね。<太陽光で作った電気の買い取り価格は太陽光パネルの価格下落を上回る勢いで急落し、電力会社が太陽光発電による電気について、送電網への接続を拒む例もあるとされる。>

 

ところで、このソーラーシェアリングについて、<「江戸時代の農家は薪を売るなどしてエネルギーの供給も行った。薪が太陽光発電になっただけ。農家がエネルギーを供給するのは、むしろ当たり前のことです」> そうです。近世農法を見ていると、とりわけ都市近郊では兼業農家がきわめて多く、それが普通だったようにも思うのです。百姓は、その言葉の通りさまざまな業を営む姓をもち、専業農民はわずかだったと思うのです。これぞ日本農民の基本姿かもしれません。

 

そして定年後や、都市での企業勤めからはいさよならといって新規就農する人も、このようなソーラーシェアリングは一つの方策かもしれません。

 

ただ、田園景観や地域の住環境との調和を丁寧に図っていくことも忘れないでほしいものです。安易に企業勤め間隔で農業を行うことは慎重であってほしいものです。

 

この点、別の記事ですが、<地域とともに、農業再生に挑む 毎日農業記録賞に寄せて/下 鹿児島県志布志市 ピーマン 新規就農呼び込む /熊本>では<札幌市で会社勤めをしていた2008年、志布志市農業公社の新規就農支援事業に応募。直線距離で1500キロ以上離れた南九州の志布志に妻とともに移住して、ピーマン農家になった。>例が取り上げられています。

 

その新規就農者の心持ちがなるほどです。<なぜ志布志のピーマンが都会の就農希望者の心をつかんだのか。理由の一つは、ピーマン栽培が「サラリーマン時代の生活スタイルをそれほど変えずにできる」ことだ。ハウスの水やりも自動化され、休もうと思えば日曜日は休める。「農業は年中無休というイメージがあるが、ピーマンは7月から8月にかけ、作業がない農閑期がある。この時期、海外旅行に行ったり、東京や大阪へ帰省したりする人もいる」と農業公社事務局長の留中直昭さん(54)。>

 

現代の労働者感覚でしょうか。でも、それで成り立つ農業は限られないかなと思うのです。むろん今後、AIがより高度化して、人間が常時監視したり、対応しなくてもよい、オランダの先進的な農業がわが国でも広がってくるでしょう。でも、こういった農法は、農作物のほんとうの機微や農地がもつ微妙な変化に対応できるとは思えないというのは、古い考え方でしょうか。

 

こういう人ではないと新規就農が増えない、それが21世紀の農業の姿でしょうか。それは残念な気がします。むろんそういう分野もあっていいのですが、本来の農業は、365日自然の移ろいの中で悪戦苦闘し、大地と風と空の中で活かされているからいいのではないでしょうか。

 

そんなところで、今日は終わりです。ちょうど30分でした。

 


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