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たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

障がい支援としてのAI <記者の目 視覚障害者とAIメガネ>を読んで

2018-02-06 | AI IT IoT

180206 障がい支援としてのAI <記者の目 視覚障害者とAIメガネ>を読んで

 

世の中ちょっとした異変のような状況ですが、足下を見れば昨日も、今日も、去年も、大きな変化はなかったような気もします。心のうちは平穏なりでしょうか。今年も、あるいは10年前、半世紀前も、なにかと騒がしいこと、変化があったように思えますが、どうとらえるかによって、大きいとも小さいともいえるでしょう。わずかな変化に気持ちが動くこともあれば、世の中がどう騒ごうと、それが重大かどうかは自分自身の見方や度量かもしれません。

 

相変わらず、株価の急激な下落、景気への影響が大きなニュースになっていますが、昨日も指摘しましたが、これを一時的なものと見る解説も少なくないですが、私にはとてもそう思えないですね。それより最近の米軍だけでなく自衛隊の最先端技術を備えたヘリコプターの事故の方が気になります。軍事力に安全保障を委ねることの不安定性を露見しているようにも見えるのです。また異例なほどの寒波の長期停滞と豪雪に襲われている状況も、気象変動の兆候ではないかと気になります。

 

少しはいい話がないかと毎日記事を覗いていると、<記者の目視覚障害者とAIメガネ 周囲知る大きな力に=岩下恭士(デジタルメディア局)>に視点がとまりました。

 

岩下記者は全盲だそうで、障がいをもつ立場からのアプローチとして貴重です。

 

本題に入る前に、私は最近、ネット上の文書を「音声読み上げ」機能を使ってときどき楽しんでいます。読むのが疲れるということもありますが、奇妙なAI音声で古典を読ませると、これがなかなか面白いのです。というか、意外と結構いけるのです。現代文ではちょっと違うのではとすぐわかりますが、古典文だとなにかおもしろく感じるのです。ともかく意外としっかりと丁寧に読んでいます。むろん声優や俳優あるいはアナウンサーによる朗読の情緒や哀愁のある読み方には遠く及びませんが、耳から入る情報を好む傾向のある私にはなかなかおつなものです。

 

いくつか改良の必要性はあるでしょうが、学習効果が優れているAI頭脳からすれば、数年後には声優とまではいかなくても、普通の人レベルの抑揚なり、専門用語の読み込みなり、間のとり方など、的確に学習して習得してしまうような気がします。

 

で記事を紹介しながら、本題に入ります。

視覚障害者である岩下記者の視点で、AIカメラの試験的運用を追っています。

<内蔵カメラが認識した文字情報を音声に変換するAIメガネもその一つだ。国内外のメーカーが名乗りを上げるなか、実際に装着して街中を歩く体験会がこのほど横浜市内で開かれ参加した。視覚を補う技術の進展を実感するとともに、乗り越えるべき課題も見えてきた。>というのです。

 

開発者は、<父親が脳梗塞(こうそく)に倒れて文字が理解できない読字障害(ディスレクシア)に苦しんだ。>ことを契機に、父親のために、<音声は理解できることからOCR(光学式文字認識)で文字情報を読み取り、それを読み上げる装置>を開発し、<社名と製品名は関西弁の父親と「音」をかけて「オトン・グラス」と名付けた。>というのです。

 

「オトン・グラス」とはおもろいネーミングですね。

記者がそれをつけた写真も掲載されていますが、<メガネ型で、視点と同位置にあるカメラで撮影した文字を文字認識技術でテキストデータに変換、音声として読み上げる仕組み。IT大手グーグルやアマゾンの音声AI技術が使われている。「当初は読字障害の人たちを想定して開発したが、目の不自由な人たちにも有益なツールになると確信した」(島影さん)という。昨年から市販されており、本体価格は40万円。>

 

ちょっと高額ですが、普及すればすぐに安くなるのではないかと思いますし、現在無料アプリで使われている音声読み上げや、音声翻訳などと、スキャナーのアプリとをうまく合体すれば、無料アプリで登場するといったこともあるかもしれませんね。

 

オトン・グラスの使い方は

<まず目の前から40センチほど離して印刷物を持つ。読み取りボタンを押すと、5秒ほど処理中を知らせる警告音が流れたあと、流ちょうな日本語で文書の読み上げが始まる。英語にも対応する。>というのですから、メガネ型でなければ、現在でもすぐにスマホのアプリで対応できそうな印象すらもちます。

 

岩下記者は体験した結果、課題をすぐに見つけています。

<全盲者の場合、最大のネックはどこに文字が書かれているのか分からないことだ。晴眼者が同行して店頭の品書きなどを見つけて誘導してもらう必要がある。理想的なのはメガネが捉えた文字を瞬時に読み上げるライブ中継だ。そうすれば一人歩きをしながら目の前にある住所表示も確認できそうだ。>

 

そうですね、文字を認識して、それを音声で読み上げることを標準機能としているわけですから、問題の文字情報がどこにあるかを発見することについての解決策を提示できていないとオトン・グラスとしては使用範囲が限られることになります。

 

AIによる自動運転についての技術開発競争が激しい中、この技術の中核はまさに対象の立体的認識とその情報を分析して走行方法を選択するなどして、目的地にまで到達するわけで、この中には現在ナビゲーションで使われている一定の対象ごとに音声による案内なんてことは簡単にできることでしょう。

 

他方で、AIによるロボットでは、凹凸のある場所を遠隔操作で走行したり、調査したりすることができることは、福島第一原発の廃炉事業にあたって、現場でその機能は相当のレベルに達していることが証明されています。

 

これらを綜合した視覚障害者用のメガネであれば、いずれ立体的な情報の中で、視覚障害者が段階的に活動範囲を広げることができるように、適切な音声誘導、たとえば階段の方向・位置、始点終点、ホームでの位置関係などを情報提供して、視覚障害者がより安全で快適にまちの中を自由に歩き回ることができるようになるのではないかと思うのです。

 

ところで、著作権法上の問題が指摘されています。

グーグルのGPS機能に連携して(おそらくそういうことを言っているのでしょうか)、音声ガイダンスでクラウドデータを使うことでより利便性を高めることができることを指摘しつつ、法的問題が指摘されています。まず利便性について言及しています。

<たとえば、商店や路上で収集した文字データを活用するに当たっての課題だ。どこそこにこういう看板が出ているなどといった情報をクラウド上のデータベースに蓄積し、AIメガネを装着した視覚障害者らが共有できるようにすれば、便利なことこの上ない。百貨店の前を通過する際「○○デパートの看板。まもなく通過します」などと音声ガイダンスが聞こえれば、視覚障害者にとって初めての場所であっても心理的負担は軽減する。点字ブロックやエレベーターの場所、危険な場所なども共有できれば事故防止にもつながる。

 

しかし、こういった画像データの著作権や、プライバシー問題を指摘されています。

 <そうした情報の元になるのは画像データだ。情報を蓄積していく際、取得したデータの著作権や、プライバシー問題も横たわる。>

 

<体験会にも参加した、著作権問題に詳しい水野祐弁護士(37)は指摘する。「画像データには、第三者の顔、個人情報や、著作権のある広告物などが映り込む可能性がある。IT大手のグーグルがAIメガネの開発を志向しながら断念したのもそうした法的問題が要因の一つだったとも言われている」。その上でこう説く。「障害者のニーズのある装置が開発されたなか、それを利用できるような適切なルールを議論し始める時期ではないか」>

 

たしかにこういったデータが、クラウドのデータに蓄積され、商業利用されれば、それらが広告物などの場合著作物であることから著作権侵害の問題が生じるでしょう。

 

グーグルがストリートビューを全世界で展開してきましたが、この場合もプライバシーを侵害しないようさまざまな配慮をしていますね。著作権問題はどう対処しているのか画面上はわかりませんが、一定のルールの下に利用しているのではないかと思います。

 

たしかにグーグル的な商業利用を前提とすれば、AIカメラもプライバシーや著作権に配慮したルール作りが必要でしょう。しかし、AIメガネを個人的な利用として使える技術的な工夫が不可能かの検討もしてもらいたいと思います。とはいえ、クラウド上のデータ累積して、AI機能を使って、GPSと連携して、あるいは3D画像化が個人の視覚野画像のようになれば、そこで、たとえば視覚障害者がこういうものがあるかと聞くと、それはどこそこにあるといった回答もできたり、凹凸の状況も事前に知らせてくれて、危険を回避することが容易になるということになれば、この限りで公益性が高いわけで、そのルール作りは柔軟な視点で行ってもらいたいですね。むろん障がい者用メガネという限定付き利用といった縛りをつけるとかできればいいのですが。

 

なお、文化庁の<著作物が自由に使える場合>は、一般的な内容ですが、現代の著作権利用のあり方に対応しているか、見直して良いのではないかと思うのです。

 

今日は少し長引きました。このへんでおしまいです。また明日。


AIとの付き合い方 <縮む日本の先に AIと生きる/2 自動運転始まる村の「足」>を読みながら

2018-01-02 | AI IT IoT

180102 AIとの付き合い方 <縮む日本の先に AIと生きる/2 自動運転始まる村の「足」>を読みながら

 

昨年はAIの進化を伝える情報に日々接してきたように思います。いやスマホなど生活のいろいろな場面でその驚異的な進化を体験することも少なくなかったように思います。今年はその傾向はもっと増えるでしょうね。それは私の寿命の尽きる時まで止まることがないでしょうから、それは観念してというか、それを楽しむ境地でいたものです。

 

私自身は信頼しつつ疑いの目をもってAIなどの科学技術の進歩を見てきたように思うのですが、案外無意識のうちに信じ込まされていることを体験させられます。

 

今日の出来事はAIと直接関係がないかもしれませんが、車のナビゲーションシステムの情報からハプニングが起こりました。実家の駐車場の前が一方通行であることを知らないでいたところ(普段は別の駐車場に止めていたのです)、それを知らされて、ぐるっと大きく回って玄関に着けるようにしていました。ナビを見ると私の知らない町の中を通って玄関の前に出るコースが載っていました。はじめは知らないところなので、気にしなかったのですが、近回りなので行ってみようとついそのコースをとりました。

 

それからが最悪の状況となりました。古い時代からの町並みで、その中に細い道路が通っていました。大丈夫かなと思いつつも、なんとか通り抜けできるだろうと高をくくってしまいました。大通りに出るところまで近づくにつけ細くなっていました。これはまずいなと思いつつも、バックするのも大変で、なんとかなると思いそのまま進みました。

 

大通りに出る直前で車が動かなくなりました。どうしたのだろうと車を止めて前から見ると、車の左側が大きな石にぶつかっていました。これでは前に進めないはずでした。通りにでる直前の家の持ち主が接触防止のためにか頭大くらいの石をコンクリートで据え付けていました。

 

石には遠くから気づいていたのですが、ナビが通れるコースにしていたので、通れると思い込んでしまっていたのですね。石のあるところまで来たときは、その先の大通りの通りのことが気になって、石が障害になることを失念してしまっていたようです。

 

ともかく車は前にはす住みませんのでバックしか方法がありません。でも全身ですらギリギリでしたから、私の未熟な運転技術では退路もふさがれた状態に等しいものです。そんなとき救いの神が現れました。ナビでは救ってくれません。右側の家の方がたぶん石との衝突音か何かで気づいて出てきて、バックするのを助けてくれました。50m以上100mはなかったと思いますが、大変な時間をかけてようやく救出されました。

 

救い主に感謝、感謝です。

 

でも車は見事に前部の底と、左側ドアに大きな筋が入ってしまいました。安易にナビを信じて、自分の腕を見極めなかった結果で、自業自得ですね。

 

AIは視覚、聴覚、頭脳の機能が格段に進んでいますね。私の身近でも感じられるくらいですから、最先端領域では想像できない段階を目指しているのでしょう。

 

たとえば私自身は、腱鞘炎などでタイピングができなくなることが多かったので、20年以上前からIBMのPCに装備されていた音声入力を初めて以来、なんどもいろいろなソフトを試してきましたが、まともに認識したり、文字化できるのに出会ったことがありませんでした。でも昨年暮れ手にしたスマホの音声入力はかなり難解な文章でも相当程度文字化できびっくりです。いずれこのブログも音声入力にしようかと思ったくらいです。

 

前置きがいつものように長くなりましたが、毎日の元旦記事は連載物ですが、わたしがこのブログで何度も取り上げてきたAIと人間との関係性について、これから起こるさまざまな事象の一端を示しているように思い、少し書いてみようかと思ったのです。

 

毎日記事は<縮む日本の先に AIと生きる/2 自動運転始まる村の「足」 ぬくもりは負けない>、<縮む日本の先に AIと生きる/1(その2止) AI導く未来の針路 自宅で夜9時、スマホ面接>です。

 

<縮む日本>というタイトルに、多くの人の脅威を代弁しているのかもしれません。ただAIに対する意識は十人十色ではないかと思います。むろんAIが代替する業務・作業などは多方面で急速に拡大するでしょうから、いまやっている仕事がその分なくなる可能性は大きいでしょう。

 

上記の最初の記事で取り上げられた田舎のタクシー運転手の役割も変わることは間違いないでしょうね。

 

実家でも母親の移動はタクシーですが、介護タクシーでないと、ほとんど乗り降りなどに協力しない運転手がいるそうで、自分は運転手でA地点からB地点に運ぶことだけが仕事と割り切っている人が少なくないそうです。母は車から降りることも歩くこともできません。それでも気にならない運転手が多いそうです。

 

中には停車した途端、運転席から降てきて後者の手伝いをしてくれる人もいるそうです。そういう運転手の場合は指名も多くつくようです。むろん介護タクシーを頼めばいいのでしょうが、普通のタクシーでもただ運ぶだけだと自動運転車両に取って代わられる可能性は大ではないでしょうか。

 

さて記事では公共交通機関の代替機能を営むタクシー運転手の業務の将来が、山間地などで自動運転車両の道の駅を中心とする戦略的な導入を図る国交省の動きを報道しつつ、これまでの地域交通を支え得てきた運転手が心温まるサービスをしてその業務維持を図る努力を紹介しています。これらの選択は地域ごとで一義的に決まるのではなく、微妙に地域特性に合ったミックス方式が生まれるようになる気がします。とはいえ、いずれは自動運転車両が中心になるのでしょう。

 

江戸時代に栄えた駕籠かきや、維新後に普及した人力馬車のように、時代の趨勢に飲まれてしまうのでしょう。おそらく自動運転車両はさらに人間の持つコミュニケーション能力を発揮して、運転中もお客に対応する適切な話題提供も可能になるように思います。

 

では職を失ったタクシードライバーはどうするのでしょうか。駕籠かきや車夫のように、新たな時代に対応する能力を自然にではなく、政府の支援事業などによりスムーズな職業移転が可能になるような気がします。それには政府の思い切った対応が求められるように思うのです。

 

もう一つのAI面接官の件は、人事採用の評価の在り方が大きく変わる可能性を示唆していますね。このことは、現在行われている書類選考の基準なりあり方自体が変わることをも意味しているように思うのです。それはハローワークなども含め人材市場の在り方も大きく変革する兆候の一つでしょう。

 

それは退職判断をするAIの機能ではより複雑さを増すためか、十分機能していないというか、一時判断としてもまだ使えないのかもしれませんが、評価基準の試行錯誤でより実効性のあるものが学習機能で生まれてくると思いますので、いずれはAIに退職勧告が言い渡される、あるいは適切な改善指導を、人事担当者に代わって行うかもしれませんね。

 

ここまで書いてきて、遅い訪問者が現れ、1時間余り話を自分の家族の話をして帰っていきました。何を書こうとしていたのか、ちょっとあやふやになり、時間も12時が近づき、田舎で一人で考える時間をとることが容易でないことを痛感しながら、今日はいろいろ疲れがたまり、この辺でおしまいとします。 また明日。            


AIを考える <AI弁護士?><AI歩き方鑑定><AI兵器>を読んで

2017-12-14 | AI IT IoT

171214AIを考える <AI弁護士?><AI歩き方鑑定><AI兵器>を読んで

 

NHKウェブ情報を見ていたら、つい<特集“AI弁護士”は何を変える?>というのが眼に入りました。ちょうど今朝の毎日記事でAIが特集されていたので、一緒に考えてみようかと思った次第です。

 

上記NHK記事では、最初に次のように紹介しています。<企業の命運をも握る契約書の作成をAIが担えるのか? 弁護士の仕事を奪うことにはならないのか? このサービスを運営するベンチャー企業の経営者で、弁護士でもある笹原健太さん(34)に聞きました。(経済部記者 加藤 誠)>

 

ではAI弁護士とはなんでしょう。

 

<ことし8月、IBMが開発したAI「ワトソン」を活用したITサービス「ホームズ」が日本で始まりました。何万円という手数料を支払って弁護士に依頼していた契約書の作成を月額980円の固定料金で、クラウド上で簡単に作成・管理できるというものです。>

 

具体的な使い方は次の通りです。

<ホームズで作成できる契約書類は多岐にわたります。不動産の売買や、業務の受発注、従業員の雇用や秘密保持など、内容に応じてWEB上で検索。AIがおよそ300種類の中から最適な「ひな型」を選び出します。

 

ひな型の空欄に、必要な事柄を入力していくだけで、5分ほどで契約書が作成できる仕組みです。売買したモノに欠陥が見つかった場合、売り主がどこまで責任を負うかという「瑕疵担保責任」のような複雑な条文もワンクリックで、表現を切り替えながら選ぶことができます。>

 

だいぶ以前から市販されている契約書ソフトとどの程度違うのか、これだけではよくわかりませんね。最初に紹介された笹原氏が作成したようですので、たとえばキーワードを打ち込めばそれに応じた契約類型がいくつかピックアップされ、そのうち、さらに絞り込みで特定の契約書を選ぶことができるといった配慮はあるのかもしれません。

 

でもこれだけだとAIとはほど遠い印象ですね。AI弁護士というぐらいですから、文裕本因坊のも打ち勝つほどのAIの能力からすると、笹原さんはもっと高い機能を考えているのでしょう。

 

その将来性について、<AI弁護士のホームズは、その未来に可能性を感じたアメリカのベンチャーキャピタルから投資を受け、来年中のスタートを目指し、新たな機能の開発を進めています。既存の契約書をチェックして、顧客にとって不利益な条項がないかを洗い出すというサービスです。>とのこと。

 

具体的な例として笹原さんは次のようなM&Aの事例を紹介しています。

 

<笹原:例えば、企業買収の事前手続きでは、日常のメールや取引きまでチェックし、暴力団との関係や情報漏洩がないかなど膨大な量を人手で調べます。大手の事務所では、時間当たりの料金=タイムチャージがかかり、弁護士費用が多額に上ります。

 

しかし、AIを使えば、明らかに正常なものと異常なものは素早くチェックできるので、企業側は、AIが判断できないグレーな部分だけを弁護士に頼むということができます。>

 

たしかに渉外事務所といわれる弁護士法人などではタイムチャージ制ですし、その作業の中で調査が占める時間が大きいと思われますので、この分野はとりわけAI機能が代替できるのではないかと思うのです。

 

でもその程度ではすまないのが現在のAI能力ではないでしょうか。この弁護士分野に関するAIの魅力についてはもう少し情報を整理していつか書いてみようかと思います。

 

ただ、個人でベンチャーキャピタルと提携して魅力的なサービスを提供する時代かどうかも疑念が残ります。日弁連が組織的にこの分野に参入して、AI機能を会員サービスとして提供してはどうかと思うのです。それも甘いかもしれません。AIビジネス自体が独立して弁護士向けより、企業向けおよび個人向けサービスとしてAIサービスを提供して、弁護士、司法書士、行政書士をはじめ、その他多く士業に取って代わる可能性すら、アメリカでは現実味を帯びているような話しもありますね。ま、頑張ってもらいましょう。

 

犯罪捜査分野でのAIについては、<科学の森AIで「歩き方」を鑑定 映像比較、犯罪捜査の武器に>がAI鑑定の研究が進んでいるようです。

 

<防犯カメラなどに映った人間の歩き方を分析し、容疑者に迫る「歩容認証」という鑑定技術が犯罪捜査に貢献している。最近は人工知能(AI)によるシステムの改善が進み、より正確で迅速な鑑定が可能になった。AIによる新しい犯罪捜査の可能性を追った。【鳥井真平】>

 

この防犯カメラ映像を利用すると道が開けそうな話しですね。

<八木教授は、この防犯カメラ映像をコンピューターに入力。複数の人物の腕の振り方や歩幅、姿勢などの特徴について、別に提供された容疑者とみられる人物の映像と比較して鑑定した結果、「防犯カメラに映っている特定の人物が、容疑者と一致する可能性が高い」と結論付け、逮捕につながった。「歩き方の特徴が分かれば、2歩でも分析できる」と八木教授。50メートル離れた映像でも分析可能だ。>

 

実際に鑑定技術の一つとして定着しているようです。

<こうした鑑定技術は「歩容認証」と言われ、新たな個人識別法の一つとして14年の警察白書に掲載された。人が歩いている映像を入力すれば、データベースに登録された膨大な映像から歩き方の特徴が似ている人物を選び出し、何%一致するか判定することができる。警察庁の科学警察研究所で活用されている。>

 

とはいえ従来の方式には課題があったそうです。これまた理解しやすい話しです。

<両者の向きの差が大きいほど誤認率が上がり、特に差が90度の場合、人物の「正面」と「真横」の比較になるため誤認率は4割近くに達した。>

 

そこで登場するのがいまはやりのディープランニング。

<八木教授らはAIを使った新しい認証システムを開発した。15年から1年かけて、日本科学未来館(東京都江東区)でのイベントに参加した1万人から同意を得たうえで、歩く様子を14方向から撮影し、従来の認証技術と同様に2歩分の映像資料としてデータベースに蓄積。それを基に、撮影角度が異なっていても、歩き方が似ている映像同士を選択するようAIに深層学習(ディープラーニング)させた。深層学習はAIが膨大なデータを自ら繰り返し学習し、理解を深める技術だ。

 特定の人物をデータベースの映像から絞り込む実験の結果、撮影角度の差がない場合の誤認率は1%で、30度は2%、90度は4・2%と格段に精度が上がった。>

 

こういった捜査の人海戦術の中で、大いに軽減効果が見られたようです。が課題というかまだ限界があるのですね。

<容疑者の特定では、捜査員の目や足を使った人海戦術が頼りだったが、効率化も期待できるという。ただ、歩行者が荷物を持っていたり、全身を覆うコートなどを着ていたりする場合は、体の重心が傾いたり足の動きが隠れたりするため精度が下がる。最終的な容疑者の絞り込みには、証拠の積み重ねが前提になることは今後も変わらない。>

 

八木教授は犯罪捜査だけでなく<商業施設の利用調査などといったビジネス面にも応用できる可能性がある>というのです。

 

ところで、最近NHKだったかどこかで放送していたニュースでは、中国のこの種の防犯カメラは性能が格段に良く、また膨大な量でいわゆる監視体制が確立しているそうで、しかもAI機能も格段に優れていて、個人識別能力は抜群のようですね。その点では、わが国のAI技術は後れをとっているかもしれません。中国は監視体制の確立と同時に、軍事技術としても巨額の費用をかけていると思われるので、当然と言えば当然かもしれません。

 

最後にそのAI兵器そのものをとりあげた<PICKUP「AI兵器」規制に難題 国連で初公式会合 各国の溝目立つ>も今後注視しておく必要があるでしょう。

 

<人工知能(AI)を搭載し、機械の判断で敵を殺傷する「自律型致死兵器システム(LAWS)」と呼ばれる兵器の国際規制を議論する国連の政府専門家会合が先月、スイス・ジュネーブで開かれた。初めての公式会合となったが、規制の対象や方法を巡り多くの難題が浮かんだ。>

 

「自律型致死兵器システム(LAWS)」とはまさにSFの世界というか、そういえばターミネーターはまさにそれですね。しかもその略称がLAWSというのですから、笑えますね。自分で支配する法秩序を持ち兵器をも活用するということでしょうか。

 

<LAWSは「キラーロボット」とも呼ばれ、AIが自ら標的を識別するなどして攻撃する兵器。人間が途中の判断に全く関与しない完全な自律型の兵器はまだ実戦配備されていないとされるが、米国やロシア、イスラエルなど少なくとも6カ国が開発中とみられる。自国兵が危険な地域や任務を回避でき、被害が減るといった利点が挙げられている。>

ますますターミネーターの世界に入り込みそうです。

 

当然ながら、核に続く、あるいは代わる驚異となっています。

<AI兵器は火薬と核兵器に次いで戦争の様相を変える「第3の革命」になるとして規制を求めている。>

 

両者の対立はなかなか溝が埋まらず、開発が先行しそうな感じでしょうか。

 

最後に<AIなどの開発に関わる世界の企業経営者らが、AI兵器の禁止を求める書簡(8月公開)をまとめる際、日本から署名したロボット企業「ハイボット」社長の広瀬茂男・東京工業大名誉教授は「衝突回避など自動車の先進安全技術にもAIが使われるが、逆に使えば自律走行で人を狙うテロや犯罪もできるということ。研究者も対策の議論を深める必要がある」と訴える。【千葉紀和】>との点も通常のビジネスサイドも注意する必要があるでしょう。

 

そうなると、EVと自動運転といった流れを単純に喜んでばかりいられないことになりますね。人間のやることはいずれも一歩前進二歩後退といった感覚を大事にしたいとおもうのです。


AI医療の行方 <AI医療応用・・・内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>を読んで

2017-11-28 | AI IT IoT

171128 AI医療の行方 <AI医療応用・・・内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>を読んで

 

今日も朝からいろいろ用件がありました。たとえば、離婚時の年金分割について、平成204月制度がなかなか理解されなく、協議離婚が成立した後相手方から年金事務所の通知を受け取って疑義が生じたと言うことで問い合わせがあり、なんどか説明するも納得されなかったようで、そのことでも一般論として書いてみようかと思いつつも、ま、別の機会にすることにしました。

 

他には借地物件で、借賃人であり隣地所有者が借地上の建物以外に、別の建物を自分の土地と借地にまたがって建てていたケースで、その借地人から境界確定の際に、当該建物の解体は当方が負担する約束があったとかの理由で、解体費用の負担を求められ、いつのまにか話が進んでいる中で、相談がありました。解体見積書もあいまいで、そもそもの解体費用の負担という合意も裏付けがなく怪しいものでしたが、すで交渉が進んでいたので、とりあえずそれを前提に基本に戻って、借地人と貸主との紛争解決の趣旨に立って、合意書案を用意しました。最近はやりの地中埋設物があった場合の負担をも含めて文書化しておくよう提案したのです。

 

そんなこんな相談案件が電話やメールであるため、なかなか落ち着いた仕事ができません、なんてビギナーのような愚痴をいうのはどうかと思います。というか、なんでも楽しく喜んで作業できることが一番かなと思うのです。相手に不快感を与えたり、いやな思いにさせないでと心では思っているのですが、現実には対立当事者がいて紛争案件ですので、簡単ではないですね。親鸞や法然、道元や栄西、日蓮や一遍も、衆生の話をよく聞いたといわれていますが、どんな心持ちだったのでしょうね。

 

さて話は変わって、今朝の毎日クローズアップ2017は<AI医療応用、現実味 内視鏡診断400人 分析3分、正答9割>という医療の世界に進出著しいAIの一端を取り上げています。

 

ここに書かれていることは驚くに値しないことと思っています。だいたい、AIがチェスのトップ選手に勝ったのはいつでしたか。チェスに比べ格段に難しいといわれた将棋もあっという間にトップ選手を打ち破りましたね。さらにその何乗倍もややこしい囲碁の世界トップやあの7冠達成の文裕をも勝ち名乗りを上げたのですから、その能力たるやとても想像できませんね。それ以上にその技術革新のスピードが人の予測を超えています。これから先どうなることやらですね。

 

ただ、最近のAI医療事情を知っておくのも大事かなと思いますので取り上げました。といっても半年先、一年先はどうなっているやら、さらに5年後、10年後・・・さらには、ま、私が世の中から退場した後まで考えなくても良いでしょうか。

 

さて、まずは<胃がんの前段階「ピロリ菌胃炎」の内視鏡画像診断>です。

 

<約400人分、1万枚以上の画像を3分あまりで分析し、発症の有無の正答率は9割近くに達した。23人の内視鏡医が同じ画像を診断したが平均で4時間近くかかり、正答率がAIより高かったのは3人だけだった。>

 

<ある内視鏡専門医(34)は「AIの診断の正確さはすごい。スピードは全くかなわない」と舌を巻いた。>というのはAIの進化を知らなすぎるのかもしれません。画像自体が精細化していますが、人間の能力ではその微細な変化や違いを理解するのに相当の熟練がいったり、若年時代から訓練しないと身につかないかもしれませんね。

 

ところが、AIの場合は、画像認識も分析も、学習能力により信じられないスピードで熟練の内視鏡医師以上の能力を身につけることが可能になるのでしょう。

 

ちょっと脇道に入りますが、いま話題の貴ノ岩関の診断書で「髄液漏の疑い」というのが話題になっていて、先日ブログで取り上げましたが、こういった脳脊髄液画像診断も、AIを導入することで、おそらく入院することもなく即時に判断できるようになる時期は間もないのではないかと思うのです。脳外科医の中には、今回の素手なりなんらかの物体での殴打では髄液漏れはありえないといった見解を述べる方もいましたが、そこまで断定していいのかなと思ってしまいます。そもそも脳脊髄液漏出自体(だいたい「漏れ」といった診断名は確立しているのでしょうか)、骨折することで発生するといった発生機序ではなく、硬膜外とくも膜下の隙間からなんらかの衝撃などを要因として発生するとも言われています。

 

ま、このあたりは議論のあるところだと思いますので、どれかが正しいとは言いませんが、少なくとも発生機序を明確にして説明しないと、どうかと思うのです。そんな専門医の状態だと、AIのさらなる進化により医療分野はその役割の多くを取って代わられるかもしれませんね。むろん法曹界もその他専門分野と称してのほほんとしている方々は同じ運命でしょう。フィンテックの進展もいま日本のマスコミで話題にしている領域はかなり遅れた議論ではないかと思われます。ま、そんなことを心配する話ではないでしょうか。

 

さて本論に戻って、取材を受けた病院では<ただともひろ胃腸科肛門科の多田智裕院長が所属する浦和医師会の管内でも、昨年1年間で約5万人が胃がん検診で内視鏡検査を受けた。1人当たり約40枚、計約200万枚をチェックしなければならないが、開発したAIなら高い精度を保ったまま、半日程度で作業が終わると見込まれる。>

 

なんと驚くべきスピードと正確性でしょうか。でも本因坊文裕を打ち負かしたAIですから、その程度は驚くに値しないでしょう。

 

そのほかではさらなる利用領域の拡大があるようです。<画像診断以外でも、AIは威力を発揮している。15年には東京大医科学研究所がIBMと共同研究を開始。2000万件以上の医学論文を学習させ、医師が診断できなかった女性患者の病名を10分ほどで見抜くなどの成果を上げた。>これですよ。もう人間の通常の能力では太刀打ちできないわけですね。ある一線では。

 

製薬業界の新薬開発の分野もその例の一つ。<現在、一つの薬を製品化するのに平均13年の開発期間と約1200億円の費用がかかるが、AIで薬の候補物質を素早く見つければ、開発期間は9年に、費用は約560億円に抑えられ、「業界全体で年1兆2000億円のコスト削減効果がある」と試算する。>

 

ただ、医療現場でAIを実際に使うとなると、自動運転のように、少なくとも法令上の問題をクリアしないといけませんね。

 

<医師法では医療行為は医師にしかできないが、仮にAIの判定を採用して医師が誤診した場合の責任はどうなるのか。

 厚労省の有識者懇談会が6月にまとめた報告書は「診断確定や治療方針の最終的な意思決定は医師が行い、その責任も医師が負うべきだ」と指摘した。同省の担当者は「AIの医師法上の扱いを明確にしなければならない」と話す。>

 

法令上は医師の責任となります。<産総研人工知能研究センターの瀬々潤・機械学習研究チーム長は「『AIが言いました』では通らない。医師が証拠を示して説明することはこれからも必要だ」と指摘する。>ですね。

 

ただ、医師がAIの結果を理解できるかどうかが問われるかもしれません。よくわからないけど、AIがそう診断しているので、診断しましたでは、エビデンスに基づく医療とは到底いえませんね。でもそうなると、AIを使いこなせる医師を育てないと、宝の持ち腐れになるか、あるいは人間が無視するならAIロボットが人間を凌駕する世界を作り出すかと言ったSFの世界に入り込むのかしら。

 

医療の世界はまだ、一人の人間を扱うので、まだAIの暴走を許さないコントロールを前もって用意できるような気がします。しかし、フィンテックのような見えない金融世界では、一体、実態経済がどうなっているのか、金融も含めてわからない中で、最新AIがとてつもない規模の経済を支配してしまうことをコントロールできるか、それこそ脅威かもしれません。

 

見えざる手は、まだ人間がその判断で良くも悪しくも市場を不安にしたり豊かにしたりしてきたかもしれませんが、AIの結論はすでに人間の叡智を超えているかもしれません。でも世界経済はますますフィンテックを追い求めています。

 

そういった不安を感じつつも、明るい未来を見ることができるのは、私たちには今そこにある実体と直面できているからかもしれません。

 

今日は1時間ほどかけて書きました。その前に2本書いたので、ずいぶん書いたような気もします。これでおしまい。また明日

 

 


AIとの棲み分け <深層NEWSの「人工知能は敵か味方か?・・・」>を見ながら思うこと

2017-11-24 | AI IT IoT

171124 AIとの棲み分け <深層NEWSの「人工知能は敵か味方か?・・・」>を見ながら思うこと

 

今日は朝から忙しく過ごしました。ある労働事件で、会社側に内容証明を出したところすぐに反応があり、今日社長と担当者が来所して協議したところ、大筋で話がまとまり、その後和解書案を作成して、むろん田舎ですから本人も近いため来てもらい、案に了解をもらって、すぐ会社側に提案を出して一段落。

 

その後、別の事件で、後遺障害をめぐって争っていることから、主治医の見解を伺うため、和歌山まで車を飛ばし、一時間あまりいろいろと話を伺って、ようやく事務所にたどり着きました。このブログがないと、そのまま帰宅したところですが、やはり千日ブログの誓い?を遂行することは、高齢者の老化防止・認知症防止にもなり、最近読者も少し増えたみたいで、ま、こんな駄文でも読んでいただけるのもありがたいと、同行二人ではないですが、一人で孤独感を味わっているわけでもなく、それなりにやりがいを持っているのかなと、最近は感じるようになりました。とはいえ、今日も疲れと帰宅時間が来てるので、簡単に済まさせていただこうと思っていますが。

 

毎日記事は三菱マテリアル子会社の改ざんが大きく取り上げられていて、一体どうなっているのと思いつつ、そういえば四半世紀以上前もこの会社を問題にしたことがあるなとつい思い出しましたが、ま、今日は軽い話題で収めたいと思います。

 

昨夜もいろいろな番組をつまみ食いしていて、その中でおもしろいと思ったのが、日経プラス10と、深層NEWSです。この時間帯、この他にNHKが国際報道2017が競い合って異なる内容を報道していますが、それぞれ面白いのでいつもあっちこっちつまみ食い的な見方をしています。で、昨夜は、日経プラス1は小谷キャスターが日本を代表する経営者が集まった会議で進行をつとめ、豊田章雄氏を、章雄社長とファーストネームで気さくによびかけ、日清食品やセブン&アイ・ホールディングスの社長も登壇して、それぞれの信条的なことを話すのですが、これがとても人間味溢れる内容でした。かなり思い切ったことを言えば、普通の人のような会話でしたか。テーマが企業の変革ということだったかとおもいますが、それを「味」で表現するようなことだったためでしょうね。

 

経営者の人間味溢れる会話に対して、深層NEWSは、いまはやりAIの脅威を追求する内容でした。タイトルは<人工知能は敵か味方か?AIと共存で人生激変。迫る転換点に備えよ!>ということだったようです。

 

<【ゲスト】 中島秀之(東京大学大学院特任教授) 鈴木貴博(経営戦略コンサルタント) >で、<【キャスター】 近野宏明(日本テレビ報道局) 丸山淳一(読売新聞編集委員) 阿部優貴子>の布陣です。

 

面白かったのは、AIはどこまで人間に代替できるかというのを、可能性が高い物から低い物をいくつかの職業を選んで表にしているのですが、その内容は私がこれまでブログで書いてきたことに近いものでしたので、私の方がびっくりでした。

 

ほぼ代替可能な職業として、運転手が上がっていました。これは単に自動車の運転手に限らず、電車からはじまってあらゆる機械の運転手が含まれそうです。そしてパイロットもです。飛行機の方が航路も決まっていますし、突然の障害物なり人も出てきませんので、簡単だそうです。

 

最も難しい職業として作家が上がっていました。作家と言ってもいろいろあるでしょうが、ま、イシグロ氏のような純文学?を想定しているのではないでしょうか。もっとも人間的で、創造性が求められると言うことでしょうか。感情・情緒などの面が一番重視され、書くことは神がかりともいわれますので、神様の領域かもしれません。ただ、単に小説を書くと言うことであれば、AIの能力からすれば簡単だと思います。ま、この辺はその程度にして。

 

で、驚いたのがここからです。真ん中に4つの職業があり、そのうち2つがより代替しにくい職業、残り2つが代替しやすい職業と言うことでした。

 

その職業に記憶では、警察官、教師、裁判官、政治家。で、皆さんならどう考えましょうか。

 

答えは、前者が代替しにくい方、後者が代替しやすい方という仕分けです。え・・と現役裁判官は思うかもしれませんね。いかに創造的な判断を駆使しているか、事実認定の妙や法令や過去の裁判例の評価はまさに神業?的思考の結果と思っている人もいるかもしれません。

 

でもこの表を作ったと思われるゲストの鈴木貴博(経営戦略コンサルタント)は、もうすでにアメリカのAI研究の試験結果で90%以上は裁判官の判断を代替できる可能性があるとのこと。たしかに膨大な裁判例を緻密かつ論理的に整理して人間のだれもが到達できないスピードで、具体的事件に当てはまる、類推する、あるいは当てはまらない判断ができるようになる可能性を私も感じています。

 

とはいえ、キャスターも指摘していましたが、法令の限界、あるいは違憲判断となると、どうでしょう。これには政治的要素も含まれるかもしれません。いやいや、事実認定こそ、容易でないかもしれません。ここは判断の分かれるところでしょうか。

 

さらに驚いたのは政治家も同じレベルという評価なんですね。政治家に判断を任せていると、一向に政策が決まらない、法律や予算が決まらない。それをAIに委ねると、あっという間にできあがるといのでしょうか。しかし、それはどういう理想社会を描くかによって異なるでしょうし、この位置付けもどうかな、と思うのです。

 

では、警察官はなぜ代替しにくいのでしょう。警察官の仕事も多様です。犯人逮捕や被害者の擁護のために、肉体を酷使するからでしょうか。AI自体は肉体をもちませんが、ロボットがかなえてくれますので、ロボコップのような?警察官が現れるかもしれませんね。それはともかく警察官の仕事の中で代替しにくいのは何でしょう。捜査の取り調べはどうか。少なくとも違法な誘導とか、暴行、脅しといったことは避けられるかもしれません。また、この番組でも指摘されていましたがAIは画像認識力が人を上回ることが確実で、その変化(嘘をついているとか、不安になっているとか)をキャッチすることができるので、質問回答により、有効に被疑者から犯罪を裏付ける供述をとることができるともいえるかもしれません。ここはまだ検討してみたいですね。

 

教師はどうでしょう。これまた子どもの感情や情緒に対応するには人間である教師でないとむずかしいと思う一方、最近の認知症患者に対するAIロボットの有用性を見ていますと、この分野も相当代替できるかもと思ってしまいます。

 

むろん医師や弁護士、検察官も、相当の領域で侵奪というか、代替可能かもしれません。

 

そしたら人のする仕事がなくなってしまうのではと不安がるのはキャスターの記者です。ゲストは、働かなくてもいいのだから、趣味や働く以外の分野に興味をもてばよいというのです。それも結構でしょう。隠居が理想という社会もあり、早々と隠居して別の人生を自由に生きた人はこれまでもたくさんいます。伊能忠敬もそうでしょう。私が興味を抱いている大畑才蔵もそうではないかと思います。

 

他方で、山間部に限らず、農林漁業など自然と向き合って仕事をしている人は、AIの侵略などとんと関心がないでしょう。土とか、海川とか、山とかと触れあって生きて仕事に励んでいるだけで十分。幸せを感じられる人は今後も変わらなく続くと思います。AIなんて脅威にはならないのですね。

 

今日はこの辺でおしまい。又明日。