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白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

エフゲニー・モロゾフ氏によるネットの未来とプライバシー(1)/小林恭子ブログより

2014-01-27 14:13:25 | 社会
「エフゲニー・モロゾフ氏によるネットの未来とプライバシー(1)

 インターネットは必ずしもばら色ばかりの世界ではない、すべての情報がつながり、ネットに乗るということは、ネット上の行動が誰かに詳細に見られている可能性も意味するー。そんなことを広く実感させる契機となったのが、昨年から続いている、いわゆる「スノーデン事件」あるいは「米NSA(国家安全保障局)事件」だった。

 元CIA職員スノーデン氏によるリーク情報を元にして、米英の情報機関による大規模な個人情報収集の実態が報道されたことは記憶に新しい。

 私は、ここ1-2年、インターネットと個人のプライバシー保護とのバランスについて、漠とした不安を感じるようになり、つながっていることの危機感を書いた本を、読売オンラインのコラム「欧州メディアウオッチ」で紹介してみた。

(11)「デイリー・ミー」(日刊・私)を手にする近未来とは?

 このコラムの中で取り上げたのが、エフゲニー・モロゾフという人物だ。

 モロゾフ氏の名前を聞いたのは、数年前だったように記憶している。インターネット界を席巻する米大手ネット企業グーグル、フェイスブック、アップル、アマゾンに批判的な目を向ける、反シリコン・バレーの論者だという。1984年生まれというから、今年30歳になるはずだ。まだ若い。

 英国のテレビに出ている様子を見たら、メガネをかけた男性が強い東欧のアクセントの英語で話していた。「インターネットが『アラブの春』を起こしたのではない」という趣旨の「ネットデルージョン」という本を書いたという。

 私はネットを仕事でもプライベートでも良く使い、ソーシャルメディアも人並みにやっている。しかし、ネット上のプライバシー情報が米大手企業のサーバーにどんどん蓄積されていることへの不安感がある。どうすればいいのかと思うが、コンピューターの電源を消したり、ネットを一時的にでも使わないだけでは、事態は解決できそうにない。グーグルメガネが市場に出て、ますます居心地の悪さを感じていた。

 そこで、2013年3月に出版されたモロゾフ氏の第2作――書評によると、新たな反シリコンバレーの本――を真剣に読み出した。題名は「すべてを解決するには、ここをクリックしてください -テクノロジー、解決主義、存在しない問題を解決しようとする欲望」(To Save Everything, Click Here (Technology, Solutionism and the urge to fix problems that don’t exist)だ。

 中には「もしシリコンバレーが思い通りにやれば、近未来はこうなる」という社会の姿が描かれていた。

 モロゾフ氏のエージェントに連絡を取る機会があり、「クリック」の中味を紹介する許可を得た(特に契約を交わしたというわけではない)。モロゾフ氏及びエージェント側から、一切、金銭はもらっていない。できれば、どこか日本の出版社が翻訳をしてくれればと個人的には思うけれど、探してくれとエージェント側に言われたわけでもない。「勝手に紹介してくれ」というレベルの話である。

 そこで、何回かに分けて、本の内容を紹介してみようと思う。

 やや小難しい部分があるが、意図を汲み取っていただければと思う。(以下は以前に、ネットサイト「日刊ベリタ」でも紹介している。)

***

-序ー

 シリコンバレー(=米テクノロジー業界の総称)は誰かが作り出した問題を解こうとしている。

 例えば、グーグルのシュミット会長は2011年、テクノロジーの目的は世界を良くすることだといった。Facebookのザッカーバーグ社長は2008年、グローバルな問題を解決するのが同社の目的だと述べた。

 シリコンバレーのスローガンは「問題を解決すること」、ものごとを向上させることになった。

 何が問題かよりも、物事を変え、人間に行動させる、効率を高めること=善と考える。カリフォルニアは常に楽観主義だったが、デジタル・イノベーションでその傾向が強まった。この向上へ向けての大騒ぎはいつ終わるのだろうか?


 シリコンバレーが主導する世界は、2020年では以下のようになっているかもしれない。

 人はセルフトラッキング(自分の行動をスマートフォンなどを通じて追跡されている状態)装置を身につけており、肥満、不眠、地球温暖化などの問題が解決されている。トラッキング装置がすべてを記憶してくれるので、人間が記憶する必要もない。車の鍵、人の顔ももう忘れない。過去をノスタルジックに思い出すこともない。瞬間がスマートフォンやグーグルのメガネに記憶されるからだ。過去を知りたければ、単に巻き戻せばよい。アップルのSIRI(発話解析・認識インターフェース)を使えば、過去に直面しなかった真実を音声で教えてくれる。

 政治は選挙民から常に監視されているので、裏の駆け引きがなくなった。政治家の言葉が記録され、保存されるので、偽善が消えた。ロビイストはいなくなった。政治家の行動すべてがネット上に出て、誰でもが見れるからだ。

 人はオンラインゲームでポイントを稼ぐために投票行為に参加する。「人間性を救うために」といわれてスマートフォンで投票所にチェックインする。自動運転車があるので、投票場に行くのも簡単だ。町をきれいにするゲームに参加することで、通りは清潔になる。行動のインセンティブがポイントを得ることになるため、市民の義務や責任という考え方がなくなる。

 データの分析で犯罪の発生を未然に防ぐため、犯罪はなくなった。犯罪者がいないので刑務所が必要なくなった。

 誰でもがブログを書き、アイデアの売買市場ができた。新聞はもはや、読者が興味を持たない記事は印刷しない。セルフトラッキングとソーシャルメディアのデータが活用され、人は自分にカスタマイズされた記事を読む。どの言葉が使われるかまでが最適化されている。ウェブサイト上の記事をクリックすると、個々の利用者にカスタマイズされた紙面が数秒でできる。

 セルフ出版の本(電子本)が急増する。本の結末はリアルタイムで変わってゆく。

 映画館では観客はグーグルのメガネをかけており、一人ひとりの気持ちの持ちようで結末が変わる。

 プロの批評家はいなくなった。アルゴリズムで働くクラウドに出た評価が代わりになる。

 このような未来は恐ろしい。この本(「クリック」)では、こうした1つ1つの具体例に疑問をはさんだ。

 前作の「ネット・デルージョン」(=ネットの妄想)ではいかに独裁体制がデジタルテクノロジーを駆使しているかを書いたが、この本では、シリコンバレーが主導する、問題を解決するための手段とその目的に疑問を投げかけた。

 シリコンバレーのやり方に疑問を投げかけるという行為を私たちは十分にやってこなかった。

 「政治から偽善をとりのぞく」、「物事の決定のためにもっと情報を出す」、あるいは「地球温暖化のために行動を起こそう」という目的を誰が疑問視できるだろう?まるで啓蒙主義を問うようなものだ。しかし、こうした問いかけは必要だ。

 シリコンバレーが今のままで進んだら、どんな長期的な結果になるのだろうか。不完全さや不秩序を取り除くことをシリコンバレーは目的とするが、不完全さや不秩序は人間の自由の一部だ。不完全さや不秩序をなくしたら、自由を失うことにもならないか。異端の声が出なくなる社会にならないか。

 すべての問題が解決される必要はないのではないか?(続く)

 (以上は「すべてを解決するには、ここをクリックしてください -テクノロジー、解決主義、存在しない問題を解決しようとする欲望」(To Save Everything, Click Here (Technology, Solutionism and the urge to fix problems that don’t exist」から、一部の抜粋翻訳)」

http://ukmedia.exblog.jp/21428446/

「外国人から見た日本人の驚くべき14の特徴」

2013-10-31 14:03:00 | 社会
「中国政府系シンクタンク、中国社会科学院日本政治センターの特約研究員、王冲氏が「外国人から見た日本人の驚くべき14の特徴」を紹介した。BWCHINESE中文網が伝えた。

王氏のいう「外国人」とは、日本人論の論客として有名なグレゴリー・クラーク氏。同氏が挙げた日本人の14の特徴は以下のとおり。

(1)強烈な群れ意識。命令に忠実に従うという習性がある。管理しやすい反面、邪悪な勢力が力を握ると大変なことに。第二次大戦の対外侵略行為がこの典型的な例。

(2)個人と個人の関係は不思議なほど誠実。無人の野菜販売所が存在する。日本では失くし物をしても慌てる必要はない。拾った人が最寄りの警察に届けてくれている場合がほとんどだ。

(3)完璧主義。秩序をきちんと守る。観光地で旗を振るガイドに黙々と並んで付いていく一群をみかけたら、それは絶対に日本人だ。トイレの清潔さは天下一品。良いホテルにはすべて自動の“高級”水洗トイレが備わっている。

 (4)手作業が好き

(5)チームワークに優れている、家族式管理を好む

(6)外来のモノには開放的だが、外来の人には排他的。

(7)イデオロギーが薄弱。特に政治面に顕著にあらわれている。自民党と民主党という2大政党も執政理念はそれほど変わらない。

(8)情緒的、好戦的。中国侵略戦争が拡大にするにつれ、収拾がつかなくなり、最終的に南京大虐殺という惨劇を生み出してしまった。

(9)外交、経済政策における戦略思考の欠如。日本の外交は原則がなく、典型的な日和見主義。短絡的な経済政策が「失われた10年」に陥った主な原因だ。

(10)合理主義の欠如。義務教育のシステムはしっかりしているが、大学教育はかなり平凡。そのため、真に独立した思考を持つ知識人が少ない。

 (11)中央政府の力が弱く、派閥争いが目立つ。

(12)道徳倫理の根本は「恥」の重視で、「罪」の重視ではない。

(13)法律が好きではない。裁判に訴えるより、私的に話し合いで解決することを好む。

(14)特殊性を好み、普遍性を嫌う。中国も日本も封建社会を経験しているが、中国の封建社会には多くの原則があるのに対し、日本には実践のみ普遍的な原則に欠けている。

(編集翻訳 小豆沢紀子)」

http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/362646/

児童虐待に関する基本データ

2013-10-27 17:39:02 | 社会
 『少年犯罪データベースドア』から転載 とても有用。


「2010年08月10日22:52

児童虐待についての基本データ

私は少年犯罪データベース主宰であるとともに、子どもの犯罪被害データベース主宰でもありますので、ここらで児童虐待についての基本的なデータを示しておきます。

『非行臨床の現場からとらえた子どもの成長と自律』の著者のひとりである前島知子さんが、掲載論文のために厚生労働省の人口動態統計にある死因のうちの年齢別他殺被害者数統計をまとめたものを送ってきていただき、それに刺激されて幼児の中でも殺され方の性質がまったく違う0歳児(嬰児)だけを別に分けたものを私が追加したものがちょうどできあがったところでしたので。


当サイトではすでに嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計というのをアップしておりますがこちらは警察統計で、昭和47年以降しかありませんし、また未遂事件も含まれています。

厚生労働省の統計は完全に殺された者だけの数が判りますし、戦後を網羅しているのでこちらのほうがデータとして活用範囲が広いのではないかと思います。

ただ、5歳きざみですので、小学生や小学校入学前などの分類は判りませんが。10~14歳のデータを入れても、1~9歳とグラフの軌跡はほぼ変わりませんで省きました。中学生になりますと他殺の内容もかなり変わってきますし。

人口比に関しましては、0歳児人口の推移をまとめたものが見つからず、統計から各年のデータをひとつづつ拾っていくのは手間ですので、やむなく各年の出生数で代用(1~9歳は0~9歳の人口から出生数を引いたもので代用)していますので多少ズレているはずです。

こんな基本的な統計がまとめられていないとはまことに嘆かわしいことです。どなたか、正しい0歳児人口(各年の10月1日現在推計値)を基に集計し直していただければ。

まあ、この場合はズレても0.01程度でしょうから、過去と現在の比較には問題ありません。0歳児は生まれてすぐに殺されることがほとんどですから、人口よりも出生数のほうが実情を反映しているような気もしますし。

9歳以下の幼児を殺すのはほとんどが親か祖父母です。これで戦後の親の子殺しが概観できます。

グラフをご覧いただければお判りのように、殺される1~9歳は昭和30年の12分の1、バブル期と比べてさえ、6分の1ほどに減っています。人口比で見ても、昭和30年の7分の1、バブル期と比べてさえ、4分の1ほどに激減しています。

厚生労働省の人口動態統計は各県の統計をまとめたものですから、各県の年齢別死因統計と照らし合わせながら地方紙の記事や各県警資料を精査すると、児童虐待などによる死亡事件や重大事件についてはおそらくほぼすべての事件内容をつかむことができます。
昔の新聞も子どもが殺されるような事件には飛びついて、まずすべて記事にしていますので。全国紙の縮刷版は基本的に東京周辺の事件しか載っていませんから、各県の地方紙を見る必要はありますが。

統計を見れば判るように、1980年前までは9歳以下だけでも毎年500人前後が殺されていますから、当時の新聞を読むと、実子を殴って殺したり、おねしょをしたからと熱湯をかけて殺したり、食事をあたえずに餓死させたりといった陰惨な事件が文字通り毎日、新聞に出ています。

そのごくごく一部は子供の犯罪被害データーベース 親による虐待・子殺しにまとめていますが、こういう無作為抽出みたいな半端なものではなく、すべての事件内容を把握することは極めて重要なことです。

たとえば、昭和三十年代の新聞記事や各県警資料で具体的内容をひとつひとつ見ていくと、こういう事件を起す家庭のうち統計上は貧困家庭となっているものも、じつは働くのが嫌いな親ニートだったり、働いていても酒やパチンコなどに入れあげているために貧困になっている家庭がほとんどであることが判ります。病気で働けない家庭などは生活保護を受けて、ギャンブルなどに使わない限り最低限は食べられますし。
過去の新聞記事や各県警資料を精査するなんてことは中学生レベルの能力があれば簡単にできることですから、こんな基本的なことをやっていない者は小学生レベルの能力しかないということでして、そういう方は軽々しく児童虐待問題などについて発言すべきではありません。いくらなんでも最低限必要な知識とデータはあります。まさしく、考える前にやるべきことはあるだろということです。ワイドショーで適当なこと云ってるコメンテーターを笑えません。

つーか、ワイドショーに出てくるエセ学者やブロガーなんかはともかくとして、いままでこんな基本的なことをどの学者もやっていないというのは驚くべきことです。日本の大学の学者がやってる研究などというのはママゴト遊びに過ぎません。基礎データがない処に、どのように立派な研究を積み上げようともすべては無意味無価値です。中学生レベルの能力さえない、小学生のお遊戯です。

ポスドクでまともな就職先がない方なんかは、就職活動としてぜひともやっていただければ。このような網羅的事例データペースを構築するだけでも、あなたは斯界の第一人者となりますが、それらのデータを基にすれば、あなたの論文は既存の学者のものなんか一蹴できる精度の高いものとなって、なによりその精度の高さが誰の目にもすぐ判るようになります。
児童虐待はいま流行の問題ですから、大学だけではなくあらゆる方面で引っ張りだこになりますよ。

こんなことはチームを組めば一年でできることなんですけどねえ。少なくとも研究と関係ないバイトなんかするよりもよろしいかと思いますし、いろんな人に勧めたりもしているのですが、誰もやらないのはまことに不可思議なることです。現代日本の研究者養成では、基礎データを集めることよりも愚にも付かない感想文の類を綴ることが研究だと教えているんでしょうか。

現状はこんなレベルでさえなく、私みたいなもんがしこしこ作業しないと人口動態統計さえまとまっていないというお粗末さではあります。

現代は情報氾濫時代みたいなことを云う人がいますが、実際にはこんな基本的な情報さえない、情報貧困時代なのです。その原因は、あなたが基本的なことをさぼってノイズを増やすことにしかならない無意味無内容な感想文を綴っているからなのです。

なお、親が育児を放棄したような事件は、警察庁『犯罪統計書』の少年の福祉を害する犯罪のうち「保護責任者による幼者遺棄」の統計で判ります。いまたまたま手元にある資料から検挙者数を見てみますと、昭和34年80人、昭和36年64人、昭和37年80人、昭和39年68人、昭和40年67人で、最近はと云いますと、平成18年20人、平成19年16人、平成20年18人となっています。親が子どもの養育を放棄して逮捕されるのは四分の一まで減ってます。子供の数は半分ほどになっているので、子供の人口比でも半分に減ってますな。

虐待につきましては、同じく少年の福祉を害する犯罪のうち「保護者等による第二七章(傷害)の罪」を見れば判りますが、検挙者数は昭和34年110人、昭和36年84人、昭和37年35人、昭和39年57人、昭和40年78人で、この「保護者等」というのがどこまでの範囲なのかよく判りませんが、実父母、養父母、継父母、内縁関係、祖父母などその他の保護者を含めた児童(18歳未満)への傷害罪の平成20年の検挙者数は、144人となっています。

飛んでる年は、資料洪水の中、いまコピーがどっかに行ってしまいました。昭和33年以降は警察庁『犯罪統計書』に毎年載っているはずですから、どなたかまとめておいてください。

これらも当時の地方紙の記事と県警資料を集めれば、傷害と云ってもどの程度のものなのか、おそらくほとんどすべての事件内容を把握できて、たんなる統計の数字だけではなくかなり精密に過去と現在の比較をすることができます。

私が読んだ範囲では、昔は焼け火箸で全身に繰り返しヤケドを負わせる事例がやたらと多いですが、現代はどの程度で逮捕されてるのか、たかだか百件ほどですから、どなたかまとめておいていただければ。

過去との比較は、単に増えたか減ったかというような問題ではなく、個々の事例の違いや時代背景の変化による違いを客観的に分析して、原因や対策のシミュレーションになることが重要なのです。現在の目に付く事例だけを見て原因を考察して対策を立てても、狭い視野によるの場当たり的なものにしかなりません。統計だけ見ても、上記のように時代による基準が違うので意味はなく、網羅的事例データペースと統計を突き合わせた分析が極めて有効です。

統計の中でも時代による基準のぶれがないのは他殺統計くらいですが、改めてグラフを見てみますと、0歳児も1~9歳児も、1980年直前までは人口比でも殺される率は、驚くべきことに戦後すぐと同じレベルだったことが判ります。
成人も含めた全体の他殺被害率を見ますと、

日本の経済成長に合わせるように昭和三十年代半ばから順調に減っているのに、子どもの場合は、同じく昭和三十年代半ばから一度は減ったように見えて、団塊世代が親になると数だけではなくて率でもまた元の水準に戻ってしまうのです。団塊ジュニアの受難はこんな時からすでに始まっていたのでした。

もっとも、団塊ジュニアの親は団塊世代よりもひとつ上の戦前戦中生まれのアプレ世代が多いそうで、あらゆる面で凶悪凶暴なこの世代の本領が発揮されたということなのやもしれません。

このあたりも具体的にどんな原因があったのか、網羅的事例データペースがあれば解明できるかと思います。とくに加害者である親の年齢は完全につかめるはずですから、世代が判るだけでもかなり大きいのではないかと。

グラフの元になってる統計データはこちらのページをご覧ください。
また、子どもを放置して餓死させたような事件も一応下に提示しておきます。これらはごくごく一部にしか過ぎませんが。


このクソ忙しいのにわざわざ人口動態統計書60冊以上から苦労してデータをひとつひとつ拾って0歳児と1~9歳児を別けたのに、ふたつ並べると7分の1も減ってるのに減り方が判りにくいグラフになってしまって、がっくりきていたんですが、やはり気になるのでグラフをふたつに分けて、それに合わせて文章も削りました。

ついでに、はてブにお返事。

doopylily55さん。湯沢2003、内田2009とは、湯沢雍彦『データで読む家族問題』と、内田良『「児童虐待」へのまなざし』のことでありましょうか。

二冊とも、警察庁の嬰児殺統計のグラフで、ここで出しているのとは性質の違うものですし、しかもこちらのページにアップしているような元の統計データもありませんが、どこかで公表しているのでしょうか。共有も検証もできないただのグラフに意味はありません。

内田2009はひょっとすると湯沢2003のグラフを検証しないでそのまま転載してるんですかね。6年分のデータを追加していないので、検証していないように見えますが、検証しているのなら自分の責任で出せるはずですから、データを公開して共有できるようにしていただかないと困りますね。

しかも、この記事で問題にしているのはそんな統計ではないのです。ここで示している基本データというのは網羅的事例データベースのことで、統計などその構築のための手掛かりに過ぎません。

「9割が復活」云々は例えばの話で、そういうことも含めて網羅的な基本データを精査しないと、一切なにも判らないということです。

新聞記事や県警資料の事例をすべて集めて、さらにそれでも不充分なら現地調査をする必要が当然あります。年間500件、戦後65年で3万件程度ならすべて現地調査は可能です。

ごく常識的に考えて、ここまでデータを揃えてから、初めて研究の第一歩がはじまると思うのですが、日本の社会学とやらでは統計を見て適当なことを云うことが研究だとやはり考えられているのでしょうか。

sionsuzukazeさん。統計から読み取れることはたかが知れてますので、網羅的事例データベースの構築が重要だと、貧困家庭の例などを掲げて訴えた記事ですので、できればもう一度読んでいただければ幸いです。

団塊ジュニアが生まれた頃に何故また率が上がったのか、しかも戦後すぐとほぼ同じ率になったことになんらかの意味があるのか、統計だけではなにも判りません。現在のことも判りません。

その前に当然、統計を誰でも活用できるようにまとめておくのは大前提ではありますが。

deep_oneさん。一応、研究者やその志望者に向けて書いたものですが、べつに誰でもできることですので、できれば皆さんやってもらえれば。
何から始めればいいのか判らない方は、昔の新聞を読んで本にあなたの名を刻もうに参加していただけると名前も残るし本もゲットできますよ、という宣伝でありました。

なお、私は有用なデータを提供しようなどとはさらさら思っておらず、みんなちゃんと基本的なことをやれっ!というのがこの記事の趣旨ですので、そこのところをお間違えなきように。

私の活動は、基礎的情報システムをまず最初に構築せよと訴えるのがメインで、少年犯罪や児童虐待などはそのためのサンプルにしか過ぎず、それらにまったく興味はありません。

人としてもっとも基本的な欲求である世界の真理を解き明かしたいという渇望を満たすためには、そのような基礎的情報基盤が必要だという当たり前のことを云ってるだけで、とくに研究者にとっては云うまでもない当然の話で、上から目線とか云われても困るのですが。

以前にも記しました阿久悠作詞の歌をここでもう一度。

「不思議の謎を解かねばならぬ」ねばならぬのだよ。

「ある日突然、眠りを覚まし地球を襲う神秘の影に誰かがむかっていかねばならぬ」ねばならぬのだよ!

以上です。



○子どもを放置して餓死させたような事件
 その他の事件は子どもの犯罪被害データベースをご覧ください。

昭和26年(1951).2.18〔父親が妻に逃げられ長男虐待〕
 東京都で父親(26)が、妻に逃げられ長男(5)を虐待して殺人未遂で逮捕。元暴力団員で働かずに妻に暴行を加え続けて、昨年の2月に妻が逃げてから長男に食事も与えず大ヤケドになっても医者に見せず虐待、路上で倒れていたのを近所の人が病院に運んで発覚したもの。

昭和27年(1952).10.14〔父親と継母が幼女虐待〕
 熊本県人吉市で、父親(33)と継母(33)が長女(3)を虐待していることが発覚し、逮捕された。継母には連れ子があり、6月に夫婦の子どもが生まれたこともあって辛く当たり、食事をほとんど与えず体重わずか7キロの骨と皮状態で、おねしょをすると焼け火箸を押し付けるなどして全身数十ヶ所に火傷や傷跡があった。2人とも懲役5年が求刑されたが、熊本地裁は懲役2年6ヶ月の判決。

昭和28年(1953).1.24〔祖母が孫娘を餓死させる〕
 兵庫県城崎郡の自宅で、祖母(56)が孫娘(1)を餓死させた。母親(37)は祖母に子どもを預けて芸者をしながら養育費を送っていたが、祖母はその金で暮らしていながら孫を邪魔扱いにして食事も与えていなかった。

昭和30年(1955).1.26〔母親が長女虐待で重態〕
 神奈川県三浦市の自宅で、母親(28)が長女(8)を虐待して傷害容疑で逮捕された。結婚せずに産んだ長女をすぐに施設に預けて働き、5年前に違う男と結婚して次女を産み、去年長女を引き取った。しかし、なつかないため夫のいない時は焼き火箸を押し当てたり殴る蹴るの暴力を加え、食事も与えず、体重は10キロもなく重態。路上のミカンの皮を食べているのを見た近所の住民が通報したもの。

昭和41年(1966).1.22〔愛人に逃げられ、赤ちゃん放置し餓死させる〕
 東京都で愛人に逃げられ、赤ちゃん放置し餓死させる。

昭和42年(1967).11.21〔父親が実子二人を餓死させる〕
 岩手県岩手郡の農家で、父親(32)が長男(3)と長女(1)を自宅に放置して玄関や窓の鍵を閉めて東京に行き二人とも餓死させ、11.29に舞い戻ったところを逮捕された。妻に逃げられて養育に困ったもの。最高裁で殺人罪懲役12年確定。

昭和42年(1967).11.29〔両親が先妻の子を虐待〕
 福島県郡山市で、牛乳配達員の父親(42)とバーホステスの内縁の妻(23)が、長男(5)と長女(4)を七月から食事もろくに与えずに物置で生活させ栄養失調として、11.29に保護責任者による幼者遺棄容疑で取り調べ。一年前に離婚した先妻の子を虐待していたもの。近所の人の通報で発覚。

昭和45年(1970).3.6〔カゼの1歳の長男を放置、死なせ、埋めた母逮捕〕
 長野県安曇村の主婦(22)がカゼの長男(1)を放置して男友達と遊び歩いているうちに、長男を死なせた。夫に浮気がバレると困るため親戚に預けたとウソを付き、死体に床下に埋めたが、発見され逮捕。

昭和46年(1971).3.12〔両親が食事も与えずせっかん死させる〕
 神奈川県川崎市の自宅で、無職の父親(29)と母親(28)が次女(4)に昨年秋頃からほとんど食事も与えずに自宅に監禁してせっかんを続けて衰弱死させ、過失致死と保護責任者による幼者遺棄容疑で逮捕された。いたずら好きで云うことをきかないため懲らしめようとしたもの。

昭和47年(1972).10.7〔母親が自宅を釘づけ2児置き去り餓死寸前にする〕
 栃木県宇都宮市の自宅で、ホステスの母親(34)が雨戸を釘づけにして長男(3)と次男(2)を置き去り、男友達と三日間遊び歩いて二人を餓死寸前として、10.7に保護責任者による幼者遺棄容疑で逮捕された。父親は詐欺で服役中。家主が子どもをあずかると云っても、「躾の邪魔になる」と断わっていた。

昭和50年(1975).5.8〔障害もつ娘もてあまし、妻の留守中、父が餓死させる〕
 東京都で障害もつ娘もてあまし、妻の留守中、父が餓死させる。

昭和51年(1976).4.27〔21歳継母が幼児を虐待殺人〕
 千葉県千葉市の自宅で、母親(21)が長男(5)を殺害、5.11に傷害致死で逮捕。2年前に結婚した夫(35)の連れ子で半年前から食事を与えず縛って殴る蹴るの虐待しており、脳内出血させたもの。長女がおり、妊娠中。近所の人も虐待を知っていた。

昭和51年(1976).12.3〔新しい愛人でき、子供邪魔と餓死させる〕
 静岡県で新しい愛人でき、子供邪魔と餓死させる。

昭和53年(1978).11.15〔別れた夫への恨み、2歳のわが子をせっかん餓死させた母逮捕〕
 北海道で別れた夫への恨み、2歳のわが子をせっかん餓死させた母逮捕。

昭和55年(1980).12.3〔6歳と3歳置き去り、残飯でしのぐ、母逮捕〕
 宮崎県で6歳と3歳置き去り、残飯でしのぐ、母逮捕。

昭和56年(1981).8.18〔介護疲れの母、障害もつ子に食事あたえず、死なす〕
 高知県で介護疲れの母、障害もつ子に食事あたえず、死なす。

昭和57年(1982).5.12〔食事あたえず、わが子殺した両親逮捕〕
 茨城県で食事あたえず、わが子殺した両親逮捕。

昭和57年(1982).6.12〔家事手伝い両親不在、幼い5姉妹1週間自炊、赤ちゃん餓死〕
 大分県で家事手伝い両親不在、幼い5姉妹1週間自炊、赤ちゃん餓死。

昭和58年(1983).2.25〔食事あたえぬせっかん、5才児衰弱死、両親逮捕〕
 大阪府で食事あたえぬせっかん、5才児衰弱死、両親逮捕。

昭和59年(1984).1.21〔養護施設の前に2児置き去り、母スキーに〕
 千葉県で養護施設の前に2児置き去り、母スキーに。

昭和59年(1984).4.17〔母親が赤ちゃん放置して遊び歩き餓死させる〕
 千葉県市川市の自宅で、無職の母親(24)が、長男(2)と次男(生後五ヶ月)を放置して男友達と三日間遊び歩き、次男を餓死させ、死体をビニール袋に入れて押入に隠してその後も一週間遊び歩いていたが自首した。一ヶ月前に離婚していた。千葉地裁は、保護責任者遺棄致死と死体遺棄罪で懲役2年6ヶ月の判決。

昭和63年(1988).7.22〔中1ら3人が母蒸発の家で幼い妹せっかん殺害〕
 東京都豊島区のマンションで、押入から次男(生後数ヶ月)の死体が発見され、次女(2)も殺害されていることが発覚した。母親(40)は離婚して他の男の元へ走り、仕送りはしていたがまったく家に帰っていなかった。子供達は出生届も出さず、小学校にもまったく行っていない長男(14)が自炊して長女(3)と次女を養っていた。
 長男の友人の中学1年生2人が自分たちのラーメンを食べたとして、次女を持ち上げ何度も床に落とし、長男にもやるように強要して、次女は死亡、秩父の山に遺棄した。次男は殺していないと自供。

平成11年(1999).5.15〔18歳母親が赤ちゃん衰弱死させる〕
 千葉県市川市の飲食店女従業員(18)は、長女(1)に1カ月間も食事を与えず衰弱死させ、保護責任者遺棄致死で捕まった。平均体重が11キロなのに対し、5キロしかなかった。

平成12年(2000).8.〔殺人~両親による幼児殺入事件〕
 実父(25歳)と実母(23歳)は、被害児童(3歳男児)に対して、日頃から食事を満足に与えないなど看護を怠り、栄養失調による慢性的な衰弱状態に陥らせ、同児童が死亡するおそれがあることを知りながら、医師の診察等の看護の措置を取らず、低栄養により死亡させた。(8月、山形) 警察庁「少年非行等の概要」引用。

平成12年(2000).12.〔殺人~両親による幼児殺害事件〕
 実父(21歳)と実母(21歳)は、被害児童(3歳女児)が、栄養失調のため生存に必要な保護が必要であるにもかかわらず、児童に十分な食事を与えず、医師の診断を受けさせる等の療養看護もすることなく、自宅台所に必要な保護を加えず放置し餓死させた。(12月、愛知) 警察庁「少年非行等の概要」引用。」

http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/52175200.html

ヘイトスピーチは規制すべきか

2013-06-01 16:53:03 | 社会
「極端な在日バッシング 「憎悪表現」を規制すべきか? 憲法学・戸波教授に聞く

ドイツで外国人排斥を唱えるネオナチ(極右組織)が起こしたとみられる連続殺人事件の裁判がスタートした。トルコ人など計10名が殺害された今回の事件は、「世紀の裁判」としてドイツ国内で注目を集めている。

一方、ドイツでは、民主主義を破壊する恐れのある団体の活動が、法律で禁止されている。今回の事件をきっかけに、以前からネオナチとの関係が指摘されているドイツ国家民主党に向けられる目も厳しくなっており、連邦参議院は、同党の活動を禁止するよう裁判にかける方針だという。 

日本でも最近は、在日韓国・朝鮮人排斥を唱える市民団体によるデモが繰り返されるようになっており、ドイツにおけるネオナチの台頭となぞらえる向きもある。では、日本では、ネオナチのように極端な排外主義をとる団体の活動を規制することはできるのだろうか。憲法学者の戸波江二・早稲田大学教授に聞いた。


●ナチズムはドイツの社会から徹底的に排除されている

「今回の事件で、外国人を殺害したネオナチが処罰されるのは当然のことですが、そもそもドイツでは、ナチスを支持する思想や団体そのものが禁止されています。それは、ドイツでは戦前のナチスの侵略とユダヤ人大量虐殺を反省して、民主主義を否定する思想には思想の自由を認めないという『闘う民主制』を憲法で宣言しているからです。ナチズムはドイツの社会から徹底的に排除され、ネオナチの存在自体が否定されているのです」

このように戸波教授は、ドイツの制度について説明する。では、日本はどうなのだろうか。

「日本では、戦前の日本の侵略行為に対する反省が不徹底でした。戦前の軍国主義を美化し、正当化しようとする意見がなお根強く、安倍内閣にもその体質がみえます。つまり、日本では『闘う民主制』は取られておらず、そのためにかえって、侵略戦争を反省しない言論がまかり通ることになります。残念ですが、在日韓国・朝鮮人を排斥する思想や団体を法的に規制することはできません」


●「ヘイトスピーチ」を法律で禁止している国は多い

ドイツとは異なる日本の状況。その中で野放しになっているともいえる、極端に排外主義的なデモに対して、どのように向き合えばいいのだろうか。この点、激しい在日バッシングを「ヘイトスピーチ」として規制すべきという意見があるが、戸波教授はどのように考えるのか。

「現在、新大久保などで行われている極端な在日バッシングは『憎悪表現』といえます。ある個人や集団に対して、その民族・国籍や文化・宗教などの属性を人格的に誹謗中傷し、差別する言論であって、それを法律で禁止している国は数多くあります。

一方、言論の自由をできるかぎり広く認めようとする日本の憲法学説は、ヘイトスピーチであっても規制は許されないと解釈しています。しかし、在日の人々を憎み、脅迫的に『日本から出て行け』などと叫ぶことは、在日の人々の人格を不当に傷つけるものです。ヘイトスピーチを規制する法律はやはり必要だと思います」


【取材協力】
戸波 江二 (となみ・こうじ)教授
早稲田大学大学院法務研究科所属。憲法学を専攻し、人権論、違憲審査制を中心に研究している。ドイツ憲法判例研究会を主催し、ドイツ憲法についても造詣が深い。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)」

http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/01/hate_speech_n_3370141.html?utm_hp_ref=japan-politics

 私たちが決めればいいことだろう。人への憎悪をあおり、脅威を与えるような言論は規制されて当然だと思う。

『女性手帳』は捨てて、こっちで行こう

2013-05-13 17:33:33 | 社会
 内閣府の『女性手帳』はどうにもならんが、こちらの方は「見かけ」だけでなく、話の中身も地に足がついていそう。

「女性手帳だけじゃない少子化危機突破の「切り札」

投稿日: 2013年05月13日 17時06分 JST | 更新: 2013年05月13日 17時06分 JST


■少子化危機突破タスクフォース委員、ミスインターナショナル2012 吉松育美さん
 
 「シングルマザーをもっと社会的に受け入れる」「フレキシブルな働き方を積極的に認める」――。日本の少子化に歯止めをかけるため、政府に大胆な提案をしている25歳の女性がいる。少子化対策を議論する内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」(主宰:森雅子少子化担当相)の最年少委員で、「ミスインターナショナル2012」である吉松育美さんだ。若い女性への啓蒙を目的にした「女性手帳」の配布を検討しているタスクフォースに対する批判が高まる中、これから子供を産み育てる若い世代である吉松さんの“等身大の声”に今、ネット上で熱い支持が集まっている。
 
 半世紀の歴史がある「ミスインターナショナル」で昨年、日本人として初めて優勝した吉松さん。その華やかな経歴は、大学教授や県知事など重鎮が居並ぶ委員15人の中で、少し異質にみえる。なぜ、吉松さんはタスクフォースに抜擢されたのだろうか。
 「ミスインターナショナルで世界一になってから、仕事で海外を訪れ、女性リーダーたちに会って、世界の女性たちの状況を聞く機会が増えました。それをたまたま、ご存知になった森大臣から、『ぜひ20代の意見とともに、いち女性の意見をタスクフォースに反映してほしい』と言われ、委員になりました。私も女性として日本の女性がもっと輝ける未来を一緒に作っていきたいと思っていたので、とても光栄です」
 
 ミスインターナショナルは、単に美を競うコンテストではなく、国際的な社会貢献を目指す女性に与えられる栄冠という。その活動は多岐にわたり、吉松さんは今年1月、ワーキグマザーでもあるナンシー・ペローシ米下院議長に招待を受けて、バラク・オバマ大統領の就任式に出席。4月には米カルフォルニア大学でフェミニズムの運動家やサクラメント市初の女性市長とともに、女性リーダーを集めたフォーラムを開催している。実際に世界で活躍しながら子供を産んで育てている女性たちに会って感じたのは、日本との違いだった。

■男女平等の国は出生率も高い

 「タスクフォースでも、ある教授が言っていたのですが、『女性の就労参加率の向上は出生率を下げる』というのが一般的な認識です。でも、昨年、世界経済フォーラムが出した男女平等指数で上位を占めた北欧の国々の出生率をみると、日本をはるかに超えています。男女平等の社会は、出生率も高い。日本で認知されている常識が、世界では覆されるわけです」
 
 日本でも出生率を上げるべく、今年3月、森少子化担当相の肝入りでこのタスクフォースは立ち上がった。森少子化担当相は会見で、「結婚、妊娠、出産、育児の全てのステージにおける課題の解消を目指すとともに、家族を中心に置きつつ地域全体で子育てを支援していく取組の推進等について意見交換を行うもの」とその目的を明確にしている。タスクフォースは、5月中に具体策をとりまとめ、6月にも策定される政府の「骨太の方針」に反映させたい考えだ。



 ところが、議論が佳境を迎えた5月7日の会議。具体策のひとつとして、若い女性を対象に妊娠や出産の知識を啓蒙する目的の「女性手帳」を配布する方針が報道されると、ツイッターやフェイスブックでは「どうして女性にだけ配布するのか」「時代遅れ」といった批判が集中した。
 タスクフォースに対する失望感がつのる中、多くの女性から高い評価を受けたのが、4月16日の会議で提出された吉松さんの「意見書」だった。タイトルは「日本におけるWomenomicsソリューション」。4つの対策が主軸で、職場でバランスの取れた男女構成比を定めるクオータ制の導入や、育児ケアサービスの充実、在宅勤務やフレックスタイムなどの導入による育児と仕事の両立などが掲げられている。
 
 特に注目を集めたのが、離婚率と未婚率の上昇により近年、増加傾向にあるシングルマザーへの対策だ。
 「時代の変化とともに、女性のあり方も変わり、夫はいらないけど子供がほしい女性も増えています。しかし、厚生労働省の調べではシングルマザーの就業率は84.5%と高いものの、半数以上が非正規雇用で貧困に陥りやすい。私たちは意識を変え、シングルでの子育てを希望する女性にも、インセンティブが与えられる社会にしてゆかなければなりません」
 
 吉松さんの意見書は、未婚の男性と同じ税率であるシングルマザーに対する所得税の優遇や、シングルマザーを正社員として雇った企業に対する法人税の優遇を訴えている。
 「女性ばかりにインセンティブを与えても、社会は動かない。企業にもインセンティブを与えることで、良い循環が生まれると思っています。それから、シングルマザーに限らず、子供を生みたいというモチベーションを女性に上げてもらうためにも、お子さん1人につき所得税を何%下げるといった、具体的に目に見える対策を取ってゆく。そうすれば、女性が子供を産みやすくなるのではないでしょうか」
 
■ソーシャルメディアで支持された「意見書」

 この意見書がタスクフォースのサイトで公開されると、ソーシャルメディアで拡散され、「女性手帳よりこちらを重視してほしい」「どうしてこちらを記事にしてくれないのか」など、ツイッターやフェイスブックで女性を中心に賛同の声が広がっていった。
 多くの女性たちの心に響いたこの意見書。実は、吉松さん自身の生い立ちが深く影響している。「私は九州に生まれなのですが、両親が教師という共働き家庭にも関わらず、昔のままの習慣が残っていました。父は家で何もせず、家事や育児はすべて母がやっていて、幼いながらも『どうしてママも働いているのに、おうちで平等じゃないの?』って疑問を持って育ちました」
 
 進学した聖心女子大学でも、男女平等や女性の社会進出について勉強。常に女性が抱える問題を意識していたという。そんな吉松さんの意見書は、まさに“等身大”の声だったわけだが、追って公開された同日の議事録を見ると、委員による自由討議で「女性手帳について議論が活発に行われた」という記述があるものの、意見書で提案されたテーマについては深く話し合われた様子はなかった。
 実際、タスクフォースでこの意見書はどのように受け止められたのだろうか。

 「意見書に対する反応はさまざまでしたが、森大臣は感銘を受けてくださいました」と手応えは感じている。また、委員の一人である日本マクドナルドの原田泳幸会長兼社長も「吉松委員に賛同できる」と話したという。「シングルマザーの響きがネガティブに聞こえてしまうので、文化を変えるためにもシングルマザーではなく、ワーキングマザーと呼んだらどうかという提案もしたのですが、ある女性委員の方からは、『あなたの意見は愛がある』と言っていただきました」と笑う。

■「女性手帳はオンライン管理を」
 
 また、吉松さんは批判されている「女性手帳」についても、アイデアを持っている。
 「森大臣の『女性の体に対して適切な情報の啓発が必要』という思いで検討されている女性手帳ですが、一部メディアの報道による誤解もあります。決してこれは女性の結婚、出産を強制するようなものではありません」と前置きした上で、こう提案する。

 「ただ、女性手帳を印刷物にしてしまうと、例え1冊50円だったとしても、全女性に配布となると非常にコストがかかってしまいます。また、10代や20代の女性は、ファッション雑誌が売れなくなったことでもわかるように、紙媒体に目を通さなくなってきています。スマートフォンが普及し、ネットが自由に使えるようになったため、情報はすべてオンラインで取得しているからです。女性手帳も、オンラインで管理をするとよりスムーズ、かつ利便性も高いのではないでしょうか」
 
 女性手帳のオンライン管理には、メリットも多いと指摘する。「まず、日々進化している医療情報のアップロードが簡単。また、登録されている女性へ、直接色々なサービスの提供もできます。例えば、マイレージカードが個人のポイント状況やその月のサービスなどを頻繁にダイレクトメールで通知するように、政府の新しい女性サポートや政策など、日本の女性に知ってほしい情報を通知することが可能です。紙媒体ではこのようなリアルタイムのコミュニケーションは不可能ですが、オンライン管理なら、その使い道は無限大に広がります」
 
 吉松さんはこの女性手帳についてのアイデアも含めて、再度「意見書」のプレゼンテーションを行うつもりだ。「少子化危機突破タスクフォースは、文字通り、本当に今すぐ突破しなければいけない問題を抱えています。かつてないような即効性のある、アグレッシブな対策をとっていかなければいけないと思っています。そのためにも、この『Womenomics』を実現させたいです」
 果たして、吉松さんの「意見書」とそれを支持する女性たちの声はどこまで政策に反映されるのか。最後のタスクフォースは、5月下旬に開かれる予定だ。」

http://www.huffingtonpost.jp/2013/05/13/story_n_3264583.html?utm_hp_ref=japan

内閣府『女性手帳』が示す問題の根深さ/伊藤和子氏のブログから

2013-05-09 12:59:24 | 社会
「「女性手帳」に感じる強い違和感の原因は何だろう。

伊藤 和子 | 弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長

2013年5月8日 4時25分

「女性だけに手帳を導入する」というニュースを聞いて、連休明け早々、とっても嫌な気持ちになった。

日経新聞によれば、内閣府の「少子化危機突破タスクフォース(作業部会)」は7日、妊娠や出産に関する知識や支援策を記した「生命(いのち)と女性の手帳(仮称)」を作成する方針を決めたという。2013年度中に内容を詰め、14年度から市町村で若い女性に配る。晩婚・晩産化に歯止めをかける狙い。ほかの妊娠・出産支援や結婚支援の施策とともに5月下旬にも開く政府の会議に報告する。妊娠した女性に配る「母子手帳」にならい、妊娠適齢期などの必要知識や自治体の支援施策を記した部分と、所持者が健康データを記録できる部分との2部構成を想定するという。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0703K_X00C13A5PP8000/

ネットでも批判の声が上がったが、作業部会では異論がなく決まってしまったというから驚いた。
この違和感はどこから来るのだろう。

まず、少子化の問題は、女性の問題、女性たちの意識に問題があるのであり、それを矯正・調教しなければならない、という国家の「上から目線」を強く感じるからではないか。

少子化は決して、女性の意識の問題ではない。男女ともの問題であるし、もっといえば社会の問題である

女性が子どもを産み、育てづらい社会の責任は政治にあるのだから、国こそ責任を感じて、根本にある社会問題を解決すべきなのに、その責任を棚に上げ、女性たちに責任を転嫁して、女性たちに産み育てる自覚と責任を痛み入らせて、問題を解決しようなんて、まさに本末転倒である。

少子化の原因は今の社会にあることは既に明らかではないか。待機児童を速やかになくさないと(保育の質を下げないで)、女性たちは仕事に復帰できない。

多くの女性たちは、非正規・不安定雇用に従事していて、育休も取れないような職場環境に置かれている。非正規・不安定雇用についている厳しい規制をかけて、働きながら子育てが安定してできる生活を保障しないといけない。
男女ともに若い世代が抱える将来不安と貧困を解消しない限り、子どもを産むのは難しく、雇用と貧困をめぐる状況を解決しないといけない。

諸外国・特にヨーロッパ諸国に比べてあまりに高すぎる日本の教育費をどうにかしないといけない。
ずっと言われていることばかりだ。

ヨーロッパ並みの従事した子育て支援・少子化対策を包括的に手厚く実施しているならともかく、そうしたことをきちんと実施もせずに、「少子化は女性の責任」と言わんばかりの政策に違和感はつきない。

もうひとつは、個人の生き方、特に子どもを産む、うまない、何歳で生む、というのは、個人の自由に属する問題であり、国が干渉・介入すべき問題ではない。国家が、個人の出産計画に介入して悪名高いのは中国の一人っ子政策であるが、国家が個人の出産計画に介入する、という点で手帳のほうが微温的であっても同様の問題がある。国際的にも明確に確認されている「性と生殖に関する権利」(リプロダクティブ・ライツ)を尊重しない姿勢であり、人権感覚があまりに乏しいと言わざるを得ない。
まして、適齢期を啓蒙して、「晩婚・晩産化に歯止めをかける狙い」というのはいったいどういうことなのか? 職場で上司が実施したらセクハラに該当するであろうことを国が行って良いのか? 
国があるべき国民の生き方のモデルを提唱する、ということ自体、全体主義的でぞっとする。
民主主義の基本は多様な生き方、多様な価値観を認めあい、共存することである。特に家族や結婚観、子どもを産む選択は、個人の尊厳・生き方そのものだ。女性の社会進出も少しずつ進み、生殖技術も進化した現代、益々女性は多様な生き方が保障されるべきだし、生む生まない、またいつ産むかについて、家庭や共同体や世間、まして国家に押し付けられたりすることなく、パートナーがいればパートナーとともに選び取れる時代になってきた。それが世界の趨勢だし、日本でもそうだと思ってきたのに、突然の復古調に愕然とする。

もうひとつ、今は不妊が大きな問題となっていて、不妊治療をしても妊娠せず子どもをあきらめなければならない人もいる、不妊治療はお金がかかるから断念せざるを得ない人もいる。また、思い描くパートナーに巡りあえずにシングルで生きる人もたくさんいるし、シングルを選ぶ「おひとりさま」もいる。

異性愛ではない人たちやトランスジェンダーの方もたくさんいて、ようやくカミングアウトできるようになった。
そうした個々の人たちについて考えると、啓蒙すれば子どもが生まれるわけではないのだ。

一つの生き方を押し付けるなんて、こうした人たちの生き方や人生の選択に対して無神経であるし、その生き方や想いを否定するようなものである。こうした人たちはマイノリティとして不当に扱われることも少なくないのが現実だが、国による価値観の押しつけで、一層肩身が狭かったり窮屈な思いをさせることになってしまう。政府には、そうしたことに対する想像力やデリカシーがないのだろうか。

先日提唱された「3年抱っこし放題」も女性たちの置かれた実態・窮状からかけ離れた政策であり、「女性に育児負担を押し付けようとしているな」と感じたが、今回は少子化対策として疑問ということに加え、政府による価値観の押しつけとして、根本的に問題があると思う。

今の先の見えない社会で、生きづらさを抱えながら生きている人たち、社会のメインストリームではない人たち、将来に負担を抱えている若い世代の悲鳴や思いや悩みに真剣に向き合う政治であってほしいのだが、今の政府の立ち位置は、そこからかなりずれたところに来ているように思えてならない。


伊藤 和子
弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局長
1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/itokazuko/20130508-00024798?fb_action_ids=518938961497443&fb_action_types=og.recommends&fb_source=other_multiline&action_object_map=%7B%22518938961497443%22%3A142458322607021%7D&action_type_map=%7B%22518938961497443%22%3A%22og.recommends%22%7D&action_ref_map=%5B%5D

余計なお世話/内閣府の女性手帳

2013-05-09 12:20:49 | 社会
「「30代までに出産・結婚、望ましい」 内閣府「女性手帳」にネットで非難轟々

J-CASTニュース2013年05月08日15時34分


「政府は、子育てにお金がかかりすぎているから少子化になってることはわかってるんですかね?」――内閣府の「少子化危機突破タスクフォース」が5月下旬にも政府へ導入を提案する見込みの「生命(いのち)と女性の手帳」(仮称)に、インターネット上は非難轟々だ。


「手帳つくるカネがあったら育児支援にまわせや」

産経新聞などが2013年5月8日までに伝えたところによると、「女性手帳」は女性を対象に10代から身体のメカニズムや将来設計について啓発するもの。「(医学的に適齢とされる)30歳半ばまでの妊娠・出産を推奨し、結婚や出産を人生の中に組み込む重要性を指摘する。ただ、個人の選択もあるため、啓発レベルにとどめる」。少子化の要因の一つとされる晩婚・晩産化に歯止めをかける狙いがあるという。

具体的な中身は関係省庁は今夏にも検討会議をつくって詰め、2014年度中に自治体を通して配り始める方針だ。

これに、ツイッターなどのネットでは「残念な政府が考えた少子化対策」「ナンセンス」などと批判が殺到した。意見をまとめると、「日本の社会制度や通念では、出産も育児も結婚相手があってのことなのだから、女性だけに知らせても意味がない」「そもそも若いうちに結婚、出産をしないのは知識よりも金がないからなのに、税金を使って手帳を配って何になるのか」などと怒っている。

「妊娠異性がいないと成立しないんだから20歳以上の女性に配るんじゃなくて普通に学校教育で扱えばいい話じゃん…」
「これ、女性にだけ考えてもらって何か意味があるのかしら。男性は、何歳までに子どもをやしなって、かつ休職する配偶者をささえる覚悟を決めるべきか考えなくてもいいのか?」

「別にいまの少子化は『女性に(生殖・育児に関する)知識が足りない』から起きているわけじゃないだろってこと。むしろ育児にどれぐらいコストがかかるのか知識があるからこそ産みたい人も産めないんだろうよ。手帳つくるカネがあったら育児支援にまわせやと」

「こんな事に税金使うより、正規社員増やして労働条件整えたり、保育園増やしたり、医療や福祉を充実させる方がよっぽど少子化対策になるよ」

「晩婚家庭へ何故晩婚だったのかと丁寧に聞き取りしたり、早く結婚して早く出産した家庭の調査とかしたりする学術的な分析を全くやらず、いきなり精神論に飛んでることが、反知性的でキモい」


内閣府の調査でも経済基盤が要因なのは明らか

内閣府が2011年にとりまとめた「少子化に関する国際意識調査 報告書」からも、若年層が出産を「個人の選択として、したくない」というよりもむしろ「外的要因から諦めている」傾向は浮き彫りになっている。日本において「結婚したら自分自身の子どもは必ずもつべき」と考える人の割合は比較的高い。ところが、希望する子ども数と実際の子ども数とのかい離もまた大きいのだ。

関西学院大学の西村智教授(労働経済学)は報告書の中で、「かい離が配偶関係や就業形態によって大きく異なり、低出生率の背景に制度的・構造的な要因がある」と、低出生率は、個人の選択が集約された結果に留まらないことを指摘。「出産を諦める主な理由は保育や教育の費用がかかりすぎること、育児と仕事との両立が難しいことである」と解説した。
また、中京大学の松田茂樹教授(社会学)も調査結果の分析から、日本の合計特殊出生率が低い理由を「日本の若年層の結婚・同棲の開始が遅れていることにあるといえる」と割り出し、この要因を「経済基盤の弱さ」だと述べた。

「日本の非正規雇用者の男性や収入の低い男性は、アメリカ、フランス、スウェーデンよりも大幅に結婚・同棲経験率が低い。経済基盤の弱い者がカップル形成を特に送りにくいのがわが国である」

こうしたことを踏まえてか、産経新聞の報道には「内閣府は経済事情などを理由になかなか結婚に踏み切れない状況の改善にも取り組む方針で、新婚夫婦への大胆な財政支援に乗り出す」とも書かれているが、「これをきちんとやれば、手帳は必要ない」と「手帳」に対する疑問は残る。ネットでは「女性」=「子どもを産むもの」として一律に手帳を配布することは、セクシャルマイノリティや、生殖機能を失った人などのことを考えていないとの反発も出ている。」

http://news.livedoor.com/article/detail/7656708/

ホームレスを殺すのは誰だろうか?

2013-04-29 20:05:45 | 社会
 ホームレスの殺人。寒々とした世界。

 日本の本当の姿かもしれない。

 「東京上野公園で80歳の老ホームレスが絞殺されテントが燃えた事件で、警視庁はきょう無職の男(26歳)を殺人などの容疑で逮捕した。筆者は凶行の現場を訪ねた。

 木立を結ぶように警察の非常線が張られ、テントの残骸と黒こげになった家財道具が所在なく置かれたままだ。場所は上野東照宮の入り口すぐそば。こんもりと盛り上がった一角に5張りのテントが並び、5人のホームレス(野宿者)が暮らす。

 隣人の野宿者Aさん(56歳)によれば、殺された老野宿者は信心深く、毎朝小さな仏像を手に上野東照宮や近くの神社仏閣を自転車で回っていた、という。「みんなから“拝み屋さん”って呼ばれて親しまれていたよ」。Aさんは懐かしそうに話す。

 バブル崩壊前まで、野宿者は数えるほどだった。不景気が長引くと仕事を失った人が住居も失い、次々と路上に弾き出された。厚労省が初めて行った全国調査(2003年)で、野宿者は2万5,296人にも上った。

 建設現場の土方だったAさんは、公共事業の削減で仕事を失った。家賃を払えなくなり6年前から上野公園で暮らす。56歳なので福祉事務所に生活保護の申請に行っても「まだ働けるだろ」と冷たく追い返される。

 『ホームレスは仕事をしない怠け者』と見る向きがある。怠け者が1人もいないとは言い切れないが、これは大きな間違いだ。仕事をしたくても仕事がないのだ。

 Aさんのテントにはきれいに磨かれたヘルメットと長靴がきちんと揃えられていた。「人づてで仕事を紹介されるが、多くて月に3回。ない時は何か月もない」とあきらめ顔で話す。


 リーマンショックで派遣切りが吹き荒れた2008年の年末、墨田公園の炊き出しに青年(30代前半・男性)が並んでいた。学校を卒業して最初に就職した会社の労働条件があまりに酷かったため、会社を移ったらその会社が倒産した。

 派遣労働者になったが、長期契約の仕事がなくなり、日雇い派遣で働かざるをえなくなった。究極の「その日暮らし」である。年末に日雇いの仕事もなくなり所持金も底をついた。「ネットカフェの宿泊費もないので、地下街で寝ている」。青年は力なく語った。

 ユニクロの柳井正社長が朝日新聞のインタビューに「年収100万円も仕方がない。中間層がなくなるかもしれない」と話した。

 中間層が分厚ければ、社会は安定し治安も安定する。中間層がなくなれば、その逆だ。治安は悪化する。100万円の年収から食費を引けば、ワンルームの家賃も払えなくなる。単純に考えれば、多くの人が路上に弾き出される。

 中間層が薄くなり治安が悪化しているところに野宿者が増えれば、今回のような「ホームレス殺人事件」が頻繁に起きるようになるだろう。」

http://blogos.com/article/60948/

安部氏に⇒これを見なさい/無駄だろうけど

2013-04-29 19:46:49 | 社会
 差別を理解するためには、避べされる経験と、それをきちんと知的に整理することが卒用不可欠。

 有名な「青い目、茶色い目」の実験授業の意義は失せていない。

 特に日本では。在特会の連中も子供のうちにこういう教育を受けておくべきでしたね、

 ①前半 http://www.youtube.com/watch?v=FYqjyvMXv4c

 ②後半 http://www.youtube.com/watch?v=cHU5RTOHi4E

ロシアの"ルーファー"

2013-04-29 18:59:11 | 社会
ロシアで若者に流行しつつある"ルーファー"。屋根に上り詰める人々だという。

そのスリルと景色がたまらないということだが、彼らが、そして彼らを撮った写真は私には別の意味で「たまらない」。

何とも背筋が"ゾワゾワ~"とする。

是非とも以下のサイトで写真をご覧ください。

 
 ⇒http://roshianow.jp/multimedia/pictures/2013/04/23/42631.html

差別・偏見はなぜいけないのか?/青い目・茶色い目

2012-12-07 15:53:43 | 社会
 今選挙中である。

 歴然たる差別主義者の石原や、人権を無視し、自ら反論できない立場の市職員等を個別攻撃して、公務員全体を委縮させるという卑劣漢の橋下などが脚光を浴びている。

 このような人物になぜ差別がいけないかなどと説いてもほとんど聞く耳を持たないし、彼らの支持者も同様だろう。

 そこで以下のビデオを見ていただきたい。なぜ差別がいけないのか直接伝わってくるだろうし、差別する側に落ち込んでいる人々が人の言うことに耳を傾けなくなることにも納得が行くだろう。

 「青い目・茶色い目」→ http://www.dailymotion.com/video/xp34v2_yyy-yyyy-yyyyyyyyyyyy_news

 同様のないようですが、こちらの方がビデオの背景がよくわかる。
  →http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=FYqjyvMXv4c

生協によるメガソーラー稼働開始 ①大阪の二生協

2012-11-01 16:34:53 | 社会
「メガソーラー:生協で初、大阪に2カ所完成

毎日新聞 2012年11月01日 15時17分(最終更新 11月01日 16時02分)

 生協で初の1000キロワット級の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が大阪府和泉市の2カ所に完成し、2日から売電を始める。東京電力福島第1原発事故後に組合員から設置を求める声が高まり、大阪いずみ市民生協(堺市堺区)が建設した。国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を利用し、9年後には建設費を回収する見込み。

 メガソーラーは二つの生協物流センターの屋上に約6億円で設置した。出力は1300キロワットと1000キロワットで、約500世帯分を賄う。日本生活協同組合連合会によると、同連合会の7カ所の流通センターでメガソーラーなどの計画があるが、生協が売電を開始するのは初めてという。

 固定価格買い取り制度の導入を受け、メガソーラー事業参入の機運が高まり、ソフトバンク、京セラ、大阪ガス、近鉄などの企業が相次いで参入を表明した。自治体も事業者誘致に力を入れている。市民や組合などが主体となった例はまだ少ないが、今後増えていくとみられる。【大島秀利、横山三加子】」

http://mainichi.jp/select/news/20121101k0000e020238000c.html

 生協物流センターの屋根利用はとてもいいと思う。

 全国の工場施設の屋根に設置すれば、それだけで膨大な発電効果が期待される。

 電気事業者は工場施設をもっている事業者に屋根使用料を払い設置したらどうか。

 設置した工場に政府が助成金を出し、ソーラー発電施設の設置を促すとともに、発電コストを抑えることもできるだろう。

生協がソーラー発電に本格的に乗り出す ② 生協の声明

2012-11-01 16:28:09 | 社会
「2012年08月21日

日本生協連 太陽光発電を本格展開

~物流施設7センターの屋根を活用、発電量は合計410万kWh/年~

日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、会長:浅田 克己)は、持続可能な社会をめざす立場から、再生可能エネルギーの普及に向けて積極的に太陽光発電に取り組むこととし、順次、設置可能な7つの物流施設の屋根に太陽光パネルを設置し、太陽光発電を本格的に展開することといたしました。

 日本生協連では、東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、2012年1月にエネルギー政策についての考え方「エネルギー政策の転換をめざして」をまとめ、今後の社会的な重点課題のひとつとして、「再生可能エネルギーの急速拡大」をあげました。このたびの太陽光発電の取り組みは、日本生協連としてこれを積極的に進めるために展開するものです。

 2012年5月には、尾道冷凍流通センター(広島県尾道市)への太陽光パネル設置工事が完了し、現在稼動に向けた準備を進めています。さらに、尾道以外の物流施設についてもパネル設置について検討した結果、設置可能な6センターでも太陽光発電に取り組むことといたしました。
 7センター合計の発電量は、410万kWh/年で、これを一般家庭の年間電力消費量に換算すると、約1,000軒分に相当します。2013年3月までに、すべての施設で発電を開始する予定です。

 所在地 センター   電力会社   発電設備[kW]  年間想定発電電力量  年間想定CO2削減量                                       [kWh/年]     [kg-CO2/年]

1 千葉県野田市 野田流通センター 東京電力 350.0     345,130     145,990
2 兵庫県小野市 小野ドライセンター 関西電力 494.0   492,385     208,279
3 広島県尾道市 尾道冷凍流通センター 中国電力 613.0   654,252  276,749
4 広島県尾道市 尾道流通センター(ドライ)中国電力 493.5   528,298  223,470
5 佐賀県鳥栖市 鳥栖ドライセンター 九州電力 497.0   509,439  215,493
6 佐賀県鳥栖市 鳥栖冷凍流通センター 九州電力 497.0     509,185     215,385
7 福岡県篠栗町 篠栗冷蔵流通センター 九州電力 1,067.5  1,065,740 450,808
合計                 4,012     4,104,429 1,736,173
                              CO2 削減量は、0.423kg-CO2/kWhで試算

日本生協連は、今後も持続可能な社会をめざす立場から、事業における省エネルギーの取り組みを継続するとともに、地域で節電などのくらしの見直し活動に取り組んでまいります。」

http://jccu.coop/info/pressrelease/2012/08/7410kwh.html

2012年8月21日

やっぱり気候がおかしい

2012-08-08 15:25:50 | 社会
 北京で豪雨があったかと思えば、今度はマニラ。

 大都市の集中郷が災難をもたらすのはいずこも同じだが、やはり気候が少しおかしいのではないか。

 地球温暖化がもたらす気候変動については、日本では懐疑論がここ数年台頭している。

 実際私も気候温暖化を引き起こさないエネルギー源として原発が推奨された4-5年前の論調は、あまりにも意図的に原発推進論だと感じて、気候温暖化についても?をつけて考えるようになっていた。

 しかし、3.11以降原発そのものが環境破壊的であることがはっきりする中、改めて温暖化を含めた環境の劣化について考えなければいけなくなっていると思う。

 70億を超える人口が、みんな車をもち、快適な家に住み、海外旅行をエンジョイしながら、高等教育まで受けられる。

 医療もきちんと受けられて、老後の心配もいらない。

 そんなことが可能だろうか。

 少なくとも現在の科学技術の水準や、社会の状況では不可能だろう-実際実現してない。

 しかし皆が上にあげたような社会を理想として進むことが正しいのかどうか、考える必要があるだろうし、もし実現を目指すなら―それを享受している国・人々がいるのに、他の人々にそれを認めないという根拠はない―それを可能とする科学技術の革新や社会・政治構造の変革が迫られるだろう。

 しかし現実には人々の生活向上への意欲は簡単に失われることはないので、環境破壊を伴いつつ社会の変化が進行することになる。

 膨大な生活・産業廃棄物。CO2だけではない各種有害物質の環境中への排出。

 大都市のさらなる巨大化と、そこへの人口の集中。

 世界的規模で進行するこのような変化が確かに気候に影響を与えつつあるのではないだろうか。

 以前NHKで、地球の深層海流が数100年―数千年?-をかけて赤道から南北両極をめぐり、それによって赤道地方で水に蓄積される熱を、南北両極の氷で冷却し、それが地球の気候の安定に寄与しているという話があった。

 現在の大陸の配置、そこでの海流のルート、そのようなものがたまたまこの10数万年間の安定した気候を実現してきたのだとしたら、温暖化に伴う両極地の氷の消失は深刻な問題となりかねない。

 北米でも熱波と旱魃。旱魃はオーストラリアなどほかの地域にも広がっている。

 もう一度まじめに温暖化について考えなければならないところにいるらしい。

 以下はフィリピンの水害を伝えるCNNの記事。

「マニラ(CNN) フィリピンのマニラ首都圏などを襲っている豪雨は7日も続き、浸水などの被害が深刻化している。土砂崩れで11人が死亡した。

ケソン市では土砂が住宅2棟をのみ込んだ。死者は全員同じ世帯の家族で、このうち3人が子どもだったという。さらに4人が負傷した。先月末からの豪雨による死者は、50人を超えている。

首都圏の降雨量は同日だけで504ミリに達した。気象当局は、季節風と台風の影響で8日も激しい雨が続くとの見通しを示し、厳重な警戒を呼びかけた。

水害で家を追われた人は全国で13万人近くに上り、約7万7000人が避難所生活を強いられている。
被災者らはインターネットの短文投稿サイト「ツイッター」を通し、「妊婦が屋根の上で助けを待っています」「2歳児を抱えた家族を助けて」と当局に救助を求めている。

アキノ大統領は救助作業への妨げにならないよう、政府機関や民間企業を閉鎖する措置を命じた。学校もすべて休校となっている。

同国では昨年末、南部ミンダナオ島を襲った台風で1200人を超える死者が出た。」

(http://www.cnn.co.jp/world/35020201.html)