飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

サンテグジュペリの死の真相…。

2020-01-31 21:24:38 | ロマン飛行(romance of flying )
サンテグジュペリ…。

「星の王子さま」の著者です。

彼は小説家の顔のほかにも、「航空家」としての顔も持っており、第二次大戦にもパイロットとして参加。

アメリカ軍の偵察機を飛ばしています。

このサンテグジュペリの最後は、偵察任務遂行中に、コルシカ島付近での墜落だったのですが…。

この墜落について、「ドイツ機による撃墜説」と、「自殺説」の二つが言われていたのですが、彼を撃墜したドイツパイロットが名乗りを上げ

たため、現在は「撃墜説」で落ち着いています。


しかしこの撃墜説。実は、飛行機を専門的な目で見ていくと、不思議な点が浮かび上がってくるのです…。






サンテグジュペリが最後に搭乗していた飛行機は、アメリカ陸軍のP-38戦闘機を、偵察機に改良したF-

5B
です。



双胴の個性的な形をしていますが、この飛行機、もともと高高度戦闘機として開発されたため、このような独特な形になりました。

高高度戦闘機とは、第二次大戦中、高高度を飛ぶ爆撃機の護衛のため、あるいは、その当時は、戦闘機同士の戦いでは、最初に高度が高かった方が戦

闘を有利に進められるために、特別に開発された機体ことを言います。

なぜ、このような形の双胴の機体が、高高度戦闘機として都合が良いのかというと…。



上の図は、P-38の内部構造を表した図ですが、エンジンの後ろに注目していただきたいのです。

いろいろな機器が配置されていませんか?

これは何かというと…。

高高度を飛ぶために、エンジンに圧縮空気を送るための、ターボチャージャー、インタークーラー、スーパーチャージャー、更に、緊急時に無理やりエ

ンジン出力を上げるためにエンジンにぶち込む水とエタノールのタンクなども見ることが出来ます。

つまり、P-38は、高高度を飛行するために、胴体の中のこれだけのスペースを使って、必要な機器が装備された飛行機なのです。

対する、サンテグジュペリ機を撃墜したというパイロットが乗っていた飛行機は、Bf109



旧ドイツ空軍の主力戦闘機です。

ダイムラーベンツ製のV型12気筒エンジンが積まれた飛行機ですが、見てください。

エンジンの後ろがすぐ操縦席となっているため、P-38のように充実した過給機を積むことが出来ない構造になっているのです。

もちろん大戦後期になると、同じBf109でも「Kタイプ」なども現れて、高高度性能向上型なども出現しているのですが…。

所詮は付け焼刃…。最初から純粋な高高度戦闘機として開発されたP-38にかなうはずがないのです。

つまり、何が言いたいかというと…。

サンテグジュペリの任務は敵地の偵察。ならば、敵に落とされないように目いっぱいP-38の性能を使い切って、ドイツ機が来ることが出来

ない高い高度を飛ぶはずなのです!


本当にサンテグジュペリがドイツ機に撃墜されたとしたら、Bf109が容易に飛べる低い高度を飛んでいたことになるのです!

これはちょっと偵察機パイロットにしては間抜けなのでは?…。と、思えてしまうのです。

ならば、自殺説の方が正しいのか…。

昔は私もそう考えていたのですが…。

実は、「星の王子さま」の物語を読み込んでみると…。

星の王子さまは、この物語の中で、キツネと仲が良くなり(このキツネが、彼の親友レオンウェルトを表している)、このキツネから

本当に大事なことは何かをいくつか教えられているのですが、この会話の中で…。

面倒を見た相手には、いつまでも責任があるんだ。守らなきゃならないんだよ、バラとの約束をね…。

いう会話があるのです。

面倒を見た相手とは、サンテグジュペリの元妻、コンスエロを表しているといわれています。

コンスエロは浪費家だったため、サンテグジュペリは嫌になって彼女と別れて、単身アメリカに亡命。軍のパイロットになったと言われています。

そのサンテグジュペリが、キツネとの会話の中で、「面倒を見た相手には、いつまでも責任がある…。」と言っているということは、

つまり…。

コンスエロとやり直すこと!

を、考えていたといってもいいと思うのです…。

そんな彼が、果たして、そのコンスエロを見捨てて、「自殺」という道を選ぶであろうか…。


そんな疑問が私の中に沸き上がったのです…。

そして、私の中で「これならば疑問の多いサンテグジュペリの死の真相が説明できるのでは?」という一つの仮説に至りました。

その仮説についての説明は、長くなりましたのでまた次回!

コメント (4)
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