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白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

自民党内に脱原発50人

2014-02-01 21:00:24 | 原発
「 自民党が所属国会議員(会派離脱中の衆参両院議長を除く407人)を対象に実施したエネルギー政策に関するアンケートで、将来的な原発ゼロを主張した議員が約50人に上り、原発の新増設への賛同は4人にとどまったことが31日、分かった。アンケートに回答したのは約320人で、このうちの8割強が原発を維持しつつ再生可能エネルギーの活用を求めた。党幹部が明らかにした。

 安倍晋三首相は原発への依存度を減らす意向を示す一方で、脱原発の主張は「無責任」と批判している。党幹部は政権の方針とは異なる脱原発派議員が「予想以上に多い」と指摘した。
(共同)」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014013101002489.html

泉田新潟県知事と東電広瀬社長の面談議事録

2014-01-17 14:53:32 | 原発
 以下の泉田知事と東電広瀬社長の会見録を読むと、東電が全く変わっていないということがよくわかる。

 これではまた必ず福島以上の事故を起こす。


「昨日、新年の挨拶で東京電力の広瀬社長と役員の皆様と面談しました。

議事録は次のとおりです。

・ 平成26年1月16日(木) 13:00~13:20

・ 訪問者  東京電力㈱ 廣瀬代表執行役社長、増田常務執行役、姉川常務執行役、高橋フェロー、横村執行役員柏崎刈羽原子力発電所長、菅沼原子力・立地本部新潟事務所長

・ 対応者  泉田知事、飯沼危機管理監、山田防災局長 
     
・ 内 容
(廣瀬社長)
 今日、お忙しいところお時間いただき本当にありがとうございます。昨年は色々、特に福島発電所の汚染水の問題等々で、大変、皆さんにご心配をおかけして、本当に申し訳ありません。今年は、是非、そうしたことがないように、しっかり取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きご指導頂ければと思います。

 今年の3月11日で、福島の事故から3年が経ちまして、今なお、新潟県内にも福島県の方が5000人近く避難されている状況が続いておりまして、本当に申し訳なく思っておりますとともに、県の皆様には色々なご支援を賜っているものと思っておりますので、本当にありがとうございます。

 丁度、昨日、すでに新聞等々でお耳にされていると思いますが、私どもの新しい総合特別事業計画というものが、認定いただきまして、昨日の夕方だったものでして、ちょうど今日、いの一番に新潟の方へ、午前中に柏崎市と刈羽村に訪問させていただきまして、ご報告することができて、いい機会だったと思っております。

 中身はかなり大部の100ページ近い計画になり、色々なことが書いてございますが、やはり基本は福島の責任を東京電力としてしっかり果たしていくんだというところが、一番のポイントとなっておりまして、これは今の見直す前の総合特別事業計画でも同じですけれども、これをしっかりとやっていくということ。そのためにも、国は今度一歩前へ出ていただくということから、東京電力との新たな役割分担等々もはっきりとしてきましたので、その中で東京電力としても3歩も4歩も前に出なければいけないなと思っておりますので、また改めて、社員一同、気を引き締めて、しっかりやって参りたいと思っております。

 それから、柏崎刈羽原子力発電所の取扱いにつきましては、10年の計画ですので、収支に何らかの形で織り込む必要があったということもあって、例によりまして、仮置きということで、これは今の見直す前の総合特別事業計画と同じ扱いでございますけれども、仮置きという形で置かしていただきましたけれども、決してこれで再稼働の計画を示すものではないと我々思っておりますので、もちろんそれに向けて、当然適合性の基準に、申請いたしておりますけれども、それもしっかりやっていただかなくてはいけませんし、なにより地元の皆さんにも、まだまだご説明が足りているとは思っておりませんし、防災計画や避難計画についてもまだまだやっていかなければならないことが、たくさんあると思っておりますので、まずはそうしたことを我々としてしっかりとやっていかなければいけないと思っております。

 本当に色々な計画が書いてありますし、なかなかその中には、いわゆるチャレンジングな、達成が容易でないものもたくさんございますけれども、とにかく福島の責任をしっかり果たしていく上でも、安定供給をしっかりしながら、東京電力としての役割を、特に今度は電力システム改革で、自由化が目前に迫っておりますので、そうした中でもしっかりと役割を果たしていけるような、企業体質にしていかなければいけないなということで、改めまして、本当に身の引き締まる思いでございます。しっかりやっていきたいと思っておりますので、色々とご指導頂ければと思っています。


(泉田知事)
 ご説明、ありがとうございました。安全に関わることについて、特に柏崎刈羽原発、全く協議のないまま申請をされたということで、大変残念に思っております。

 それから、経営者でいらっしゃいますので、ご存じだと思いますけれども、アメリカの自動車会社、ゼネラルモータース、ここもV字回復を遂げることができました。日本でも、日本航空さん、JALもですね、V字回復を遂げることができました。

 今回の計画は、株主責任、貸し手責任を棚上げにした、モラルハザードの計画をお作りになったとしか見えないですよね。結果として、モラルハザードの中でですね、免責をされれば、事故が起きても責任を取らなくてもいいということを意味しますんで、それは危険性が高まるということなんだと思います。

 安全文化という観点でもですね、今回の計画というのは、極めて資本主義社会から見てもおかしな計画になっていると。安全性について、これで会社が変わったということを受け止めるのは、なかなか難しい計画だなというふうに受け止めています。

 計画の作り方自身に問題があると、私はそういうふうに受け止めていますので、技術的なところだけではなくて、会社での意思決定、この過程も検証していただいていませんので、是非、社長のリーダーシップでですね、県からお願いしていること、立地協からお願いしていることも含めて、会社内のですね、福島の事故の検証、これ是非やっていただきたいと思いますけれどもいかかでしょうか。


(廣瀬社長)
 今回の計画がとてもV字回復のような状態とも思いませんし、なにより、繰り返しになりますが、自由化の中で、お客様に選んでいただけるような状態にしていきませんと、いわゆる地域独占の形態ではもうなくなるわけですので、電気料金も下げていかなければいけないですし、そうしたV字回復というイメージとはだいぶほど遠い計画かなとは、私自身思っておりますけれども、いずれにしろ、福島の責任を果たしていかなければいけないということは我々も全く事実でございますので、それができる企業になっていかなければいけないと、まず一つあると思っております。

 それから、安全については、もちろん事故を踏まえて、我々としては一番大事なところということで、これは知事から何度もご指摘いただいているように、とにかく安全を優先するという形で、これからも進めていかなければいけないし、しっかりとそうした形を取っていきたいと思います。

 福島の検証については、これも常に知事からもご指摘いただいているところですし、我々も何度もご説明差し上げていると思いますけれども、大前先生を始め、色んな方に入っていただいて、福島の事故の検証、あるいは知事がよくご指摘される情報公開の問題等々含めて、一つの我々としての見解と言いましょうか、その時の状況については、全ての状況を差し上げて反省すべき点がたくさんあるということでお話させていただいております。県の技術委員会で正に福島の検証をしていただいているので、これからも我々、積極的に対応させていただいて、できる限りそうしたことも解明していくというつもりでおりますので、これからも本当に一生懸命やっていきたいなと思っております。


(泉田知事)
 銀行と株主を免責した計画、これ、どうお感じになっていますか。


(廣瀬社長)
 株主につきましては、全く免責をしているということではなくて、株価の大きな下落、それから、今度の計画にも書いてありますが、いずれ政府の保有株、すごくたくさんの株が放出といいますか、ひいて行かれるわけですから、当然その過程で、相当な希釈化が行われるということで、株主さんにとっては、その間ずっと無配で続いていくことになると思いますので、相当厳しい状況に、ご迷惑をおかけしてしまうなと、経営の立場からいって、株主さんに対して、本当に申し訳ない状況になっているということで、株主責任をどう捉えるかということもありますが、それなりのご負担をいただいているなと思っております。

 一方、金融機関につきましては、確かにそうした議論があることはよく承知しておりますが、債権放棄等々のことをしてしまいますと、二度と我々、お金を借りられなくなると思いますし、そうなった時の副作用を考えますと、我々、まだまだ福島の責任も含めて、やっていかなければいけないことがたくさんありまして、一時は減免されるということで、我々は相当、楽になるわけですけれども、それは正に一時の話で、これから企業として、それこそ30年、40年に亘って、福島の廃炉を続けていくうえでは、相当なお金も掛かりますし、そこに関して金融機関からの与信をいただくという必要、当然出てくると思っていますので、むしろ金融機関の皆様には、引き続き、しっかりと我々を支えていただくなり、しっかり与信の枠を維持して、またしっかり新規の与信をいただくなり、そういう形で責任をとっていただきたいというのが、今回の計画の肝になっていますので、そこは色んな形があると思いますけれども、今回、そういした形で金融機関に協力をいただくと、させていただいている。


(泉田知事)
 今、東京電力の経営が厳しいのは、事故を起こしたからなんですよね。事故を起こした東京電力が一番最初にすべきことは、事故を起こさないガバナンスの仕組みを作ることだと思います。ところが、再稼働圧力が金融機関から来るわけですよ。これ、免責したということになると、安全と全く二律背反しませんか。そこはどうお考えですか。


(廣瀬社長)
 金融機関から再稼働圧力ということはなくて、むしろ金融機関さんからすれば、再稼働を、もししないのであれば電気料金の値上げをして欲しいというような意見が出てくると思いますので、必ずしも、金融機関からは再稼働に対する圧力が、我々、ひしひしと感じていることはないと思います。

 金融機関さんにとっては、もちろん東京電力がしっかり与信を維持するに足る企業経営にしていくことが大事だとお考えでしょうから、そこはそれで一つの考え方だと思いますし、貸し手側の考え方としては一つあると思います。

 ただ、既に事故の前に貸してあったお金についての、貸し手責任というのについては、当然、議論のあるところだと思いますので、今回も私募債を極力使わないで、与信枠を拡大するようにとか、そういったような形で、金融機関さんへの協力要請といいますか、言い方を変えれば、金融機関さんにとっての責任の捉え方というのを明示させていただいたつもりですけれども、もちろん、取り方については色々ご意見もあろうかと思いますので、正に知事のようなお考えも一つあるというのは、正に皆さんがおっしゃるところですが、今回の計画では、先ほど申しました形で、金融機関さんへも責任を取っていただく、協力していただくという一つの形にさせていただいたということです。


(泉田知事)
 金融機関がリスクフリーになれば、どうしたって事故が起きても大丈夫、むしろ今ある設備でいかに儲けるかっていうふうに、どうしても力が働いてしまいますよね。このスキームは見直していただきたいと思うんですよ。

 もう一回言いますけど、東京電力がなぜ今経営が苦しいかと言いますと、事故を起こしたからです。もっと言うと、津波については、高いものが来るかも知れないというのは社内でもあったわけですよね、情報として。それを活かせなかった。万が一、事故が起きたら、その後の賠償で会社が傾くっていう判断があれば、経営陣が止めたりしませんよね。その間の意思決定、どういうふうになされたのかというのを早く調べて、公表していただきたいのですが。


(廣瀬社長)
 そこについては、報告をさせていただいておりますし、反省すべきことも多々あったというのもありますし、我々としては防がなくてはいけない事故であったと思っております。今となってみれば、当然防げた事故だと思っておりますし、そうしたことをこれから教訓として、安全に対する考え方、安全文化の醸成、社内でしっかりそうしたことを育んでいくということは。本当に一番大事なところだと思っております。


(泉田知事)
 前々からお願いしているメルトダウンについては、8時間も空だきして、3月11日の当日に、進展予測もなされているのに、2ヶ月経たないとメルトダウンが認識できなかったのか、嘘を付いたのか、嘘を付いたんですよね。誰がどういう意思決定をしたのか、その背景に何があったのかということを、早く明らかにしていただきたいと。

 技術委員会でも議論しているようですけれども、上層部からストップをかけられているのか分かりませんけれども、ちゃんとした説明をいただいていません。なぜ、2ヶ月もメルトダウンを隠したのか、そのおかげで逃げ遅れて不要な被ばくをした人が多いわけですよ。これ、事故後に対する、住民の安全確保に対する意識の欠如、これ以外の何物でもない。嘘を付いているのか、能力がないのか、こういったところをどういう意思決定過程で、こういうような状況になったのかを、早く検証をして出していただきたい。よろしくお願いします。


(廣瀬社長)
 これについても、技術委員会でのお話が不十分だということであれば、また再度、詳しくご説明する必要があると思いますが、これもまた大前先生のご指導にもよりますけれども、はっきりカテゴリーを分けて、正にメルトダウンということに対して、5月の24日まで認めなかったということについては、外部からとの関係の問題点をはっきりと意識を明確にさせていただいております。具体的には、炉心溶融と言わずに炉心損傷と言ったり、そうしたようなことの中で、最終的に炉心溶融を認めたのは5月24日ですけれども、その間に政府とのやり取り等々については、つまびらかに、もうレポートもありますので、ただ我々側からして、事故を起こした東京電力が、どの、誰が、どういうことで、責任を取るべきだとか、どういうことがあったので、それに対して我々はこういうことが出来なかったんだということを、我々側から糾弾するというのは、なかなか我々の仕事ではないというふうに思っています。

 むしろ事実関係をつまびらかにすることで、それを基に正にメディアの皆さんですとか、あるいは司法であるとかが、責任問題についてはやっていただきたいと思っているところで、我々としては、まずそうした事実関係については、極力つまびらかにご報告させていただきたいと思っております。もう既にそうしたものがございますので、ぜひまた、説明させていただきたいと思っております。


(泉田知事)
 責任追及の話ではなくて、安全確保のために、要は情報操作をする、隠蔽をするということが現に行われていて、それが改善をされていない状況な訳ですよ。したがって、廣瀬社長自身は、今どう思われているのか。なぜ、2ヶ月も隠蔽したのか。外からの力が働いたからということですけれども、責任関係ではなくて、誰に、どういう話があったかという、どう認識されているのか、今お話いただけますか。


(廣瀬社長)
 それについても、事実関係を時系列で、どういう指導があったとか、どういうことがあったということははっきりしております。それに対して、それは正に事実でありますので、それをけしからんと言う側に我々はいないと思っておりますので、そうした事実については認識をしているつもりです。


(泉田知事)
 廣瀬さんはどういうふうに認識されているんですか。


(廣瀬社長)
 そうした国とのやり取りはあったのは事実です。

(泉田知事)
 国から圧力があって、メルトダウンを認められなかったということですか。

(廣瀬社長)
 発表について、調整をしていかなくてはいけないという状況にあったのは全くの事実であります。その調整の過程で、結果として、調整を踏まえた上で、2ヶ月かかったというのも事実です。

(泉田知事)
 国ってどこですか。

(廣瀬社長)
 国ですね。それは是非レポートで、ご説明させていただきたいと思いますけれども。その辺もはっきりしておりますので。

(泉田知事)
 是非、はっきりさせてですね、文章で、なぜ、メルトダウンという重要な情報、8時間空だきすれば、メルトダウンするに決まっているわけですよね。3月11日、当初から予測していたにも関わらず、発表できなかった。これ、結局、色んな圧力がかかると、真実を話さない会社だということになりますもんね。

(廣瀬社長)
 それについては、今の事象に限らず、色んなところで、3年前の3月11日以降、しばらくの間、特に、本当に誰を向いて情報公開していたのか分からないような、本来であれば、正に知事がおっしゃったように、避難をされている方々に一番早く、一番大事な情報をだすべきと、そういう頭で対応しなければいけなかったところ、やはり官邸であるとか、国であるとか、保安院であるとか、そうしたところとの調整をまず優先したというのは、我々にも本当に非があると思っていますので、それ以降、まだまだ情報公開について、メディアの皆さんも含めて、2年9ヶ月に至るまで、色んなことをご指摘いただいているところで、本当にまだまだ反省しなければいけない点が、まだまだ、それでもまだ残っているというのは、本当に申し訳ないところですが。

 とにかく一つ一つでも、解決して、少しずつ、我々の情報公開に対する姿勢というんでしょうか、それは本当に改めていかなければいけないと思っております。また色々とご指摘をいただければと思っております。

(泉田知事)
 もう一つ、お聞きしたいんですけれど、東京電力の社員はヨウ素剤を服用したと承知しております。ところが住民に配布したヨウ素剤の回収指示が出ています。このことについてはどういうふうにお感じですか。

(廣瀬社長)
 私、その点については存じ上げておりませんが。

(姉川常務)
 免震棟に行っていた社員にヨウ素剤が配られているんですけれども、実のところを申し上げると、14日か15日、正確ではありませんが、実は服用をしても効果がないタイミングで回されていて、自分達自身に対しても遅かったです。

(泉田知事)
 多々あるのですが、技術委員会でですね、ちゃんとした答えをいただいていないんですよ。ちゃんと出せるように。もう、空白だらけですので、是非、真摯な対応をお願いします。

(廣瀬社長)
 それは是非、我々は技術委員会で議論していただけるのは本当にありがたいと思っておりますので、是非、しっかり我々から出せるものは全部出して、しっかりと事故の検証をしてまいりたいと思っております。色々とご指導をいただければと思っておりますが。一生懸命がんばりますのでよろしくお願いします。

(泉田知事)
 お越し頂きありがとうございました。

<面談時間約20分>」

http://chiji.pref.niigata.jp/51324.html

「もんじゅ 不備知りつつ「見直し終了」報告」

2014-01-15 18:02:12 | 原発
 ほんとにほとほと嫌になります。

「高速増殖炉「もんじゅ」の大量の点検漏れなどで試験運転を事実上禁ずる命令を受けた日本原子力研究開発機構が今度は再発防止に向けた見直しが終わっていないのに終えたとする報告をしていたことが分かりました。

原子力規制委員会は組織的な問題がないかなど、さらに詳しい報告を求め、命令が解除される見通しは立たないままです。

福井県敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」を巡っては、安全上重要な機器を含むおよそ1万4000の点検漏れなどが発覚し、原子力規制委員会は去年5月、原子力機構に対し、再発防止策が整うまでもんじゅの試験運転の再開に向けた準備作業を行わないよう命令を出しました。

これを受けて原子力機構は去年11月、▽未点検だった機器の点検が完了したことや▽再発防止に向けた管理体制の見直しを終えたなどと規制委員会に報告していましたが実際には見直しが終わっていなかったことが15日の規制委員会の会合で指摘されました。

原子力機構が規制委員会に報告する前の日から始めたチェック作業で書類に多くの不備があることが分かり、▽点検の期日や手法の記載が事実と異なっていることや▽現場で使うマニュアルの内容が報告書と異なっているなど800余りに上るということです。

委員からは批判が相次ぎ、規制委員会は事実関係の誤りや組織的な問題がないかなどをさらに詳しく調べて報告するよう求めました。

規制委員会は去年5月の命令で、十分な管理体制を築くよう求めており、命令が解除される見通しは依然、立たないままです。」

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140115/t10014504941000.html

「」泉田知事、計画は絵に描いた餅」と東電の経営計画を批判

2014-01-15 16:43:14 | 原発
いつもながら泉田知事の東電批判は的確だ。

「新潟県の泉田知事は、柏崎刈羽原子力発電所の運転再開による収益改善などを盛り込んだ東京電力の事業計画について、「絵に描いた餅だ」と述べて、東京電力には原発を動かす資格はないと厳しく批判しました。

東京電力の今後10年間の事業計画の中では、ことし7月以降新潟県の柏崎刈羽原発の運転を順次、再開し収益を改善することなどが盛り込まれています。これについて新潟県の泉田知事は「事業計画は、絵に描いた餅だとしか受け止められない。福島第一原発事故の総括ができない会社に原発を動かす資格はない」と厳しく批判しました。また、泉田知事は16日、東京電力の廣瀬社長と会談する

ことを明らかにし、福島第一原発事故の検証を十分行うよう改めて伝えるとした上で、原発の運転再開については議論する段階ではないという考えを示しました。
01月15日 12時34分」

http://www.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034327831.html?t=1389771763875 動画あり

孫崎亨氏の小泉・脱原発発言評価

2013-11-12 17:29:30 | 原発
「 私は小泉首相時代の政策は厳しく評価している。

(1)2003年7月にイラク特措法を成立させ、2004年1月、陸上自衛隊をイラク南部のサマーワへ派遣した。

対米従属路線を一段と強化した。

(2)2005年10月強引に郵政民営化関連法案を成立させた。
対米従属経済政策を進めた。

しかし、小泉元首相の原発関連の発言は歓迎したい。

巷では利権がらみであろうと噂されている。

小泉進次郎関連の政治的思惑があろう。

しかし、安倍政権になり、原発再稼働の動きは着実に進んでいる。

この中で、小泉元首相の発言は自民党には打撃だ。

石破幹事長の発言などしどろもどろだ。

小平の「白猫であれ黒猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」(不管猫白猫,捉到老鼠就是好猫)である。

今日の日本政治の最大課題、原発再稼働停止に積極的に動く政治家は評価したい。

小泉純一郎元首相は12日、日本記者クラブで会見し、「原発ゼロは首相が決断すればできる」と述べ、安倍晋三首相に即時原発ゼロの方針を打ち出すよう求めた。実現する時期については、電力各社がめざす既存原発の再稼働も認めない立場から「即ゼロの方がいい。企業も国民も準備ができる」と語った。


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12日朝日新聞:小泉元首相が会見「原発、即ゼロに」 安倍首相に求める

 「核のごみ」と呼ばれる高レベル放射性廃棄物の最終処分場については「これから日本でメドをつけられるというのは楽観的で無責任だ」とし、「原発ゼロの方針を政治が出せば、知恵のある人がいい案を出してくれるというのが私の考えだ」と訴えた。

 原発の再稼働についても「再稼働すればまた核のごみが増える。最終処分場は見つからない。すぐにゼロにした方がいい」と指摘。原発ゼロの方針を打ち出せば、代替エネルギーの研究・開発が進むとの考えを強調した。


********************************」

http://ch.nicovideo.jp/magosaki/blomaga/ar388916?key=8f07a0b70e39b50fbe466a2da038ca73fd3d88f4cb943082c4d9d9b42fd21d88

「東電原発の内部告発連発 作業員「ハッピー」官僚「若杉」ら」

2013-11-11 18:25:05 | 原発
「東電原発の内部告発連発 作業員「ハッピー」官僚「若杉」ら

NEWSポストセブン11月11日(月)16時0分

 東京電力福島第一原発で事故収束に携わっている現場作業員「ハッピー」さんが本を出した。題して『福島第一原発収束作業日記~3.11からの700日間』(河出書房新社刊)。本の帯で津田大介さんが「どんな報道関係者にも真似できないルポルタージュであり、新世代の労働者文学でもある」と書いている。

 一読して、まったくその通りだと思った。一言付け加えれば、これは現場作業員が見た「生の事故報告書」でもある。まるで原発からの「モクモク」(放射能を含んだ霧と煙)が見えるようだ。

 ハッピーさんといえば、事故直後からツイッターで原発内部の様子を報告してきた。記者たちが近寄れない中で、そのつぶやきは、ときに「特ダネ」にもなった。

 たとえば、2011年12月17日付では汚染水処理や循環冷却のホースに植物のチガヤが穴を開けてしまい、汚染水が漏れている事実をいち早く紹介している。

 いま大問題になっている汚染水についても、こうだ。政府が2011年4月に事故収束の工程表を出したとき「現場でオイラたちは『何だこの工程表? どっから出てきてるんだ? こんなの出来るわけねえべ!』って話してた」。

 その結果、同年5月28日には「トレンチから溢れるまで達するのは確実。東電はトレンチ上部をコンクリートで塞ぐらしいけど、他の弱い場所に圧力がかかり、また海に流れるんじゃないかなぁ?」と警告を発していたのだ。現状をこうみる。

「トラブルの多くは十分、予測出来たことなんだ。予算削減、設計簡素化、工期短縮、行き当たりばったりの対応・対策のツケが今になって露呈してきてる感じなんだよね」

 では、どうすれば良いか。

「やっぱ1F(第一原発)の収束作業は東電から切り離して、コスト度外視で新たな組織でやるしかないと思う」

「今のままじゃ40年後の廃炉とか絶対に不可能だよ」

 原発関連では、ある高級官僚も「若杉冽」というペンネームで『原発ホワイトアウト』(講談社刊)という小説を出している。政府の原発政策が嘘と秘密に覆われていて「このままでは、また事故が起きる」という内容だ。

「ハッピー」さんや「若杉」さんの訴えは「東電と政府のデタラメに黙っていられない」という現場からの内部告発である。1Fと霞が関という遠く離れた現場から、期せずして同じ声が上がったのは、事故対応の深まる矛盾を物語っている。

 この声を政府や東電はどう受け止めるか。それとも聞く耳を持っていないのか。

文■長谷川幸洋:東京新聞・中日新聞論説副主幹。1953年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院卒。政府の規制改革会議委員。近著に『政府はこうして国民を騙す』(講談社)

※週刊ポスト2013年11月22日号」

http://news.biglobe.ne.jp/entertainment/1111/sgk_131111_1936999540.html

元NHKアナウンサー堀潤監督作品映画「変身 - Metamorphosis」の上映会のお知らせ

2013-11-11 17:10:45 | 原発

「2013年11月11日(月)

元NHKアナウンサー堀潤監督作品映画「変身 - Metamorphosis」の上映会のお知らせ

テーマ:原発関連

元NHKアナウンサー堀潤監督作品映画「変身 - Metamorphosis」の上映会を、東京都文京区小石川にあるお寺(見樹院)にて12月7日に行います。私もスタッフとして参加しています。

上映会は、12月7日・土曜日の昼の部(15時スタート)、夜の部(18時スタート)の2回あります。

昼の部と夜の部の間には、浜岡原発の反対運動に長く関わった牧師・内藤慎吾さんのトークショーもあります。

入場料は1000円で、申し込みが必要となります。

100名様限定・先着順となります。お早目にお申し込みください!


以下、転載等を歓迎します。

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元NHKアナウンサー堀潤監督映画「変身 - Metamorphosis」上映会

日 時 2013年12月7日(土) 

     上映《昼の部》15時、《夜の部》18時

     16:30~17:30 トークショー

◆会 場  見樹院(東京都文京区小石川3-4-14)

http://www.nam-mind.jp/access.htm

交通

都営地下鉄「春日」下車徒歩約15分
東京メトロ「後楽園」下車徒歩約15分
JR中央線総武線・東京メトロ東西線「飯田橋」下車徒歩約20分またはタクシー1メーター程度
都バス「伝通院前」下車徒歩約5分 [都02](大塚駅前-錦糸町駅前)/[上69](小滝橋車庫前-上野公園)

◆入場料 各回共 1000円【入替制・トークショーは無料】

◆ご案内

福島、ペンシルベニア州のスリーマイル、ロサンゼルス郊外のサンタスザーナのメルトダウン事故を追った作品。

被災者や原発作業員の内部告発などから構成され、徹底した反原発の視点から語られている。


堀氏は上映会でこう力説した。

 「事故が起きた、忘れた、の繰り返しではなく、将来、世界のどこかで起きるかもしれない事故に備え、過去の事故の経験や知識を共有しなくてはならないという思いから、この映画を作りました」

福島第一原発事故においては、NHKを含む大手メディアによる報道ではほとんど伝えられなかった事故の実態がインターネットでは先んじて情報が伝達されていたことを明らかにしていく。


情報が公開されないなか、放射線が高い地域に避難してしまった被災住民。

原子炉の爆発を食い止めるために行われたベントによって放出される莫大なレベルの放射能量の数値を公的に発表しなかった政府。

被曝を余儀なくされる原発事故収束作業へのお粗末な放射線教育の事態。

“原発安全神話”にあぐらをかいて、事故発生時の住民避難計画がいかにお粗末なものだったかを暴露する。

原発事故の収束作業は、国や東京電力の予測でも40年。未来の世代まで続く問題だ。

半世紀前に起きたサンタスサーナ原子炉実験場事故などのように忘却していっていいのか?

被災住民はどうなっていくのか?決して忘却してはならない現実が、今、明らかになる。

【作品名】変身 - Metamorphosis

【制作】監督 / 脚本 / 撮影 / 編集 / ナレーション:堀 潤

チーフプロデューサー:Yoh Kawano

《2013年/63分/日本/Color HD》

【配給・宣伝】ユナイテッドピープル

【映像提供】東京電力株式会社

【音楽】坂本 龍一&U-zhaan「ODAKIAS」/upolu「Ambient!」・青木 健「想い出す頃」「namida」/Momoka Akiyama 「izureshiniiku」

◆スケジュール

14時30分 開場・昼の部受付開始

15時 映画「変身 - Metamorphosis」上映(昼の部)

16時 夜の部受付開始

16時30分 トークショー 内藤慎吾さん

18時 映画「変身 - Metamorphosis」上映(夜の部)

19時15分 終了予定

◆トークショー・ゲスト

内藤新吾(ないとう・しんご)牧師。 1961年兵庫県生まれ。

2011年3月まで日本福音ルーテル掛川・菊川教会(静岡県)で牧師を務め、同時に浜岡原発の反対運動に携わる。

現在は同稔台教会(千葉県松戸市)に勤務。著書に『キリスト者として原発をどう考えるか』(いのちのことば社)。「原子力行政を問い直す宗教者の会」事務局。

◆入場料 1000円 昼の部・夜の部入替え制(定員各50名)

◆申込み メール teamsquava@gmail.com

(昼の部・夜の部、氏名・参加人数、連絡先を明記してお送りください)

◆主 催 12・7映画「変身」上映実行委員会

------------------------------------------------------------- 以上」

福島事故への道程

2013-11-04 17:45:31 | 原発
 以下は共産党吉井議員の質問に対する政府答弁。全電源同時停止はないというこの答弁が、事故を生んだ。

「答弁本文情報

平成十八年十二月二十二日受領
答弁第二五六号

  内閣衆質一六五第二五六号
  平成十八年十二月二十二日
内閣総理大臣 安倍晋三

       衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



衆議院議員吉井英勝君提出巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問に対する答弁書



一の1について
 我が国の実用発電用原子炉に係る原子炉施設(以下「原子炉施設」という。)の外部電源系は、二回線以上の送電線により電力系統に接続された設計となっている。また、重要度の特に高い安全機能を有する構築物、系統及び機器がその機能を達成するために電源を必要とする場合においては、外部電源又は非常用所内電源のいずれからも電力の供給を受けられる設計となっているため、外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。

 また、送電鉄塔が一基倒壊した場合においても外部電源から電力の供給を受けられる原子炉施設の例としては、北海道電力株式会社泊発電所一号炉等が挙げられる。

 お尋ねの「高圧送電鉄塔が倒壊した事故が原発で発生した例」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子炉施設に接続している送電鉄塔が倒壊した事故としては、平成十七年四月一日に石川県羽咋市において、北陸電力株式会社志賀原子力発電所等に接続している能登幹線の送電鉄塔の一基が、地滑りにより倒壊した例がある。

一の2について
 落雷による送電線の事故により原子炉が緊急停止した実例のうち最近のものを挙げれば、平成十五年十二月十九日に、日本原子力発電株式会社敦賀発電所一号炉の原子炉が自動停止した事例がある。

一の3について
 我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。

一の4について
 スウェーデンのフォルスマルク発電所一号炉においては、平成十八年七月二十五日十三時十九分(現地時間)ころに、保守作業中の誤操作により発電機が送電線から切り離され、電力を供給できなくなった後、他の外部電源に切り替えられなかった上、バッテリーの保護装置が誤設定により作動したことから、当該保護装置に接続する四台の非常用ディーゼル発電機のうち二台が自動起動しなかったものと承知している。

一の5について
 我が国において運転中の五十五の原子炉施設のうち、非常用ディーゼル発電機を二台有するものは三十三であるが、我が国の原子炉施設においては、外部電源に接続される回線、非常用ディーゼル発電機及び蓄電池がそれぞれ複数設けられている。
 また、我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。

一の6について
 地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、原子炉の設置又は変更の許可の申請ごとに、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(平成二年八月三十日原子力安全委員会決定)等に基づき経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

一の7について
 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

一の8について
 原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。

二の1について
 経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。

二の2について
 原子炉内の燃料の沸騰遷移の安全性に係る評価については、平成十八年五月十九日に原子力安全委員会原子力安全基準・指針専門部会が、各種の実験結果等を踏まえ、「沸騰遷移後燃料健全性評価分科会報告書」(以下「報告書」という。)を取りまとめ、原子力安全委員会が同年六月二十九日にこれを了承している。

 また、一時的な沸騰遷移の発生を許容する原子炉の設置許可の申請については、報告書を含む原子力安全委員会の各種指針類等に基づき審査し、安全性を確認することとしている。

二の3について
 政府として、諸外国における原子炉内の燃料の沸騰遷移に係る取扱いについて必ずしも詳細には把握していないが、報告書においては、米国原子力規制委員会(NRC)による改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の安全評価書の中で一定の条件下の沸騰遷移においては燃料棒の健全性が保たれるとされている旨が記載されており、また、ドイツでは電力会社等により沸騰遷移を許容するための判断基準についての技術提案が行われている旨が記載されている。

二の4について
 東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉の設置許可の申請書においては、報告書に記載された沸騰遷移後の燃料健全性の判断基準に照らし、一時的な沸騰遷移の発生を許容する設計となっていると承知している。

二の5について
 東京電力株式会社東通原子力発電所に係る原子炉施設の安全性については、報告書を含む各種指針類等に基づき審査しているところである。

三の1及び2について
 お尋ねについては、調査、整理等の作業が膨大なものになることから、お答えすることは困難である。なお、経済産業省においては、現在、一般電気事業者、日本原子力発電株式会社及び電源開発株式会社に対し、水力発電設備、火力発電設備及び原子力発電設備についてデータ改ざん、必要な手続の不備等がないかどうかについて点検を行うことを求めている。

三の3について
 事業者は、保安規定の遵守状況について国が定期に行う検査を受けなければならないとされているところ、平成十五年に、事業者が保安規定において定めるべき事項として、品質保証を法令上明確に位置付けたところである。

 御指摘の「データ測定」の内容は様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第五十四条に基づく定期検査にあっては、定期検査を受ける者が行う定期事業者検査に電気工作物検査官が立ち会い、又はその定期事業者検査の記録を確認することとされている。

 御指摘の「長期にわたって見逃してきた」の意味するところが必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難であるが、原子炉施設の安全を図る上で重要な設備については、法令に基づく審査、検査等を厳正に行っているところであり、こうした取組を通じ、今後とも原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。」

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm

「汚染水より深刻  使用済み核燃料の取り出し ――収束作業の現場からⅡ」福島から

2013-10-12 16:20:06 | 原発
「汚染水より深刻  使用済み核燃料の取り出し ――収束作業の現場からⅡ


 東京電力福島第一原発事故の収束作業の現場で働く草野光男さん(仮名 50代 いわき市)からお話を聞いた。草野さんは、事故以前から福島第一原発をはじめ全国の原発で長らく働いてきた。
 草野さんは、汚染水問題などに関する国や東電の公式発表と、現場で作業する者の意識のかい離を指摘する。とくに4号機プールで11月中旬から始まる使用済み核燃料の取り出し作業について、その危険性を訴え、「クレーン操作に日本の運命がかかっている」と話す。また、避難住民が多く暮らすいわき市で、地域の中で生じている軋轢について、「かつての戦争のときと同じだ」と憂う。
 (インタビューは、9月中旬、いわき市内)

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オリンピック騒ぎに暗澹たる気持ち

――まず、安倍首相が国際オリンピック委員会で、「状況はコントロールされている」「汚染水は完全にブロックされている」と発言した件から伺います。

草野:私の周りでは、その話は話題にもなってないですね。多少でも現場でやっている人間なら、あんなの大嘘だってわかっていますから。

――7年後のオリンピック開催については。とくに福島で原発に直接かかわっている立場からすると。

草野:個人的には、嬉しいことは何もないですね。全然、関係のないことだから。オリンピックで日当があがるわけでもないですし。むしろ日当は下がる一方ですから。
 国としては、全体が、オリンピックにシフトしていきますね。だから、福島はなかったものにしたいと思っているでしょう。放射能汚染はないし、もう福島も終わったということにして、後は、住民を帰してしまえば、それで終わりということでしょう。オリンピックが7年後、その前に全部帰すことが目標ですね。そうしたら、安全宣言ができるわけだし、その先、健康被害とか出てくるかも知れないけれど、そういうことは全部隠蔽ということになるのでしょう。

――オリンピックへの集中で、東北三県で作業員の不足も心配されます。

草野:東京に持っていかないと困るわけでしょう。そっちの期限の方が決まっているわけだから。だから、「構ってられないんだよ、東北なんかに。あとは、おまえらで勝手にやれよ」という感じでしょうね。
 オリンピックの騒ぎを見ていると、暗澹たる気持ちになりますね。この国というのは。


コントロールされているのは情報

――では、1F〔東電福島第一原発〕の状況について伺います。

草野:1Fの危なさは、作業員には、何のアナウンスもされてないですね。だから、一見平穏無事。
 作業現場までバスに乗って行くんですが、そのバスの中に、1号機から4号機までそれぞれどういう状況かということを書いたものが貼ってあります。そこには、「全部大丈夫です」、「4号機のプールは、コンクリートで固めているから、倒れる心配はありません」とありますね。

――それはある種の安全神話ということでしょうか?

草野:そう、その通りですね。「コントロールされている」と安倍首相が言いましたが、それは、情報がコントロールされている、という意味だったんですね。


――汚染水の情報もコントロールされていましたね。

草野:私の見方だけど、東京電力の方は、政府に泣きを入れていたと思うんです。「情報を抑えるのも、汚染水を抑えるのも、これ以上無理」と。でも、政府は「ちょっと待て。選挙控えているんだ。選挙終わったら何とかすっから」と。
 まあ、本当は最初から漏れているんですけどね。だってコンクリートなんかガタガタに亀裂が入っているわけですから。
 だけど、今いちばんの優先事項は、オリンピックのため、アベノミックスのために、安全神話で情報をコントロールすることなんです。人間の命なんか、どうでもいいという考え方があるとしか思えません。

 

今がチャンスとゼネコンが主役

――いま草野さんはどういう作業を?

草野:私の仕事は、地震や津波でやられた機器を点検し修理することです。大きな定期定検は、正常に稼働しているのを止めてやるものですが、それではなく、個々のモノの点検を常時やっています。事故後もそれは変わりません。全面マスク着用だけど、線量はそんなに高くありません。でも除染してないので、埃で内部被ばくするから、全面マスク着用になっています。

――汚染水対策や建屋内の作業などは?

草野:私たちは、その辺には、全然、関わっていません。はっきり言って、今、主役はゼネコンなんです。事故後は。
 私たちみたいに、事故前から作業に入っていて、ある程度原子力の知識のある人間はあまり入れたくないようなんです。それでなのか、重要な部署には行っていません。
 そういうわけで、ゼネコンがほとんどやっている状況です。1Fのところにビルができて、そこにゼネコンさんの看板がデカデカとあります。「がんばってます」みたいな感じでね。
 
――原発が稼働していたときは、ゼネコンは関係ないですね。

草野:稼働していたときは、ゼネコンは関係ないです。事故が起こって、ゼネコンにとっては、今がチャンスなんですね。
 だから、今、立場的には、ゼネコンの方が上です。私たちは、ゼネコンの回りで余っている細々とした仕事をもらっているという感じです。もともと原子力に関わってきた者は、蚊帳の外に置かれていますね。
全国の原発に入っていてノウハウを持っているアトックス〔原発保守管理が専門の会社。本社・東京〕なんかも、入退管理とか、そういう小っちゃい仕事しか任せられていません。やっていることは雑用です。アトックスは、自前のホールボディカウンターも持ってるくらい、いろいろ技術力はあります。だから活躍していると思われるけど、でも雑用です。今なんか、仕事なくて下請けにまで仕事が回らない状態ですよ。
 前に私がいた会社の人たちも、全国の原発の仕事に回っています。浜岡に行ったり、柏崎に行ったりです。

――どういうことでしょうか?

草野:ひとつは、今言ったように、原発のことをわかっている人間は入れたくないという感じがかなりあります。
 それから、昔からの原発関係の会社に比べて、ゼネコンの方が請負の単価が安いという事情はあるでしょうね。
 ゼネコンにとってはおいしい仕事です。降りて来た金を黙って自分たちのところで回せばいいわけだから。要するに公共事業ですから。名前は収束作業だとか言っていますが、単なる公共事業だと思っているんですよ、彼らは。
 以前に大成や鹿島の下で仕事したことがあるから、あの人たちのやり方はわかります。スーパーゼネコンなんて名前は格好いいけど、ただのどんぶり勘定の会社です。田舎のその辺の会社と変わりません。
 それから、もうひとつ言えば、当初で、みんな線量を使い切っているんで、現場に入れないということも大きいと思います。
 私の会社でも、班長クラスは、線量が制限いっぱいいっぱい〔※〕なんで、誰も線量の高い現場に入れないんです。だから他の仕事をするしかないんです。

〔※電離則では、年間50ミリシーベルト以下かつ5年間で100ミリシーベルト以下。また、東電の管理基準で年間20ミリシーベルト以下だが、下請け会社の基準はそれに準じてまちまち〕
  
――それはいずれにせよ収束作業の現場として、かなり深刻なことでは?

草野:そう、かなり深刻ですね。一般の建設現場で働くような人たちが、会社としても、作業員としても、入ってきて、とりあえずやっているということですからね。


東電はただの管理会社

――ゼネコンが主役ということですが、そうすると、東京電力は何を?記者発表をしているのはいつも東京電力ですが。

草野:もともと東京電力には何の技術もありません。東京電力はただの管理会社なんです。書類を見てハンコを押すだけ。だから、管理監督なら、誰でもできます。東京電力の服さえ着ていれば。これまで現場を何とか支えてきたのは、各メーカーの技術屋さんと現場の下請けでなんです。
 今、こういう状況になって、東京電力に何を訊いたって、「いや、あー、うーん」という感じですよ。もともと現場を知らないわけだから、何の発想も出てきません。そういう人たちに、「なんとかしろ」と言ってもどだい無理なんです。
 結局、作業の質は、現場の人間が、どこまで真剣に仕事をやるかにかかっているわけです。

 
東電の態度は「復旧」


 ――事故の前と後で、東京電力の態度に変化はありますか?

草野:何も変わっていませんね。事故が起きたという点だけが違うだけで、後は全くいっしょです。
 強いて言えば、事故直後の3~4カ月ぐらいでしょうか。東電さんがちょっとペコペコしていたのは。でも、そういうのは、すぐに「収束」して、もうとっくに元の横柄な態度に「復旧」しています。
 
――みんながそうですか?

草野:電力さんでも、心ある人はいますよ。でも、そういう人はみんな変な場所に回されてしまいます。私も知っている東京電力の担当者の人も、作業員にも良くしてくれたし、一所懸命だったし。でも今は雑用をやっています。


線量を食うと倦怠感

――給料や待遇はどうですか?

草野:一日で1万1千円です。うちはまだいい方で、もっと下の方になると、5次、6次とか、7次、8次とかもいるから、そうすると5~6千円ですね。

――それはもう福島の最低賃金ですね。危険手当とかは?

草野:周りで知ってる限り、もらってないですね。収束宣言〔2011年12月〕の前から危険手当という名目はなかったです。

――全面マスクという現場に行く場合でも?

草野:関係ないですね。だから、他の仕事をした方がいいんじゃないかと私も考えましたよ。除染にいっちゃおうかなあとか。そっちで1万5千円もらえるなら。全面マスクして、1万1千円はやってられないなと思いますよ。
 でも、なんで除染に行かなかったかというと、除染では、放射線管理が杜撰ですからね。そうすると、ゆくゆくすごい損をしてしまいます。たとえ1万5千円だとしても、相当の内部被ばくをしているわけだから、除染をやった人はそのうちバタバタ行きますよ。
 サージカルマスクをしても、あんなものでは効果は知れてますね。だいたい暑くてマスクなんかしていらないですし。
 結局、除染の現場は、管理されていないから証拠が残らないわけです。私の場合、病気とかなんかあったときのために、証拠を残しておこうと思って、原発に残っているようなものですから。

――ホールボディカウンターの数値は?

草野:毎月、ホールボディカウンターを受けていますが、マックスでだいたい6,000cpm〔※〕です。事故前だったら、6,000なんて大変な騒ぎですね。事故前は800cpmぐらいでした。
 でも、今、6,000という数字が出ているからと言って、何にも問題にはなりません。東電さんがやっているのは、「自分らは、ちゃんとやっていますよ」といういわばパフォーマンスです。作業員の健康を守るため、ではなくてね。企業を守るため、ただそれだけでしょう。現場作業員は使い捨てですから。

 〔※〕〔cpm=カウント・パー・ミニット 1分あたりの放射線計測回数〕

――ご自身の健康状態については?

草野:個人的な感想ですけど、ある程度、線量を浴びた日は、つらい。だるいし、倦怠感が出ます。
 それから、この間、内臓をやられています。医者は酒だと言いますがね。因果関係を証明はできないですから。


労災は自己責任


――被ばくの問題以外に、現場作業での労災は?

草野:そんなもの、昔から、現場でケガをしても、「自分の家でやったことにしてくれ」ということです。労災なんかまず出てこないですよ。よっぽど救急車を呼んだとかということにでもならない限り。

――中小の事故は無数にあるが、全部、隠ぺいと。

草野:隠ぺいというより、出ちゃうと大変なので、会社なり、本人なりが、自分から、「家で転んだ」という風に被ってしまうんです。自己規制、自己責任ということですね。
 労災になると、労基〔労働基準監督署〕が入るでしょう。1週間とか1カ月とか現場が止まってしまいますね。そうなると迷惑がかかるから、「家で転んだ」ということに自分でするんです。ひどい話ですけど。


収束作業はまだ始まっていないような状況

――収束作業の全体の状況を伺います。汚染水対策というのは、前に進むというより、後退を強いられているような事態では?

草野:そうですね、いわば負け戦です。
 
――そうすると、現場は必死という感じですか?

草野:いや、それが、現場は意外と必死ではないんです。まともに考えるともう目も当てられないですから、日々をたんたんと過ごすしかないわけです。

――溶融した核燃料の取り出し開始を前倒しにするという工程表の発表〔今年6月〕もありましたが。

草野:あれは工程表ではなくて、全くの希望ですから。工程表と呼べる代物ではありません。
 収束作業は、実質的には、まだ、始まってないという状況でしょう。
 燃料が溶けたり、再臨界したりしないように、冷やすしかないわけです。それ以外は何もできない状態です。だから、周りを片づけたり、環境を整える作業をしているしかないのです。 
 ところが、そうしていたら、汚染水が管理できなくなって、水で冷やすというやり方自体が、限界にきていしまったわけです。
 それから、溶けた核燃料を取り出すという話ですが、それ自体、ほとんど無理ではないでしょうか。鉛で固めてしまう方がまだいいのではないかと私は思っています。
 
――展望を描けるような状態ではないと。

草野:厳しいですね。深刻に考えていたら、やっていけないんで、与えられた仕事をこなすしかないですが。

――作業員の被ばくが問題です。

草野:そう、例えば、タンク一個をばらすのに一週間かかっていますね。急いでも。組み立てるときよりはるかに時間がかかっています。それはものすごく汚染しているからです。作業そのものが難しいのではなく、線量の問題があるわけです。
 他所から見ている人は、「汚染水、許せない」「早くやれ」と言いますが、実際にやっているのは、東電ではなくて、作業員なのです。
 それが原発というものです。昔から。格好いいのは中操〔※〕だけです。よく資料映像などで、原発はこんなにハイテクでクリーンなんだと、中操の様子を見せたりしますが。でも、あの裏に行ったら、配線一本一本、配管の一つひとつを一所懸命つないでいる作業員がいるのです。もう、究極のアナログ、肉体労働ですよ、原発は。

〔※中央操作室 原発を運転する中心部。中央制御室とも〕


4号機のクレーン操作に日本の運命が

――4号機のプールにある使用済み核燃料の取り出しを11月中旬から開始するとしていますが。

〔4号機プールには使用済み核燃料1331体と未使用の核燃料202体が保管されている。そこに広島型原爆で約1万4000発分の放射性物質(セシウム137換算)が含まれているという。東京電力は、2014年末まで作業は続くとしている。その後、2015年9月頃から、隣りの3号機プールの使用済み核燃料の取り出しを目指すとしている〕

草野:これは、リスクのある作業です。汚染水のレベルではないですよ。汚染水はまだ流れているだけですから。それ自身がすぐに何かを起こすわけではない。海に溜まっていくだけです。それはそれでのちのち深刻な問題なのですが。
 だけど4号機プールの使用済み核燃料は、そもそも事故のとき、アメリカをはじめ、全世界が震撼していた問題です。福島だけじゃなくて東京が飛ぶかもしれないと本気で危惧されたものです。
 だから、失敗が許されないのです。
 
――汚染水タンクの問題が明るみに出るまでは、やはり安全神話があって、そういう基本的なレベルでの破綻や失敗はないだろうと思われていましたが。

草野:4号機の作業で、タンクのときと同じレベルの人為的なミスや技術上の問題が起こったとき、汚染水のように「漏れてました」という具合では済まされませんね。起こることは、そういう比ではないですから。
 水の中でキャスク〔特殊な容器〕に入れて、密閉して釣り出すというのですが、果たしてうまく行くでしょうか。プールはガレキで埋まっているし、燃料集合体だって壊れているかもしれません。
 水の中にあるうちは、まだいいのです。遮蔽効果があるからですね。釣り上げて、外に出したときが危険です。例えば、この間のようにクレーンが倒れたりするわけですよ〔※〕。そういうことが起こって核燃料が露出してしまったら。もう、近くにいる人間は即死するぐらいの線量です。一気に命の危険にさらされます。

〔※9月5日に発生。3号機のクレーンのアームが中央付近から折れ曲がった事故〕

――さらに地震や津波の再来や竜巻の襲来ということも考えられますね。

草野:そう。地震や何かで、冷却システムが故障したり、プールにヒビが入って水がなくなるということだって、可能性としてはあります。もし、水がなくなったら、核燃料がむき出しになって、温度がどんどん上がり、大量の放射性物質がまき散らされてしまいます。
 そうなったら、作業員も、もう現場から退避せざるを得なくなります。あるいは決死隊になってしまいます。それが、チェルノブイリで起こったことでしょう。東京まで避難になります。

――使用済み核燃料の取り出し作業が1~4号機全部で10年ぐらい続くとしていますが。

草野:気の遠くなる作業です。その間、一回の失敗もないなんて、この間起こっていることを見ていたら、難しいでしょう。また、10年の間、地震も津波も竜巻もないという保証もありません。


――作業員の確保の問題もあります。

草野:そうですね。個人的には、これだけのクレーン作業を扱える技術者が集まるだろうかと思っています。
 遠隔操作はできないでしょう。この間のプールのガレキ撤去作業で、1日の被ばくが2ミリシーベルトとかいっていますね。すごい被ばくです。線量の高いところに、クレーンで行かなければなりません。作業時間が限られます。そうすると、ものすごい人数がかかるわけです。しかも技術がないといけません。
 だから、作業員の確保というところで、限界にぶつかるかも知れないと私は思っています。

――深刻な危機と隣り合わせで進むわけですね。

草野:そうですよ。だから、オリンピックだとかと言って、浮かれている場合ではないわけです。4号機で、釣り上げて一本ダメにしたら、もうそれで終わりになってしまう。クレーンの操作に、日本の運命がかかっている。そう言っても過言ではありません。その間に地震が来ないことを神に祈るしかないのです。非科学的ですけど。
 でも、皆さん、祈りませんね。アベノミックスで景気がよくなるかどうかなんてことしか話題にしていないですね。

――何が必要でしょうか?

草野:不発弾を処理するとき、半径何メートルって住民を避難させてからやるでしょう。せめて、子どもを避難させるとか。そこから行けば、すべての答えが出ると思うんですが。でも、そんなことは誰も言わないですね。
 とにかく、子どもはいったん逃げてほしいです。私は、最後までいるつもりです。どのくらいまで見届けられるかというのはありますけど。


――ところで、いわき市にいると、いろいろな問題が見えてくると思いますが。

草野:そうですね、まず、国民をバラバラにする政策ですね。

――具体的にはどういうことですか?

草野:例えば、東電の賠償をもらっている人ともらっていない人との差がすごいです。
 避難区域で、東電関係の会社をやってた社長さんなんか、売上げの何十%がもらえて、さらにあれやこれやですごい額になっていると言います。そういう人たちは、被害を受けても余裕綽々です。でも、他方で、何にも知らないお年寄りなどは、賠償の請求の仕方もわからないという状態です。農家の人たちだって、途方に暮れている状態です。でも、外から見たら、全部、同じように賠償をもらっていると見られています。
 いわきでは、たしかに新車が増えているし、道も混みますね。2万4千人ぐらいでしょうか、避難してきている人は。ゴミの分別の仕方とかわかんなくて、そういう事細かなことから、いわき市民との間で軋轢が生まれています。

――しかし、本当に文句を言わなければならない相手はそこではないと。

草野:そうなんです。そういう風にしたのは誰なんだということが問題なのですが、それをみんな忘れているわけです。
 身内で争っている場合ではないでしょう。どうしてこうなってんだ。こういう状況にさせたのは誰なのか。そういう東電を野放しにしている国ってなんなのって。そこを見失っているように思います。
 
――参院選では福島でも多くの人が自民党に投票しました。

草野:個人的な見方だけど、未だに、面倒を見てもらっているという感覚があるのではないでしょうか。被害者なんだけど、賠償なり、復興なりで、面倒を見てもらっているという感覚です。もともと自民党が原発をやってきたことは分かっているはずなのに、目先のことしか見えていないんです。

――政治の次元ではなく、もう少し根本的なところで変化が必要だということですね。

草野:簡単には変わらないでしょうね。変われるなら、こんなに原発は出来てなかったでしょうから。原発を持って来れば豊かになるとか、若い人が戻るとか言ってきましたが、結局この様です。なのに、未だに、原発がダメなら次は何をもってくるかといった発想になってしまう。再生可能エネルギーを持ってきたとしても、その発想のままでは変わらないんです。そういう発想をしているうちは、田舎はダメでしょうね。儲けを持っていくのは結局、ゼネコンや大企業であり都会なのですから。

――建設過程で一時的に景気がよくなるだけですね。

草野:そう、終わったら何もありません。
 原発ができたときも、お蔭で出稼ぎがなくなったと言っていました。たしかに仕事があるときはいいけれども、仕事がないときは、結局、みんな全国の原発を回っているのです。私も、1年のうち半分も家にいませんでした。定検、定検で回っていますから。これは、形を変えた出稼ぎではないのでしょうかね。

――原発問題を考えるとき、都会と地方という問題に目を向ける必要があるということですね。

草野:都会の人は、原発がいいとか悪いとかということを、一刀両断できますね。単に電力を消費している側ですから。しがらみもないでしょう。だから反対するのも簡単です。
 でも福島など原発のある地域ではそうは行かないのです。その感覚というのはなかなか説明しても分かってもらえないのですが、そこが一番の問題なのです。
 家族や親戚の中に、東電の社員はいるはし、下請けの社員もいる。高校で成績いいのは東電で、悪い奴は下請けで。じいちゃん、ばあちゃんも、畑や漁のないときは原発に働きに行く。そういう具合ですから。
 本当に恐ろしいですね。原発による丸抱えです。田舎の弱みに付け込んでいるという感じですね。
 

あの時代といっしょ


――「復興に向かっているんだから、健康被害だとか、東電の責任とか、国の責任とか、そういうことは言うな」という空気もありますね。

草野:私の友だちが、子どもいるから心配で、ある施設に行って、「放射性物質の検査はどうなっているんですか」って聞いたら、その施設の検査が十分でなかったらしいのです。そこで、その人が、フェイスブックにそのことを書いたのですが、そうしたら、「そんなこと言ってんじゃねえ」と、メッセージが送られて来て、脅されたという話がありました。
 いじめの構造と一緒で、声の大きい連中の仲間に混ざらないと、自分に被害が及ぶという恐怖感があります。だから、とりあえず強い方に混ざっておくということになります。それがいやだったら、もう何も言わないでおくしかありません。疑問や危機感をもっている人にものを言わせない力が働いていると思います。
 あの時代といっしょですよ。かつて戦争のとき、戦争反対と言えなかったでしょう。終わってから、「自分は、反対だった」と言った人はそれなりにいましたが、それでは遅かったわけです。
 いまそれと同じ状況じゃないですかね。本当に恐ろしい。ああ、この構造って変わってないなと思います。 (了)」

http://fukushima20110311.blog.fc2.com/blog-entry-89.html

日経の-意図的?-大誤報/柏崎原発再開問題

2013-09-28 21:21:48 | 原発
まず日経の社説をどうぞ。

「 東京電力は新潟県の柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。難色を示していた泉田裕彦知事が条件付きで申請を容認した。東電は規制委の審査をへて来春にも再稼働をめざす。

 東電の厳しい経営状況を考えれば、今回の申請自体は理解できる。同社は実質的に国有化された後も経常赤字が続いている。経営計画に盛った柏崎刈羽の再稼働が実現しないと、金融機関からの資金調達に支障をきたしかねない。電気料金の再値上げも避けられず、消費者への影響も大きい。

 だが地元自治体の理解を得るのに時間がかかり、規制委への申請手続きが遅れたことを、東電は教訓とすべきだ。東電は同原発の改修工事を地元への説明が不十分なまま着手した。これが地元の不信を募らせ、事態をこじらせた。

 同原発の再稼働には、地元の理解と協力が大前提になる。東電は安全対策を粘り強く説明するとともに、事故が起きたときの自治体との連携体制や住民を安全に避難させる計画づくりなどで全面的に協力し、信頼確立を急ぐべきだ。

 泉田知事が東電に求めた申請の条件には、疑問が残る点がある。重大事故が起きたとき、放射性物質を外部に放出するフィルター付き排気(ベント)の実施に、県の事前了解が必要としたことだ。

 重大事故への対応は一刻を争うだけに、それで迅速かつ適切な初動ができるのか。電力会社と自治体が結ぶ安全協定には、何を対象とするかや法的な拘束力をめぐり議論がある。国も関与して安全協定のルールづくりが必要だ。


 規制委も同原発の審査を厳格に進めるべきだ。周辺は中越沖地震など地震が多い場所だ。直下に活断層はないか、近くの断層が動いても耐震性は十分かなど、科学的な根拠を踏まえて慎重に審査し、包み隠さず公表してほしい。

 国による東電支援のあり方も見直しが避けられない。今回の申請でも東電の当面の資金繰りはなお綱渡り状態が続く。福島原発で深刻な汚染水漏れがおき、廃炉の費用は巨額にのぼる。周辺での除染の費用も東電の負担になる。

 廃炉や除染をめぐり、国と東電の役割を改めて明確にすべきだ。原子力損害賠償支援機構を通じたいまの東電支援は限界にきている。柏崎刈羽原発の安全審査に併せて、国はこの問題に真剣に向き合うときだ。」

(http://www.nikkei.com/article/DGXDZO60327250Y3A920C1EA1001/)

 赤字の部分は全くの虚構を書いている。
 
 新潟県が公式に出した以下のコメントをみていただきたい。

 「平成25年9月28日付 日本経済新聞2面社説について  2013年09月28日

 本日、9月28日付けの、日本経済新聞社説において、

 「泉田知事が東電に求めた申請の条件には、疑問が残る点がある。重大事故が起きたとき、放射性物質を外部に放出するフィルター付き排気(ベント)の実施に、県の事前了解が必要としたことだ。事故時の対応は一刻を争うだけに、それで迅速かつ適切な初動ができるのか。」

との記載がありますが、新潟県が条件とした事項は、了解が得られない限りフィルタベント設備の運用開始ができない、という趣旨であり、実際に事故が発生した際の個別の対応に、県の了解を得るよう求めたものではありませんので、修正していただくよう要請いたしました。

本件についての問い合わせ先  原子力安全対策課長 須貝 025(280)1690(直通) 025(285)5511(内線6450)」

(http://www.pref.niigata.lg.jp/genshiryoku/1356769499833.html)

 明らかに新潟県が非常識な対応を求めたかのように書いている。

 もしこれが事実誤認に基づくものならば、担当の論説委員はまともに新潟県と東電のやり取りを確認せずに社説を書いたのではないか、といわれても仕方ないであろう。

 そうでなければ明らかに、国の方針や東電のやり方に異を唱えてきた新潟県知事を貶める世論操作の一環だという疑念が生じる。

 日本経済新聞社はどう考えているのか。

 きちんと答える責任があるように思う。

泉田知事インタビュー

2013-09-28 18:18:39 | 原発

「泉田知事、インタビューのあと、「ここまで言ったら危ないかも」と呟いた。:岩上安身氏」 9/7 書き起こし「晴耕雨読」氏から

岩上「インタビューを申し込んだのは知事の発言に注目が集まっている。順を追って論点を整理し、一通りお話をうかがいたいと思います。福島第一原発の問題、2007年の中越地震の時からお話をいただきたいと思います」

泉田知事
2007年の火災事故について、震度6強の地震が起きた。道が通るか、という問題。また、地盤沈下を起こした。これによって変圧器がショートして火災。東電の消防隊は水をかけることができず避難した。
地震が起きて火事が起きる。トラブルが起きるということ

岩上「消火栓はあったが、消防車がなかったと」

泉田知事
建屋とフィルターベントの施設を一体化させてほしいということ。これについて説明がされてない。
安全協定を破って安全審査申請をしたいと東電は言ってきた。
2007年の時は一体化するから大丈夫と言っていたのに、現在は離れていても大丈夫と言ってきている。
配管がはずれれば生の放射能が拡散すると

福島事故の本質は、津波でも電源喪失でもない。これはきっかけでしかない。
冷却機能の喪失ということ。
常時冷やしておかないと2時間でメルトダウンを起こす。
原因が津波だろうと地震だろうとテロだろうと同じ」

止める、冷やす、閉じ込めるが本質。
放射能を大量にばら撒いたのは2号機。その理由は格納容器が壊れたから。
中の圧力が高まったため、水が入らなかった。
だからベント、排気をするということ

アメリカではフィルターベントが義務付けられていない。
ベントの前に圧力を下げられるよう、事故が起きたらアメリカ軍が2時間で到着し、冷却を行う仕組みになっている。なので、ベント設備を作らなくてもいいという考え。

規制委員会が作った規制基準。これは原発の性能基準になっている。
いざ、事故が起きた時に対応する仕組みがない。規制委員会の田中委員長は『最低限の基準』と言っている。東電に聞くと『経営問題』だと」

廣瀬社長は汚染水問題で『3.11の教訓を学べなかった』と言った。そのような会社を信用できますかということ。
アメリカのスペースシャトル墜落事故は、組織面もルールも変えて対策をとって了解を得たと。

2時間でメルトダウンすることを運転員は知っていたのだから、冷やすことを確認すべきだった。
なぜうやむやになったのか。気が付かなかったのか、対応できなかったのか、なんら説明がない。
これを立地地域がどう思うか。

事故調もいろいろあるが、一番客観的だった国会事故調の報告も、その後国会で引き継いでいない。
原子力規制委員会設置法4条2項に関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し、とある。
規制委員会には勧告する権限がある。
メルトダウンについて、誰が嘘を言ったのかを東電は説明する必要がある。
誰かが指示した。それを確定するべき。

岩上「刑事告発されても誰も罰せられない状況があるますが」

泉田知事
誰も責任を取らない、真実を言わない、罪にならない。
日本の制度自体を見直し、刑事罰を課すことも必要ではないか。
福島では何があったのか、検証し、総括して改善しなければ、私たち人類の危機。

中越地震を経験して、歴史に恥じない決定をしたいという経緯がある。

岩上「原子力行政、経営のありかたについて、提言する方法はお持ちですか」

泉田知事
新潟県だけ唯一、技術委員会を持っていて検証作業を行っている。

岩上「経営では東電は赤字転落必死なので柏崎刈羽を動かすと言ってますが」

泉田知事
でもこれは破綻処理の原因にもなりうる。あとは免震重要棟。2007年の時はホットラインがつながらなかった。
『知事、もういいんじゃないですか』と言われたが、ここで黙ったら人類に対する裏切りだと思った。
免震重要棟を作ってもらって、結果的に新潟だけにあるのはおかしいということで、福島にも3.11の半年前にできた」

安全対策をする重要な根拠は、日本のプラントを海外に輸出したときに、日本が責任を取らなければならないことになる。
使用済み核燃料もどうするのか、後世にツケが残る。目の前のことが心配なら破綻処理すればいい。

岩上「原子力行政のあり方は戦争と似ている」

泉田知事
その通り。
アメリカは被弾することを考えて、それを考慮した戦略をたてたが、日本は全く考えていなかった。
日本の意思決定の問題。

岩上「54基の原発が標的になるかもしれないと委員会でとりあげられたこともあったが、『そんなことも考えなきゃいけないの』となって、そのまま消えてしまった」

泉田知事
思考停止してるんですね。

岩上「ヤマザクラ作戦でも、統合エアシーバトルでも、原発が標的となって被弾することを全く想定されていない」

泉田知事
もともと原発は原子力潜水艦を大きくしたようなもの。3.11で米軍は初期段階が大事だと分かっていた。
なぜその手を借りなかったのか。民間事業者による対応も日本はしていなかった。
原発の意思決定をする人が原発のことを知らないのは困ると。武藤さんが(※技術の)トップだったけど副社長だった。

社長と連絡が取れない中で5000億飛ばすけど海水を入れる指示があなたにできましたか?と武藤さんに聞いたら、『できません』という回答だった」

岩上「日本が戦場になるかもしれない。敵地攻撃を防衛相も言っている。軍事的なエスカレーションの高まりもありますが」

泉田知事
秘密だから原因説明しなくていいということにはならない。スペースシャトル計画で爆発事故は原因究明された。軍事機密だから言えませんということにはならない。
なぜ事故が起きたのか、これを追求するのは規制委員会のはず。
委員の中に地方行政を分かっている人が一人もいない。
アメリカのNRCでは海軍が入っていて原子力対策について非常に強固なものになっている。

原発はアメリカの世界戦略。
結果として原子力の平和利用が始まったが、核兵器転用の副産物だった。処理も日本が負わされている。
日本が主権国家として意思決定をできているか、疑わしい。
事故の責任を現場に押し付けている。

ソ連崩壊の原因はチェルノブイリ事故だったと。
核戦争をやればその後の放射能の処理をどうするのかということを想起させた。被害は全て住民にきてしまうことを考えた上で議論すべき。
 …………….
岩上:
泉田知事、インタビューのあと、「ここまで言ったら危ないかも」と呟いた。

「消されたり、自殺したり。でも、僕は自殺しませんから。遺書が残っていても、自殺ではない。
もし僕が自殺なんてことになったら、絶対に違うので調べてください」と言われた。


そんな物騒なことにならないことを心から祈る。」

http://bator.blog14.fc2.com/blog-entry-1920.html

かくし、うそをつく東電-遮水壁費用

2013-09-13 15:40:02 | 原発
「東電、費用公表に難色 「四方遮水壁 1000億円規模」

2013年9月3日 夕刊


 東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民らでつくる福島原発告訴団は三日、東電が汚染水対策として原発地下の四方に遮水壁を造るのが「最も有力」と位置付けながら、一千億円規模の費用や着工時期を公表しない方針を記していた内部文書を入手したと発表した。遮水壁は結局、海側にしか設置されていない。 

 告訴団は同日、汚染水漏れは管理のずさんさが招いた公害だとして、この内部文書のコピーなどを添え、公害犯罪処罰法違反容疑で東電幹部らの告発状を福島県警に提出した。

 告訴団によると、入手したのは原発事故から約三カ月後の二〇一一年六月に、東電から政府側にあてた内部文書という。発電所の四方に壁を造って遮水する「地下バウンダリ」という対策について、基本仕様や記者発表の対応方針が書いてある。

 このうち「基本仕様について」と表題のある文書は、1~4号機原子炉建屋などの地中の四方を囲む遮水壁の工事は設計がまとまり次第、着手する予定とし、「高濃度の滞留水(汚染水)をこれ以上海洋に流出させないために、『後追いにならない備え』とする」と明記している。

 だが、併せて作成されたとみられる記者発表に関する文書では、遮水壁は設計次第で一千億円規模の工事費がかかる可能性があり、「仮に一千億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいたとの厳しい評価を受ける可能性が大きい。是非回避したい」と記述。発表する際は着手時期や費用を「今後の調査・設計次第で不明」とする方針を伝え、政府側に理解を求めている。

 地下の四方に造るはずだった遮水壁は海側にしか造られず、東電側はこの設置費も公表していない。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は先月の会見で「建屋地下の汚染水は地下水位との微妙なバランスで管理している。不用意に陸側に壁を造ると、バランスを崩す恐れがあった。技術的側面の判断で、決して予算面での判断ではなかった」と強調していた。
 東電はこの文書について本紙の取材に回答せず、告発状については「コメントは控える」としている。」

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090302000238.html

新潟県知事へのインタビュー/田中龍作

2013-09-11 20:44:24 | 原発
「 「再稼働に反対していると、第2の佐藤栄佐久氏になるのではないか、と思ったりしないか?」 きょう新潟県庁で持たれたフリーランスを含めたメディア懇談会で、筆者は泉田知事に質問した。

 「ありますね」。知事は間髪を入れず答えた。「車で後を付けられた時は気持ちが悪かった」と振り返った。

 東電福島原発のプルサーマル計画に反対していた佐藤栄佐久前福島県知事は、実弟が営む縫製会社の土地取引に絡んで収賄罪で逮捕、起訴された。収賄金額がゼロ円という不思議な汚職だった。国策捜査のはしりでもあった。
 
 泉田知事は御多分にもれず原発推進勢力からネガティブキャンペーンを浴びている。経産省時代の同僚だった古賀茂明氏は「経産省や規制庁の役人が『泉田変人説』を流布している。デマだ」と週刊誌上で明かした。原発推進派のジャーナリストたちがこの「変人説」に基づくデマを喧伝しているのを目にすることがある。

 ネガティブキャンペーンで下地ができていれば、検察も動きやすい。「小沢潰し」を狙った陸山会事件が格好の例だ。

 自身に対してなされているネガティブキャンペーンについて、クラブ外の記者から質問された知事は次のように答えた―「現実に何が問題かを聞かれた時、それには答えないで、ネガキャンを張られるのは本当に残念」。

 メディア懇談会に出て感じたのは、泉田知事が地元記者クラブとしっくり行っていない、ということだった。

 再稼働に慎重だった鉢呂吉雄経産相(当時)は「死の街発言」で記者クラブの言葉狩りに遭い、さらには「放射能つけちゃうぞ」を記者クラブから捏造された。そして辞任に追い込まれた。

 新潟県の泉田裕彦知事は、自治体の長として住民を守る立場から、東電の安易な柏崎刈羽原発の再稼働に異議を唱える。同原発があわや大惨事となりかねなかった中越沖地震(2007年)の際の政府や東電のズサンな対応が頭に焼き付いているからだ。

 国家権力をも支配下に置く原子力村は、再稼働のためならあらゆる手立てを講じてくるだろう。泉田知事が第2の佐藤栄佐久知事にならないように権力を監視していくことが大事だ。」

http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007840

泉田知事へのインタビュー記事 「原発に関しては歴史に恥じない判断をした」

2013-09-09 17:56:49 | 原発

「「中越沖地震を経験して、歴史に恥じない決断をしたいという経緯がある」

 新潟県柏崎刈羽原発の再稼働問題で、東京電力の安全審査申請について了解しない方針を貫き、その発言が関心を集めている泉田裕彦新潟県知事へ7日、岩上安身がインタビューを行い、福島第一原発事故を始め、2007年の新潟県中越沖地震の際の対応や、原子力行政のあり方について、詳しくお話をうかがった。


 2007年の中越沖地震では、最大1.5メートルが地盤沈下し、これにより変圧器がショートして火災事故が起きた。事故の教訓から、泉田知事は「建屋とフィルターベントの施設を一体化させてほしい」と要請しているが、これに関して規制委員会からの説明はないままだという。また、地震の影響でホットラインがつながらなくなったことを受け、周囲に止められながらも「ここで黙ったら人類に対する犯罪だと思った」として免震重要棟を作り、3.11の半年前には福島にもできたことで、最悪の事態を免れたことを吐露。「もしその時に作っていなかったら、東京には人が住めなくなっていたかもしれない」と語った。

 福島第一原発事故の本質について、泉田知事は、「津波、電源喪失はきっかけでしかない。(本質は)冷却機能の喪失」だとし、「止める、冷やす、閉じ込める、これが本質論」だと解説。これに関連して、アメリカでは原発事故が起きた際、軍が2時間で駆けつけて冷却を行う体制が整っていると指摘した。しかし、これに対して日本の規制基準は、「原発の性能基準だけになっている。いざ、事故が起きた時に対応する仕組みがない」と、規制基準が安全性を高めるための基準になっていないことを批判。「事故が起きたらどうするのかを全く決めないで『安全だ』と言う状況で、(東電が)責任を果たせるのか極めて疑問」だと不信感をあらわにした。

 原子力規制委員会設置法4条2項には、「関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し」とあることから、泉田知事は「規制委員会は政府に勧告できる。なぜ事故が起きたのかを追求するのは規制委員会のはず。田中委員長にはちゃんと答えてもらいたい。答えないのは原子力ムラとつながっているからでは」と疑念を示した。加えて、「原因が何だったか分からない。みんな悪かったねでは済まない。メルトダウンについて、誰が嘘をつけと言ったのか、東電は説明する必要がある」と語気を強め、「誰も責任を取らない、真実も言わない、原因もうやむや。日本の制度自体を見直し、刑事罰を問うて積極的にやっていくことも必要ではないか。福島では何があったのか、どこが問題だったのか、社会的な意思決定、制度の問題も明らかにした上で改善しないと、我々人類の子孫は生存の危機に直面する」と警鐘を鳴らした。

 泉田知事はさらに、安全対策をする重要な根拠として、「日本のプラントを(海外に)輸出して事故が起きたときに、日本が補償する仕組みになっている。使用済み核燃料もどうするのか、これからは引き取ることが前提の契約になるはず」と指摘し、「後世にツケが残ることになる。目の前の電気料金のことが心配なら破綻処理すればいい」と主張した。

 「原子力行政のあり方は日本軍とよく似ている」との岩上の指摘には、「その通り」であるとして、「日本の意思決定の問題。一億総懺悔ではない。責任者はいる」と、日本の体質を厳しく断じた。岩上の「秘密保全法など、情報が開示されない社会になっていくのでは」という問いには、「秘密だから原因を説明しなくていいということにはならない」とし、アメリカのスペースシャトル事故では原因究明がされたことを挙げて、「軍事機密だから言えませんということにはならない」ことを紹介した。

 終盤、岩上が日本に原発が作られた背景を質問すると、泉田知事は「原発はアメリカの世界戦略。結果、原子力の平和利用として始まったが、核兵器展開のための副産物だった」と述べ、「日本が主権国家として意思決定をできているか、疑わしい」と、日本の意思決定能力の欠落にも言及。今後の議論として、「日本は事故の責任を現場に押し付けている。放射能の被害は全て住民にきてしまうことを考えた上で議論すべき」との見解を示した。
(IWJ・安斎さや香)」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/100574

福島のウソ/東電出身医師の講演

2013-08-09 18:49:50 | 原発
「 「目からウロコ」とはこのことだ。原発事故をめぐってマスコミが真実を報道せず、政府がウソをつき、専門家が的外れな解説をしていることがよく分かる。元東電技術者にして医師の@onodekitaこと小野俊一氏がきのう都内で講演した。

 東大工学部を卒業後、東京電力に入社した小野氏は、福島第2原発に配属された後、本店の原子力技術課(安全グループ)に勤務した。7年間の東電勤務で身をもって知ったのは、原発安全神話がデタラメで、原発の発電コストは火力・水力と比べるとズバ抜けて高いということだった。

 チェルノブイリの事故後、日本の新聞と電力会社は「日本の原発には、格納容器、鉄筋コンクリートの建屋があるので、チェルノブイリのような事故は起きない」と吹聴していた。

 ところが当時、東電ではシビアアクシデント対策でベント配管の増設が、検討されていたのである。いくら格納容器があっても内部の圧力が高まれば爆発する(実際、福島の事故はそうなった)。格納容器があるから放射能を環境に放出することはないというのはウソであることが分かった。事故時にはベント配管から放射能をまき散らさない限り、事故の収束は図れないのである。

 原発の発電コストが他に比べて高いことは、福島の事故後、立命館大学の大島堅一教授などが明らかにした。だが、小野氏はそれより20年以上も前から知っていた。入社早々、先輩から教えられたのである。

 「高いに決まってるだろ。安いはずがないだろ。そんなの当たり前だ」「放射線管理区域があるだろ。効率は悪いし、被曝はするし、一つ一つの機器も火力と比べると倍以上するんだぞ。これで安かったらおかしいよ」。

 小野氏が在職中の東電社内資料によると1kwh発電するのに福島第一原発は15円を要した。火力は2~3円。(1995年頃)

事故発生から間もない頃、記者会見する武藤栄副社長(当時)。小野氏が原子力技術課時代、直属の上司(課長)だった。=2011年3月22日、東電本店 写真:筆者=
事故発生から間もない頃、記者会見する武藤栄副社長(当時)。小野氏が原子力技術課時代、直属の上司(課長)だった。=2011年3月22日、東電本店 写真:筆者=

 事故で飛散した放射能の量は、チェルノブイリの方が、福島よりも多いとの説がある。東電や規制機関がこの説をとる。小野氏は おかしい と指摘する。

 「福島は4基で出力は280万kw、チェルノブイリは1基で100万kw」というのが主な根拠だ。しかも福島の場合、3号機は使用済み核燃料プールも損傷していると見られる。稼働から40年の福島原発は、稼働わずか3年のチェルノブイリ原発よりも放射能で汚れていることも加味しなければならない。
 
 飛散した放射能が多いほど当然、環境は汚染される。

 チェルノブイリの最汚染地帯であるナロブリャ地区ドゥリャドイ村は1,850万ベクレル/㎡で、大熊町東平は3,000万ベクレル/㎡(両者ともセシウム137)。大地も福島の方がはるかに汚染されているのだ。
  
 「外部被ばくと内部被ばくは同じ」とする御用学者もいる。だが小野氏は「ヒーターの前で体を温める(外部被ばく)のと、灼熱した石炭を食べる(内部被ばく)くらい違う」と指摘する。

 マスコミがほとんど報道しない動植物の畸形についても、小野氏は福島県浪江町で見つかった「耳なしウサギ」なども写真つきで紹介した。「畸形は地震の揺れによるストレスが原因とみられる」とする御用学者の珍説も加えて。
 
 東電技術者として原子力発電に携わった小野氏の“内部告発”は、迫力満点で、講演時間の60分はあっという間に過ぎた。医師として指摘する内部被曝の危険性は説得力に富んでいた。

小野氏は今後の見通しを次のように示す―
●人類には原子の火を止めることはできない。
●今後も再臨界を何度も起こす。
●収束方法は誰も知らない~汚染水処理施設などこの世のどこにもない~

 絶望的な状況なのだが、小野氏はそれでも「あきらめたらお終い。イナゴの精神で戦い続けよう」と私たちを励ます。イナゴ(の群れ)は一匹、二匹殺しても止まらない。全部殺さなければならない。

 ◇
本稿は小野氏の講演を基に近著『フクシマの真実と内部被曝』を参考にして執筆しました。」

http://tanakaryusaku.jp/2013/08/0007660