べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

ぼくのかたわらでお昼寝している愛犬を想う

2008年09月21日 13時50分08秒 | 掌のものがたり

おまえはぼくのかたわらで
あきれるほど無防備な姿をさらして
ごろんと横になっている

ときどき手足がひくひく動くのは
楽しく野原を駆けまわる
そんな夢でも見ているのだろうか
まったくおまえときたら
野原を思いっきり駆けまわったことなど
これまで一度もないのにおかしいね

そんなふうに考えるとおまえのことが
とても不憫に思えてくるよ
ねぇ おまえはそうやって
すっかり安心しきって眠っているけど
ぼくといっしょにいて幸せなのかい

おまえのシッポはふと思い出したように
寝ぼけてぽてぽて床をたたいたりするけど
ぼくがおまえにしてあげられることは
おまえがぼくにあたえてくれたものの
ほんの半分にも満たないんだよ
なのにおまえは何の心配ごともないような
おだやかな顔して眠っている

ねぇ
おまえはときおり寝言をいうけど
いったいなにをお話しているの
どうかおまえが
満ちたりた夢を見ていることを
ぼくは願ってやまないよ






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