おまえはぼくのかたわらで
あきれるほど無防備な姿をさらして
ごろんと横になっている
ときどき手足がひくひく動くのは
楽しく野原を駆けまわる
そんな夢でも見ているのだろうか
まったくおまえときたら
野原を思いっきり駆けまわったことなど
これまで一度もないのにおかしいね
そんなふうに考えるとおまえのことが
とても不憫に思えてくるよ
ねぇ おまえはそうやって
すっかり安心しきって眠っているけど
ぼくといっしょにいて幸せなのかい
おまえのシッポはふと思い出したように
寝ぼけてぽてぽて床をたたいたりするけど
ぼくがおまえにしてあげられることは
おまえがぼくにあたえてくれたものの
ほんの半分にも満たないんだよ
なのにおまえは何の心配ごともないような
おだやかな顔して眠っている
ねぇ
おまえはときおり寝言をいうけど
いったいなにをお話しているの
どうかおまえが
満ちたりた夢を見ていることを
ぼくは願ってやまないよ
★絵:ロメロ・ブリット★ ↓ポチッっとね