べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

猫がいなくなったと きみはいうけど

2006年12月23日 11時40分52秒 | 哀愁

猫がいなくなったと きみはいうけど

はやく食べないと
せっかく剥いたりんごが色あせちゃうね

猫がいなくなったと きみはなげくけど

季節が日々のいとなみとは無関係に
すぎ去ってゆくよ

猫がいなくなったと きみは泣くけど

あの坂をのぼりきると
青い海が見えるということを知っているかい

猫がいなくなったその夜は

星のまたたくかすかな音が
きみの耳にもとどいたの


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