アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

映画「マミー」で心が叫んだような。

2015-05-22 01:29:57 | 日記
「マミー」という映画、前に見た同じ監督の「わたしはロランス」以上に、ぐさぐさと心を掴まれ、圧倒され、思ってもみなかったところにあった水源を
刺激されたように涙が一時止まらなくなりました。


母と息子の愛の物語。

舞台は架空のカナダで、障害児を親が施設に法的手続きなしにいれてもいい、という法律が制定されたあとのこと。
多動症で過激に暴力的になる息子が、放火事件を起こして施設を追い出され、失業して掃除婦などのパートタイムをしながらどうにか生計を
たてているシングルマザーの母親とふたりで暮らすことになり、深い愛情がありつつも、激しく衝突しあう生活が描かれます。
近所に住む、おそらくトラウマで吃音になり、教師を休業中の主婦が、この親子に関わりはじめ、一見自体は好転するように見えますが、なかなかそうもいかず・・・。ネタバレになるので、この辺でやめておきます(笑)

最後の最後のシーンでは、いきなりの希望、自由があり、そこで終わる、とだけ書いておきますね。


主人公の男の子、スティーブ。

母と息子のあまりにも激しい愛情と葛藤。ジェットコースターの毎日。だからこそ、一瞬の安らぎの日々には、見ている方も
とっても平和でほっとして幸せになる。映像も正方形の画面から始まり、みんなの心が開けてきたときには普通の長方形の
画面になったり、など斬新なんだけど、どれもそこにある感情を効果的に見せてくれて、「斬新のための斬新」がない
のが、思ったよりも親しみやすさを感じさせるのかもしれません。

とはいえ、激しい感情のアップダウンにいちいち心を動かされて、たくさん泣いたせいか、見終わったらなんだか
ぐったり疲れてしまいました(笑)。

バンドネオン奏者の小松亮太が、アルゼンチンタンゴの曲を聞くと「一曲でもうお腹いっぱいで、しばらくほかの曲を聴きたく
なくなる」というようなことを言ってましたが、そんな感じ。
でもね、笑っちゃうところもたくさんあるし、幸せなシーンもけっこうあるし、内容は暗めですが色調は明るいのですよ。
だから最後まで引き込まれて見れるのかもしれない。ちゃんと計算されていてうまいこと泣かされたのかもしれません(笑)。

全然スタイルは違うのですが、この感じ、ペドロ・アルモドバル監督の作品を見たあとの感じとちょっとにているかもしれない。
設定や人物たち、感情も強烈なんだけど、底流にあるのは、恋愛とか家族関係とか、とても普遍的なテーマなのです。
だから、ショックはあるけれど、深く心が動かされる。そこが、似ている、と私が思う理由かもしれません。


監督のグザビエ・ドラン

25歳のこの美しい青年が監督、脚本、制作してます。19歳で監督デビューし、これまでの作品すべてカンヌ映画祭などで絶賛されているらしい。
小さい頃から俳優もしていて、最初の3本は自分も主演です。天は二物も三物も与えるんですね〜。

興味がある方は、監督のインタビューも読んでみてください。
http://natalie.mu/eiga/pp/mommy

この主人公のスティーブ、設定は15歳ですが、なんとなく3歳児の娘と似たような言動をするのです。
突然切れて、まわりのものを叩いたり、泣き叫んだり。本人なりに道筋はあるんでしょうが、まわりからは
わかりにくいし、体が大きいから3歳児の癇癪を起こされると、とんでもない暴力になるわけですね。


ややふてくされ気味。

この前遊びにきてくれたお友達が、認知症のご老人たち相手にアートセラピーをしたりしているのですが、
そういうご老人たちも、なんとなく3歳児みたいな言動をする、と話してくれました。

子供の心って、ず〜〜〜っとみんなどこかに持っていて、それを隠す技術とか見栄とか常識とか分別とかを
「社会人」は身につけることになっているのですね。でないと、「社会」から出されちゃうの。


たんぽぽの綿毛、ふ〜っ。

あれ、私がこの映画で大泣きしたのは、自分と3歳児の娘の関係を見たから、とか???あるいは、母と娘である自分、とか?
あるいは今の自分と3歳児の自分、とか??

まあ、この映画のように、母と息子の関係だと、もうちょっと微妙なゆらぎもでてくるんだろうけれど。

いずれにしても、大好きな映画でした!この監督のこれからの作品もとっても楽しみです!!

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