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たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

AIと人の共生? <AIの指示で働けますか・・>を読んで

2017-09-03 | AI IT IoT

170903 AIと人の共生? <AIの指示で働けますか・・>を読んで

 

やはり少々疲れが溜まっていたようで、今朝は6時過ぎに目覚めました。なにか音がするとベランダの方に目を向けると、ヒヨドリがちょこんと天端に止まっています。なにかベランダの下にあるのかなとみたのですが、見当たりません。でも部屋の中にはバッタの死骸が。どうやってここまで飛んできたのかと不思議に思いながら、再び顔を向けるとさっとヒヨドリが飛び立っていきました。

 

そういえば先日は少し紺色がかかった鳥がBSアンテナのところに止まっていました。ルリビタキかと思ったのですがちょっと違うかな、すぐに飛んでいったのではっきりしません。

 

その後も小鳥のように活発には動けず、頭もはっきりせず、ボッとしていたら、この新聞記事が目にとまりました。人間はちょっと作業が続くと、途端に能率が悪くなるし、ミスも多くなる(出張中はとくにそうでした)というのを痛感しましたので、AIが今後活躍し出すと、人はどういう働き方をするのか、いや、AIに指示され、統御されて働くようになるのか、ちょっと興味を覚えたのです。

 

毎日記事<アクセスAIの指示で働けますか 業務効率アップ助言 痛烈ダメ出しも>では、<人工知能(AI)活用を目指す企業が増えている。人の判断を補ったり単純作業を代行したりするだけでなく、人の仕事のやり方を分析し、効率アップの方法をアドバイスするAIも登場。残業を減らす「働き方改革」にも資すると期待される。>としつつ、中村あかね記者は<「同僚はAI」という日も遠からず来そうだが、それで私たちは幸せになるのだろうか。>と私たちの幸せのありかをあえて取り上げています。

 

記事では<AIなどに代わられやすい職業、代わられにくい職業は?>ということで、製造・作業、事務・管理、運輸・配達、専門技術、清掃・警備の一部は前者に、医師・助産婦などから美容師、俳優、まんが家など、どちらかというと創造的な・あるいは人と接触する仕事を行う職業を後者としています。

 

たしかにそういう側面もあるでしょう。ただ、前者とされた職業でも、人しか行えない作業領域は残るでしょう。他方で、後者とされた職業でもAIにかなりの部分を委ねる作業領域が出てくるように思います。ある意味ではAI、それと提携する?ロボット、IoTなどにより、どのような職業も大きく仕事の在り方、働き方、あるいは生き方に変容を迫られる可能性があると思うのです。

 

たとえば士・師業は創造性・裁量性・複雑性などで、AIの進出からバリアがあるかというと、それはあまり考えにくいと思っています。医師の仕事では、高度の知見と判断能力に加えて人の体全体を総合的に見る診察力が必要でしょうが、そのかなりの部分をAIは代替しうる可能性があるように思うのです。ディープランニングを取り入れて、高度の専門技術を持つ医師の仕事を学び、AIの能力とすることはある程度まで可能になるのではと思っています(さすがに完全にとは思いませんが)。

 

すでに遠隔操作を通じて、高度な専門技術を持つ医師が孤島の患者に対して診察・治療の一部を行っていると思います。それもノウハウがAI,IoTに取り込まれるようになれば、一般の医師でもある程度まで、その領域に近い医療を実施できるようになる可能背があると思うのです。

 

それは弁護士のような仕事でも同様かなと思うのです。弁護士の仕事を一般化するのは容易ではないですが、基本は問題のある事実を証拠で認定し、それを法令や裁判例を基準にしてその問題の解決を図るといった基本的な工程は通常とられている方法と思います。その作業の多くをAIの技術はかなりカバーするのではないかと思っています。いまウェブ上にあるような情報は基本情報にすぎませんが、AIとディープランニングにより生まれた実践的な判断は、具体的事案に問題解決能力を発揮するように思うのです。

 

事実認定は難しいかもしれませんが、情報はスキャンした書類に電子記録、そして人の供述はテープを電子反訳機能で文書化するなど、さらには3D画像で現場の再現を加えれば、かなりの部分で、事実の認定はAIの方がより優れたものになり得る可能性があります。

 

法令・裁判例の分析と事実への適用も、難しいようで、ディープランニングにより裁判例の情報を学んだり、有能弁護士の判断過程を学んだりすれば、かなりの程度でカバーできるのではと思うのです。

 

すると弁護士という職業、いや裁判官、検察官という職業も危うくなるか、といった不安はいまのところないのでしょう。なぜか、人間の情緒というか正義感てきなもの、最終的な判断そのものはまだ、それぞれの法曹3者に委ねられそうに思うのです。

 

それにしても、AIの進出はきっとますます強力な力を発揮するようになることは間違いないと思うのです。それが一人の、あるいは少数の意欲的な人たちによって突然、独創的な領域を作り上げたとき、それは突然変異のようなAIが人を動かすものになるおそれを、いつか懸念する自体になるかもしれません。

 

その前に、AIによって現在の仕事を奪われる人は相当数でてくる可能性があります。それは工業化、技術革新の必然でしょう。人間が新たな便利さ、豊かさを求める本質をもつ以上、避けて通れない道ですね。

 

<人は働くことで、食いぶちだけでなく自己肯定感も得ている。日本では少子化で急減する労働人口をAIが補うという楽観論もあるが、AIに仕事を奪われ生きる意味も見失ったと感じる人も出てきかねない。

 「仕事以外で他人に認められたいという承認欲求をどう満たすのか」と山川さんは難題を提起する。ボランティア、趣味、ネット上での自己発信……。「いま定年退職者がぶつかっている壁に、将来、若い世代もぶつかることになる」と言う。「今の世は働かない人を冷遇するが、いろんな生き方を認める社会にしなければなりません」

 幸せとは。生きるとは……。AIは根源的な問いを突きつけてくる。>

 

働くということ自体の性格が変わってくるかもしれません。働くと遊ぶ、生きる、それぞれの概念の境が揺れ動いてく可能性があり、それに対応する意識改革も必要ではないかと思うのです。

 

ちょうど一時間です。今日はこの辺でおしまい。


データ活用の未来 <「官民データ活用」動き出した>などを読んで

2017-08-02 | AI IT IoT

170802 データ活用の未来 <「官民データ活用」動き出した>などを読んで

 

今朝は久しぶりに少しひんやり(ヒアリではなく)としました。日中や寝る前に暑くても、深夜や早暁に少し寒さを感じると、体が休まるように思うのです。おそらく都会での生活ではむずかしいでしょうね。エアコンをかけ放しとなると、そんな体の自然な力がうまれえてこないように思うのです。

 

今朝はもう一つ気分のいいことがありました。野鳥は毎日いろんな種類が来て、騒がしいのですが、現在地で初めてだと思うのですが(2度目か?)コジュケイが甲高い声ですぐ近くで鳴いている感じです。里山で人がいないところや、山里のゴルフ場などに、決して姿を現さないで鳴くのが聞こえてきます。リズミカルに鳴くので、割合気に入っています。それがもう一つ、短く間欠的に鳴くのがいます。おそらく幼鳥かな、母鳥と一緒に散歩でもしているのでしょうか。それにしても木々に囲まれた分譲地のおかげで、日々楽しめています。

 

ところで、今日もいろいろ雑事というか、いくつかの和解条項案を準備したり、めずらしく調査嘱託申立書などを作成したりして、あっという間に時間が経ち、すでに5時を回っています。

 

安倍政権の人事案にはあまり関心がわかないですし、原発安全対策1兆円といった問題は大きい事柄ですので、別の機会に回すとして、見出しのコラムを見て、これは見落としてたなと思いながら、取り上げることにしたのですが、毎日の今日のウェブ情報には掲載されてないため、自分でタイピングしながら紹介しようかなと思う次第です。

 

筆者は、ローカルファースト研究所代表取締役の関幸子氏です。経済観測の欄で毎回経済専門家などが簡潔にトピック的なテーマについて書いています。関氏が取り上げたのは、昨年12月施行された「官民データ活用推進基本法」です。私自身は初めて聞く法律でした。

 

この法律について<【解説】官民データ活用推進基本法>というのがあり、これによると、いま話題の「AI」「IoT」「クラウド」が初めて定義されたとして、その要約を掲載していますが、引用できませんでした。法律の条文では、それぞれ①「人工知能関連技術」(22項)、②「インターネット・オブ・シングス活用関連技術」(23項)、③「クラウド・コンピューティング・サービス関連技術」(24項)が正確な表現で、それぞれ、順次以下のように規定されています。


①人工的な方法による学習、推論、判断等の知的な機能の実現及び人工的な方法により実現した当該機能の活用に関する技術をいう。

②インターネットに多様かつ多数の物が接続されて、それらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の活用に関する技術であって、当該情報の活用による付加価値の創出によって、事業者の経営の能率及び生産性の向上、新たな事業の創出並びに就業の機会の増大をもたらし、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与するものをいう。

③インターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて電子計算機(入出力装置を含む。以下同じ。)を他人の情報処理の用に供するサービスに関する技術をいう。


 

 

さて関氏は、この法律について、「従来の自治体の事務事業や市民生活を根底から変える」と紹介しています。

 

その重点施策が3つについて言及していますが、うまく説明している印象なので、あえてそのまま引用します。

 

「一つ目がオンライン化原則。訳35000ある行政・民間手続きのほとんどをオンラインで行い、申請に必要であった住民票や戸籍抄本等の提出を不要とした。マイナンバー制度と連動させて公的個人認証を行う。」

 

たしかにいまオンライン化による申請が普及しつつあることはここ10年近くで感じています。しかし、住民票や戸籍抄本の提出を必要としないといった申請がどの範囲のことを念頭に置いているのでしょうか。たとえば相続登記を含む各種登記申請に必須の住民票、戸籍抄本が不要ということはあまり想定できないのですが、どうなんでしょうね。自動車所有名義変更申請なども印鑑証明書が不要なんてありうることでしょうかね。

 

たしかにマイナンバー制度と連動すれば、住民票、印鑑証明書を不要とすることは可能ではないかと思うのですが、省庁横断的な対応が近い将来可能になるとは容易に思えないのですが、うまくいけばそれは望ましいことですね。問題はセキュリティ確保が十分かという点、なかなか浸透するのに時間がかかりそうな気がします。

 

それにしてもマイナンバー制度では、相続と行った複雑なつながりを代替することはできませんし、戸籍抄本というか、改製原戸籍、原戸籍、除籍謄本など膨大な謄本なくしては証明困難と思いますので、この点は、単に個人の同一性証明に限る意味合いで指摘しているように思えます。だいたい、法務省が大々的に宣伝している「法定相続情報証明制度」も、あくまで単純な法定相続を前提としており、相続放棄があったり、代襲相続を含む複雑なケースだと適用されません。

 

関氏が2つめにあげたのは「国と地方の行政全体の業務見直し、文章や情報のデジタル化、ペーパーレス化等の情報システム改革を図り、人件費抑制、コスト削減を図ることにある。」というのです。

 

こういったことは従前から徐々に進んでいると思います。問題になった加計学園事件でも文科省の関係職員は交渉をメモをとり、デジタル化し職員間で共有していましたが、他方交渉相手の内閣府などではまったくメモもない(あるいは破棄)、デジタル化もされていないといったことですね。森友学園の近畿財務局でも信じがたいことですが、交渉中のメモはない(一年未満でも契約成立すると破棄する?)、デジタルデータもないというなんとも行政事務として信じられない状況です。そして防衛省における日報問題こそ、問題の本質の一端を露呈した物では内でしょうか。

 

要は、まず行政事務自体をしっかりとメモなり文書化することがその客観性、検証可能性を確保するのに重要なのに、それを怠っているというか、ま、はっきりいえば隠蔽しているとの疑いを抱かざるを得ない状況に問題があると思っています。その上で、デジタル化は大いにやるべきでしょう。

 

ついでにいえば、戸籍や登記簿については、最近のものはデジタル化していますが、ちょっと古いのはアナログですね。これがまた読みにくい、達筆というか乱筆(悪筆)というか(昔の捜査機関の作成した供述調書のようで)、解読に時間がかかります。それをデジタル化すると、もっと効率的になりますし、全国のどこからでもアクセスすることも可能になるでしょう。

 

3つめについては「オープンデータ化の促進が掲げられ、データを2次利用可能なルールを作り、機械判読しに適した形での公開を進め、著作者の許可を得ずに情報の2次利用や自由な編集・加工を可能とする。」というのです。

 

これは著作権法の大改革になるかのような物言いですが、?と思わざるを得ないのです。著作権法についてきちんと議論しないで、このような新法で、いくらIT等の活用と言っても、それは無理な相談ですね。

 

私自身は、最近はやりのebooks といったあり方は今後、より進めてもらいたいと思っています。だいたい、書籍なり資料を積んでおく、あるいは大きな倉庫でも借りないといけないような状態はどうかと思っています。それはともかく、著作権者との新たなルール作りができ、その権利保護を図りつつ、デジタルデータを幅広く利用できるようなシステムができることへの期待は抱いています。が、これこそ難題でしょうね。

 

すでに京大を含む少なくない大学で、古い文献などをデジタル化して公開していますが、著作権の対象外のものですね。官民データの活用はデータ化、縦割り、活用のあり方など、より各地で実践的な議論、実施を重ねて、拡大してもらいたい思います。

 

なお、この制度への批判的な意見として<日本版オープンデータ(官民データ活用推進基本法)から抜け落ちる政治と政治資金の情報公開>は正鵠を得ていると思います。

 

自分で打ち込んだたため、少し時間がかかりました。1時間をとっくに過ぎています。今日はこの辺で終わりとします。

 

 


筆跡の意味合い <最新の筆跡鑑定ソフト・・>などを見て少し考え見る

2017-07-28 | AI IT IoT

170728 筆跡の意味合い <最新の筆跡鑑定ソフト・・>などを見て少し考え見る

 

久しぶりに寝苦しい夜でした。最近はずっと湿気があって温度も28度を超えているようです。でも暑さは扇風機をかけるとさほど気になりません。最初の眠気はすぐやってきます。ところがなにかの拍子で一度目が覚めると、なかなか寝付けないのです。

 

今朝はとりわけそうでした。なにかゴーッというような音のようにも、ザッと言う雨音とは違う、少し遠くになにかうねりのような大きな音が海鳴りのように聞こえてくるのです。まだ寝ぼけているのでなんとも判断できないのですが、気になってか眠りに入らないのです。その音は最初は雨音が異様に聞こえているのかなと、最近の異常気象でもありますし、昨日は当地も大雨警報が突然出たので、夜中に何か異変があったのかなと思っていました。

 

でも雨音とは違うような印象が次第に生まれてきました。カエルの鳴き声もなく、蝉の声もない。とても静寂の中、その重みのある音が遠くから聞こえるのです。そしてついに起き上がりました。目の前は雨一滴も落ちていません。ただ、庭の土を見ると相当湿っています。昨日降った雨で、夜中のものではなさそうです。ではどこからこの音が来るのか、しばらく考えて、紀ノ川の水嵩が増えて堤防一杯に近い状態で流れているために聞こえてくるのではないかと思ったのです。

 

少し早めに事務所に向かい、堤防添いを走る河南道路に入ってみたのですが、いつもよりは相当水量が多いのですが、一段上の河川敷にはまだ余裕のある状態で、とても氾濫するような危険な状態ではありません。そういえば音も聞こえません。ではあの音は一体何だったんだろう。音に対する感受性の鈍さを改めて感じてしまいました。

 

昨日はDNA型鑑定について少し触れましたが、いまある事件で、ある人物の署名とされた筆跡が誰によって書かれたものかを多くの文書、それぞれについて検討する作業を合間合間にやっています。それで少し筆跡鑑定というか、筆跡について考えてみたいと思うのです。

 

 

私はこれまで筆跡鑑定士による鑑定書をなんどか作成してもらい、その結果、訴訟に勝利をもたらす重要な要素となったケースがあります。そういうこともありますが、筆跡は日頃から気にしています。というのは、私自身の筆跡を経験的に見ていて、同一性が自分で判断できるものとそうでないものとがあるのです。筆跡は人柄を表すとも言われることがありますが、私の場合どうも安定していないと思うのです。

 

まず、書き道具で当然変わりますね。昔は万年筆が中心でしたが、この万年筆もものによって違ってきます。割と気に入っていたモンブランだとこんな感じ、時々使うパーカーだとあんな漢字と、相当数もっていたので、それぞれで微妙に違ってくるのです。よくいうハネがるかどうかとか、右上がりか左下がりかとか、それもそのときによって違いますね。いまは万年筆はどこかにしまってあって何十年も使っておらず、もっぱらボールペンです。これも100円くらいのものから1万円近いものまでありますが、普通は前者。でも一本一本微妙に感触が違い、現れる文字も違うのです。

 

あと道具と言えば、毛筆ですね。下手の横好きで、毛筆をしばらく独学で学んできたのですが、結局、まったくだめで、長続きせず、それでも拙い文字を書いて裁判所に郵送するときに宛名書きにします。最近のラベルや印刷もいいのですが、練習するのにちょうどいいと毛筆で書いています。これがまた違うのですね。

 

でもこういった道具の違いは、文字に現れてもたいした差ではないですね。むろん筆跡鑑定などでは簡単に同一性・異同性が判別されるでしょう。

 

むしろ書く媒体ですね。そしてその媒体が置かれている下の材質が大きく影響するように思うのです。同じような紙でもやはり下の材質によっては、文字が違ってくるのです。おそらく私は軽く握っていることも関係するのでしょう。相当異なるイメージの文字になります。一見すると同一人物の文字とは思えないと感じます。

 

複写式のカーボン用紙などもそうですね。別の紙に書いた文字とは大いに異なる印象を与えます。筆跡鑑定士が識別の基準に、文字の全体、一部の方角とか、肉厚とか、いろいろ検討しますが、どうもそれでは判別できないのではないかと自分の文字に関して感ずることが少なくないのです。これが一般化できるかどうかは他の人がどの程度、そのような違いを示すのかあまり多くを検討したことがないので、なんともいえません。

 

ただ、事件で暑かった限りの筆跡だと、年齢による違い、老齢化・認知症などによる違い、メモ的に書いた場合と丁寧に書いた場合との違いとか、一般に想定されるような違いは、個人の筆跡鑑定ではさほど悩むことはないと思われます。それにもかかわらず、私の筆跡はほんとに同定できるかしらと時折感じるのです。

 

むろん丁寧に書いたときは、大きな違いがあっても、基本の骨格的な部分にはほぼ同一性が簡単に見つかるように思いますので、自筆の遺言書も識別は用意だと思っています。

 

上記に述べた以外に、感情的な起伏があるとき、筆跡に現れて、かなり文字の外形に違いがでてくるようにも思います。

 

さて長々と自分の筆跡に関する雑な感想を述べてきましたが、それはこれまでの筆跡鑑定がどこまで合理性を担保してきたかについて疑念をもっているからです。

 

そして最近のIT技術などの進展がどうかを見たくなり、ちょっと古いウェブ情報ですが、<最新の筆跡鑑定ソフト 運筆状況や字画形態を数値化して比較>というのを見つけて、どんなものだろうと興味をもったのです。

 

記事では<話題の映画やドラマの監修も務める日本最大の民間鑑定会社「法科学鑑定研究所」を取材した。ここでは筆跡鑑定の最新事情を紹介する。>とのこと。

 

<ここでの主役はコンピュータだ。専用に開発された筆跡鑑定ソフトで文書を読み取り、一文字ごとに運筆状況や字画の形態を数値化して比較するのだ。しかし、字を似せて書けば、コンピュータも騙されるのではないかという疑問が湧く。

「人によって、書くたびに字の形が異なる、ブレの大きい字があり、そのブレも数値化されます。字を似せて書くと、ブレがなくなってしまうので、偽造だとわかります」(法科学鑑定研究所・三崎揮市氏)>

 

やはり私のように、文字の形が一様ではない人も少なくないわけですね。それがブレをも数値化することで、逆に、字を似せて書くと(これもよくあることですね)、偽造と判別できると言うことでしょうか。

 

ただ、この記事の説明だけでは、なんともPC能力がよくわかりません。DNA型鑑定に技術進化があるように、初期段階はかなり杜撰でしょうし、手法が拙いと合理的な解析データが生まれない可能性もありますね。

 

別の筆跡鑑定の情報<筆跡のマクロ撮影・デジタル補正>はアナログの発展段階のようにも思えて、説明自体はわかりやすい印象です。

 

マクロ撮影の技術力が優れていればデジタル化して有効な情報がとれるというのはわかりやすいですね。

 

<筆圧、筆順、等の運筆状況を確認する為には、原本の証拠そのものをデジタル化する必要があります。一度高解像度でデジタル化した筆跡データは加工や保存形式を「jpeg」等の、非可逆圧縮に変更しない限り劣化する事が無いため、デジタルデータに変換した画像処理の高い専門知識が筆跡の鑑定にも役に立っています。>

 

ただ、デジタル化したからといって、それによって一定の法則性をどのようにしてデジタル情報から解析するのか、そのあたりもどこまでこの分野で確立しているのか気になるところです。

 

筆跡鑑定が元々捜査手段として閉鎖的なレベルで活用されてきたきらいがあるように思うのです。より公開の議論でデジタル情報などを合理的な基準で人の識別情報になり得ることを科学的に確立する必要があるようにおもうのですが、私が知らないところでもう大丈夫という風にいえる状況でしょうか。

 

こう私が愚見を披露するのは、これまで筆跡鑑定となると、双方異なる鑑定士による鑑定結果を出し合い、それぞれの議論に必ずしも普遍的な合理性を見いだすことが容易でないことを感じているからです。

 

最後に<近未来の筆跡鑑定①>を取り上げたいと思います。ま、これは最近は情報自体がデジタル化している中で、そのデジタル情報の内容から作成者の同定を判断しようというものでしょうか。う・・・ん、こうなると、本日のテーマから離れすぎてしまうことになりました。ただ、ここで指摘されている文章の内容というか、特徴とかから本人を識別するというやり方は、筆跡鑑定士は通常行わないと思いますが、弁護士の場合は当然のこととして議論の中核に据えていますね。その人の人格と異なる文章表現とか、いろいろありますね。

 

さてそろそろ一時間です。今日はこのへんで終わりとします。


3D画像測量 <論語 有朋自遠方來。不亦樂乎。>を思い出しながら

2017-06-16 | AI IT IoT

170616 3D画像測量 <論語 有朋自遠方來。不亦樂乎。>を思い出しながら

 

昨夜は久しぶりに酒を一杯、また一杯でした。依頼人でもあり、友ともいえる来客が遠方から来て、深夜まで語り尽くしました。つい論語を思い出してしまいます。

 

論語 学而第一 1

子曰。學而時習之。不亦説乎。有朋自遠方來。不亦樂乎。人不知而不慍。不亦君子乎。

 

また、李白の

 

七言絶句「山中幽人と對酌す」

 

  兩人對酌山花開  兩人對酌すれば山花開く

  一杯一杯復一杯  一杯一杯また一杯

  我醉欲眠卿且去  我醉ひて眠らんと欲す卿且(しばら)く去れ

  明朝有意抱琴來  明朝意有らば琴を抱いて來れ

 

の気分に浸る思いでした。テーブルの上では、私が最近好んで飲んでいる泡盛の瓶が空になりそうでした。普段はパックの安いものを買っているのですが、今夜少々気張って「千年の響き」という名前もいい少々お高いものにしました(日本酒やワインに比べれば安いものですが)。でもいつもの安物と味の違いがわかったわけではありませんが。でもいろいろな話題を議論するのは酒の味にうまみを湧出するように思えます。

 

テーブルの下には共謀罪法案の成立が大きく掲げられた新聞記事がありました。

 

杜甫の五言律詩「春望」でも高吟できればいいのですが。

 

  國破山河在  國破れて山河在り

  城春草木深  城春にして草木深し

  感時花濺涙  時に感じては花にも涙を濺ぎ

  恨別鳥驚心  別れを恨んでは鳥にも心を驚かす

  烽火連三月  烽火 三月に連なり

  家書抵萬金  家書 萬金に抵す

  白頭掻更短  白頭掻けば更に短く

  渾欲不勝簪  渾(すべ)て簪に勝(た)へざらんと欲す

 

さて酒の席の話はここまでとして、依頼人が持参した3D画像がとても興味をひくものでした。仕事に関係することもあり、また、私がこの種のソフトに関心を抱くことを知っていることもあり、わざわざ持参して披露してくれたのです。

 

それは座標測量の結果を3D画像化したもので、対象は墓地です。広大な墓地全体の地形はもちろんのこと、墓石一つ一つ、階段や周辺の樹木の幹や葉っぱもすべて座標点があり、それが3D画像になっているのです。

 

この画像を利用すれば、多様な用途に活用できるというのです。地震災害などで墓石がたくさん倒れて元の位置・配置や、どこにどの墓石があったかといったことは当然mm単位で再現できるのです。

 

また新たに手すりをどのようにつけるかといったことも、模型を利用してシミュレーションするような作業なども簡単にできます。この立体画像の自由に動かすことができるので、景観上の視点場とか、景観の変化も、思いのままに創出できます。

 

これを見ながら、斜面地を活用して公園計画を策定するとかといったことも、既存の一本一本の樹木形状・配置が正確に把握できた上、どのような将来的な林相にするか、その場合にどのような散策路などが現行地形の中でより魅力的で安全につくれるかといった多様な方面に活用することができるかなとも思ってしまいます。

 

また、違った局面を考えれば、たとえば私が参加している大畑才蔵ネットワーク和歌山の事業などで、仮に活用できれば、才蔵が作った小田井用水を現況地形の中に3D画像として復元して、その工法の魅力をよりリアルに体験できることもできるのかなといった夢想までしてしまいます。

 

ちょっとウェブ情報で、検索したところ、<Dレーザ-スキャナー計測の概要と機能>や<トータルステーション使用による地形測量と3Dレーザースキャナー使用に地形測量を比較>など多数が見つかりました。

 

とくに後者の情報では、<3Dレーザースキャナー使用に地形測量>では

 

<作業時間:約3時間

作業人数:2名

取得座標:26万点

測量範囲:約3万㎡>

 

と広大な範囲をわずか3時間、たったの2人で、取得できる座標点が26万点(上記の墓地の場合はたしか100万点を超えるとか言っていましたね)とものすごい仕事効率化が実現できているようです。

 

こうなるとさらにドローンなどを使えば、さらに広範囲に短時間で座標点を取得して、3D画像を容易に作ることができ、用途はどんどん広がるのではと期待します。

 

たとえばいま気になっている高野の山々、周辺全体、紀ノ川や有田川なども含め3D測量して画像化でき、その座標点をそれぞれ自由に動かせれば、いろいろな考案ができそうな気がします。

 

Google Earthのリニューアル版の3Dではまだ達成できていない、地形や林相の把握、樹木一本から全体の材積量の把握も簡単にできるのではと思ったりしています。私の稚拙な希望であるそれぞれの山頂を比定することなど朝飯前ですね。いや、高野山の寺々の景観的なビューポイントなど簡単に把握できるでしょう。ま、こういった観光的要素にも活用できますが、私としては、なぜ空海がこの地を選んだかに迫る、地形的な意味合いをこういった3D画像で導き出すヒントが生まれるのではないかと言った期待もあります。

 

さらにいえば、中央構造線の成り立ち、山岳形状の形成過程を3D画像を通して類推する一つの手法を見いだせるのではないかなんて思いもあります。

 

と勝手な想像の話をしていると、一時間が経過していました。昨日は遅くまで話し、今朝はいつものように黎明の中目覚め、睡眠時間も少ないため、少々疲れ気味となり、今日はこの辺で終わりにします。


AIの活用 <アダルト画像や不審者を見逃さない、深層学習が次に見抜くもの>などを読みながら

2017-06-06 | AI IT IoT

170606 AIの活用 <アダルト画像や不審者を見逃さない、深層学習が次に見抜くもの>などを読みながら

 

今朝窓から眼下を見下ろすと、先日植えられた稲苗が緑の点みたいだったのがすぐに緑のしっかりした線になっています。水入れしたとき土色が反映していたのが、今は全体が薄緑です。すぐに株分けされ、大きく育っていくのは毎年身近で見てきましたが、高い位置から見下ろすのもなかなかいいものです。そういえばたとえば東北にむかったとき、機上から眼下に広がる田んぼを見ると、まるでイギリスの湖水地帯にでもいるような気持ちにさせられます(実際はいったことがありませんが)。日本が誇る広大なウェットランドですね。

 

そういう軽やかな気分はわずかの間だけで、ここのところ、体が重く、頭もぼっとしていて、このブログを書くのも少々しんどさを感じることがあります。とはいえ仕事よりはまだましかもと思って、今日も一時間くらいぼっとした状態で書いてみようかと思います。

 

新聞やニュースになかなか関心が向けらなかったので、メール便で、日経ビジネスの<アダルト画像や不審者を見逃さない、深層学習が次に見抜くもの>をざっと見て、少し連想が働いたので、これをテーマに取り上げました。

 

インフラ維持管理市場はいまAI技術の狙い所のようで、日々というかしょっちゅう話題提供があります。今日のもその一つ。

 

AI(人工知能)を武器に、道路の「舗装点検市場」に参入を試みる多様なプレーヤー。ディープラーニング(深層学習)を生かしてインターネット上にあふれるアダルト画像などのフィルタリング技術を実用化したNTTコムウェアも、名乗りを上げた1社だ。>ということのようです。

 

アダルト画像のフィルタリング機能とはまた異次元の世界に参画するわけではないかと思うのですが、意外と共通するものがあるのかもしれません。

 

記事では<同社が開発したのは、舗装のひび割れとポットホール(舗装表面にできた穴)をAIで見つけるシステムだ。4Kのビデオカメラを車のフロントガラスに吸盤で取り付け、時速3060kmで走行しながら路面を撮影。動画を一定距離ごとに静止画に分割し、技術者が目視で損傷を確認した結果と合わせてAIに学習させる。>

 

AIが技術者の目(ここでは認識・解析などを含むのでしょう)をディープランニングで習得していくというわけでしょうか。

 

学習したAIがを児童検出し、<異状があった箇所の位置情報をGPS(全地球測位システム)で記録し、地図上で静止画や動画を確認できる。開発したシステムを道路台帳と関連付ければ、異状を示す情報を補修履歴などと合わせて確認したり、補修計画の作成に用いたりしやすくなる。>ということで、ま、AI囲碁プログラムに比べれば楽なものでしょうか。

 

これも国交省の次のような指示に各自治体が対応を迫られていることを踏まえて開発されているようですね。

 

<道路行政を担う国土交通省は201610月に「舗装点検要領」を作成。大型車の通行量が多く損傷の進行が速い道路の場合、点検頻度の目安を5年に1回以上とするなど、舗装点検の考え方を新たに示した。>

 

千葉市とか一部の自治体が取り組みを開始したようですが、果たして地方の自治体でどこまで対応できるか懸念されますね。私が居住する橋本市のような田舎の自治体では、だいたい市道といっても道路台帳もなかなか整備できませんし、農山村が多くを占めますが、その道路管理は地元の地区で担っているのが主ではないかと思います。ですから凸凹があったり亀裂があったりというのは広範囲ですし、それでも各地域の人が努力して少しずつ補修していますね。それよりも法面が石垣だったりしてそれがかなり膨らんでいる状態でもなかなか補修となるか行き届きません。で、この開発プログラム今のところ都会的な道路を予定していて、平坦な道路の表面を識別するようですが、山岳地系のわが国では傾斜があり法面がとても多いですね。その安全性の確保が一番優先されるべきではと思うのですが、まだそこまでの認識プログラムはないようでしょうか。

 

で、ここまでは一応、前置きでして、少し頭の重しがとれてきた感覚ですが、本論は道路台帳をAIを使ってより活用できないかという点です。

 

この点、ちょっとウェブ情報を探ってみると、<株式会社ナカノアイシステム 道路台帳>や<株式会社大輝道路管理システム>などを見ると、AI機能で道路台帳をPCでの電磁的記録化して多様な機能を付加できるかように思えます。ウェブ情報の一部だけではなんともいえませんが、私はすでに一部では活用されているのではないかと推測しています。しかし、ウェブ上には見当たりません。

 

ようやく見つけたのが<横浜市行政地図情報提供システム 道路台帳>です。これで私が以前、よく通った横浜地裁前の日本大通りの道路台帳一部を見てみましたが、これはこれで便利ですが、ただ道路台帳をスキャンしただけでそれをさらに電子情報として活用することができませんね。

 

道路台帳の活用は多々あると思います。たとえばすぐ思いつくのは、交通事故の現場検証に活用することです。電子情報であれば、縮小・拡大し、そして自動車を組み入れたりして、捜査機関が作成する現場見取り図を簡単に作成することができるようになるかと思います。自動車同士の事故などでは、双方の車両の進行形態と最初の発見、その対応、衝突、その後といった一連の動きを道路台帳上にPC上に組み込むことが容易です。そのことにより、過失相殺の割合なども現実に即した算出が可能になるかと思いますし、無理難題というか一方的な主張が通りにくくなるかと思っています。

 

損保会社にとっても、事故状況の調査において作成することがありますが、道路台帳自体が正確性を欠いていたり、自動車の規模・形態・走行方向なども手書きではあまり正確性がないですし、それより時間がかかりすぎますね。ただ、道路台帳がきちんと整備され更新されている箇所がどの程度あるかも問題です。そういう意味で、道路台帳整備、そしてAI活用を念頭に置いて、開発事業を保険会社や大学、そして自治体などの連携で推し進めてもらえると、期待しているところです。

 

これで一時間ですので、今日はおしまいです。