白夜の炎

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戦争のコマに使われかねない日本

2012-01-26 12:15:19 | 国際
 昨日「ロシアの声」からジュリエット・キエザの見解を引用した(http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/8e4dc38961a193f0f661d06da118e6c7)。

 その議論は欧米が従来の彼ら中心の世界体制を維持したい―それは帝国主義体制を継承したものである―と考える一方で、中国に代表される新興国は従来の秩序に代わる世界秩序を求めている。

 イランをめぐる対立も、リビアの内戦へ英仏が介入したのも、その背景にはこの新興国の台頭と、それを抑え込みたい欧米の対立がある、というものであった。

 キエザはさらに、今後の見通しとして両者の間で戦争が不可避だとしている。しかし英米仏独が直接中国やインドと開戦するだろうか?


 またこのブログで日本が31年ぶりに貿易収支が赤字に転落したことを取り上げた(http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/9ac9e809993b96a218cd0378842cb9c4)、「今回の赤字は1980年当時の赤字と異なり、日本経済没落のシグナルになりかねない。代わって中国がさらなる飛躍を遂げるだろう。中国は国外でも必要な資源や土地を次々と獲得し、権益を拡大し続けている。

 しかもかつての欧米と異なり、軍事的進出を伴わないため、また欧米への対抗勢力としての価値があるため、アフリカや中東、そして中南米でも歓迎されている。

 日本はアメリカを通じて資源を確保することにあまりにも慣れ切ってしまったため、独自の獲得能力がない。しかしアメリカは冷戦に勝利するため「反共の防波堤」として日本を支援したのであって、その価値が失せて久しい中、今後改めて日本をバックアップすることはないだろう。

 今後日本は中国経済圏に飲み込まれるのか、自力で道を見出すのか、いずれにせよ容易ではなさそうだ。」と書いた。

 また同じブログに転載したウォール・ストリート・ジャーナル記事等も、日本が没落に向かうシグナルだという視点から取り上げているように見える。

 WSJ紙はアメリカ財界のかなりの部分の見解の代弁者でもあるので、これはアメリカが日本に対して、「もう私たちはあなたがたの面倒をみるつもりはありませんよ」と言っているとも受け取れる。

 この二つを重ね合わせると、アメリカに追随するほかない日本と、中国など新興国の台頭を抑え込みたい欧米の間に日本がおかれていることが分かる。

 仮に戦争という手段を選択するとしたら、欧米の主要国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスといったところは、なるべく自分で直接手を出したくないだろうから、かわりにアジアの国を使うことになろう。

 韓国や日本、南沙群島でトラブルを抱えるアセアン諸国など格好のコマだろう。東南アジア諸国の大半に少数とはいえ米軍が再配置されたのはこのような背景のもとでである。

 また中国でも軍部を中心に、「軍事力によって問題の解決を図る」という考え方が台頭し、環球時報といった右派系の新聞が交戦的な世論をあおっている。

 実際筆者が交流を持っている中国人の間にも、日本との戦争は必至だ、という人たちが増えている。

 ブッシュ政権的になりつつある中国と、日本を適当に利用すればいいとだけ考えているアメリカ等との間で、日本は将来を考えていかなければならない。


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