たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

子育てを知る <子育て知る機会を提供 慶応大大学院生で株式会社manma社長>を読んで

2018-01-18 | 家族・親子

180118 子育てを知る <子育て知る機会を提供 慶応大大学院生で株式会社manma社長>を読んで

 

子育ては人それぞれでしょうし、時代の変化、環境の変化によって大きく異なるでしょうから、これが王道というのはないでしょう。

 

私の場合は失敗ばかりを思い出します。アメリカで赤ん坊のうちからプールで泳がせるというのを知り、長い間わが国の学校教育で水の危険を過度に強調し、海や川から子どもたちを遠ざける教育を当然のように行われていたことに違和感を抱いていた私は、すぐさまある実践をしてしまいました。

 

プールの中に赤子の長男をどっと突っ込んだのです。ばたばたしてもがきました。むろんそばに私がいるので安全は確保していましたが、それからしばらくの間、長男は水に近づくことはありませんでした。これは被害経験のひとつです。その後小学生に上がる頃でしたか、近くのスイミング教室に行くようになり、ちゃんと泳げるようにはなったのですが、水への親しみという点では悪い記憶を残してしまったかもしれません。

 

ところで外国人の親子を見ていたり、映画などで、時折興味を引くことがあります。親子の年齢がかなり離れていることが割合、自然にうけとめられていることです。かなり老齢となったご夫婦がまだ小さい子というか、小学生くらいの子どもを育てているのを見て、一見、祖父母と孫の関係かと思うこともありますが、ちゃんと親子といったことが少なくないのです。

 

だいたい、欧米人は祖父母が孫を育てるというのは、むしろ特殊な事情がある場合で、祖父母は二人の関係を大事にし、子は祖父母の世話をしない代わりに子の面倒を見てもらわないような印象を受けます。統計的な数字や、実体はわかりませんが、そんな受け止め方でさほど間違いがないように思うのですが。

 

ところでそろそろ本題に入ります。今朝の毎日記事<若者フリーゾーン子育て知る機会を提供 慶応大大学院生で株式会社manma社長・新居日南恵さん(23)>は若者らしい、興味深い取り組みです。

 

<女性が就職し、働きながら子どもを育てる。学生のうちはなかなかイメージがわきません。>それが当たり前でしょうね。学生結婚は昔からありますが、ごく少数で、たいてい女性は大学を退学して子育てに励むでしょうから、そういった子育てを若者が知る機会が遠のく環境にあることは確かでしょう。高校生やその年代の若者の結婚もある程度ありますが、そういった若者と、大学に進学する男女との接点は多くないでしょう。

 

そういう接点の少なさと、社会の受け止め方の問題で、とりわけ女性が子育てを知らないまま就職すると、知らないことによる驚異というか、恐れ・不安も感じるかもしれません。それが結婚を躊躇する理由の一つになるかもしれません。

 

ここで登場する大学院生・新居さんはひと味違います。<子育て中の共働き家庭の日常に接し、女子大生が人生のモデルと出合うチャンスを作ることを思いつきました。子育ての実情を知るその機会を「家族留学」と名付け、知人に紹(しょう)(かい)された女子大生と結成した学生団体「manma」の活動として、首(しゅ)()(けん)で2015年に始めました。>

 

それは「家族留学」という制度を生み出したのです。

<受け入れ家庭の皆(みな)さんは、学生たちを次の世代と考え、経験を伝えたいと思ってくださっています。結(けっ)(こん)や出産を先送りし、燃()え尽()きた経験や、不()(にん)()(りょう)のつらさを話してくれて、子どもがほしいなら早くから考えておいた方がいいんだよ、と教えてくれました。キャリア志向だったが、産んでみたら子どもがかわいいという人もいて、現実の多様さを知ることが大事だと思います。>

 

そうか自分が育っていく中で本来は、家庭の中で自然に身につける子育てを知る機会がどんどん乏しくなっている実態が背景にあるのでしょうね。戦後初期までは村社会ですし、子どもも多く、両親も兄弟が多いわけですから、私の場合でもいとこはめちゃ多かったですね。

 

それは年齢差もあり、それぞれのいとこの生まれる時期も場合によって10年も20年も離れることがあったでしょう。その中で、自然に子どもの育て方を身近に知る機会が多かったように思います。ある意味の大家族構造でしょうか。いい悪いは別にして、子育ては自然に身についていたのかもしれません。

 

でもこの新居さんのご両親の時代くらいになると、ご両親自体も経験していないかもしれませんし、子どもも少ないので、ますます子育てを知る機会が遠のくのでしょう。

 

そういう意味では社会的な仕組みとして、容易に子育てを知る機会を提供することは有意義ではないかと思います。それによって子育ての楽しみを感じる人もいれば、大変さでますます結婚から遠ざかる人もいるかもしれません。でも大変さはどう社会が取り組めばその大変さを和らげることができるかの気づきにつながるわけですから、大事なことでしょう。

 

新居さんの取り組みは本格化しています。ニーズも相当あるのでしょう。期待したいですね。

<昨年、団体を株式会社にしました。収益を上げないと事業を続けていけないことが分かってきて、利益を出して継(けい)(ぞく)しようと考えました。「家族をひろげ、一人(ひとり)一人(ひとり)を幸せに」がコンセプト。大手企業と連(れん)(けい)し調査に力を入れ、大学院での研究にも生かしていく予定です。>

 

さらに彼女は政府委員にも抜擢されています。

<内閣府に続いて文部科学省への政策提言の委員をしていますが、どちらも20代の委員は私だけ。若者政策の意思決定の場にもっと若者を増やすべきではないでしょうか。若者の未熟さや違()()(かん)に目をつぶって、耳を傾(かたむ)けてくれる寛(かん)(よう)な大人(おとな)が増えないと、環(かん)(きょう)は変わっていかないと思います。>

 

いま求められているのは新たな社会意識改革ではないかと思うのです。維新政府や企業は、20代、30代の若者が率先して手綱を握り先駆けとなったのではないかと思います。むろん維新の実態について否定的な見解もあり、それは検討の余地があるものの、あの時代ほど若者が活躍したのは希有ではないでしょうか。

 

その意味では、国の方針を決めるさまざまな分野に20代、30代、場合によって10代の若者を抜擢する環境を整備することも必要ではないかと思うのです。

 

もう一ついえば、女性だけが子育ての中心ではない、あるいは女性にだけ子育てを担わせるのは不公正・不公平であることは、これからの基本方針ではないかと思うのです。そうだとすると、若い男性についても積極的な登用を検討してもらいたいですね。

 

それは子育てに限りませんが、将来の日本や世界のために、まず先ず隗より始めでしょうか。


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