アラカン新米ママの東京ぐうたら日記

45歳でできちゃった婚、46歳でいきなりシドニー移住&出産、東京に戻り、右往左往のままはや娘は10歳を過ぎ・・・。

東京国際映画祭、終わりました〜!

2014-11-01 01:57:25 | 日記
今日で東京国際映画祭が終わり、グランプリ&監督賞ダブル受賞したのが「神様なんかくそくらえ」というドラッグ中毒でホームレスの若い女性の絶望的な愛のお話です。


「神様なんかくそくらえ」

実はこの映画の監督ふたりと主演女優、俳優さんたちの記者会見、上映後の質疑応答、個別インタビューなどの通訳を担当したので、なんだか
うれしい。とはいえ、一番最初の質疑応答の時には、俳優さんが酩酊状態だったのか、マイクに頭ぶつけたり、マイク落としたり、
Fワード続出のコメントで、かな〜り焦りました。が、終わってから舞台裏で「ごめんね、ああいうつもりじゃなかったんだ」と即座に
謝り、2回目以降も、楽屋で会うたびに「この前はごめんね、許してくれる?」と謝罪モードが続き、舞台でも物静かでとてもシャイな印象。
かなりのめり込むタイプらしく、撮影中は役から抜け出さないままだったとか。すごく繊細な人なのかなあと思いました。


受賞、おめでとう!

主演女優さんの実体験に基づくストーリーで、かなり痛々しい場面が多いですが、同時に冨田勲の音楽が妙にマッチして、不思議にロマンチック
だったりもします。ニューヨークが舞台ですが、いわゆるランドマーク的なところは出てなくて、あくまでもホームレスな彼女たちの視点で
描かれているのも面白い。手持ちカメラ風だけれど、実は1、2ブロックも離れたところから、長いレンズでものすごいクローズアップで
撮影したとか。計算されてるんですね。


会場の一部はこんな感じ。

時間の概念についての映画、と監督たちは言っていました。人間の命は永遠ではないけれど、永遠を求めるが、それは死にしか
ない。でも生き続けなくてはいけないという矛盾。主人公は心の平和と時間からの自由を求めてホームレスとかドラッグに
傾いていくけれど、実はそれは逆に自由を拘束するものであったというパラドックス。また永遠、終わりのない、というのは
呪いでもあり、そこから逃れるために悲劇的な恋愛やドラッグにのめり込んでいく・・・神という永遠、それを求めつつ、拒絶する
人間、そういったコンセプトがもとにあるらしい。ちなみに原題は*Heaven Knows What*です。


「マイティ・エンジェル」

やはり時間の概念を扱っているのが、ドラッグでなくてアルコール依存症の人が主人公のポーランド映画「マイティ・エンジェル」です。
この映画の男優さんは最優秀男優賞を受賞しました。この映画の記者会見、質疑応答の英語通訳も担当したので(本人たちは
ポーランド語を話すので、ポーランド語通訳もつきました)、これまたうれしい。


ふふ、舞台に立ってみました〜!

酩酊状態では、時間は直線的に流れなくなるように、この映画ではいくつもの時間が交錯します。観客の時間の感覚を混乱させたかった
らしい。最後に時間が直線的に流れるころには、主人公は本当に回復しようと決意したことが表れているのかもしれない・・・。
さまざまなカメラワーク、複雑に編集された映像は目を離せないし、たしかに酩酊状態のよう。
そして酩酊状態時に起こる様々な排泄行為もリアルに描かれ・・・いやあ、強烈です!


ティム・バートンの展覧会にもひっかけたハロウィンのディスプレイ。

ポーランドではトップ2位にまでなったという映画ですが、こういう映画に人気があつまる
国ってどんなところよ!?と、夫の故郷ではありますが、まだ行ったことのない国を不思議に思うのでした。


「シーズ・ファニー・ザット・ウエイ」

ドラッグとかアルコール中毒がテーマの映画、さらに登壇する人も酩酊状態みたいな人がいたりして、かなり強烈な日々でしたが、
そんな中、大笑いさせてくれた映画が「シーズ・ファニー・ザット・ウェイ(She's Funny That Way)」という
ピーター・ボグダノヴィッチ監督の映画。
映画の最初から最後まで笑いと拍手が絶えない、なんとも楽しく幸せな気分になります。


オーエン・ウィルソンとピーター・ボグダノビッチ監督

この映画も上映後の質疑応答、個別インタビューの通訳を担当したのですが、なんと2回目の上映後質疑応答に
オーエン・ウィルソンが登壇!初来日だそうですが、監督にくっついて個人的に来たらしい(笑)。
映画で見る通りの、なんとも性格のよさそうな、柔らかな物腰。急に登壇することになったので、事前打ち合わせもなく、
なんだか映画からそのまま出てきたみたいな感じ(笑)。ミーハー的に、うれしかったです、はい!


噴水の向こうで。

それにしても、ボグダノビッチ監督のファンは本当に嬉しかったと思います。質疑応答の時、質問なさる方々は
みんな興奮して「まさか監督の作品を監督と一緒に同じ劇場で観れるとは!!」「16歳の時に初めて監督の作品を
見て以来、映画ファンになり、50歳に至ります」「こんなに大きな拍手のでた映画ははじめてです!」などなど
嬉しさいっぱい、感動、感激で満ちています。映画って、いいなあ〜と素直に思ってしまう!


猫ちゃんもチェック。

夫もこの「シーズ・ファニー・ザット・ウエイ」を見て、とっても楽しかった〜と喜んでいました。
へへ、私が舞台で通訳しているのも見てるし、終わってから、映画について話ができるのもうれしい。
娘も2度ほど会場に遊びにきて、同じ映画祭で仕事をしている司会や他の通訳の人にあったり、
来てくれた私のお友達といっしょにご飯を食べたり、ちょっとしたお祭り気分を楽しんだようです。


んガー!

さて、今週末は七五三のお祝い、その直後にシドニーに向けて出発です。用意しなくちゃ!