白夜の炎

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貿易赤字―31年ぶり

2012-01-25 12:56:14 | 経済
 「石油危機以来31年ぶり貿易赤字 昨年、震災や歴史的円高で 

 財務省が25日発表した2011年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2兆4927億円のマイナスとなり、第2次石油危機で輸入原油が高騰した1980年以来、31年ぶりに赤字となった。東日本大震災や歴史的な円高で輸出が落ち込む一方、火力発電の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入が膨らんだ。

 赤字額は80年の2兆6129億円に次いで過去2番目の水準。リーマン・ショックにより年度ベースで赤字となった08年度の赤字額7648億円を大きく上回り、輸出に大きく依存してきた日本経済の先行きに不透明感が増してきた」


 今回の赤字は1980年当時の赤字と異なり、日本経済没落のシグナルになりかねない。

 代わって中国がさらなる飛躍を遂げるだろう。

 中国は国外でも必要な資源や土地を次々と獲得し、権益を拡大し続けている。

 しかもかつての欧米と異なり、軍事的進出を伴わないため、また欧米への対抗勢力としての価値があるため、アフリカや中東、そして中南米でも歓迎されている。

 日本はアメリカを通じて資源を確保することにあまりにも慣れ切ってしまったため、独自の獲得能力がない。

 しかしアメリカは冷戦に勝利するため「反共の防波堤」として日本を支援したのであって、その価値が失せて久しい中、今後改めて日本をバックアップすることはないだろう。

 今後日本は中国経済圏に飲み込まれるのか、自力で道を見出すのか、いずれにせよ容易ではなさそうだ。

 なおBBCもこの件を報道している→http://www.bbc.co.uk/news/business-16712816

 
 またウォール・ストリート・ジャーナルも以下のように伝えている。

 「米有力紙“輸出立国日本の終わり”

1月25日 13時9分

 アメリカの有力紙「ウォールストリート・ジャーナル」は、「輸出立国、日本の時代の終わり」というタイトルの記事を1面に掲載し、歴史的な円高が続くなか、企業の海外移転が加速し貿易赤字を抱える状態が続けば、日本は、巨額の債務の返済に苦しむ事態に直面するおそれがあると指摘しています。

 この記事は、24日付けの「ウォールストリート・ジャーナル」に掲載され、歴史的な円高によって輸出の採算が悪化し、生産拠点の海外移転が進んでいる日本の製造業を取り巻く構造的な変化を取り上げています。この中では「日本は、製造業の力と輸出を中心にした貿易政策で、世界の市場に自動車や家電などの製品を次々と投入してきたが、もはやそうした時代は終わった」としたうえで、円高がこのまま続けば、日本は今後数年間貿易赤字を抱えることになるという専門家の見方を紹介しています。

 そのうえで、少子高齢化が進み、景気の低迷が続くなか、貿易赤字を長期的に抱えることになれば、日本が債務国に転落する可能性があるという見方を示し、「財政危機に陥っているイタリアよりも大きな債務の負担を抱える日本が、将来、債務の返済に苦しむおそれがある」と指摘しています。

 記事では、戦後、輸出が主導する形で「日本の奇跡」と呼ばれる成長を成し遂げた日本が、巨額の貿易黒字を抱え、国際社会で摩擦を生んだ歴史を紹介し、貿易赤字を抱えるに至った日本の姿を「驚くべき変化だ」と結論づけています。」



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