ハンググライダーの性能を分かりやすく表すために、ポーラーカーブというものが用いられます。
これは、横軸に速度、縦軸に沈下速度を表示していったもので、以下のような表になります。
0から引っ張った線がポーラーカーブに接したところが「最良滑空速度」とその時の沈下速度を表している訳ですね!
ちなみにこのポーラーカーブで風がある場合の最良滑空速度までも知ることが出来ます。
たとえば向かい風が5m/sのとき。
速度の軸を5m/s前に移動して、同じように接線を引けばいいわけですね!
同じように、追い風の場合
そして、2m/sの下降風の場合は
そして、2m/sの上昇風の場合
これらはポラーカーブを使ってその時のベストグライド速度を算出するときによく使われるもので、高度なバリオなどに機能としてつけられているフライトコンピュータがおこなってくれる計算でもあります。
しかし、しかし‥。
これらは、基本となるポーラーカーブがちゃんと正確に測れていなければ、、まったく意味がありません!
で、そのポーラーカーブなんですが、これ、正確に測ることって実はとても難しいことなんです‥。
結論を言いますと、どんなに頑張っても正確には計れません!!!
と、言い切ってしまうと元も子もないのですが、頑張って測定するとしたら、早朝の接地逆転層がしっかり形成されている時などを狙ってやってみるしかないと思います‥。
バリオによっては一度飛ぶだけでデータをとってしまえる機種もあるので、そんな機能は生かしたいところですよね!
また、ポーラーカーブを数値としてバリオに入力しなければならないタイプの機種の場合、
はっきり言って全速度域のデータを正確に測定するのは不可能なので、以前ご説明した最小沈下速度、そして、最良滑空速度、更には高速域の任意の地点のデータの3か所を測定し、
その3点をエイや!っとだいたいの線でつないだものの方が、かえって正確に出来たりするものです。(笑)
ここで大事なのは、バリオの表示する数値は実はとてもいい加減であることを念頭に入れておくことです。
バリオの表示している数値なんて、はっきり言ってなんの信頼性もありません。
バリオ個々の個体差で、結構表示値は変わります。
ですから、たとえ同じグライダーでも、人がとったデータは全く使い物になりません‥。
ポーラーカーブのデータをとってみたいならば、必ずご自分のバリオで取ってくださいね!
今回は小難しいポーラーカーブの使いこなしについてご説明しましたが、実は、こんな手間のかかることをしなくても、一発でどんな条件でもグライダーのベストグライド速度を知る方法があります。
次回はそれご紹介しましょうね!