読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

人は見たいものしか見えず、見たくないものは見えない、「姑獲鳥の夏」(2005年)

2009-05-06 04:36:45 | 映画;邦画
~昭和20年代の東京、夏。小説家の関口(永瀬正敏)が古本屋の店主・京極堂(堤真一)に「20か月もの間、子供を身ごもっている女性がいる」と相談を持ちかける。(シネマトゥデイ)~

監督:実相寺昭雄
原作:京極夏彦
脚本:猪爪慎一
音楽:池辺晋一郎
撮影:中堀正夫
出演:堤真一、永瀬正敏、原田知世、阿部寛、宮迫博之、堀部圭亮、田中麗奈、清水美砂、篠原涼子、荒川良々、松尾スズキ、恵俊彰、すまけい、いしだあゆみ、三谷昇、寺島進、三輪ひとみ、原知佐子、マギー、阿部能丸、堀内正美、鈴木砂羽

先日、「魍魎の匣」を観て京極ワールドなるものを知り、そのデビュー作の映画作品も観ておかねばなるまいと思いTSUTAYAで手を伸ばしまた。「魍魎の匣」同様タイトルの「姑獲鳥」などまた難しい名詞であります。「うぶめ」と読むらしいのですが、「うぶ‐め」は、「産女/産▽婦」。Yahoo辞書には・・・・

1 妊婦。また、産婦。
2 (「姑獲鳥」とも書く)難産のために死んだ女性の幽霊。また、想像上の怪鳥。赤子を抱いて現れ、通行人に抱かせようとしたり、幼児の泣き声に似た声で夜間飛来して子に害を加えたりするとされる。うぶめどり。

・・・とあります。「こかっちょう」と読めば意味が変わるというのが本作のポイントなので深くは入らないことにしますね。

この「姑獲鳥の夏」は京極さんの「百鬼夜行シリーズ」の第一作ということですが、そもそもこのシリーズとはどんなものなか、チェックしておきましょう。

~第二次世界大戦後まもない東京を舞台とした推理小説。作中に実体として登場はしないが、個々の作品のタイトルには必ず妖怪の名が冠せられており、その妖怪に関連して起こる様々な奇怪な事件を「京極堂」こと中禅寺秋彦が「憑き物落とし」として解決する様を描く。作品内では民俗学、論理学など広範にわたる様々な視点から、妖怪の成り立ちが説かれ、「憑き物落とし」が「事件の種明かし」になることから、推理小説の枠内で語られることが多いが、中には伝奇小説などとする方が見合う作品も存在する(推理小説的な「トリック」自体に意味がない作品)~。(ウィキペディア)

本作には傷痍軍人としての水木しげるさん役で京極夏彦さんが出演していますね。私は作者がヒッチコックばりに映像に登場するのはあまり好きではありませんが、京極さんは違和感がなく映像に入り込んで、しかも演技もそれなりでありましたので、良しとしましょう。


監督は実相寺昭雄さん(1937年3月29日 - 2006年11月29日)、恐らく監督の作品としては、テレビで「ウルトラマン」シリーズで子供心を揺すってもらったのだと思いますが、映画作品としては一本も観ていないと思います。すでに亡くなっていたんですね。

<実相寺昭雄-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E7%9B%B8%E5%AF%BA%E6%98%AD%E9%9B%84

澤田富子役で出演した原知佐子さん。山口百恵さん主演の「赤いシリーズ」(大映テレビ制作)で演じたイビリ役はあまりにも印象的でした。実相寺監督の奥様であったのですね。

<原知佐子-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%9F%A5%E4%BD%90%E5%AD%90

その他出演陣については「魍魎(もうりょう)の匣(はこ)」でもキャスティングされている方は下記の記事で取り上げています。

<主演級の俳優が跋扈するミステリー、「魍魎の匣」(2007年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/9326065142031bdca557b438ac4b748a

永瀬正敏さんについては、下記の記事で取り上げました。

<爪を隠した能ある剣豪とその愛を描く、「隠し剣 鬼の爪」(2004年)>
http://blog.goo.ne.jp/asongotoh/e/e7f0feb2378f68080ad68e94d080fffc

久遠寺涼子、梗子の二役を演じた)原田知世さん。1983年、『時をかける少女』で映画主演デビューし、薬師丸ひろ子さん、渡辺典子さんとともに1980年代の角川映画を支えた「角川三人娘」の一人ですが、なんと時をかけて、41歳になったんですね。

<原田知世-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E7%94%B0%E7%9F%A5%E4%B8%96

その母親久遠寺菊乃を演じたのが、いしだあゆみさん。「ブルー・ライト・ヨコハマは1968年でした。あれから41年。なんと原田知世さんが生まれた年でありました。それにしても、いしださんもう少しふくよかになっていただきたい。

<いしだあゆみ-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%97%E3%81%A0%E3%81%82%E3%82%86%E3%81%BF


紙芝居屋に扮した三谷昇さん。前回取り上げた「蝉しぐれ」でも船頭役を演じて妙でしたが、こうした役でもきちんとこなすのが三谷さんの真骨頂です。

三谷昇(みたに のぼる、1932年4月9日 - )は、「日本の俳優。広島県福山市出身。深作欣二監督は三谷を重用し、1972年の東映映画『狂犬三兄弟』では菅原文太、田中邦衛との3人で主演している。『ミンボーの女』などの伊丹十三監督作品の常連でもあった。日活ロマンポルノから子供向けのテレビ番組まで、仕事の内容で選別せず幅広く出演し、名脇役として活躍」

<三谷昇-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%B0%B7%E6%98%87

最後はナース戸田澄江を演じた三輪ひとみさん。今回初めて知りましたが、私はまさかと思いつつ、てっきり椎名林檎さんだと思いました。「魍魎の匣」で主題歌を唄っていたので、私の脳が勝手にそういう連想をしたんですね。

三輪ひとみ(1978年12月18日 - )は、「神奈川県横浜市出身の女優。江戸川乱歩原作・実相寺昭雄監督の映画『D坂の殺人事件』では小林芳雄少年役を好演した。その後、初主演映画『発狂する唇』で第10回日本映画プロフェッショナル大賞・新人奨励賞を受賞、以後当時の「Jホラーブーム」に乗るかのようにホラー映画に多数出演」。(以上、ウィキペディア)

<三輪ひとみ-Wikipedia>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%BC%AA%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%BF



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