白夜の炎

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アメリカの現在を象徴するロン・ポール―アメリカ大統領選挙

2012-01-04 16:58:21 |  北米
 アイオワ州の共和党集会で、マット・ロムニーが勝利したようだ(http://www.cnn.com/2012/01/03/politics/iowa-caucus/index.html?hpt=hp_t1)。二位のサントラムとはほんの8票の差とのこと。

 しかしわたしが関心を持ったのは三位に入ったロン・ポール下院議員だ。実際上位二人とそれほどの差もない。ロムニー25%、サントラム25%、そしてポールが21%となっている(http://www.cnn.com/)。

 何より面白いのは、それぞれの候補に投票した人たちに関する分析だ。CNNは学歴、年齢、所得等について、実に細かい分析を載せている。

 詳細は http://www.cnn.com/election/2012/primaries/epolls/ia を見ていただきたいが、他の候補とは異なる顕著な特徴がいくつかある。

 その一。若者の支持が多い。ポール下院議員は17-29才の投票者のうち48%の支持を得て第一位。17―24才では50%(1位)、25―29歳で45%(1位)、30―39才で34%(1位)である。

 その二。低所得層の支持が高い。30000ドル以下の年収の投票者中37%が、そして30000―50000ドルの階層でも26%が支持している。どちらも各候補の中で第一位である。

 その三。学歴に関してはロムニー、サントラム両候補の支持者とほぼ同じ。三候補で若干の凸凹はあるもののいずれの候補についても、大卒が20%代である(大卒の投票者中の、各候補への投票の割合)。

 つまりロン・ポール下院議員は、若い低所得層に属する共和党支持者の支持を得ていることになる。

 ロン・ポールは不介入主義者であり、アフガンからの即時撤兵や、日本や韓国からの軍引き上げを公約にかがげている。

 2002年のイラク開戦にも反対した。それは別に平和主義者だったからではないが、彼の不介入主義とこのときの態度は、実際戦地に送られた兵士の共感を呼ぶ部分があるようだ(→http://www.youtube.com/RonPaul2008dotcom)。

 彼が大統領になって、本当に極東から軍を引き揚げたら、沖縄の人々も大喜びだろうし、私たちも本気で周辺諸国との付き合い方を考えなければならない。私たちにとっても本気で物事を考えるいい機会を与えてくれそうだ。

 戦争、経済的困窮など、様々な困難が若者にしわ寄せされている今のアメリカで、民主党は支持できない、あるいはオバマは嫌だという若者の共和党支持者が、ロン・ポールを支持しているのだろう。

 彼はなかなか頑固な保守主義者-医者・軍医としての勤務経験あり、メディケアなどに反対・連邦準備制度にも反対、政界入りのきっかけはニクソンの金ドル交換停止=通貨が本来の価値を失い政治の道具になることを心配―であるようだが、アメリカ社会に一貫して存在する、世界帝国になるのではなく、アメリカのためのアメリカでい続けたいという、草の根の保守主義という政治的伝統を受け継いでいるように感じられる。

 これからロン・ポールやその支持者がどのように行動するのか、個人的に関心を払っていこうと思う。


*なおロン・ポールの生い立ちや政治的見解についてはウィキペディアの関連記事をご覧ください。
 →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB(日本語)

 →http://en.wikipedia.org/wiki/Ron_Paul(英語)

 →「ロン・ポール公式サイト・You Tube」http://www.youtube.com/RonPaul2008dotcom

 →ロン・ポール公式ウェブサイト http://www.ronpaul.com/
 


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