アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

不思議で奇妙、かつ治癒的な映画2本、「タッチ・ミー・ノット」&「サイコマジック」

2020-07-23 11:24:59 | 日記

苗から育てた百合、綺麗に咲きました!

雨が降ったり止んだりする中、キャンプを楽しんでいるらしい娘は、今晩帰ってきます。


久々に外食しました。念の為テラス席で(笑)

娘がいない間に(鬼の居ぬ間に・・・笑)、気になっていた映画「タッチ・ミー・ノット」と「サイコマジック」を続けて見ました。


イメージ・フォーラムほか上映中。配信でも見れるようです。

「タッチ・ミー・ノット」の公式サイト
http://tmn-movie.com/#top

どちらもセラピーを描いていて、まあ、万人受けするタイプの映画ではないでしょうが、私はどのシーンも目が離せず、深く感動して、癒されたのでした。


ネットより引用。「タッチ・ミー・ノット」のシーンから

「タッチ・ミー・ノット」は、新体験の「カウンセリング・ムービ」と宣伝されており、一言で言うと、50歳の主人公ローラが、いろんなセラピーや人との出会いの中で癒されていく様子を描いた映画なのですが、その出会いとは、公式サイトを引用すると「欧州で実在する障がい者やトランスジェンダーなど、“マイノリティ”と呼ばれる人たちの“性”生活にカメラを向けた衝撃作だ。〈現実〉と〈虚構〉が入り交じりながら、赤裸々に描かれる彼らの自由な生き方」との出会いなのです。


ネットより引用。「タッチ・ミー・ノット」のシーンから。

でもね、別に「政治的な正しさ」を前面に出した映画じゃないのですよ。政治性を乗り越えて、人間性、もっというと魂を見せつけられる
映画です。裸がたくさん出てきて、性的表現も多いんだけど、それはエロティシズムを追求するというよりは、もっと人間そのもの、人間の業みたいなものを静かに浮かび上がらせ、そしてそれを優しく受容することでもたらされる安らぎがある・・・っていうとわかりにくいですね(笑)。

少しずつ少しずつ、氷が溶けていくように視線を通じて、肌に触れることで、あるいは文字通り裸になって触れ合うことで、自分を感じ、相手を感じていく・・・。そのプロセスで離別の苦しみ、恐怖、怒りなどを実感し、受け止めて、癒されていく。

静謐でありつつ強烈な映像、時に不安を掻き立てる音楽や「メラ、メラ、メラ、メラ、メランコリアー」とアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンの耳から離れない歌声、普通の映画というよりは、現代アートとして捉えた方がわかりやすいかもしれないこの映画、何か新しい映画体験をしたい方、表面的でない癒しに興味のある方にはおすすめです!


アップリンク渋谷などで上映中。

そしてもう一つの映画「サイコマジック」も、面白かった!
「言葉を超越した癒し!究極の映画体験」という謳い文句のこの映画、「セラピーとその効果」みたいな構成で、合間に自分の過去の作品を引用しており、「そうか、ホドロフスキーの映画は全部サイコマジックだったのかあ」と納得させられ、「タッチ・ミー・ノット」よりはかなりとっつきやすいかもしれません(笑)

「サイコマジック」の公式サイト
https://www.uplink.co.jp/psychomagic/


ネットより借用。「サイコマジック」のシーンより。

ホドロフスキーが、実際にとあるカフェで、無料でいろんな人の悩み相談をしていたそうです。話を聞いて、その人その人に応じた「レシピ」を
作って、提供する。それをやるのは本人だけ。すぐにやっても、何年経ってからやってもいい。ただしレシピは変更しない。そしてレシピを
実行したら、そのあとに効果などの手紙をホドロフスキーに送る、というのが唯一の条件。そこでたくさんの手紙が寄せられ、それらは2019年の「あいちトリエンナーレ」で展示されたとか。



映画の中でいろんな「処方箋」(レシピ、ともホドロフスキーは呼んでるようです)が紹介されていて、その効果を見せるシーンもあります。中には笑っちゃうようなものもあるんですが、「サイコマジックでは、うちなる世界にあるもの(記憶)は、外の世界のものとは違う」と考えるホドロフスキーは記憶、無意識に直接訴えかけ、記憶を変化させるような処方箋をカスタムメイドしている。

すでに存在しているセラピーみたいなものから、奇抜なものまで、さすがアーチスト、観察力、洞察力、創造力が爆発してます!

癒すためのアート、という言い方が出てきます。もちろんアートはそれだけのものではないけれど、表現アートセラピーを勉強した私は、言葉を使って探るより、非言語的な表現、アートで探った方がより深く入り込めることがある、と感じています。

ホドロフスキーの映画って、キッチュでシュールでシンボリズムに満ちていて、不思議な感覚になるのですが、それは無意識に訴えかけるサイコマジックだったのかあ、と納得しつつ、最後に出てくる、個人対個人だけでなく、たくさんの人、公を扱ったソーシャル・サイコマジックは不思議さを超えて、圧巻です!


ナスの料理、美味しかった〜!

91歳の御大ホドロフスキー、今は自伝的映画3部作の最新版を制作中とか。いやあ、すごいわ!

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